2009.9.26 08:09
小泉政権以降の構造改革路線を「弱者切り捨て」と批判し続けてきた民主党にとって、格差解消を含む雇用問題への対応は最重要課題だ。最低賃金引き上げもそうだが、もう一つ、雇用政策の柱となるのが、非正規労働者の待遇改善を目指した労働者派遣法の抜本的な見直しだ。
小泉政権下の平成16年に施行された改正派遣法は、経済情勢に応じて雇用を柔軟に調整したいという企業の要望に配慮し、製造業への労働者派遣解禁や派遣期間延長などを盛り込んだ。バブル崩壊後の景気低迷で、3つの過剰(雇用、負債、設備)に悩まされていた企業の経営環境を改善する方策だったが、結果的に大量の非正規労働者が生まれ、格差が拡大するという「負の遺産」を残した。
厚生労働省によると、19年度の派遣労働者数は、16年度から154万人も増えて381万人に達した。このうち製造業の派遣労働者数は46万人。最近は、自動車や電機などの製造業で、契約を更新しない「派遣切り」も横行した。
このため鳩山政権は、製造業派遣や日雇い派遣などを原則禁止し、非正規労働者の長期安定的な雇用を実現する考えだ。ただ、7月の有効求人倍率が0・42倍(季節調整値)と過去最低を更新するなど、雇用環境は極度に悪化している。鳩山政権は「専門職制度」を創設し、派遣に代わる新たな雇用の受け皿としたい考えだが、その制度設計次第では雇用不安が解消されない懸念も残る。(会田聡)