>#contents * 概要 ここでは、エミュレータを使った動画(movie)の撮り方について解説します。 * どのsnesエミュレータを使ったらよいか 選択肢は2つあります。snes9xとzsnesです。 [[TASvideos>http://tasvideos.org]]ではsnes9xを推奨しています。 - snes9x 最もポピュラーなsnesエミュレータです。 非常に開発が活発で、どんどん発展しています。 特に、動画撮影の機能がとても充実しています。 特別な理由がない限り、撮影にはこのエミュレータを使うと良いでしょう。 - zsnes もう一つのポピュラーなsnesエミュレータです。 こちらもsnes9xと同じく、開発が活発です。 しかしsnes9xに比べると、やや後塵を拝する感じになっています。 GUIが少々特殊で、初めて使う人にとっては少し使いづらくなっています。 管理人はsnes9xを愛用しています。 これから先はsnes9xを使うことを前提に話を進めます。 * snes9xといっても色々あるが、どれを使ったらよいか snes9xは海外の人が作った優秀なオープンソースのエミュレータで、 これをもとに多数のsnes9xクローンが開発されています。 その数や膨大で、どれを使ったらいいか非常に迷うと思います。 管理人のお勧めは、snes9x-improvement9です。 これはエミュレータ動画の総本山[[TASvideos>http://tasvideos.org]]発のエミュレータです。 動画撮影の機能が特化されており、この目的のためにはこれが一番だと思います。 [[TASvideos>http://tasvideos.org]]もこのエミュレータの使用を推奨しています。 気をつけて欲しいのは、[[本家snes9x>http://www.snes9x.com]]の最新版(ver1.43)は使わないほうがいいです。 このバージョンになってから、色々と不具合が発生しているからです。 特に、これで撮影した動画があとで再現できないバグは致命的です。 snes9x-improvement9を使いましょう。 * 動画の撮り方(smvファイルの作り方) 以下のような手順を踏んで撮影します。 + ゲームを再生中に、[file]→[Movie Record..]を選択します。 + ムービーファイルの名前をどうするか聞かれるので、適当な名前にします。 + 今すぐ撮り始めるか、リセットした直後から撮り始めるか、どちらかを選択します。 + OKボタンを押します。 + 録画が始まるので、好きなようにプレイをしてください + 撮りたいものが撮れたら、[file]→[Movie Stop]を選択して終了させます。 + 動画ファイル(smvファイル)が生成されています。 なお、デフォルトでは自動的にエミュレータ本体が存在するフォルダ内にムービーファイルが生成されます。 好きな場所に生成したいのであれば、手順2の時に[Browse..]を選択して好きなフォルダを選択してください。 * 動画の再生の仕方 撮った動画を再生するには、以下の手順を踏んで下さい。 + ゲームを再生中に、[file]→[Movie Play]を選択。 + 再生したいsmvファイルを選択してOKを押す。 + 動画が再生されます。 再生の際には、必ずそのsmvファイルが録画されたエミュレータのバージョンで再生してください。 同じsnes9xでもバージョンが違うと、うまく再生されないことが多いです。 再生に失敗すると、どこかでタイミングがずれて動きがおかしくなります。 * 追記(再録画)をするにはどうしたらいいか 動画を撮っていると、思い通りのプレイが出来なくて失敗することがあります。 そんなときの為、エミュレータには失敗する前から撮り直す機能がついていて、それを追記といいます。 この追記を使えば、成功するまで何度もプレイをトライすることが出来ます。 この機能こそが、エミュレータ動画を完璧にするための最重要ポイントです。 追記をするには以下のような手順を踏んでください。 + 失敗を予見し、あらかじめ撮り直すポイントを作っておく。これをmovie snapshotという。 + movie snapshotを作るには、snes9xでは[Shift + F1 ~ F9]を押します。 + 思い通りのプレイが取れなかったら、movie snapshotを作ったファンクションキー(F1 ~ F9のいずれか)を押します。 + [movie re-recorded]と表示され、movie snapshotを撮った時点からプレイを再録画できます。 movie snapshotの作り方は、ステートセーブの作り方(いわゆる、「どこでもセーブ」)と同じであることに注意してください。 録画中には、[Shift + F1 ~ F9]を押すとステートセーブではなくmovie snapshotが作られます。 * すでに撮影したsmvファイルを、途中から撮り直す or 撮影を再開するには エミュレータでは、すでに撮った動画を途中から撮り直す or 撮影を再開することも出来ます。 この機能も、エミュレータ動画を完璧にするための最重要ポイントです。 以下のような手順を踏んでください。 + 通常通り、smvファイルを再生する(このときRead-onlyの属性にチェックがある場合はチェックをはずす) + 撮り直したい or 撮影を再開したいポイントまできたら、追記と同じように[Shift + F1 ~ F9]を押してmovie snapshotを作る。 + smvファイルを再生している途中で、movie snapshotを作ったファンクションキー(F1 ~ F9のいずれか)を押します。 + 再生モードが撮影モードに切り替わり、再録画が始まります。 * (発展)より完璧な動画を撮るには エミュレータ動画を撮るための基本はすでに述べました。 しかし、これだけではとても[[TASvideos>http://tasvideos.org]]で発表されているような完璧な動画は撮れません。 基本操作に慣れてきたら、ぜひ以下の発展にトライしてみてください。 より完璧な動画を撮るには、以下のような方法があります。 - ゲーム速度を落として撮影する - joy2keyを使って、ゲームを一旦ポーズしてから追記する - エミュレータの連射機能を使う - コマ送り(Frame Advance)を使う - smvファイルを直接編集してより正確にプレイをする - ゲーム速度を上げて動画確認を素早く行う - 各種情報を表示させる -- キー入力 -- 再生フレーム数 -- ゲーム内のタイム ** ゲーム速度を落として撮影するには 通常のゲーム速度でエミュ動画を撮影しても、プレイヤーの実力以上のモノは撮ることが出来ません。 逆にいえば、ゲーム速度を落としてしまえば、どんなプレイヤーでも実力以上の神動画が作れるということです。 snes9xには、ゲーム速度を変化させる機能がついています。 メニューにはありませんので、ショートカットキーで操作します。 よく使う機能なので、覚えておくと良いです。 snes9x-improvement9の場合: |ゲーム速度を半分に落とす|「-」キーを押す(「ほ」のキー)| |ゲーム速度を倍に上げる|「+」キーを押す(「れ」のキー)| 通常のsnes9xの場合: |ゲーム速度を半分に落とす|Shift + 「-」キーを押す| |ゲーム速度を倍に上げる|Shift + 「+」キーを押す| 撮影用に特化したsnes9x-improvement9では、ショートカットキーが簡略化されていることに注意します。 ** JoyToKeyを使って、ゲームを一旦ポーズしてから追記するには ただスローダウンしただけでは、うまく完璧な動画を撮ることは出来ません。 というのも、プレイの途中に必ず追記する作業があるからです。 追記するには[Shift + F1 ~ F9]を押さなくてはならず、そのためには一旦ゲームパッドから手を離す必要があります。 その際に、プレイのアイドル状態が出来てしまい、ツギハギのぎこちない動画しか取れません。 これを解消するには、一旦プレイをポーズした上で落ち着いて追記をしなくてはなりません。 |ゲームをポーズする|[Pause/break]キーを押す| しかし、Pause/breakキーを押すにしてもやはり一旦ゲームパッドから手を離すことに変わりはありません。 このラグを無くすためには、ゲームパッドを握りながらゲームをポーズしなくてはいけません。 これを実現するのが、[[JoyToKey>http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se101657.html]]というソフトです。 このソフトは、ゲームパッドのボタン入力をキーボードのキーに置き換えることが出来ます。 これを使い、ゲームパッドの使っていないボタン(例えばR2 or L2)に[Pause/break]キーを割り当ててしまいます。 こうすれば、ゲームパッドを握りながらゲームをポーズすることが出来ます。 管理人は、 L2 ボタンに[Pause/break]キーを、 R2 ボタンに[tab]キーを割り当てています。 ** エミュレータの連射機能を使うには snes9xにはエミュレータ自身に、ボタンの連射機能が付いています。 非常に高速で正確なので、例えばミサイルの連射を最速で発射するにはとても便利です。 また、LRダッシュを使うときにもこれを利用すると便利です。 ちなみに、コントローラ側で連射すると、微妙にラグが生じて最速で連射することが出来ません。 連射に関して、snes9xは以下のショートカットキーを持っています。 |Aボタンの連射|Shift + PageDown| |Bボタンの連射|Shift + End| |Yボタンの連射|Shift + Home| |Xボタンの連射|Shift + PageUp| |Lボタンの連射|Shift + Insert| |Rボタンの連射|Shift + Delete| なおsnes9x-improvement9の場合、これ以外のボタンにも連射機能を持たせることができます。 ** コマ送り(Frame Advance)を使うには スローは正確にプレイする強力な武器です。 しかし、「ここのジャストタイミングで~をする」という時には不十分です。 スローのみを使っている限り、あてずっぽうでボタンを押し「~になってくれることを願う」感は否めません。 そういう時のため、コマ送り(Frame Advance)を使います。 |コマ送り|ポーズ中に[ / ]ボタン(Backspaceの左)を押す| 望みのキーを押しながらこの機能を使えば、次のフレームに望みの動きを作ることが出来ます。 ** smvファイルを直接編集してより正確にプレイをするには smvファイルがただ単にキー入力を保存しているだけなら、直接smvファイルを弄って完璧にすればいいじゃない、という発想があります。 実際にロックマンのTASでは、おそらくこのような方法を用いて最適な動きを実現しています。 しかし、残念ながら管理人はその辺のことについては良く知りません。 関連がありそうなトピックがTASvideosのフォーラムにあるので、興味のある人は覗いてみてはいかがでしょう。 http://tasvideos.org/forum/viewtopic.php?t=3835 ** ゲーム速度を上げて動画確認を素早く行うには smvファイルはシークサーチが出来ません。 これは、smvファイルがただ単にキーの入力だけを記録している、という理由によります。 つまり、始めっから順番に再生しない限り、見たいところまで進まないということです。 見たいところが随分先で、その前のプレイは見たくない。 そんなときは、早送り(Fast-Forward)機能を使います。 これは、ゲームの速度を最大限まで上げ、見たくないところをすっ飛ばしてくれる機能(要は早送り)です。 |早送り(Fast-Forward)モードにする|[Tab]キーを押す| 早送りの速度は、[Option]→[Settings]から変えることが出来ます。 また、[Tab]キーをトグルにするかどうかも変えることが出来ます。 ** キー入力を表示させるには 他の人が作ったsmv動画を見ているとき、「ココの部分はどんなキーを入れてこの動きを作っているんだろう」と思うときがあります。そんなときに便利なのがこのキー入力表示機能です。 入力キーを画面に表示したいときは[,](カンマ)キーを押します。 |キー入力を表示させる|[,](カンマ)キーを押す| ** 再生フレーム数を表示させるには 動画の再生フレームは、動画のある場面を指定するときに便利です。 例えば「25000フレーム辺りではこのようなことをしているが、なんの意味があるのか」というように話すことが出来ます。 再生フレーム数を表示させるには、[.](ピリオド)キーを押します。 |再生フレーム数を表示させる|[.](ピリオド)キーを押す| ただし、このフレーム表示はゲーム内時間とは全く関係がないことに注意してください。 この数字を元に、「この方法の方が~フレーム速い」という風に比べても意味がありません。 プレイのスピードを比べるにはゲーム内時間で比較する必要があります。 ** スナップショットを撮るには 撮影には直接関係ありませんが、結構ワンシーンを画像として保存したいときがあるはずです。そういうときにはスナップショット機能を使いましょう。幸い、snes9xには一発ショートカットがプリセットされています。 スナップショットを撮るには[F12]キーを押します。画像はROMのあるフォルダに、PNG形式で直接保存されます。 |スナップショットを撮る|[F12]キーを押す| ** ゲーム内のタイムを表示させるには 前述の通り、プレイのスピードを比べるにはゲーム内時間で比較する必要があります。 ではゲーム内時間を任意のときに見るにはどうすればよいのでしょうか。 ゲーム内時間というものはメモリ上に記録されており、リアルタイムで変化しています。 ということは、メモリ内を覗いてゲーム内時間を直接見ればいいわけです。 しかし、これを覗くにはかなりのスキルが必要で、実は管理人も良く分かっていません。 ただ、最近簡単にゲーム内時間を見る方法が見つかったので、それについて書きます。 ゲーム内時間は以下のアドレスに記録されています。 - 7E09E0 - Hours - 7E09DE - Minutes - 7E09DC - Seconds - 7E09DA - Frame Count スーパーメトロイドの場合、1時間を越えることはまずないので、残りの三つの数値が重要になります。 そして、それぞれの数値をリアルタイムでsnes9xの画面に表示する方法があります。 手順は以下の通り + [Cheat]→[Search for New Cheats]を選択 + スクロールをして、表示したい数値のアドレスを探す + 見つかったら、それをクリックで選択し、[Watch]ボタンを押す + 複数表示したければ、同様のことを繰り返す + OKを押すと、画面内に希望の数値がリアルタイムで表示されます。 [[gocha's TAS Labo>http://gocha.is.land.to/]]の[[Tools>http://gocha.is.land.to/page/Tools.html]]ページで公開されているSnes9x memory watcherを使うと、ゲームごとに監視する変数を設定したり、変数に対するコメントをつけたりすることができます。 * snes9x-improvement9 のショートカットキー一覧 前述のものと重複するかもしれませんが、snes9x-improvement9 のショートカットキー一覧を書いておきます。 なお、これらのショートカットキーはユーザー側で自由に変えることが可能です。
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