空白の箱庭


  《 空白(くうはく)箱庭(はこにわ) / Blank Box 》    








それは、かつて「あなた」が愛した物語


 そして、いまは「あなた」が忘れた物語 







概要

僕らの物語』に登場する架空の集団。
渾沌思想劇場『空白の箱庭』。通称「箱庭」。
箱庭創設者である"黒幕"と、"劇団員"と呼ばれる12体の眷属たちで構成されている。
ある目的に従い、混沌世界をそれぞれの方法で食い荒らす。
いつからか封印されていたが、何らかの原因でその封印が解けてしまい、12個の彗星となって混沌世界の各地へ散乱した。
団員はそれぞれ「〇想」の肩書を持っている。
普段は神の使いとして様々な神話に登場してきたカラスの姿をしているが、本性を現すとこの世ならざる者の形をした姿で顕現される。
戦闘ではセクション(「節」の意味) ごとに前半戦と後半戦(いわば第一形態と第二形態のような位置づけ)に別れ、
劇団員の姿形もその都度に変化し、凶暴性が増す。
その殆どが声を発さないため、何らかの手法によって言葉を生み出し対話を図ろうとしている。
アラン・スミシー曰く、曲がりなりにも万物を超越した存在を象った化身である模様。

劇中では、混沌文字を解読した「あなた」たちがこの「劇場」と呼ばれる謎の空間に誘われ、そこで各劇団員と戦うことになるが…



劇団員


  • 機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ) / アンティキティラ
夜となり、また朝となった 箱庭の幕開けである
機械仕掛けの神《デウス・エクス・マキナ》はまた言われた

「水は生き物の群れで満ち、鳥は地の上、天の(おおぞら)を飛べ」

神は海の大いなる獣と、水に群がるすべての生命とを、輪廻の導きに従って 構築(そうぞう)
また翼のあるすべての鳥を、輪廻の導きに従って構築(そうぞう)された
神は見て、良しとされた 神はこれらを祝福して言われた

「生めよ、()えよ、母なる海の水に満ちよ、また鳥は地に増えよ」

 ――― 聯想の劇団員《 機械仕掛けの卵(オウム・エクス・マキナ) / アンティキティラ 》―――
聯想 』の劇団員。「第1章」に登場。
外観は横たわる歯車状土台に固定された、そのすべてが歯車などの機材のみで構成された発条仕掛けの卵(詳細は こちら )。
卵が大きな衝撃を受けると表面に施錠された歯車がアンロックされて、
中から『アンティキティラ』と呼ばれる発条仕掛けの鶏が孵るように誕生する。
外観は『パズル&ドラゴンズ』に登場する「神秘の天体龍・アンティキティラ」(詳細は こちら )。
言葉を発することが不可能のため、体内より生み出した音声機能の付いた機械仕掛けの雛鳥に自らの意思を代弁させる。
全身に施された歯車の回転を加速させることで様々な機能を発動するが、回転による摩擦発火で赤熱を起こしやすい。
その為、潤滑油としての効力も持つ透明の液体を歯車内部から分泌させて熱を冷まし、更なる加速を可能とする。
またこの液体は歯車による高速回転の能率を上げるだけでなく、弱点となるバックラッシュ(間隙)の衝突を緩和させる効果を持つ。
「第1章」にて「あなた」が「聯想」に纏わる混沌文字を解読したのをきっかけに彼らを劇場へと誘い、桜坂しずくに促されるように彼らに襲い掛かる。
「聯想」に関する自らの嘆きを雛鳥を通じて訴えかけながら彼らを圧倒し続けるが、
強く結ばれた絆の力、その可能性を説く彼らに打ち負かされてしまう。

+ 技一覧
  • 歯車軌轍《ロウィール》
機械仕掛けの卵が使用。
表面の歯車をパージ(剥離)させ、対象を押し潰す遠距離攻撃として解き放つ。

  • 加速世界《アクセルワールド》
機械仕掛けの卵が使用。
自らの歯車の回転速度を加速させることで大気中のエーテルの流れを乱し、感覚を歪ませ誤認を齎す。
発動後は対象者が持つ本来の体感速度が超高速化する感覚に陥ってしまい、運動機能を思う様に発揮することが困難となってしまう。
劇中で行われたような集団戦では、この機能により同士討ちを図ることもできる。
ただし天王寺璃奈により、精密機械に使われる歯車が電磁波に弱いことを突かれ、
ナミとテリーが繰り出した稲妻により解除される。

  • 羽折籠城《レヴァリーケージ》
機械仕掛けの卵が使用。
パージされた歯車の残骸を電磁浮遊で操作し、鳥籠を形成して対象を閉じ込める。

  • 切断閃輝《チェーンソード》
アンティキティラが使用。
両翼の歯車に搭載された鋭利な三枚刃を突出し、対象を斬り裂く。
その斬撃は大地をいとも容易く斬り裂くというが、剣豪のゾロに受け止められたため、その破壊力は未知数。

  • 海波鉄砲《カーレントライフル》
アンティキティラが使用。
歯車内部の液体を水鉄砲の如く勢いよく撒き散らす。
ただし巨体を誇るアンティキティラから放たれるそれは宛ら砲弾の破壊力を誇り、生身の人間が被弾すると瞬く間に消し飛ぶ。

  • 緋色破砲《カーディナルカノン》
アンティキティラが使用。
全身の歯車回転による摩擦熱を体内部へ収束し熱エネルギーへと変換。
その後、陸海空にあるすべての物質を焼き焦がす凄まじい熱波の衝撃波を咥内より解き放つ。

  • 藍色双重《アズールウェイブ》
アンティキティラが使用。
水面に広がる波紋のように空間一帯に迸る衝撃波を両翼より二段階に分けて解き放つ。
第一波の破壊力は乏しく、速度は遅いため目視による回避も容易い。
しかし第二波はその数倍の破壊力と速度を誇り、第一波を回避・防御した敵の油断を誘い、その隙を突くかの如く強力な一撃を解き放ち仕留める。
メディ曰く、その仕組みは地震波と類似し、第一波を初期微動のP波とした場合、第二波は主要動のS波に例えられた。
上記の“緋色破砲《カーディナルカノン》”に必要な回転速度をも上回る加速を行うため、潤滑油による鎮静が必須。


  • フライト・フライト / ブライト・ブライト
あなたが知っているように
わたしは力の限り、あなたがたの心に仕えてきた
しかしあなたがたの心はわたしを欺いて
十二度どもわたしの想いを変えた
けれども神は彼がわたしに賽を投げることをお許しにならなかった

もし彼が『言の葉はあなたの頸木だ』と言えば
群れはみな言の葉を殺めた

もし彼が『感じた情はあなたの罪業だ』と言えば
群れはみな感じた情を殺めた

こうして神はあなたがたの心の箱庭をとってわたしに与えられた

 ――― 奇想の劇団員《 フライト・フライト / ブライト・ブライト 》―――
奇想 』の劇団員。「第2章」に登場。
外観は長く伸びた腕に大手を持つ青い身体の巨人であり、頭部は惑星そのものでヘッドホンのようなものを装着している(詳細は こちら )。
その図体のデカさに似合わずトリッキーな戦法で相手を翻弄して自らの駒の如く狡猾に操る様は、ゲームキャラを操作するプレイヤーをイメージさせる。
攻撃を受け続けると本体の核である頭部の惑星が体ごと砕けてしまい、
ブライト・ブライト』と呼ばれる三つの三角形が一つに重なったような外見を持つ光子体が顕現する(詳細は こちら )。
前者と比較すると小さく弱そうな印象を与えるが、そのボディーは強固なエネルギーフィールドに守られており、
あらゆる攻撃をシャットダウンする驚異の防御力を誇る。
言葉を発することが不可能のため、空間に開いたメッセージウィンドウによって対話を図る。
前者は「恐怖へ飛び込ませる者」、後者は「希望を枯らす光」の異名を持つ。
「第2章」にて「あなた」が「奇想」に纏わる混沌文字を読み上げたのをきっかけに彼らを劇場へと誘い、桜坂しずくに促されるように彼らに襲い掛かる。
「奇想」に関する自らの嘆きを訴えかけながら彼らを圧倒し続けるが、
あらゆる変化を恐れず、変わっていくことを肯定する彼らに打ち負かされてしまう。
名称や技名はすべて英単語の同音異義語が由来となっている。
フライト・フライトは「Fright」(恐怖)と「Flight」(飛翔)、ブライト・ブライトは「Blight」(枯渇)と「Bright」(輝き)より。

+ 技一覧
  • シュート・シュート
フライト・フライトが使用。
隕石を落下させて攻撃する他、地面へ墜落した隕石の残骸を浮遊させて自在に操る。
名称の由来は「chute」(落下)と「shoot」(撃つ)より。

  • コーラル・コーラル
フライト・フライトが使用。
宝石のように輝く♪型の爆弾を降り注がせて攻撃する。
名称の由来は「coral」(珊瑚)と「chral」(合唱)より。

  • ブルー・ブルー
フライト・フライトが使用。
大きな手で仰いだりクラップしたりすることで強風を発生させ対象を吹き飛ばす。
名称の由来は「blue」(青)と「blew」(blow:風が吹くの過去形)より。

  • フリーズ・フリーズ
フライト・フライトが使用。
時間停止能力。全ての時間を制限するだけでなく、個別対象に流れる時間を限定的に制限することも可能。
しかしディオの“世界”(ザ・ワールド)およびそれを模倣した「あなた」の時間停止と対消滅を起こされ無効化されてしまう。
名称の由来は「frees」(free:自由の複数形)と「freeze」(凍る)より。

  • バンド・バンド
フライト・フライトが使用。
光の触手を地面から発生させて対象者の体を束縛しその自由を奪う。
名称の由来は「band」(帯)と「banned」(ban:禁止するの過去形)より。

  • クリーク・クリーク
フライト・フライトが使用。
超音波を放ち敵の聴覚を一時的に奪う。
名称の由来は「creak」(軋み音)と「creek」(小川)より。

  • アイドル・アイドル
フライト・フライトが使用。
大きな指先から、触れたものを自由自在に操る光の糸を発生させる。
糸を繋げた人物を指先ひとつで想いのままに操れるが、糸を切られると操作を解除される。
名称の由来は「idle」(怠惰な)と「idol」(偶像)より。

  • モーニング・モーニング
フライト・フライトが使用。
頭上に太陽を思わせる巨大火球を生み出して地上へと放ち焦土化させる。
劇中ではディオと「あなた」の時間停止能力によって不発に終わった。
名称の由来は「mourning」(追悼)と「morning」(朝)より。

  • ウェイブ・ウェイブ
フライト・フライトとブライト・ブライトの双方が使用。
広範囲に及ぶ輪っか状の衝撃波を解き放つ。
名称の由来は「waive」(延期)と「wave」(波)より。

  • ペイン・ペイン
ブライト・ブライトが使用。
斬撃性を伴う△状の光壁を飛ばして対象を切り裂く。
名称の由来は「pane」(鏡板)と「pain」(痛み)より。

  • レイズ・レイズ
ブライト・ブライトが使用。
全身から幾重にも渡る破滅の閃光を放射する。
名称の由来は「raze」(破壊)と「rays」(光線)より。

  • スチール・スチール
ブライト・ブライトが使用。
展開した三角形の障壁で敵の衝撃を吸収し、そのまま跳ね返す反撃技。
ブライト・ブライト自身が最強の鉄壁を誇る由縁にあるが、
複数の攻撃を一点集中されることで吸収した衝撃を外へ放出することができず自壊する欠点を孕んでいる。
名称の由来は「steel」(鋼鉄)と「steal」(盗む)より。


  • (てん)(むし) / (ひつじ)(はね)
神は言った
目を上げて見てごらん、群の上に乗っている子羊たちはみな
過去を縋るもの、現在(いま)を渉るもの、未来(あす)を逸らすものです
わたしは彼らがあなたにしたことをみな見ています

わたしは彼らの父です
かつてあなたは空白に純血を注いでわたしに誓いを立てましたが
いま立ってこの地を出て、あなたの生まれた箱庭へ還りなさい

こうして神はあなたがたの心の箱庭をとってわたしに与えられた

 ――― 迷想の劇団員《 天の虫 / 羊の羽 》 ―――
迷想 』の劇団員。「第3章」に登場。
外観は巨大な蚕が幾つも繋がり合って大蛇のような相貌を成した怪物であり、
その頭部と思わしき部位には複数の目が開眼している(詳細は こちら )。
中央に刻まれた切れ込みが開くと無数の獰猛な牙を剥きだし、眼前の獲物を貪欲な本能の赴くままに呑み込もうとする。
蚕が損傷を受けると口内より『羊の羽』と呼ばれる、羊頭の巨大な蛾が生まれ出ずる(詳細は こちら )。
両羽にそれぞれ四つの目玉があり、一度に前方位を見渡すことができる。
羊角を彷彿させる鋭い触角による刺突の破壊力はもちろんのこと、
そこから散布される鱗粉には生態系の身体機能を低下させる効果を孕んでいる。
言葉を発することはできないが、触覚から放つ微弱な超音波を人間へ放ち、
その脳内で音波が言語として変換され各人に自らの意思を伝えていく。
「第3章」にて「あなた」が「迷想」に纏わる混沌文字を読み上げたのをきっかけに彼らを劇場へと誘い、彼らに襲い掛かる。
「迷想」に関する自らの嘆きを訴えかけながら彼らを圧倒し続けるが、その迷いを受け止め貫いた彼らに打ち負かされてしまう。
名称や技名はすべて、一文字の漢字を二つの部首に分解したものが由来となっている(天の虫は「蚕」、羊の羽は「翔」)。

+ 技一覧
  • 獣の王
天の虫が使用。
咥内にある無数の牙をミサイルの如く発射して攻撃する。
一度放たれた牙はすぐに生え変わる。

  • 門の口
天の虫が使用。
巨大な口を広げて対象を食らう攻撃。
他にも、地面へ潜り対象の真下から突き上げるように出現してそのまま喰らったり、
顔を出す前に地中から吸い込んで蟻地獄を生み出し、そこへ引きずり込んだ者を待ち構えて喰らったりする捕食方法もある。

  • 千の口
天の虫が使用。
咥内より伸ばした長い舌で対象を縛り上げ、強力な高圧電流を浴びせて身動きを完全に封じた後に捕食する。

  • 羊の君
天の虫が使用。
体を震わせて幾つもの蚕をまき散らし、その中から怪物を生み出して使役する。
怪物は灰色の身体をした、二足歩行の幼虫のような姿をしている。

  • 民の目
天の虫と羊の羽の双方が使用。
全身に開眼された複数の目で全方位にいる敵の位置や行動を瞬時に捉え、回避・防御・反撃に回る。
自らが巨体でありながら全く隙がないのはこの複数目による動体視力の恩恵であるため。
目を潰されると当然弱低下するが、時間経過で傷を負った目は再生される。

  • 光の軍
羊の羽が使用。
一息吸えば強力な麻痺を齎し身体能力を低下させる鱗粉を散布する。

  • 立の風
羊の羽が使用。
光の速度で移動しながら翻弄しつつ、鋭利な触角で対象を突き刺すように突撃する。

  • 口の音
羊の羽が使用。
超高速振動させた両羽から超音波を放って対象者の動きを止めたり吹き飛ばしたりする。

  • 日の光
羊の羽が使用。
両羽にある8つの目玉から全方位に向けて破壊光線を放つ。
垂直降下しつつ、回転しながら撃つことでほぼ回避不可能の攻撃を与えることもできる。


  • 沙羅葬樹(さらそうじゅ) / 彼岸桜花(ひがんおうか)
主なる神が地と天とを造られた時
箱庭にはまだ野の木もなく、また野の花も生えていなかった
主なる神が地に雨を降らせず、また種を撒く者もなかったからである

しかし地から泉が沸き上がって真白な地を潤した
主なる神はその(かいな)で緑を造り、命の息をその花に吹きいれられた

命芽吹く花は人を咲かせたのだった

 ――― 黙想の劇団員《 沙羅葬樹 / 彼岸桜花 》 ―――
黙想 』の劇団員。「第4章」に登場。
外観は枯れ果てた大樹そのものであり、手足を彷彿させる不気味に分かれた枝から
果実とも卵とも取れる奇妙な物体が垂れ下がっているなど凡そ樹とは思えない外見をしている。
『Dark Souls 3』に登場する「呪腹の大樹」を模している(外見は こちら )。
言葉を発することが不可能のため、果実から産まれる亡者に自らの意思を代弁させる。
万物を溶かす気色悪い液体を散らす果実(中から産まれる亡者も同様の体液を纏っている)をまき散らしたり、
鉄板をも容易く貫く鋭い枝木や根を伸ばして攻撃する。
攻撃を受け続けると大樹から血飛沫が上がり、広がる血泉から『彼岸桜花』と呼ばれる大量の彼岸花が咲き乱れ、
無数の花が絡み合って一つの大きな赤繭となる(外見は こちら )。
針のような鋭い花弁を伸ばして串刺しを行う通常攻撃に加え、
人間が持つ感覚に強烈な幻覚作用を齎し、敵と味方の認識を誤認させ同士討ちを狙う妖の光を体内から放つ。
言葉を発することが不可能のため、果実より産まれた亡者に自らの意思を代弁させる。
沙羅葬樹ともに、他の劇団員とは異なり固有技を持たない。
「黙想」に関する自らの嘆きを自らが生み出した亡者を通じて訴えながら圧倒するが、
閉じ込めていた想いを開放する勇気を出した彼らに打ち負かされてしまう。
名称の由来は、釈迦が入滅した場所に生えていたとされる木「沙羅双樹」、および彼岸花と彼岸桜である。


  • 月面(げつめん)旅人(たびびと) / 輝夜(かぐや)姫君(ひめぎみ)
目をあげてあなたのいるところから北、南、東、西を見渡しなさい
すべてあなたが見渡す星は、永久に輝ける命を与えます

わたしはあなたの命を星々のように多くします
もし人が星々を数えることができるなら
あなたの命も数えられることできましょう
あなたは立って、その星を縦横に行き巡りなさい

わたしはそれをあなたに与えます

 ――― 回想の劇団員《 月面の旅人 / 輝夜の姫君 》 ―――
回想 』の劇団員。「第5章」に登場。
宇宙飛行士の相貌をした謎の人型であり、その背面には人工衛星のような支援ユニットに接続されている(詳細は こちら )。
自身が展開する無重力空間の中を常に浮遊しており、背面の大型支援ユニットに内蔵された兵器を用いての攻撃を行う。
衝撃を受け続けるとその宇宙服が歪むように破裂し、その中より『輝夜の姫君』と呼ばれる巨人が顕現される。
外見はうさ耳を生やし、電子回路を彷彿させる模様を象った羽衣のようなものを羽織った女型の巨人。
『P5 - ペルソナ5 -』に登場する「カグヤ」がモチーフになっている(外見は こちら )。
月の言語を発し、それを使徒の野兎が翻訳し代弁する。
重力を司る能力を持ち、無重力空間を構築してあらゆる対象物を宙に浮かせられる。
その空間内で自身だけ重力を平然に保つことも可能で、己を中心に対象物を自由自在に操れる。
重力の奔流で対象を上下左右に圧砕したり、凝縮した重力を球体状に放出ことでブラックホールを生み出したり、上空から隕石を幾つも呼び起こしたり出来る。
また重力の強い個所では、光は真っ直ぐに進めず曲がってしまい、
光が曲がると視界も曲げられてしまう現象を利用し、攻撃回避に応用することも可能。
巨体であるにもかかわらず攻撃が全然当たらないのはその錯覚変化の為であり、
あらゆる物理的法則が一切通用しない異常な力を持つとされていたが、
現実では物理学的な再現は不可能とされている反重力のみが弱点であり、
"不可能を可能に変える力"を持つプネウマと「あなた」にその力を顕現され、その欠点を突かれた。
「回想」に関する自らの嘆きを野兎を通じて訴えながら翻弄するが、
過去を受け止めつつも未来を悲観せず歩み続けることを誓った彼らに打破される。
余談だが、「輝夜の姫君」の名称の由来は第5章のシナリオに携わった「カグ」の名に因んでいる。

+ 技一覧
  • 花束の贈呈(ギフテッド)
月面の旅人が使用。
接続された人工衛星に内蔵された、スプートニク1号に似た球体状の小型投擲物を幾つも放ち攻撃する。
自身が宇宙空間に移動し、地球へ向かって小型のスプートニク1号に似た球状の物体を、
自身が編み出した予測演算でピンポイントで投擲する。
特筆すべきは攻撃範囲ではなくその貫通力であり、地下900メートル程度まで到達するほどの
凄まじい破壊力を誇るため、あらゆる防御壁をも貫通する。

  • 廻船の旅団(ポラリスポリウス)
月面の旅人が使用。
人工衛星より一つの巨大な拡散式ミサイルを発射。
発射されるとある程度の距離でミサイルが破裂し、
中に搭載された数千以上にも及ぶ小型ミサイルがその爆破によって点火し、凄まじい速度で対象へ降り注ぐ。

  • 青海の大地(ブルーフォース)
月面の旅人が使用。
人工衛星より青い破滅の光線を発射する。

  • 円環の定理(ヴェリタス)
輝夜の姫君が使用。
惑星の環を彷彿させる波紋型の重力波を空間一帯へと解き放つ。
その波紋に触れたすべての物質から重力を奪い、体の自由を奪いつつ攻撃力を激減させる。

  • 星散の残夢(キラキラー)
輝夜の姫君が使用。
宇宙空間を漂う隕石の残骸を手繰り寄せ、小惑星帯(アステロイドベルト)のように空間一帯に回転させて攻撃・防御を狙う。

  • 陽光の暁鐘(スーパーノーヴァ)
輝夜の姫君が使用。
掌から太陽フレアの如き熱波を放つ。

  • 神々の不在(ツァラトゥストラ)
輝夜の姫君が使用。
重力を操る能力を用いて周囲の重力子を圧縮させて空間を歪め、ブラックホールを発生させる。


  • Re(リー): / Re:Re(リー・リー)
またすべての種の獣も、すべての種の人も
地のすべての種の這うものも、空のすべての翼あるものも、皆入った
すなわち命の息のあるすべての肉なるものが彼の声に誘われ、箱庭に入った

その入ったものは、すべて肉なるものの魂魄(たましい)を宿し
やがて言葉(こえ)を紡いだ

そこで主は彼の後ろの正面を閉ざされた

 ――― 愛想の劇団員《 Re: / Re:Re: 》 ―――
愛想 』の劇団員。「第6章」に登場。
外見は白、青、緑、黄色の4体の正八面体の結晶体であり、その周囲に無数のプレートのようなユニットが展開されるように構成されている(詳細は こちら )。
4体の結晶はそれぞれ、« taerc »(創造)、« yortsed »(破壊)、« wener »(再生)、« peek »(維持)に別けられ、それらが四位一体となって行動する。
各個体に固有の能力が秘められており、「創造」は対峙する者たちのクローンを生み出して使役し、
「破壊」は加粒子砲による長距離攻撃を行い、「再生」は自身を除く結晶体が壊された際に復元し、
「維持」は意志を持つ結晶体たちを管理することで互いの衝突を回避しつつ連携が取れるように仕組む。
一見は隙が無く万能な戦闘を行うように思えるが、「再生」→「維持」の順番で倒されると、
「維持」が消滅したことで「破壊」と「創造」が暴走を起こして互いに連携が取れなくなり、大きな隙ができてしまう弱点を持つ。
すべての結晶体が壊されると破片が一つに集結し、『Re:Re:』と呼ばれる結晶体へと変形する。
外見は赤い巨大結晶体であり、その内部に弱点となる白いコアを宿している(詳細は こちら )。
結晶体の表面に映される16進数によって対話を図り、それを言語に翻訳したものをボイスロイドが代弁するようになっている。
行動パターンによって不規則に形状を自由自在に変形させるためデフォルトが定まらないが、
如何なる形状であろうともその表面はあらゆる衝撃を吸収し即座に跳ね返す異常な硬さを誇る。
Re:時の能力をすべて一度に同時発動でき、且つその機能は遥かに飛躍されているため、
攻撃力、防御力、回復力、機動力、全てを取っても万能を発揮する。
また最も脅威的なのは、触れたものを結晶体に変化させる結晶化光線であり、
対象を結晶化させることで拘束するだけでなく、そこに立ち込める光を吸収して更に攻撃力を強化できる。
即ち結晶化したものが生命体であればその活力を奪い、自身の力に還元することになる。
Re:ともに、他の劇団員とは異なり固有技を持たないものの、多種多様な機能が備わっている。
外装が破壊されるとコアは光の速度で逃げるように攻撃を行うため非常に厄介だが、
光の性質を看破したメディおよびトリックルームを展開したポリゴン2の策略によって身動きを封じられる。
「愛想」に関する自らの嘆きをボイスロイドを通じて訴えながら翻弄するが、
愛する心を大切にしようとする彼らに討ち滅ぼされる。

+ 余談
Re:の4体にあしらわれた名称は、頭の「Re:」を含めて反対から読むとそれぞれ意味のあるものになる。

Re:« taerc » → Creater (創造する者)
Re:« yortsed » → Destroyer (破壊する者)
Re:« wener » → Renewer (再生する者)
Re:« peek » → Keeper (維持する者)


  • " 卑露宴(ひろうえん)"マリー&ワネット / ヴァルプルギスの(おり)
夜が明けて、使(つかい)たちは西日を促して言った
「立って、ここにいるあなたの影とふたりの罪を連れ出だしなさい
そうしなければ、あなたもこの町の不義のために滅ぼされるでしょう」

外に連れ出した時そのひとりは言った
「逃れて、自分の命を救いなさい。後ろを振り返って見てはならない
現にはどこにも立ち止まってはならない。箱庭に逃れなさい
そうしなければ、あなたは滅びます」

そこで主は彼の後ろの正面を閉ざされた

 ――― 仮想の劇団員《 "卑露宴"マリー&ワネット / ヴァルプルギスの檻 》 ―――
仮想 』の劇団員。「第7章」に登場。
女性を模した大きなパペットドールであり、
その指先から無数に枝分かれした糸でベールに酷似した大量の傀儡『ワネット』を操っている(詳細は こちら )。
無尽蔵の傀儡を使役するが、傀儡人形はベールに留まらず相対する者たちにとって最も親しい人物に変化することもある。
指先や本体に繋がれた全ての糸が切断されると、真の操者である『ヴァルプルギスの檻』が顕現される。
外見は上半身を女性の人影であしらい、
下半身からは無数の繊維状の紐が球根を彷彿させるように広がっている(詳細は こちら )。
特筆すべきは山の如きその巨体性であり、これまで登場した劇団員の中でもトップクラスの大きさを誇る。
下半身から伸びる無数の紐のような物体は「運命の確率」を表している。
確率の多世界に干渉し、それらを自由に選択する能力を持つ。
具体的には、戦闘において攻撃を受けた際、多世界の中にはその攻撃を受けなかった自分が存在し、
自身はそれを選択することで生存することが出来る。
また攻撃時には、被弾確率が低くても「致命傷に至った相手」を選択できる。
即ち、確率のある選択肢から、 その選択肢が起こる確率がどんなに低くても1%でもあれば、
それを選択して現実にできるというものである。
つまり、起こる確率が0%のことは選択できないという唯一の弱点が存在する。
「仮想」に関する自らの嘆きを傀儡人形に代弁させることで訴えかけるが、
奇跡の確率を引き当てたベールたちによって撃破される。


関係者

  • 桜坂(おうさか)しずく
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に登場。
登場人物の項でも記載した通り、もともとはスクールアイドルと演劇が大好きなごく普通の少女だった。
だが12彗星が落ちた「はじまりの朝」を迎えたその日に行方不明となっていた。
「第2章」で璃奈たちの前にその姿を現わすが、
まるで自分自身に対してある種の恐怖を抱く旨の発言を残し、彼女たちの前から再び姿を消す。
現時点では箱庭との関係性は謎に包まれているが、その詳細を知っている限り密接な関係にあることは間違いない。
後述する「黒い桜坂しずく」とは異なる白い衣装を身に着けている。

  • 黒い桜坂しずく / "黒幕(くろまく)"
その外見は桜坂しずくと瓜二つだが、黒衣装とペルソナマスクにその身を包み隠している。
「第1章」で空白の劇場へ誘われた璃奈たちの前にその姿を初めて現わすも
彼女との決別の言葉と共に機械仕掛けの卵を残し、再び姿を消す。
「第4章」にて再会するも、その声音から璃奈に「しずくではない」と看破される。
その正体は、空白の箱庭を束ねる"黒幕"。古き悲劇の幕を引く者にして新たなる喜劇の幕を上げる者であった。
桜坂しずく本人とどのような関係があるのかは現時点で謎に包まれている。

正体不明の存在。
詳細はキャラページを参照。




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最終更新:2024年12月08日 00:17