戦国BASARA/エロパロ保管庫

姉貴10

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akira

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──こいつは、政宗様に良く似ている。
はじめて『西海の鬼』の姿を垣間見た瞬間、小十郎は無意識にそんな印象を抱いていた。
政宗とは対の隻眼(正確には違うが)を持つ、この大柄な女性が、どうした訳だかとても気になったのだ。
(……だが、あくまで『似ている』だけだ。コイツは、政宗様ではない)
己の中に仄かに芽生えていた得体の知れぬ感情を、多少手こずりながらも押し込めると、小十郎は、小憎らしいまでに不敵な面構えの元親を見据えた。
「アンタは、『竜の右目』を自負しているようだけれど…これだけは覚えときな。アンタの行動次第では、その竜の『左目』すら、濁らせるおそれがあるって事を」
「……ちっとオトコが出来たくらいで、いい気になってんじゃねえぞ。政宗様は、お前と違って相手を吟味してる最中なんだよ」
元親の指摘を否定しきれない事から、半ば八つ当たり紛いの言葉を口にした小十郎だったが、直後、明らかに顔色が悪くなった元親を見て、失言だったと僅かに後悔した。
「……やっぱり、アンタもそう思ってんのか?」
「こ、言葉のあやだ。今のは俺が言い過ぎた」
「──別にいいよ。アンタの言うとおり、俺は政宗と違って、男の選択肢は、本当
に狭いから」
寂しそうに笑った元親は、己の白い手首を擦り合わせる。
「それに……今度ここに来る時には、俺はきっと、アイツに捨てられてるだろうし」
「……?」
俯きながら言葉を続ける元親の姿が、小十郎の目には、何故かたおやかな姫君のように見えていた。

一方その頃。
残された政宗と幸村は、暫し呆然と元親たちの去った方角を眺めていたが、
「ま、政宗ど」
「ゆ、幸む」
互いを呼びかけようとする声が、見事に重なってしまい、ふたりは慌てふためいた。
「ももも申し訳ござらん!な、何用でござるか!?」
「い、い、いいから!お前が先に言えよ!」
ガクガクとお辞儀を繰り返す幸村に、政宗も壊れたカラクリのように、手をぶんぶんと振り続ける。
「そ、それでは…じ、実はそれがし、お館様から多めに使いの日数を頂戴しまして、この度暫くの間、奥州に滞在する事にしたのでござる」
「ほ…本当か?」
「はい」
嬉しそうに頷いた幸村に、政宗は自分の胸が期待に高鳴るのを覚えた。
「な、なら、ウチに来ればいいじゃないか。客間は余ってるし、遠慮なんかしなくてい
いぜ?」
「勿体無きお言葉にございます。ですが、もう滞在先の宿は確保いたしました故、お気
持ちだけ頂いておきます」
「cancelしろよ。こっちの方が設備も居心地も上等だぞ?」
「しかし…今、政宗殿は、元親殿という長曾我部の当主をお迎えしていらっしゃる。そのような場所に、それがし如き一介の武士が、割り込む道理はございませぬ」
「…オマエまで、『小姑郎(こじゅうろう)』みたいな事言いやがって」
「……何だか、字面が違いませぬか?」
「いいんだよ、あんなヤツ『小姑郎』で!」
そう言って拗ねてしまった政宗に、幸村は少しだけ困ったように眉根を寄せた。

「……そのオトコとは、話し合ったのか?」
疎ましい、と思っていた筈の元親が元気をなくしているのを、どうしても捨て置け
ず、小十郎は僅かに口調を和らげると、元親に問い掛けた。
「アイツにとって、俺との会話なんて何の意味もねぇよ。アイツは、色恋沙汰とい
う名の盤上を、俺という駒が上手に動けば、それで満足なんだから」
「戦じゃあるめぇし、んな訳ねえだろうが。お前だって、ソイツを憎からず思って
るから、そういう仲になったんだろう?」
「……判んない」
「判んねぇって…仮にも、契った相手じゃねぇのかよ」
「だって…契ったって言っても……俺、アイツに強姦されたから」

瀬戸内近隣の諸国同士の会合、という名目で、他国の大名達と共に四国に訪れた彼
は、長曾我部の所有する船や重機に興味を示してきた。
彼の家と同盟が組めれば、こちらにも有利に働くと考えた長曾我部の一族は、重機
に詳しい事もあり、当主の元親を案内役に、彼を重機その他の眠る倉庫へと連れて
行ったのだった。
そんな矢先に起こった、突然の出来事。
それまで元親の説明に耳を傾けていた筈の彼は、不意に元親に近付くと、彼女の首
筋に手刀を当てて来た。
思いもよらぬ一撃を受けた元親は、意識を失い、その場に崩れ落ちた。
そして気が付くと、元親は、両手を愛用の武器『八流』によって拘束され、倉庫の
壁際に張り付けられていたのだ。


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