葉擦れ一つ立てることなく佐助の痩身が庭木をくぐる。
甲斐の若虎真田幸村の部下であり、戦場を武士のように駆ける戦忍である佐助は、忍びとして俺ってちょっとどうなの、というくらいに顔を知られている。
敵地でもないのだからそんな必要はないのに忍んでしまうのは、やはり忍びの習性というやつだろうか。
(やだなあ血の臭いがするよ)
くん、と鼻を鳴らした佐助の笑みが、不意にすとんと抜け落ちた。
まだ、子供みたいだった。
びっくりして目を見開いた顔が、どこか己の主に重なった。
甲斐の若虎真田幸村の部下であり、戦場を武士のように駆ける戦忍である佐助は、忍びとして俺ってちょっとどうなの、というくらいに顔を知られている。
敵地でもないのだからそんな必要はないのに忍んでしまうのは、やはり忍びの習性というやつだろうか。
(やだなあ血の臭いがするよ)
くん、と鼻を鳴らした佐助の笑みが、不意にすとんと抜け落ちた。
まだ、子供みたいだった。
びっくりして目を見開いた顔が、どこか己の主に重なった。
「お邪魔しまーす……って、あら?ほんとにお邪魔でした?」
佐助が信玄の部屋の襖を開けた時、まさに信玄が四つん這いにさせた小姓の腰を抱えあげていたところだった。
「おう佐助か。どうした」
さすがに信玄は動じないが、まだ若い小姓はそうもいかなかったらしい。
少女めいた顔立ちを気の毒になる程真っ赤に染めて、逃げていってしまった。
少女めいた顔立ちを気の毒になる程真っ赤に染めて、逃げていってしまった。
「まあちょっと報告に。…
いやあすみませんね」
いやあすみませんね」
佐助の視線の先には、見事にそそり立つ信玄の立派すぎる男根があった。




