LaSt wAr【光明】編 第四章 第4話 過去ログ

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第三者「まだ見ぬ冒険が待っている的なワクワク感が止まらない♪ヒャッホォ(転送される)」

――――ヴヴ…ッ… ヴヴヴ…ッ…ッ…!!(転送装置が作動し第三者を何処かへ転送しようとしている)

第三者「おやまあさっきとはえらく違って殺風景なこと。…これは何ぞや?(転送装置に触れながらまじまじと見つめている)…このボタンを押せばいいのかなぁ?あははは。ピッ(装置付近の台にあるスイッチを押してみる)」

鼠色の部屋には転送装置と思われる物しか存在しなかった

第三者「(その扉を見て不気味な笑みを浮かべる)ネザリアンだって、人間と同じく好奇心が強いのさ。(部屋へ入り込む)」

―――――【ER.2】 関係者以外立ち入り禁止―――――

第三者「無機質な廊下を歩く~♪ララララ~♪…おやぁん?これまた怪しい扉を発見。」
第三者「(階段をあがり2階に到着)これといって変わったものは見つからないなぁー…。武器会社ならきっとその辺に使えそうなものがあったりしてね。みんなに持ち帰ってやろうかな。(急に上機嫌になって重苦しい空気の漂う廊下をスキップしながら進んでいく)」


ヴィクター「……。(クロスボウを構えたまま、倒れ込んだ科学者を見下している)…ここでもないようだな。(研究室内を目で確認し、その場を後にする)」
科学者「……!なっ、何者――――――ドスッ!! …ドサァ…!(胸部に矢が突き刺さり仰向けに倒れ込んだ)」

プシュゥー…(科学者に反応し研究室の自動ドアが開く。しかしその目の前には仮面をつけた一人男が佇んでいた)

科学者「カリカリカリカリ… ス…(メモ用紙に何かを書き留め、それをデスクの上に貼り付ける)後の事は同僚に任せるとしよう。私も自分のことで手がいっぱいだからな。(独り言を言いながら肩を鳴らし、部屋から出ていこうとする)」

その一方、アームズカンパニー6階の某研究室にて…


第三者「ボォェ(目の辺りにした瞬間吐き気に追われる)き、気色悪ェ… パタン(部屋の扉を閉める)な、なんだ今のは…あんなのがたくさんあるのかね。ここは。(壁に手をつきながら広い廊下を進んでいく) 」

その室内の壁には無数の幾何な数字の羅列が一面に広がっており、埃を被った機械の残骸が散乱していた 」

第三者「(扉を蹴とばし非常口廊下を出る)人がいるとは言え、廃墟なんだよなぁ一応。(不思議そうに傾げながら辺りを見渡し、目に付いた一室に入る)」

バン…ッ! ガッシャーン…!!(広い廊下に薄い扉が吹き飛ばされる)

第三者「…駐車場に新車が何台か停まっていたのを見ると、どうやらまだこの建物は起動を失っていないようだ。(スマホをポッケにしまい込みうす暗く狭い廊下を歩み始める)」
第三者「(アームズカンパニーの、今は全く使われていない裏の非常口を叩き斬って侵入する)ここがかの有名な武器会社かぁ~。(スマホを取り出し何かを検索し始める)……1、2年前に大爆発が発生して以来、ここは廃墟となったんだぁ。(小さな画面の記事に目を通しながら何度も頷く)」




第三者「ムカ おい…って、消えちゃったか。(ヴィクターがたっていた建造物の方をずっと見上げている)……やれやれ、バーゲンセール時は戦場だな。(帽子を諦め何もない町から消え失せる)」
ヴィクター「…前者だがな。ヒュンッ…!(吐き捨てるように言い残し、テレポートを行い消え失せた)」
第三者「…なるほどさっきの"手駒"はボクを抹殺する為に仕向けたんじゃなくて、ボクに激しい運動させて、その反動で帽子が吹き飛ぶように利用したのか。フフッ、てっきりボクは舐められていたのかと思ったよ。」
ヴィクター「―――スタ…(高い建造物に移動する。その片手には、先程第三者が被っていた赤い帽子が握られていた)」
第三者「(しかし大したことを口に出さないとは厄介だな。奴は一体何者だ…?死人を蘇生させる能力者か何かか…??)……ん…?(ふと頭上を見上げる。被っていたはずの赤い帽子が消えていた)」

ズッゴオオオオォォォーーーーーンッ!!!!!(灰色の街の中央部で土煙があがる)

サザエモン「―――――!!!!(頭上を見上げ、大きく見開いた眼に映るのは絶望だけだった)」
第三者「年齢も時代も老いぼれた爺はぽっくりと逝っちまいな。(背後からやってくるサザエモンの猛攻を、視界にとらえていないのにも関わらず後ろへ跳躍して回避し、そして彼の頭上で踵落としを炸裂させる」
サザエモン「――――ブワッ(土煙の中から勢いよく飛び出す)うおおぉぉぉーーッ!!体が勝手に動く!何なんだこれはぁ…!!?(二刀を振り回しながら第三者に接近する)」
ヴィクター「その問いには答えかねる。目的こそ至上なのでな。(土煙が漂う方角を横目で確認する)」
第三者「…キミ、ただのオチビ君じゃあなさそうだね。(ローブを払ってヴィクターの方に目をやる)この帽子に執着する理由は何だ?こうもガチに攻めてくるなんて、キミ自身が純粋に欲しい訳ではなさそうだね。まるで誰かに命令でもされているかのようだ…。」
サザエモン「ぐふっ…!がはぁ…!!ドオオォォーーンッ!!!(瓦礫の山に激突し土煙に覆われる)」
第三者「(何だこれは…!!) ッ――――!(間一髪回避し、隙の生じたサザエモンの顎を蹴り上げてすぐさま胸ぐらを掴んで残骸の山へ投げ飛ばす)」
サザエモン「ヌ――――(棺桶から出現するや否や、背後から取り出した二刀を器用に抜刀し第三者に切りかかった)」
第三者「……!ザザァー…ッ(その場で立ち止まる)」

――――メキメキメキメキィ…ッ!!ボゴォンッ!!!(ヴィクターと第三者の間の地面から漆黒色に光る棺桶が出現する)

ヴィクター「(向かってくる第三者を確認し、クロスボウをしまい込む)。 ………。―――――――パキィーン…ッ!!!(怪しげな呪文を小声で唱え、両手を合わせる)」
第三者「見かけの割にはせっかちなんだね。ヒョイッ(身体を右へ反って避ける)"革命者"の一人であるボクに喧嘩を売ったことをうんと後悔させてやるよ。オチビ君。…ダッ!!(駆け出す)」
ヴィクター「チッ バッ…! ヒュンッ!!(背後からクロスボウを取り出し矢を放つ)」
第三者「何を?w(ゲス顔)」
ヴィクター「…もう一度言う。黙って俺に差し出すんだ。」
第三者「―――――嫌だね。(そう言いヴィクターを指す)キミ、気に入らないな。こぉーんな常識知らずの阿呆には拾った小石も食べ残しのクズも与えてやんねー。ママんところに帰れ。」
ヴィクター「……黙って私に差し出せ。さもなくば貴様もこの町の住人と同じ墓穴に入れてやる。」
第三者「(彼の仮面に隠れた表情を察し、フッと低い笑みを零す)…そんなに欲しいのかい、これが。…まあ、あれだ、ボクの物じゃないし譲ってあげても良いんだけど…。それが人にものを頼む態度なのかな?(ヴィクターを見下すように顎をつき上げる)」
ヴィクター「それを私によこせ。(先程より強調し、一歩前へ歩み寄る)」
第三者「……?(「それ」が分かっているのかいないのか、わざとらしい素振りで辺りを見渡し、そして被っている帽子に手を添える)おや、もしかしてキミもこの帽子が欲しいの?そりゃそうだよねぇ~♪だってこの帽子すっごくオシャレだし、きっと一品物だと思うんだよ。古着屋にも売ってなさそうなくr――――」
ヴィクター「…貴様のそれを私によこせ。(淡白に)」
第三者「……。(その容貌を目にした途端左目を細める)こぉーんなところに足を踏み入れるなんて、キミもボクと同じ変わり種だね。(呑気に話しかけるが、目は笑っていない)」
ヴィクター「……。(第三者の背後で、後ろに手を組み佇んでいた)」
第三者「(一瞬にして砕け散った窓ガラスを受け流すように見下ろす)……あーあー…何やってんだよ。今試着中なんだけど。(振り返る)」

ヒュンッ――――――――――パリィーーンッ!!!(突然第三者の背後から矢が飛んで来て、そのまま窓を貫いた)

第三者「……ヒョイ(帽子…結構オシャレだな。)(なんか自分で被ってみた)鏡、鏡ないかな……お、あった。(元々喫茶店だったと思われる建物の方へ歩み寄る)こーんな廃墟で例の事件が勃発したことは聞いていたが、一体どんな激しい戦いが繰り広げられたんだろうかねぇ~…。(建物の窓を前に、窓に映る自分の姿を確認する)おお、イカす~♪♪」

彼が拾い上げた物は、くしゃくしゃになった赤い帽子だった

第三者「陰惨で単色な光景が続いて目眩がするよ。わはは。(独り言を呟きながら少し大きめな瓦礫を蹴とばす)…これは…。(何かを拾い上げる)」
第三者「ゴゾ、ゴゾ…(灰色の町の中を、足元の残骸を退かしながら歩いている)つい最近まで町だったのにねぇ~…。(辺りを一望)」

~East・C・Land カリレア(現廃墟)~



クイック「はっ。(ガヘリス・・・拙者に抹殺されるのを待つでござるよ。)(去る)」
シュバルツ「よかろう。だが貴様の事は上に伝えておく必要がある。新たな計画については貴様が組織の一員として認定された後だ。では、朗報を待て。(暗闇の中へ溶け込んでいった)」
クイック「女神の事なら何でもするでござる。(隊長殿の話はもう時代遅れでござるよ。)」
シュバルツ「(オリカビ軍…)ああ、例の大戦争に参加していた軍勢の一つか。なるほど裏切ったのか面白い。…クイックと言ったな。これからは我が組織の一員として動いてもらう。」
????→クイック「拙者はクイックでござる。オリカビ軍の部下でござる。」
黒尽くめの男→シュバルツ「クッ、クククク……初代の方々に加担してくれたのか。お仲間はご立腹の様だが、なに、理想郷計画に不信感を抱く者もそう少なくはない。だが忍よ、理想郷計画はもう潰えた。今は我々が崇拝する『第二の女神』が、更なる計画を企てている。忍よ、もう一度我々に賛同してくれるのであれば、手厚く歓迎するぞ。…私の名はシュバルツ。貴様の名を聞こう。」

????「その通りでござる。それも拙者の仲間もその計画が気に入ったでござる。ただ、そうでもないのはガヘリスという者だけでござる。」
黒尽くめの男「(エクロシア……!)……読めたぞ、どうしてこうも過去の女神に詳しいのか。貴様、奴の勧誘を受けて女神側に下った者だな?」
????「拙者が里で旅をしている途中に出会ったエクロシアから聞いたでござる。」
黒尽くめの男「……!貴様、何処でその計画を…?その名は露見されていないはず。」
????「そなたは“理想郷計画(アルカディア・スキーム)”を知っているでござるか?」
黒尽くめの男「私と、手を組むだと?…クカカッ、"女神側の人間"に協定を持ちかけるとは、いい度胸をしている。…話してみろ。」
????「拙者の勘でござる。女神の関係者と言うなら・・・拙者と手を組んでくれぬでござるか?(男に)」
黒尽くめの男「…!……いやいや、これは驚愕の連続。まさか私の素性を見事に言い当てるとは…もしやすると貴様は預言者でもあるのか。まあいい…ああ、いかにも、私は女神側の人間だ。」
????「拙者の前の仲間も同じ忍者でござる。それより・・・そなたは混沌の女神という者の関係者でござるか?(男に)」
黒尽くめの男「ほぉ、これは一興だな。(?の姿を見て鋭い目が丸くなる)この時代にも忍者が実在して、いや、それよりも…その容貌にまず驚愕した。貴様、宇宙人の類のようだな。宇宙人が忍者の真似ごととは…実に面白い。」
????「何故なら拙者は忍者だからでござる。(男の前に着地する)」
黒尽くめの男「…多くの民間人は逃げ去り、逃げ遅れた者は俺の餌食になった。そんな中で貴様、上手く気配を消すことができるようだな。まるで忍者の様だ。(?の方へ振り返る)」
????「・・・。(木の上で黒尽くめの男を観察している)」
黒尽くめの男「……。(血濡れた片手を舐めまわしながら、瓦礫だらけの殺風景な街並みを見据える)…ここにも無かったか。」

新世界、某所にて―――――


シャル「…ァ…ぐッ……! ぁ…キィ…ぁ… …キミ…ぁ…ッ……――――――(意識が途絶える)」

そこには、エメラルドの様に綺麗に透き通った緑の髪を持つ女の子が、ブランコに乗って、静かにシャルを見つめていた

シャル「ハァ……ハァ、ハァ…ハァ…ッ…!」

彼の虚ろな眼に、ある少女の姿が映し出された

シャル「ハァ…ハァ、ハァ… ハァ…ハァ…ハァ…ッ……!」

ドサァ…ッ…!!

シャル「(…今……「死んだら楽になれるのかな」と思った、自分を殴りたい… ……くそ…ッ… ……「死んだら」なんて縁起でもねえ事を…! ……諦めねえぞ…ボクは… ……ボク……は……)」

ドックン…ッ… ドックン…ッ…!!!

シャル「……今……―――――」

ドクン…ッ… ドックン…ッ… ドクン…ッ…!!

シャル「…『彼』には言いたいことが山の様にある。けれどそれが、『彼』の耳に届くことは…決してないだろう…。……あぁ、ボクは無力だなぁ…。誰かの為にして来たことが、結局無駄でしかなかったんだ…。…こんなの、彼女にも、あの頃のボクにも会わせる顔がないよ…。 ポタ……ポタ… ゥグ…ッ…(深く抉られた左腕をぎゅうと押さえ込む)」
シャル「…ボクなら、もしも裏切られたなら…そん時は笑うだろうな…。(ゆっくりと天を仰ぐ。木漏れ日が頬に当たって、小さな笑みが零れる)でも、みんながみんな、そうじゃないから…… …ぅん、だから『彼』は報復に至ったんだなぁ…。」
シャル「(意識朦朧としながら何処かの森の中をあるいている。重い何かを背負っているかのように、足を引きずって、時にぎこちない足取りで進む)…… …… ……信じる者は裏切られる、か…。」



さようならだ、『    』―――――――――

ま、待ってくれ!ボクは…ボクは……!

木を見て、森を見ていない貴様等に解る筈がない。神の真似事をしている人間なら尚更だ。――――信じる者は裏切られ、そして痛みを知る。俺はその痛みを糧に生きてく。

そんなことは――――

下らない、そんな馴れ合いで情が移ればいずれ裏切られる。

そ、それは間違っている…!つらいことや悲しいことを…誰かに打ち明ける事で救われるんだ!たとえ理解されなかったとしても、必ず誰かがキミの支えになってくれる!そうだ、ボクが…ボクが…っ!

人の苦しみは何者にも干渉されない。故に理解されないもの。

黒い球体「(遠くから巨大戦艦を見つめ)……………ヒヒ…… ヒヒヒヒヒ……………(風に乗って戦艦へと飛んでいく 」

ミドビィ「ああ、行こうか。(ジェクランと共に巨大戦艦へと向かう)」
ジェクラン「(ミドビィに向かい)では、私も。」
ワドルディ兵「…!!!(表情が強張る)…は、はッ!!(颯爽と何処かへ走っていく)」
ミドビィ「今すぐ―――――【OVERKILL】全員を『White room』へ呼び集めるんだ。」
ワドルディ兵「……!」
ミドビィ「なら、後の事はウィズがやってくれるだろう。マチェルタについては彼に任せるとして、さて、ちょうどいいタイミングだね。(ワド兵に笑みを浮かべて)」
ワドルディ兵「はっ、恐らくは今頃、幹部の皆様方に連絡が回っている頃かと。」
ミドビィ「まあいい。その連絡は他にも回っているよね? 」
ワドルディ兵「は、はぁ…。(汗)」
ミドビィ「あー…そうか。(苦笑しながら額に手を添え)できればそのまま待機してほしかったんだが、彼女の性格から想定すると恐らく、任務に飽いちゃったのかもね。」
ワドルディ兵「はっ、それが…共に任務へ向かった兵の連絡によりますと、メガイター様は任務を終えた直後に本部へ帰還したとのことで…。(汗)」
ミドビィ「へぇ、随分早かったね。いや、ちょうどいい頃かな。(低い笑い声を零す)今彼女はどうしてる?」
ワドルディ兵「ぁ、はっ!…たった今、マチェルタのメガイター様より一報が入りました!マチェルタ国を占領したとのことです!!」
ミドビィ「まあまあ、ジェクラン。構わないよ。(苦笑)それで、どうしたんだい。」
ワドルディ兵「…!!た、大変申し訳ございませんでした!!(恐縮して深く頭を下げる)」
ジェクラン「…!馬鹿者、ミドビィ様に一声かける際は己の足を一度止めてからだ。(ワド兵に)」
ミドビィ「おや、どうしたんだい?」
ワドルディ兵「失礼します、ミドビィ様!(小走りでミドビィの横へ)」

ジェクラン「いえ、とんでもありません!…はっ。」
ミドビィ「あぁ、すまないね。何もかも君に頼んじゃって。よろしく頼むよ。」
ジェクラン「ニミェミェには私から連絡を回します。」
ミドビィ「…そうか……仕方がないね。(苦笑)"この星は常に揺らいでいる"から、戦艦内で安静にさせておかないとね。後でニミェミェにも伝えておくか。」
ジェクラン「ハイド様は…まだ、昏睡状態より覚めない状況でございます。(伏し目になって)」
ミドビィ「ありがとう。有能な配下がいて助かるよ。 ……?(ふと辺りを右往左往と見渡す)…「ハイド」は…?」
ジェクラン「はっ!お任せあれ。」
ミドビィ「ノヴァはこちらで改造作業させていただくよ。来たる世界への君臨の為に、逸早い完成へと導かせなければ。…そこで一つ頼みがあるんだが、ジェクラン、その作業でも君に指揮をとっていただきたい。…良いかな? 」
ジェクラン「…!ありがたき幸せ!!(再び頭を下げ) 」
ミドビィ「マルクから強奪し、更にはその主さえも手中に収めることで我が軍は更なる力を得た。君を指揮官にして正解だった、ジェクラン。」
ジェクラン「はっ、お言葉をいただき…光栄の至りです。」
ミドビィ「フフッ…既に兵の者から耳にしている。はじめは目を疑ったが…あれは紛れもなく本物。『ギャラクティック・ノヴァ』!("ソレ"をしばらく見つめジェクランに視線を移す)…上等過ぎる手土産だよ。ありがとうジェクラン。」
ジェクラン「……!(そうだ…!)ミドビィ様、アレは――――――――」
ミドビィ「(ジェクランを一瞥し)…確かに、少々遅いなとは思ったけど…まあなに、気にもとめないよ。頭(こうべ)を上げたまえ、大方君たちが何故遅れてきてしまったのか…軍艦の背後にあった"アレ"で察する事が出来た。(満足そうな笑みを浮かべて仰ぎ、"ソレ"を見据えた)」
ジェクラン「ミドビィ様、この度は到達時間に遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした!(跪き、深く頭を下げる)」

未来軍】ミドビィ:総帥

ミドビィ「ブワサッ…!!(黒いマントを覆い、それを片手で払って階段から下りてくる)」

~新世界・某所 未来軍本拠地・外~


レイジェ「あり……いっちまった」
赤コートの人物「でしょうな…orz(ズーン)……はぁ……しかたがない。また明日買いに行きましょうかね…。(とぼとぼ歩いていく)」
レイジェ「え?あー、さっき驚いた拍子でぶっ飛んだんじゃねぇか?(汗)」
赤コートの人物「え、あ、あぁ…こんばんは。(落ち着きを取り戻し、深々と頭を下げる)……??…??…????……ないッ!!わ、私の桜餅ッッ!!!!!!(目玉が飛び出る)」
レイジェ「うおぅぁあ!?(仰天した事に驚きを見せ、軽く刎ねる)…あーえっと……ハロー?大丈夫?」
赤コートの人物「フッフフフフ… ガサガサ(袋の中から賞味期限間近で半額シールの張られた桜餅を取り出す)…食べようか、食べまいか――――ひゅおっ!?(いきなり声をかけられたので仰天)」
レイジェ「うは、すげぇ恰好だなアイツ…(赤コートの人物を遠くからじーっと見つめ、何を思ったか歩み寄る)こんばんは!」
赤コートの人物「ウィーン…(コンビニから袋をぶら下げて出てくる)いや…コンビニにあって良かったです。(満足そうに独り言を呟いている)」

赤コートの人物「(懐から取り出したトッポの箱から、トッポの束を丸齧りする)ボリ…ボリ…… 世にまた"混沌"が戻ることを。フフフフ……」
ダークネス「………。(軽く一礼をして奥へ消えていく)」
赤コートの人物「まあ、まだ騒動が鎮圧された訳ではありません。ボシュンッ(闇を消滅させ)少なくとも彼らは、私の望む"混沌"を、彼らなりに齎してくれた。理想には程遠いですがね。フフフ… だからもう少しだけ、じっくりと見物させていただきましょう。なに、駒が失ったならまた拾い集めればいいだけのことです。クフフフ…クックックッ……!」
ダークネス「…マイテイ人、ですか…。」
赤コートの人物「(腕を肘掛につけて頬杖を付き、手中の闇を超能力か何かで回す)あれだけの駒を利用して尚追い込まれているとは…どうやら相当手荒な扱いをしてくれたようですね。駒を利用した戦いは使い時が勝利の要。一斉の大群を引き連れては犠牲が増える一方なのは当然のこと。いくらヴィクターが指示を出したとはいえ、駒に指揮を下したのはあの一家。となれば、やはり彼もまた…「あの者たち」と変わりようのない、単細胞な訳ですな。(邪悪な笑みを浮かべ)」
ダークネス「ヴィクターの策により、六方軍勢で建物を包囲した上で攻めこむことになっていましたが…思いの他、抵抗勢力により劣勢を強いられている模様。指揮者であるあの男、ロングは標的と定めたの英雄と交戦中とのこと。ヴィクターは遠距離から戦況を伺っている模様です。」
赤コートの人物「…戦況は?(目を細くし、尚闇を見つめている)」
ダークネス「はっ、現在、例の同盟相手の一家と共にカオスホールを襲撃中とのこと。」
赤コートの人物「ええ、只今。(手中に生み出した闇を見つめる)……ヴィクターの方はどうなっています?」
ダークネス「お帰りなさいませ。(奥から出現する)」
赤コートの人物「ブワサ…ッ…! (異次元穴から出現し、ローブを払って空間の中で浮遊している椅子に腰かける)」

闇の異次元世界にて―――――


西園美魚「偶然…ですか。偶然とは、不思議なものですね。 あぁ…結局聞きそびれてしまいました。」
カズネ「うん またね 魔法 教えてくれて ありがとう(見送る)」
赤コートの人物「西園美魚さん、カズネさん、ですか。ありがとうございます。「偶然」で出逢った貴女がたを忘れることはないでしょう。こちらこそ、よろしくお願いします。では、御機嫌よう。(自分の名を明かさずスーパーの袋を揺らしながら去っていった)」
カズネ「そう…なの ありがとう 少し 自信 ついた 私 私は…カズネ 宜しく(お辞儀)」
西園美魚「……私で、よろしければ。西園美魚と申します。以後お見知り置きを。(赤コートの人物に)」
赤コートの人物「昔の話です。フフ… ですが貴女の様に素質ある術者であれば、何も恐れることなどありません。これからの会得にどうぞ自信を持ってください。 ……おや、もうこんな時間か。失礼、貴女のお名前をお聞きになってもよろしいですか?」
カズネ「魔法の教室・・・ そんな 所 あったんだ …うん 魔法は 暴発も 怖いから 気をつける… 私自身が 凍死 するかもしれない」
赤コートの人物「実はこの私、教室を開いたことがあるのですが…貴女の様な年頃の子でも、初級魔法の会得に悪戦苦闘でしたよ。いや、素晴らしい。……その身で冷たさを感じ、己の体温と調和する事で、始めて氷結魔法が使えます。ただし、調和にズレが生じたり、使い方を誤れば己の身も凍結させてしまう恐ろしい魔術です。まあ、氷結に限った事ではありませんので、会得の際には重々お気を付けを。」
カズネ「そう…かな 初級だから できた それに 運も…」
西園美魚「雪…ですか。持っていて正解でした。(雪が傘の上に積もる)」
赤コートの人物「……!ぉお…まさか、一発で会得するとは…。これは驚愕。素晴らしい質をお持ちのようですね。(カズネに)」
カズネ「あっ… 雪 振ってきた… 成功…なの?」

シュアァァ…!(カズネの前方に、雪が展開される)

カズネ「うん 雪の結晶 結成して それから…(ぶつぶつ)…(杖を取り出し、詠唱) ツィッターン!! 」
リヴェンヂ「……否定はしない(美魚に)いや…俺は遠慮しておこう……(赤コートの人物に)」
赤コートの人物「いえいえ。 貴方もどうぞ。(リヴェンヂに箱を差し出し)いい感じですね。……はい、それでは、先程の私と同じ動きで魔法を発動させてみてください。さあ、貴女は上手く出来るでしょうか…?」
西園美魚「…いえ…お礼というものは、いつどのような方に対しても、欠かしてはならぬものです。」
リヴェンヂ「…しかし、ココの連中は魔法が盛んのようだな」
カズネ「瞑想… …。(雪に触れたまま目を閉じ、瞑想)」
西園美魚「これはまた…どなたか存じ上げませんが、ありがとうございます。では…1本だけ。(赤コートの人物に)」
リヴェンヂ「……(美魚を見て)フッ、別に礼を言うこともないさ…」
西園美魚「私に、そのようなお言葉をかけてくださるとは…ありがたく、頂戴いたしましょう。(リヴェンチに)」
カズネ「ぁ お帰りなさい 今…少し 魔法の 取得 してる」
赤コートの人物「いえいえ、お気にならさず。貴女も良ければお一ついかがですか?(美魚にトッポの箱を差し出し)」
リヴェンヂ「……安心しろ! 少なくても気にする奴はいないだろう……そこの青いお河童の女…」
赤コートの人物「ではしばらくその状態で瞑想してください。ただし、平然さを忘れてはなりません。と言うより、その冷たさに体温が吸収されないよう、しっかり己の体に念を掛けてください。」
西園美魚「すみません…少し野暮用ゆえに、場を失礼していました。(戻ってくる)」
カズネ「初級でも こんなに 凄いのね… うん 分かった(雪に手を触れる)」
リヴェンヂ「これが……魔法……?」
赤コートの人物「今のは“ツィッターン”と言う、雪を展開する初級の魔術です。では会得の準備に取り掛かります。まず、先程私が展開したその雪に触れてみてください。」
カズネ「わぁ… もう 冬 終わったのに 雪 振ってきた」
赤コートの人物「分かりました。では、先ずはこの私が手本を…(カズネと距離を置いた地点に移動する)……ブワサッ シュアアァァァ…!!(片腕を横へ振ると、前方に雪が展開される)」
カズネ「うん やっと…慣れてきた かな 氷結 うん 夏の 食べ物 保管に 便利そう… でも まだ 一つも 覚えてない  …教えて 欲しい」
赤コートの人物「はい。貴女の体から魔力を感じ取って、それが神聖だと直感しました。これは、熟練の術者になると自然に身に着きますよ。まあ、私は凡人ですので大したこともありませんが…w いいですよ。そうですね…では、氷結魔法なんてのはいかがでしょう?」
リヴェンヂ「随分と面白そうなことをしてるな……? 少し、見学させてもらおうか……・(両目が赤く光ってる)」
カズネ「す 凄い 見ただけで 分かるの…? え 本当に いいの」
赤コートの人物「そうなんですか?ふむ…見たところ神聖魔法の使い手、のように見えますが?いや、私には分かりますよ。(クククと笑んでる)…私でよければ、一つ術を授けましょうか? 」
カズネ「ふぇー… そうなの 凄い 私 殆ど 一つの属性 魔法しか 使えない」
赤コートの人物「いえいえ。今貴女は育ち盛り故、美味しいものを食してください。……?つかぬ事をお伺いたしますが、それは?(カズネの魔道書を見つめながら)」
カズネ「ぁ 飴玉…ありがとう とても 嬉しい(飴玉を受け取り、お辞儀)」
赤コートの人物「その通りです。フフ…いえ、戯言です。 こうして偶然の中で逢えたのもの何かの縁、お一ついかがですか?(スーパー袋の中を漁り、取り出した飴玉入りの袋をカズネに渡す)」
カズネ「うん 死にたいと 本気で 思う人なんて… 普通は いや 少し変わっていても あり得ない 流行…なのかな」
赤コートの人物「生きたいという願望は誰の物にもあります。たとえ「死にたい」と絶望に浸っていても、本当は心の何処かで「死」を恐れているものです。絶対に変わらない思念というのは、まあまさにその通りですね。ほう、そうですか。この古めかしい格好が…今の流行なんでしょうか。(嬉しそうに笑みをこぼす)」
カズネ「生きたい… それだけは 絶対に変わらない 思念…かな ううん あなたと 同じ風貌の人と あっている だけ…」
赤コートの人物「そうです、貴女は今日まで生きてきた。死ぬか生きるかの二分の一という確率の中で、貴女がたや私は今日まで生きてきた。それは己の「生きる」という選択の元で叶ったものでしょう。運悪く死んだとしても、それもまた偶然なのだから。 はて、何処かでお会いしましたか…? まさにその通りではないでしょうか。」
西園美魚「そうですか…。神が神でないのなら、神とはいったい、なんなのでしょう。人々の想像の産物…とはよく耳にしますが。」
カズネ「最初は 難しい でも 読めれば…とても 助けに なる むー… だとしたら 今の状況も 私の選んだ結果…かな あなたも コート…でも 色 違う」
赤コートの人物「この世に生ける"神と呼ばれた方たち"もまた生けるものでしかない。神などというのは飾り付けの形容でしかない。…フフ、私ですか?名乗る程のものではございませんとも。」
赤コートの人物「生まれた時から必然的な運命を辿るものでしょうか?それが、神が与えたその人の運命ならば、世界の行く末ならば、それは滅びの世界でしかないでしょうに。全ての結果は己が選択するものであり、そこに何かが干渉する事など無いのです。人にせよ、神にせよ。」
西園美魚「本とは、つくづく便利なものですね。あらゆる知識を私達の頭の中に、刻み込んでくれる。 ……どちら様でしょうか。」
カズネ「偶然… 言われてみれば そうかな 皆に 出会えたのも… 偶然 出くわしたのが 切欠…だった」
赤コートの人物「―――――運命とは必然的なものでしょうか?(突然、夜道からスーパーの袋をぶら下げて現れる)それは否。全ては必然という名の「偶然」の循環で生きている。」

カズネ「うん 本にも 書いてあったけど 10人 いや もっと たくさんの 神様 居る…みたい ほかの仕事 忙しい…のかな」
西園美魚「神は…どうしてそこまで、苦難を強いるのでしょう。確か、この世界には…あらゆる神が存在していると聞いています。一度…直談判がしてみたいですね。」
カズネ「うん でも 私は 最初から 決まっていたのかも …最初から 誰も 居なかった…から 今まで 出来事 違っても 自分の身は 自分で護る事 変わってなかった と思う」
西園美魚「戦い……!貴女は、戦いに身を馳せて…いえ…巻き込まれているのですか。何故、そのような… こんなにも幼い子を、戦というものに巻き込んで…神はいったい、どういうつもりなのでしょう。」
カズネ「一人で背負う… ただ… 皆に迷惑を かけないように したい だけ …かな 親戚ですら 無いのに 戦い以外 助けてもらう 気が引ける」
西園美魚「そうなんですか…?ですが、どうしてそのように…なにもかも、お一人で背負おうとするのです。」
カズネ「ううん 誰にも 言われてない 最初 少しだけ 教えてもらった…けど 後は 私一人 覚えているの」
西園美魚「そうですか…。 偉いですね……まだまだ幼いのに。誰かに、躾けられたのですか…?」
カズネ「うん 宜しく 私 カズネ ぁ うん 少し 勉強 してた だけ 大丈夫」
西園美魚「……はじめまして。お初にお目にかかります。西園美魚と申します。 読書の真っ最中でしたか。お構いなく。」
カズネ「うん それに とても綺麗 見てるだけでも 安らぐ程… ぁ こんばんは 初めまして…かな(本を閉じ、お辞儀)」
西園美魚「川のせせらぎは、心地良いものですね…」
カズネ「もうすぐ 卵月 果実も 増えて 少しは 楽になる…かな(川の近くで魔道書を朗読)

今日も何処かで、白い絨毯を踏み鳴らす音が――――――

キセル「…ザク……ザク……ザク……」


―――――――――"幻"(ヴィジョン)に堕ちていたことに

そう 彼女は知る由もしなかった…

ラーヴァ「――――何なんだ…何が起きて……いや、でも…ああ、良い風だ………。(周りの景色を眺めながら歩き始める)」
辺りを見渡せば、そこは何気ない日常の風景。静かな夜道に街灯の光が照らされ、心地の良い夜風が吹いている。

ラーヴァ「――――(はっと呆然としている事に気付く)………なんだ、これは…一体ッ…(煙草をくわえたまま、前髪を掻き上げる)」

気がつくとラーヴァは夜道に呆然と立っていた…煙草を咥えたまま。





キセル「―――――“幻影創生”(イルジェネシス)。」
ラーヴァ「ハハッ…こんな時にご高説とは、余裕だな。だが、得物のリーチはちゃんと把握しておかねば――――ッッ!!?(不意に化け物が出現し、口の中へ落ちる)」

―――――――ズッッッザザザアアァァーーーーンッッッ!!!!!!(ラーヴァの真下から得体の知れない巨大な化け物が口を開いて出現する)

キセル「前ばかり向いていては足元を取られるもんだ。時には下を向くことを勧める、人生においてもな。サンッ(黒刀を横へ振る)」
ラーヴァ「ズザァッ!! (横へ弾かれた槍を高速移動で掴む) なんだ、悪夢だと…!?何を言って―――――ッ!!(なんだと…さっきのアイツは何だ、何だった!?)(焦りの表情が窺える)」
キセル「何を寝ぼけた事を…悪夢でも見て驚いたか。カキィンッ(槍を、鞘で正確に横へはじき返した)――――"そこに俺はいない"。(足元を指すとそこには残骸しかなく、それ以外のものは雪しかない)」
ラーヴァ「なっ――――(咄嗟に振り返り、キセルと目が合う)ゾクゾクッ(こいつッ…ふざけるな、ヤツが二人だと……!?)――――大人しくやられていればいいものをッッ!!!(キセルを狙い槍を投げる)」
キセル「――――――ズアァッ!!ズバァァンッ!!!!(凄まじい斬撃で十文字にキセルと地面を斬って現れたのは…もう一人の「キセル」だった)……。(ぱらぱらと落ちていく地面の小さな残骸の隙間から、あの眼光が再び露わになる)」
ラーヴァ「………(槍を構え、動かなくなったキセルをしばらく注視し、臨戦態勢を解く)…死んだ、か。悪く思わんでくれ…これも少年少女たちの為だ(踵を返し歩いていこうとする)」
キセル「―――――!!(鋭く隆起した地面により胸部に大きな風穴が開く)……パサァ…(手に持っていた黒刀を手放し、ぐったりと動かなくなる)」
ラーヴァ「―――……ッ!?(位置が転換され、驚愕する)……くっははは…成る程。やるじゃないか…この速さに反応できるとは。(振り返り、冷たく鋭い眼光と目が合う)ゾクッ(…震えか、今のは…この私が…?)私を獣と一緒にしないでくれるか、獣の臭いが移ったらどうする?……グレイヴッ!!(キセルの足元の地面が鋭く隆起し、キセルを貫かんとする)」

VS 混沌神下七神衆【キセル】

キセル「…“転送能力(トランスファート)” 。シュピンッ (キセルとラーヴァの位置が転換する)…獣は獲物を前にして理性が狂う。お前はどうだ。(氷柱の様に冷たく、鋭い眼光がラーヴァを突き刺す)」
ラーヴァ「ほう、奇遇だな……面白い――――ッ!!(瞬間移動とも取れる規格外の速さでキセルに接近し、槍で突こうとする)」
キセル「…それはお互い様のようだな。(目を細める)」
ラーヴァ「……こんなまたと無いチャンスに出くわすとは、私も少し驚いていてな……うかうかと見逃すワケにもいかん(たばこを指でつまみ、携帯灰皿につっこむ)…君が居ると、色々不都合があるんだ。(豪華な装飾が施された長い槍を空間から出現させ、キセルに)」
キセル「ザク……ザク……(白銀世界の中から歩いてくる)…ザク…ザク、ザク… ……。(ラーヴァに応えたのか、歩みが留まる)」

ラーヴァ「(ぴくりと眉を動かし、煙をふかして正面を見据える)……噂は聞いてるよ(声を投げかける。ちなみにラーヴァは女性)」

夜空からぽつりぽつりと、季節外れの雪が降る…

ラーヴァ「(一方、とある場所にて)………嫌な風だ…(たばこを咥え、夜道を歩いている)」

季節外れの雪が止む…

キセル「―――――ギュォォォォ…ッ…(空間が歪み出し、元に戻った頃には消え失せていた)」
キセル「ザク……ザク………ザク…………(歩みを留める) ……新世界か。(面倒だ…こんな時に。)」

―"女神"より伝達  これよりサングルと合流し、【エリア5】へ向かえ。後の事はサングルが説明してくれる―

キセル「ザク……ザク……(紙きれを受け取り、歩きながら目を通す)」
黒尽くめの男「ス…(ポケットから紙きれを取り出し、すれ違いざまにキセルに手渡す)ザク…ザク…(そのまま通り過ぎて闇世へ消えていく)」
キセル「……。(向かってくる男の方へ歩む)」
黒尽くめの男「ザク…ザク…ザク…(両の手をポケットに入れ、キセルの方へ歩いてくる)」
キセル「…ザク……ザク…… ……。(目だけを動かし辺りを見渡す)……。(ここもハズレか。)」
キセル「ザク……ザク……(白銀世界の中を歩いている)」

季節外れの雪が降る…


マルク「…ケケ……??お、おぅ…。(ぎこちなく頷く)」
ケケ「はぁー……まあいいわ。(呆れ顔から、ふとマルクを一瞥する。少し、哀しげな目をして…)……そうと決まれば早速。ガタッ でもその前に、大事な話をしたいからついてきなさい。」
マルク「わっ、そ、そんなにたくさん…分かんなくなってくるのサー><」
ケケ「どんな事にあっても自分の理性を失わない事。英雄になると決めたからには自分の立場を弁える事。女として、それなりのモラルを正す事。野次馬からどれだけ貶されようが欺かれようが、自分の信念を貫き通す事。私や他人の忠告は聞き入れる事。いいね?(ずけずけと言う)」
マルク「ぉ、おう…!」
ケケ「(つられて口元が緩む)(この娘の目…あの時と同じだわ…。)言ったわね。ならこの先想像以上に苦しい現実を味わってもらうわよ。すべてはあんたの為だからね。泣き言、戯言は許さないわ。」
マルク「元よりそのつもりで、ケケとここまで来たのさ。後悔なんて糞喰らえなのサ!(不敵な笑みを浮かべる)」
ケケ「…言っておくけど、"もう後戻りはできない"わよ…?」
マルク「(顔を上げる)――――やってやるのサ。(その紅蒼の瞳には一切の迷いが消えていた)」
ケケ「……?」
マルク「………やる…。(呟く)」
ケケ「………(黙然と見つめる)」
マルク「………カチャ…(握っていたナイフとフォークを円卓に置いて俯く)」
ケケ「目的を忘れた訳じゃあるまいでしょ?あんたの「本体」を助ける為にも、その「本体」から授かった最後の願いを叶える為に、『あいつら』と戦うんでしょ?私はあんたの味方だけど、後押ししかしないしそれしかできないわ。あの時、あんたが覚悟を決めて脱出を決意した様に、私の助言を拒もうがそうでなかろうが、協力者をどう増やそうが、すべてはあなた自身が決めなさい。」
マルク「……でも、ボクには……。」
ケケ「はぁ… あんたの「本体」が暴れて一躍有名になったことと同じことをすればいいだけよ。勿論悪事は駄目だけどねー。(舌を出す)見ず知らずの少女から「一緒に戦って♪」と言われて協力者がほいほい出てくるものですか。強いて言うならロリータ辺りのどーしようもない男ばっかさ。あんたがこの世界で有名になればいいのさ。単純なことだと思うけど、非常に難しいわよ。」
マルク「うっ…(た、確かにケケの言う通りなのサ…。)」
ケケ「それはあんたの「本体」のことでしょ?アンタを一目見てあの「マルク」と感ずけるのは、彼に大きく関わった人物、即ちポップスターの住人だけよ。でもここはケイオス。分かる?星を出てしまえばアンタを知る人物は全くいないのよ?勿論私のことだってね。」
マルク「そんな…で、でもボクはポップスターで悪事を働いたことで(悪い意味で)有名になったのサ。それに、あの蝸牛(エスカルゴン)だってボクの名を……」
ケケ「協力者の要請を求めてもうすぐ一カ月…。いい加減に集まらないのは、マルク、あんたのことを知る人物がまったくいないということよ。」
マルク「はあ!?(゜ロ゜ )」
ケケ「そうね……でも、良いことを思いついたわ。あんた、英雄になりなさい。(唐突)」
マルク「……ボクとは反対なのサ。プルプル…」
ケケ「驚いたことに、その英雄に選ばれた人物は超人の人間だけとは限らない。一般の青年にカービィ族に猫、更には生きた兵器までもが英雄視されてるわ。"彼らの言動と行動は周囲に大きな影響を齎し、出逢って間もない他人を味方につけるという不思議な力を持っている"…とういう、筆者の言葉ね。ふーん…。」
マルク「モヒ( ・ω・c)モヒ なに?(ちょっとだけ反応)」
ケケ「(こんなはしたない姫君がいてたまるものですか。)(汗) 「英雄」…それはこの世界、即ちケイオスを侵略者や悪環境などの災厄から救った人物を指すのね。それってもしかして、この世界においてかなりの有名人なのかしら…?」
マルク「えーゆー…?プリンセスになるボクには関係ないのサ。o口(・∀・ ) ゴクゴク」
ケケ「これには…「英雄」について書かれてあるわね。」
マルク「なんて書いてるのサ??(゚~;゚ )ムシャムシャ」
ケケ「こらっ、行儀の悪い…。……これはね、数ある歴史書の中でも最近に書かれた物だわ。さっき図書室から借りてきた。」
マルク「(こわっ…!)モヒモヒ………?ケケ、さっきから何読んでるのサ??(ナイフで指して)」
ケケ「(#゚,_ゝ゚)<焼却(や)くぞゴルァ」
マルク「はははっ♪ケケ真っ赤なのサ♪(けらけら笑っている)」
ケケ「……。(//゜0 ゜//)スー…(静かに着席)」

ザワザワザワザワ…(何故か周囲の視線がケケに一点)

ケケ「やめろぉーッ!!щ(゜ロ゜щ)ガタッ 」
マルク「こういうズボラ飯はアリなのサ♪♪」
ケケ「あーもー!マナーのなってない娘!その持ち方は"ない"でしょー!?それと調味料使うのは勝手だけど、遊び半分(少なくともケケにはそう思える)でゲテ物つくるんじゃないわよ!(汗)」
マルク「んむぅ… ボクには関係のない事サ!カチャカチャ」
ケケ「(対席である薄い書物を読んでいたが…)…アンタ、ルックスの割には結構食欲旺盛なのね。ていうか、もうちょっと静かにお食べ。一応ここは公共の場なのよ?(汗)」
マルク「あむ、あむ んにゅ… モヒモヒ あむ、あむ…(円卓の上はバイキングのビュッフェコーナーからとってきたありとあらゆる料理で広がっており、黙々と平らげている)」

~カオスホール・食堂~

マルク「やめろぉーッ!ヾ(。゚ □゚ )ツ」
ケケ「……そうね、そうしようかしら。ゲシゲシゲシ(マルクを蹴飛ばしながら歩き始める)」
マルク「えへへへー… ね、ねえ…?せめて、ご飯食べてからにしない…??」
ケケ「…… …… (ノc_,・;)ハア…」

グゥ~…(マルクから腹の虫が鳴る)

ケケ「アンタ話聞いているの…?(呆れ顔)」
マルク「ぎゃぁー!ヾ(。゚ □゚ )ツ 今度は何なのサー!(`O´*)」
ケケ「……ゲシゲシ(蹴り飛ばす)」
マルク「(はぁ…お腹空いたなぁ。あのカオスホールってところの食堂のご飯美味しかったなぁ~…。)」
ケケ「うーん……確かにねぇ。初めてこの世界に訪れた際に出逢ったあの娘たちの反応もまずまずで、半信半疑な様子だったもんね。可笑しいわね、未来軍の本体がこの星の何処かを拠点に活動して、世界に恐慌を齎しているはずだから…協力者の一人や二人、集まってもいいと思うのだけど…。(人差し指を顎にあてて)」
マルク「そうはいってもサ…みんな、ボクたちの話を信用してくれないしサ…。(´・ω・`)」
ケケ「あんたねぇ、呑気に寝ている場合じゃないでしょうよ。早く協力者になってくれそうな人を集めないと。」
マルク「ぎゃぁー!ヾ(。゚ □゚ )ツ な、なにするのサー!(`O´*)」
ケケ「あ、ごめん。ゲシゲシ(わざとらしく横たわったマルクを蹴とばす)」
マルク「はぁ…もう歩き疲れたのサ…。(ばたーっとふかふかの野原に仰向けに倒れる)」

~某所~

漆黒の騎士「……貴様が知ることではない。(古酒に)」
古酒「……あんた一体何者なんだよ? 混沌神下七神衆しちゃ ドロ臭くねぇし……」
漆黒の騎士「…とりあえず一時は凌げた。しかし自然災害ゆえ、またいつ訪れるか分からぬ。…用心しておくのだな。」
古酒「なっ!? マジかよ……(目を開いて光景を見て目を丸くする)」
漆黒の騎士「……目を開いて構わん。」
古酒「(なんだ? 何かがぶつかる音 砕く音)」
漆黒の騎士「…… スッ、シャキ… ブォォォンッッッ!! ドッッッシャアアアアァンッ(腰から神剣エタルドを抜き、掲げて勢いよく振り降ろす。すると凄まじい衝撃波が放たれ、それが雪崩を粉砕していく)」
古酒「あぁ~~ん? 一体何の真似だ!?(といいつも目を閉じる)」
漆黒の騎士「……では、力を貸そう。…目をとじていろ。」
古酒「それができたら苦労なんてしねぇよ~!」
漆黒の騎士「…時は、近い。…なるべく遠くへ、離れるがいい。」
古酒「なっ!? くそっ!こんな時に!?(雪山を見て)」
古酒「地震……?(地響き)」

ゴォォォォォ……!!(どうやら雪崩が襲来しているようだ)

古酒「悔しいが……ココは降参させてもらうよ?(ココで死んだら 元も子もねぇしな~?)」

ゴゴゴゴゴゴ…(地響き)

漆黒の騎士「ならば…どうする。このまま私にやられるか、それとも……大雪の前に平伏すか。」
古酒「バカ言え……こんな状態で戦っても勝てると思うほど…馬鹿じゃねぇよ~? それ…に」
漆黒の騎士「ほう… この場で戦うか。だが… もう少し周りを把握しておくことだな。」
古酒「どうするもこうするも もし、アンタが味方なら嬉しいだが? どうせ、アンタも敵なんだろう~!?(よろつきながらも立ち上がって騎士に目を向ける)」
漆黒の騎士「…感謝しよう。(舞慟に) ………さて、どうする。(古酒に)」
舞慟「フォウフォウ……(構えを解く)…主の好きにせよ。(そう言いびゅうびゅうと吹きつける吹雪の中に消える)」
古酒「ドバッ!!グハッ!(雪壁にぶつかってそのまま雪の中へ埋まる)クソッ!!いってぇぇぇ~!!(雪山から顔を出す)」
舞慟「(その発言と同時に表情に笑みが消える)キェェエエーイッ!!!!(古酒を拘束した状態で鎖を振り回し、雪壁に向けて強く投げ飛ばす)」
古酒「……やれやれ……今度は騎士さんのおでましかよ 次々ついてねぇな…俺も」
漆黒の騎士「……この男(古酒)、私に預けてはもらえないか。(舞慟に)」
古酒「ハァ……ハァ…ハァ…こ…断ると言ったら?(こちらも笑みを浮かべる)」
漆黒の騎士「ふ…。(古酒を見て)」
舞慟「フォーフォー…命乞いをせよ。…さすれば主を解放してやる。 この先の地には…誰一人として通させはせん。(不気味な笑みを浮かべる)」
古酒「なっ!?グアッ! てめぇぇ?何の真似だ!?」
舞慟「フォフッ、フォォフウッ!! バッキャンッ!!(最後の一撃でガードを崩し、その隙をつき鎖で拘束する)」
漆黒の騎士「 シュィィィン…!! ………(古酒の近辺に特殊なワープで出現してくる)」
古酒「(コイツ!? チィ……不味いなぁ…)(崩れかかる)」

バキッ、バキィンッ!!バキャッ、バキィンッ!!!!(鎖による激しい攻撃が、古酒のガードを崩そうとしている)

古酒「ほぉ~らやっぱし!?(水剣でガード体制)」
舞慟「ボフン――――(その途端、古酒の背後の足元の雪から出現する)キィエェーーェイッ!!(鎖を狂喜乱舞に振り回し、激しい攻撃を行う)」

古酒「(しかし 少しあっけない気もするが……まぁいっか!)」
古酒「かぁ~~久しぶりやったから あちこちが刺激的だぜ…?(右腕から流血して氷の破片が刺さってる)」
舞慟「フォォッ!?(抵抗なく吹き飛ばされ、雪壁に激突し埋もれる)」

ズドォォォォンンン!!!(タックルした時の音)

古酒「今だ!水龍ブレイク!!(スキを見て水龍を自分の右腕に移植させて右腕を敵に構えてタックルする)」
舞慟「……!!(崩壊した地面に足を取られる)」
舞慟「スンスンスン(向かってくる水弾を、あたかもどの位置に飛んでくるのか分かっているかのように回避していく)チャリン…キュララ!!キュララララッ!!!!(両手をクロスさせ、水平に伸ばすと二つの鎖が蛇のようにくねりながら古酒に向かって襲いかかる)」
古酒「凍りやがれ!! 絶対零度!!!!(ばらまいた水弾が凍り初めて足場が崩す)」
古酒「どうする……ええい!!(無数に水圧を利用した水弾を辺りにばらまくように撃つ)」

バキァッ!!! …ズズズ……(鎖による一撃で、古酒の木が折れて転倒する)

舞慟「フォフォフォー。 ビュンッ、ブワァッ!!!(装着している鎖を大きく振り上げて回し、古酒のいる木の根元に向けて投げ飛ばす)」
古酒「!?いきなりかよ!?(慌てて逃げるように木の上に大ジャンプ)」
古酒「さぁ~て!? どう言う意味か説明してもらいたいなぁ~?」

VS 混沌神下七神衆【舞慟】

鎖の男→舞慟「チャリ……(両手をぶらりと前へ突き出し、ゾンビのように襲い掛かる態勢に入る)…我が名は舞慟(まどう)…。【混沌神下七神衆】、その一員也……!(前髪で隠されていた赤眼がギロリと古酒を睨みつけると、猫背になって襲い掛かる)」

モア「クワッ!(外されて指示通りに何処かへ行く)」
古酒「モア!お前は先に行ってろ……(モアから降りて逃がすようにリードを外す)」
鎖の男「…チャリ… この先には… …チャリ…(ゆっくり、ゆっくりと歩み寄りながら話しかける)…「あの方」の大層気に入った… チャリ…チャリ… 場所がある… チャリ… 我は…その番犬也…。 チャリ…」
古酒「(うわっ…気味悪っ! 一体、どこのどこぞのおっさんだ?)」
鎖の男「チャリ…チャリ…チャリ……(古酒の向かい側から姿を現したのは…手首手足に鎖が装着された、白い前髪が以上に長い不気味な男だった)」
モア「クワッ!」
古酒「なんだ?なんだ? とうとう、お迎えが来たかぁ~?(ぇっ?」

チャリ…チャリ……(吹雪という真っ白く何も見えない世界に、引きずる様な金属音が微かに鳴り響く)

モア「クワッ!」
古酒「どっち見ても吹雪いて見えねぇ……こりゃ、ちょっとヤバいなぁ~?(やっぱ、あん~なフザけた仕事受けるじゃなかったぜ!?)」
モア「クワッ!クワッ!クワッ!(古酒を乗っけて吹雪の中を歩いてた)」
古酒「たっくよ…!!! 一体何だ~?」


ジール「(一部始終を遠目で眺めていた)……ひゅう、始めてあった時から純粋に見えてイかれた奴とは思ったが、よもやここまでとはな……今回ばかりは、神に感謝しなくてはな……予定通り消してくれて…」

サングル「誇るといい、お前の死が、お前の力が…理想郷創造の為の糧となったのだから。(立ち上がり、遺体を跨いで何処かへ歩いてく)」
サングル「(だが、こいつの使用した炎は逸品級だ。これは是非とも拾っておきたいものだ。)ス…(遺体からドクドクと溢れだす血液に手を触れる)ギュゥィン……!(掌が掃除機の様に、一瞬にして"すべての血液"が吸収された)」
サングル「ドプ…ドププ…ッ…(地面から溢れ出た血液が集結し、元の姿にへと変成される)…非力な小僧だと侮っていた。これが……歴代の猛者たちの恐れた、抵抗勢力の真骨頂とも呼べる"力"、か。(少年の遺体を見下している)」




リオ「……(業火に包まれながら微笑む)エリス、今行くよ……(やがて炎に包まれ、見えなくなる)」
サングル「ぐ…ッ…――――――!!!!(業火の火柱に飲み込まれ、跡型も無く消滅した…)」

カ ッ (燃え上がった炎は一瞬の閃光の後、夕日のような光を放つ火柱となった)

リオ「けどそれで良いんだ、僕は物心付いた時からそうだった…。それ以外の生き方なんて無かったし、今、なぜか清々しい気分だしね…。主の幸せこそが至上の喜び、それが…僕の人生、僕の選んだ道だ!(指を鳴らし、円に囲まれた場所が激しく燃え上がった…)」
サングル「(擬似生物が真っ先に消滅した)……(あのような小僧に、こんな力が…ッ…!)」
リオ「……僕は何時もそうだ…何時も誰かの側に仕えて…何時も何時も、気持ちを伝えられない……。でもそれしかないんだ、それ以外の生き方がわからない、自分のために生きようとすら思えない…ス…(右腕を高々と掲げ…力を集中させる)」
サングル&擬似生物『……!!!(圧倒され瞬く間に日のアーチに包囲される)』
リオ「くくっ……生きる理由を見失った奴の末路よ…笑いたければ笑え…!業火の中でなァ!(リオが逃げた道筋が燃え上がり、サングルを囲んだ巨大な火のアーチが出現する)」
サングル「(血だまりと灼熱、赤く熱い空間が一体に広がったの横目で確認した)……。」

ドシャッ……ゴォツ!(落とされた腕が一気に辺り一面が燃え上がるほどのエネルギーを発する

サングル「ザッ…ザッ…ザッ… ………。(擬似生物の隣に現れ、リオの様子を見下すように伺っている)」
リオ「……(血だまりのの中うつ伏せに倒れている)そうだ……どうせ…もう、失うものなんて無いんだ…(力を振り絞ってナイフを握り閉め)……だった…もう恐れるものは何も無いじゃないか……!これしきのことで…これしきのことでぇぇぇぇ!(使えなくなった左腕を自ら切り落とす)」







――――――――――ブシャァ…ッ…!!!(夕闇の空に、赤い飛沫が舞いあがった)

リオ「……ツ!(擬似生物を目の前にして青ざめ、これまでの記憶がフラッシュバッグした)……ハハ……ハハハハハッ…!」
擬似生物「トッ…トッ……(うねり声を鳴らしながら徐々にリオとの距離を縮めていく)」
リオ「…ドサッ… ハァ…クソッ…あと…少しだったっていうのに…!こうなったら力付くでも【円】の中に……?(噛みつかれた左腕がダラリと垂れ動かない)」
擬似生物「ガルル…ッ!!(強靭な顎による激痛は凄まじく、並の野生動物とは比にならない)ブオンッ!!(左右に揺らした後リオを遠くへ放り投げた)」
リオ「良し…ここらで仕上げを…!?(咄嗟に左腕を翳し喰らい付かれる)ッ……!うぁ……アアアアアアァァァ‼(噛みつかれ悶えながら地を転がる)」
擬似生物「ドッ、ドッドッ、ドッ、ドッ…… ダンッ!グルァッ!!(ある程度して地面を思いっきり蹴りつけ跳躍し、再びリオに食らいつこうとする)」
リオ「(追って来いサングル…!目にもの見せてやる!)ほらほらこっちだよォー!(旋回しながら逃げ続ける)」
擬似生物「…グゥ?ドッ、ドッ、ドッ…!(荒々しい走りでリオを追跡する)」
リオ「うっそ…!(軽快に飛翔し、頭を蹴って踏み越える)スタッ… やみくもに焼いても歯が立たない…ここは……!(ケルベロスに背を向けて駆け出した)」
擬似生物「(二匹は消滅すると再び液体化し、残りの一匹と結合した)グググ……アオオォーーンッ!!!(体が一回り大きくなり、胴体から二頭の首が生えてきた。その姿はケルベロスさながら)ドッ、ドッ、ドッ…グバァッ!!(荒々しい駆け出しからリオに食らいつこうとする)」
リオ「チィ…!(剣を横に振り抜き2体の首を跳ねる)キリがない…!そもそもこれダメージを与えられてるのか!?」

ドドドド…ドッシャアアァァーーーン……ッ……!!!(体は瓦礫に埋もれてしまった、が……)―――グニュン…グニュニュン…ッ… ブパァッ!!(赤い液体がその瓦礫の節目から溢れ出て、それが三つに別れると三匹の犬を模した擬似生物が生成され、牙を向いてリオに襲いかかった)

リオ「まだだ、奴はまた再生する! ヒュン……ガガガガガァンッ!(崩壊した岩盤の破片を鷲掴みにして発火させ残った体に投げ付ける)」
サングル「―――――! ドッパァッ!!(顔面が血液となって激しく飛び散り、やがて残された体はうつ伏せに倒れ込んだ)」

ドォンッ(掌が触れた部位が爆発する)

リオ「!……っ(接触した!今だッ!)ブォンッ(押さえ付けられながら掌底をサングルの顔面に叩きこみ…)」

ガララララ…ッ…!!!ズドオオオォォォーーーーン……ッ……!!!!!(岩盤が崩れていく)

サングル「ドン…ドッシャアアァァーーーンッ!!!!(一気に間合いを積め、岩盤に叩きつけられたリオの顔面を踏み、そのまま岩盤が崩壊する強度で押し潰す)」
リオ「速ツ…っぐ、ああっ!(猛攻を成す術なく喰らい岩盤に叩きつけられる)」
サングル「シュンッ―――――ドゴォッ!(爆発的な脚力により一瞬にしてリオの懐に潜り込み、アッパーカットによる一撃を腹に叩きこむ)…行くぞ。ドッ、ガガッ!ドゥンッ!!シュンッ!!(そこから続けて上段蹴り、拳による連打、最後に高速回し蹴りで吹き飛ばす)」
リオ「ゾクッ…な、なーんてこった。奴そのもが血の塊…みたいなものなのか…(それってつまり、全身が武器になるってことだよな…)」
サングル「(集結した血液に色が塗り足されていく)俺を燃焼しようとしても無駄だ。(コートのポケットに手を入れている)」

ドプッ…ドップ、ドププ…(落下地点に血液が集結し、人型にへと変成されていく)

リオ「ック…! ザンッ(とっさに上体を捻るがベクトルが頬を掠め、右肩が切り裂かれる)うぁ……!っこいつ、血が武器になるのか…!何処から攻撃を…!?」

ズワアァァーーッ!!!(四方八方の地面の割れ目から血液のベクトル(矢印)が出現し、天高く折りかえってリオに向かって落下してくる)

リオ「!?…や、やった…?(おかしい…奇妙だ!いくらなんでもあっけなさ過ぎる)(剣を持ち直し周囲を警戒する)」
サングル「炎使いか――――ドプンッ(発火した腕による攻撃を受けた途端、体が液体化し地面に飛び散った)」

VS 混沌神下七神衆【サングル】

リオ「(相手の仕掛け方がわからない以上、カウンターはリスクが高いな…)大人しく罰を下されるつもりはないよ、火傷じゃ済まないだろうから、そのつもりで来なよ!(発火した腕を交差させ迎え打とうとする)」
サングル「(構えをとったリオを見て溜息を吐く)…これから六国を攻め落としに向かうという、この忙しい時に。面倒なこと極まりない。だが―――――哀れ者には制裁を下してやる。ダッ(地面蹴って跳躍し、襲いかかる)」
リオ「は!理想郷だって?…やっぱりあんたらとは合わないようだ、そのミニチュアみてーなガラス細工の夢、文字通り打ち砕いてやるよ!」
サングル「…そうだろうな。(不敵な笑みを浮かべる)この世界の末路は決まっている。ケイオスも新世界も『第二の女神』の【新理想郷計画】(ネオ・アルカディアスキーム)によりすべてが"0"に戻り、完全なる、新たなる理想郷(グロリアスワールド)が築き上げられる。…お前たちはその為の糧となる、光栄に思え。全生命は転生されるのだ…!」
リオ「…そうか、なら本来君と僕の立場に変わりはないはずなんだけどな…(目を伏せ)……けれど、それを聞いて尚更今あんたをここで放っておく訳にはいかなくなった!」
サングル「……そうか。だが、十中八九お前の言いたいことは理解できた。もともとはこの俺も―――――――"この世界の住人だった"からな。(目を瞑り首を傾げる)」
リオ「……何故って…それは…(言いかけたところで口を噤み首を横に降る)他の皆がどうとかは知らない、けど、僕が何故そうするかは教えられないな、君は腹を抱えて笑うだろうからね(微笑)」
サングル「お前たちは何故この世界に拘る?ここに住む生物の殆どは、あらゆる次元から連れてこられたのだろう。なのに、これまで、この世界に振りかかってきた災難を打ち払ったのは他でもない外来者どもではないか。…母星でもないこのケイオスを、何故お前たちはそうも拘るのだ。」
リオ「……いいよ、答えられることならね(構えを解かないまま)」
サングル「…まあいい、あの時は少々お喋りが過ぎたな。我ながらこの性格に卑下したいものだ。(フッと自分に蔑むように手をひらひらさせる)……一つ問う。」
リオ「(!…どういうことだ、何故あいつと七神衆と繋がっているんだ…?)そうだね、出来ればこういう形では会いたくなかった…かな(太刀を逆手持ちに構える)」
サングル「愚問だな。これから俺は任務の為に目的地へ向かっている最中だ。それにしても、まさか、ここ(新世界)でも顔を合わせる事になるとはな。」
リオ「何故あんたがここにいるんだ…【あいつ】の差し金なのか…?」
サングル「……お前は…(初登場時のシーンがフラッシュバックされ、その映像の中にリオの姿が映し出される)ああ、あの時居合わせた小僧か。」
リオ「!?…なッ!?(鉢合わせになり飛び退いて身構える)あ、アンタは…!」
サングル「(前方にそびえ立っていた岩壁を避けて通ると、リオと鉢合わせになる)……。」
リオ「…ザリッ…… 地図によればあの男の言ってた場所はここら辺かな……(マフラーをなびかせ辺りを見回す)」
サングル「ザッ… ザッ… ザッ…(赤い月の光を背に浴びながら、峡谷の不安定な道を辿っている)」

~新世界・某峡谷~

時は少々さかのぼる……

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最終更新:2013年08月25日 19:21