2010.12.15 14:11
学生の意欲の低さを問う意見ばかりが目立つ今回の「風」だが、さらに探求を深めて、なぜそうなってしまったのか?も考えたい。手がかりになりそうなご意見をいただいた。
個人事業主として、ある短大の就職支援に携わっているという38歳の男性は、《学生自身が「自分は能力が低い人間である」と自己認識していると痛感しています》という。
《カウンセリングの中で「私は学力が低いので…」「能力が低いので…」「社会の役に立てない人間なので…」という言葉をほとんどの学生から聞きます》
前半のこの部分で、早くも読む手が止まった。今の世の中を生きる若者は、みんなこんなに悲観的なのかと、正直驚き、悲しくなった。私の子供はまだ小さいが、社会人になろうかという子供を社会に送り出す親の身になってみれば、「社会の役に立てない」なんて、こんなに悲しい言葉はないはずである。
《このような現在の学生の心理状況が「草食系」と言われる理由です》という見方も、なるほど、と納得させられる部分がある。
自己評価の低さイコール引っ込み思案-と短絡していいのかどうかはわからないが、新聞社の取材業務は、引っ込み思案では取材相手に顔を覚えてすらもらえない。だから、社内であまり「草食系」の若者を見ることはないのだが、みなさんの企業ではどうなのだろうか。
男性は、このような心理状況にいたった要因として、大学の“供給過剰”状態をあげる。
《半数の大学が定員割れとなり、大学の入学者選抜機能は失われています。企業はそんな大学の学生に採用の門戸を開くことができず、学生も大学選択時にキャリアが固定されることを敏感に感じ取り、「草食系」学生が量産される…》
こうした話でも、親の身からすれば「受験戦争を経験しないですむのなら、むしろいいことかも…」というかもしれない。だがそれが、結果的に競争力のない子供を育ててしまうことになるのなら、果たしてどうだろうか…。《大学とは何か?を検討する時期に入っているのでは?》という、この男性の意見が、強く心に響いてくる。(ろ)