※魔王17歳、濃姫9歳設定で初夜
いつまで待てばいいのだろう…
私は胸の中で小さく呟き、ぼうっと襖を見つめる。
ここで待っていろ、とあの方に言われてどのくらい経ったのかわからない。
閨に一人残されているというのは、寂しい。
私に魅力がないのならそう言って下されば、諦めもつくのに…
私は胸の中で小さく呟き、ぼうっと襖を見つめる。
ここで待っていろ、とあの方に言われてどのくらい経ったのかわからない。
閨に一人残されているというのは、寂しい。
私に魅力がないのならそう言って下されば、諦めもつくのに…
美濃斉藤家の姫、帰蝶が尾張の織田家に嫁いで始めての夜。
床の上でちょこんと座る少女がいる。斉藤帰蝶、その人である。
半刻ほど前にこの部屋につれてこられ、それからはずっと一人でここにいる。
辺りは暗く、微かに行灯の炎が帰蝶を照らす。
(…眠いけど…待っていなければ…)
心ではそう思うが、眠気には勝てない。小さく一つ欠伸をして、帰蝶は横になる。
(…来られたら、起きよう…)
ぎゅっと布団の端を掴み、ゆっくりと瞳を閉じる。
床の上でちょこんと座る少女がいる。斉藤帰蝶、その人である。
半刻ほど前にこの部屋につれてこられ、それからはずっと一人でここにいる。
辺りは暗く、微かに行灯の炎が帰蝶を照らす。
(…眠いけど…待っていなければ…)
心ではそう思うが、眠気には勝てない。小さく一つ欠伸をして、帰蝶は横になる。
(…来られたら、起きよう…)
ぎゅっと布団の端を掴み、ゆっくりと瞳を閉じる。
しばらくして、静かに襖が開けられる。
中に入ってきたのは織田信長、言わずと知れた織田家の当主である。
「…帰蝶…?」
座っていたはずの帰蝶の姿が見えず、信長は襖を閉めて床に近付く。
布団に包まり、横になって眠っている帰蝶の姿を見つけ、小さく笑みを浮かべる。
(幼いからな…是非も無い)
信長は枕元に膝をつき、そっと帰蝶の頭を撫でる。
すると帰蝶はピクリと身を震わせ、勢いよく身を起こす。
「危ないな…」
「……上総介様…?」
ゆっくりと信長に顔を向け、帰蝶は小さく首を傾げる。
帰蝶を避けて身を引いた信長は体制を戻し、帰蝶の頬に右手を添える。
「他に誰がいる」
「っ…申し訳ありません…」
その場に座り、帰蝶の顔を自分の方へと向ける信長。
彼に見つめられ、帰蝶はとっさに目を背ける。
若濃2
中に入ってきたのは織田信長、言わずと知れた織田家の当主である。
「…帰蝶…?」
座っていたはずの帰蝶の姿が見えず、信長は襖を閉めて床に近付く。
布団に包まり、横になって眠っている帰蝶の姿を見つけ、小さく笑みを浮かべる。
(幼いからな…是非も無い)
信長は枕元に膝をつき、そっと帰蝶の頭を撫でる。
すると帰蝶はピクリと身を震わせ、勢いよく身を起こす。
「危ないな…」
「……上総介様…?」
ゆっくりと信長に顔を向け、帰蝶は小さく首を傾げる。
帰蝶を避けて身を引いた信長は体制を戻し、帰蝶の頬に右手を添える。
「他に誰がいる」
「っ…申し訳ありません…」
その場に座り、帰蝶の顔を自分の方へと向ける信長。
彼に見つめられ、帰蝶はとっさに目を背ける。
若濃2