Back to the Chaos 2024 過去ログ7

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彼らの長い冒険 ―― 時の流れからすれば一瞬の出来事だったが ―― が終わり、
「2024年」をはじめとする狂わされた数多の「歴史」が元の姿として修正された頃…




――――― 「 2024年2月 "3" 日 」 ―――――





トランクス「―――― では、僕はもう行きます。ですがその前に…元居た時代に帰らせていただきます。母さんにも…そして…『悟飯さん』にも挨拶をしなければいけませんから。(タイムマシンの整備を終え、発進準備の最終段階に入っていた) 」

阿万音鈴羽「 オーケー、いいよいいよ。ゆっくり休暇を楽しんでおいで。あたしも『用事』を終わらせたら"そっち"へ戻るからさ。……そういえば、『彼ら』とのお別れはもう済んだの? 」

トランクス「はい…!みなさん、本当に素敵な方々でした…!彼らに頼ったことを、今なら誇りに思います…!お陰で僕もまた…この世界に新たな『希望』を見出せました…!(射命丸からの贈り物なのだろう…『13人』が映る写真立てが、操縦席の傍らに立てかけられていた) 」

阿万音鈴羽「……そっか… 「綴理」のことも、大丈夫なんだね? 」

トランクス「はい、その件についても大丈夫です。夕霧さんにも助けられてきました…ですが、彼女にはちゃんと『帰るべき未来』が"できた"んです。だから、名残惜しいですが…彼女ともお別れを告げました。機会があればまた彼女の時代へ顔を出してみます。……と、エンジン点火準備完了。それでは、阿万音さん。お疲れさまでした!また、「未来」で!

阿万音鈴羽「 うんっ――――「未来」で♪ (これからと飛び立つトランクスへ大手を振った) 」

トランクス「(タイムマシンのハッチを占め、エンジンを点火。バーニアが火を噴き、煙を吹かして垂直に、真っすぐに上空へと飛び上がっていく――)―――――  みなさん、本当に、ありがとうござました!いつか、「未来」で!  」


ォ  オ  ン  ッ  ――――――― (そして青年は「未来」へと旅立った。その世界の行く末に、『希望』を馳せて――――)




~亜空軍文化新聞社~


プリム記者「社長!?見ましたか!?例の新聞社の記事!!!(慌てた様子で雪崩れ込んでくる) 」

モルガンズ「ああ……見たぞ…ッ…!!まさかあの『 文々。新聞 』社が、こんな特大級なネタを仕入れていたとは…ッ!!!こんなことは前代未聞だ!!悔しいが……認めざるを得ない…!こいつぁ紛れもない"ビッグニュース"だッ!!! 」


有数の規模を誇る大手新聞社が騒然とする、怒涛の内容の記事を記した他者の新聞
見出しは、「時を駆ける13の英傑、世界を救う―――


発行者:『 射命丸文 』




海東大樹「――― ……士、今度はどの世界に行くんだい?(広大な草原を一望できる丘の上で、隣に立つ青年へ友好的な笑みを浮かべていた) 」

門矢士「さあな……だが、何処へだって行ってやる。……いや、行けるさ。本当に、そこに行きたければ。俺たちは必ずそこに辿り着く。いつだって、どこまでも…――――― カ シ ャ ッ (首にかけていたマゼンタ色のポロライドカメラでこの混沌とした世界をレンズに収める。そうして、世界の破壊者はまた異なる世界へと通りすがっていく。いくつもの世界を、繋げる旅に出る為に――――) 」



ツムリ「―――― やはり、いいものですね…この世界は。 」

浮世英寿「 ああ、そうだろう? (何処か自慢げにほくそ笑む) だからもう少しだけ居座ることにした。まだこの世界を舞台にしたデザグラも考えていないからな。誰もが幸せになれるための、『理想の世界』を叶えるチャンスを与える…俺たちのデザイアグランプリを。 」

ツムリ「…その時はこのツムリも、皆様をしっかりとサポートいたします。 」

浮世英寿「…フッ……期待しているよ、「姉さん」。 」

ツムリ「ちょっ……?!まだそんな呼び方を…!?(照れたように「あっ」と口を開く) 」

ジーン「――― 英寿! (そんな二人のもとへ歩み寄ってくる)……聞いたよ。また新しいデザグラを始めるんだってね?もちろん僕も応援させてもらうよ。楽しいデザグラになるといいね。 」

浮世英寿「ジーンか。ああ、やってやるさ………?その荷物……何処か旅に出るのか…?(ジーンの様子を伺いながら) 」

ジーン「……ん?ああ、いや、ちょっとした観光に行くだけさ。聞いたことはあるかい?なんでも、この世界で最高峰と呼べる『 音楽祭 』がとある地で開かれるんだとか…!ちょっと気になってしまってね…だから、そこへ足を運ぼうと思うんだ。たまにはクラシック音楽に酔いしれるのも悪くないだろう? 」

浮世英寿「そうか…それも、いいもんだな。なら俺も、まずは自分の足で「この世界」を歩いてみるとするか。『あいつら』が冒険したように…俺も、自分だけの"ハイライト"を探しに…――――(ふと、青空を仰ぐ。曇りも陰りもない清らかな青が広がるその光景に、『スター』は大胆不敵に微笑むのだった―――) 」



ヒロ「………(1人天を見上ている)」


歴史を作るのは神ではない。人間だ。


語るのではない。俺は「神」そのものだと言ったはずだ。


ヒロ「…なぜあの男は奴の姿を騙り…あんなアンドロイドで俺たちを……… 」

ヒロ「……同じ歴史を変えようとした者でも、目的、思考は違った。奴は所詮、自身の名を残そうという私欲のため…奴の姿の作り物を暗躍させたにしては…… 」

ヒロ「……もし、「奴」があの力を手にしたとしたらどのような歴史を作り上げたのか……(本をしまう) 」

ヒロ「…これ以上はよそう。『奴』は一切関与していなかった。(スッと歩き出す)…これからの歴史は、俺たちが作る。神ではなく………「俺たち」人間が………




ヴォイド「(寄宿舎の管理室、ロビーと隔てる窓から、彼のデスクへと僅かな白光が部屋を照らす)――負けたか――(終えていない業務を目の前に、清々しく安堵した表情を見せ、液晶の発光を眺める。Enterキーを押下すると、静かに端末を閉じ、その上に伏せ始めた) 」




うちはサスケ「……行くんだな、ボルト 」

うずまきボルト「……ああ。オレは元々未来から来た人間だ。いつまでもここにはいられねェー。ってか……すぐにでも帰らねェーと、元の時代が不安だ 」

うちはサスケ「当然の話だが、お前にも自分の世界があるんだもんな。オレにとってそれが何年後になるのかもわからねェーが…… 」

うずまきボルト「……あンがとな、サスケのオッチャン……オレは……過去とはいえ……サスケのオッチャンと……師匠と会えて……こうやって肩を並べて戦ってよ……なんだか……勇気をもらった気がすンだ…… 」

うちはサスケ「気にするな。オレたちは助けられた側だ。オマエがいなければ、きっとオレたちはどっかで躓いてただろう……オマエが来てくれて助かった…… 」

うずまきボルト「…………(何処か微妙な、寂しさと嬉しさが入り混じったような笑顔を浮かべ)……サスケのオッチャン……そうだな。オレが助けるんだ。だから、もう行かなきゃいけねェーってばさ…… 」

うちはサスケ「……そうか。オマエの戦いはこれからなんだな。オレたちの戦いは一旦ここで終わったが……オマエの戦いはここから始まるのか……(寂し気な表情を浮かべるボルトを見て、目を落とし)……ボルト……(視線を戻し、ボルトへと近寄り) 」

うずまきボルト「……サスケさ…… 」


トンッ(ゆっくり指を立てて、ボルトの額当てに指先を軽く突いた)


うちはサスケ「…………また、今度だ(そう言って、ボルトに向けて静かに微笑む)……オレとお前はここで別れるかもしれない……だが、未来で……お前の元の時代で……きっとまた会えるだろう。行け、ボルト。オマエならやれる。オマエの未来も救ってこい 」

うずまきボルト「………………ああ!!(そうだ……オレの世界も救わないといけねェー!!くよくよしてる暇も余裕もありゃしねェーんだ……)行ってくる!!(師匠からの思いを受け取り、未来の世界へと帰る道へと進んでいく)(待っててくれサスケさん……師匠!!オレは……アンタを助けてみせる……必ず!!アンタへの恩を絶対に返してみせる!!) 」


カツ、カツ、カツ……(足音が響く。「うずまきボルト」は、「自分」を誰一人知らない世界へと一歩一歩近づいて……)


うずまきボルト→「ボルト」「オレが……「うずまきボルト」だ、クソッたれ 」


彼は、自分の名を胸に背負って、「兄弟ゲンカ」を、終わらせに往く……



射命丸文「——————という訳で!それはもう辛労辛苦と言った具合のですねぇ……(カメラで撮った写真を並べ、自分の机で書きかけの記事の前で頬杖を付きながら大声で捲し立て) 」

犬走椛「わかったわかったわかった!!分かったkら!!!さっさと書き上げろ、その記事を!!それと一々絡んで来ないで!!嫌々様子を見に来てるんです、こっちは!!(苛立ちながら剣を地面へと叩き付け、机の記事を指差し) 」

射命丸文「あっ、さては不仲設定真に受けてます?駄目ですよぉあの骸骨の事一々全部信じてたら……あの辺りの作家ってだいたいこう………まあ、一理ありますね……恐ろしい敵を倒しても、命からがら生き延びても、仲間が出来ても世界を救っても、人生は続くし仕事も残ってる……人生行路難しとはまさにこの事か…… 」

犬走椛「べらべらべらべらと分かり切った愚痴を聞かせないで貰えますかァ?そんな事当然でしょう、貴方達が世界を救ったのなら当然この先の世界も続いて行くわけで、だったら働き続けるのも当然の成り行きでしょうが。それが嫌なら滅ぼす側に回れという話で……はい!手を止めるな!!(射命丸の頭をひっぱたき) 」

射命丸文「痛ったぁ!?中々無情な言い方をしてくれるじゃないですか、さては信じて無いですね? ……本当に認識して無いんですね、しょうがないのか……?まあ、ちゃんと記事は書いて私が責任を持ってばら撒きますから。いや本当、デマは私書かないんですよ?ご存知ですよね? 」

犬走椛「あぁ_!?デマとは一言も言ってないでしょうが!全く……まあ、とにかく!後で様子見に来るけどそのまんまだったら今度は鬼にチクりますからね!じゃあ私はご飯食べて来ますから!!(もう一発射命丸の頭を叩き、踵を返して部屋から出る) 」

射命丸文「あっ痛ぁ!二度もぶった!!!ああー………行っちゃった……(叩かれた頭を抑えながら、再びペンを手に取り)……ああ、全く………世界は続く、仕事も続く……まあ、これこそが私達が取り戻した『いつも通り』って事ですねー………



~ 深夜 蓮ノ空女学院~




未来・綴理「――――……懐かしいね。「あの頃」と、なんにも変わってないや。(今は無き思い出の面影が残るその学院へと訪れて、ふと感慨深そうに溜息を零した。夜風がこんなにも心地よく感じられたのは、もうすぐあたたかな春がやってくるからなのだろうか。それとも、あの冒険のすべてが終わった達成感からなのだろうか。あるいは――――) 」

村野さやか「…………(いつか聞いた、綴理の未来のお話。そこには未来の自分やスクールアイドルクラブのみんながいて、何も変わらない日常を送っていたはずだった。だが、その日常も仮面の男によって壊されてしまった。今の彼女は孤独だ。そんな彼女と一緒に、この冒険を共にしてきた。何度も助けられてきた。自分は、そんな彼女に何かを返せられたのだろうか?ふと、そんな不安に駆られてしまう―――) 」

未来・綴理「………そんな顔をしないで、さや。(自分の背後にいるさやかの表情が視界に入っていないにも関わらず、無言を貫く彼女から全てを察したように振り返った)……トランクスが、言ってた。ボクの未来は、仮面の男によって改変されたもの。それが倒された今、ボクの未来はきっと元に戻るだろうって。もう一度…未来で、ボクの時代で、こずやかほ、それに「さや」ともう一度会えるんだ。……この時代の「さや」の世界も救われたんだ。もう、何も不安になることなんか、ないよ。すべて、元に戻るだけ。もとに、ね…… 」

村野さやか「……! ……っ…… (そう、すべては、終わったのだ。未来の綴理の言う通り、彼女の世界も、自分の世界も、こうして両方が救われたのだ。ハッピーエンドを迎えられたのだ。不安になることなど何一つない。……それでも……―――)……夕霧せんp―――(そう言いかけた時―――) 」

未来・綴理「――――!(ふと、自分の身体が青白い光に包まれて、そこから火種のような光の粒が空へと登っていく。自分にはそれが「霊圧」だとすぐに気付いた)……これって……! 」

浦原喜助「―――― そうっす。すべて、"元に戻る"んすよ。(いつからそこに立っていたのか、男がいた。その隣には―――) 」

【夕霧】「―――(綴理と瓜二つの姿をした、彼女の斬魄刀『夕霧』もいた――――)  綴理…キミともここでお別れだ。  」

未来・綴理「あ、死神のおじさん…それに……―――(現れた二人を交互に見やり、その言葉の真意に気づいたように視線を落としてしまった) 」

浦原喜助「できれば最後くらいは「お兄さん」と呼んでほしかったすけど…(帽子を目深に被り直す)……ご存知かと思いますが、貴女の時代を壊した張本人が倒されたことで、その『歴史』が本来の正しいありかたに修正されようとしています。 そうなれば…貴女は"斬魄刀と契約して戦いに身を投じる"という役目を失い、元の人間として、「失ったお友達」とまたいつもの日常を過ごすことになるんです。 」

浦原喜助「 もう……"死んだように生きる"ことなんて、ないんすよ。貴女は、ちゃんと"生きている"んすから  」

未来・綴理「……!そういえば……そうだったね…。(あの時自分が発した言葉を思い出したように顔を上げた)……さやを、なにもかもを、失って…ボクには何もないんだって…もう、 選ぶ道はないんだって思ってた。でも…思いとどまれたのは……「さや」が、そんなボクを止めてくれた……気がしたから…。お陰で、ボクは今、ここにいられる。諦めなかったから、もう一度、「さや」と会えるんだ。……「さや」も……こんなボクを……褒めて、くれるのかな……? 」

村野さやか「……「私」なら……「村野さやか」なら、きっと、そうしますよ。夕霧先輩はマイペースで、いつも独創的な方ですけど……でも、いつだって、どんな時だって…「私」に寄り添ってくれる。「私」の気持ちを理解しようとしてくれる。だからわかるんです…夕霧先輩が、「私」の為にどれだけ頑張ってきてくれたかということも…!「私」が言うんですから、間違いありません…! 」

未来・綴理「……さや…… そっか……そうなんだ……へへ……♪ (彼女の励みに突き動かされえたように、思わず笑みが零れた)……たくさん寄り道しちゃったけど…寂しい思いもしてきたけど… 「さや」が「頑張ったね」って褒めてくれるなら、うん……今までしてきたことの全部、報われるような気がする。 」

村野さやか「そうです!「報われないことなんかない」って…私たちを何度も導いてくれたあ"英雄"様も仰っていましたから…!(DMトゥーンが最後に自分たちにかけてくれた言葉を思い出しながら)………えと、夕霧…さん…?(ここで、改めて斬魄刀の『夕霧』と向き合う)……貴女にも、お礼を言わなければいけません。貴女のお陰、私は夕霧先輩を救い出すことができたんですから。あの時は…本当に、ありがとうございました…! 」

【夕霧】「……ううん、違うよ。ボクはただ、進む方角を教えただけだ。進んだのは、さやか…キミ自身だ。だから、綴理を救ったのは、キミだ。……でもね、あの時、キミたち二人が「ボク」の力を、その真名を解放してくれた時、解ったんだ。「ボク」という存在は、綴理とさやか、キミたち二人が巡り合えたから生まれたんだって。キミたちの深い"絆"が、ボクを呼び覚ましてくれた。 」

【夕霧】「……残念ながら、ボクはもう消えるけれど……でも、二人の絆が途切れない限り、きっと…「ボク」が本当の意味で消えることはないと思う。最後に、人間の美しい絆が見られて…本当に良かったよ。綴理…さやか…… 今度は人間として、強くなってほしい。きっとぶつかることもいっぱいある。それでも…キミたち二人なら、きっと乗り越えられる。キミたちの冒険がそうだったように。 」

村野さやか&未来・綴理『………(互いに互いの顔を見合わせ、ただ静かに頷くと、消え入るような光を放つ『夕霧』へと振り返った。「感謝」の意を込めた笑顔を込めて――)』

【夕霧】「  じゃあね、『 綴理 』   」

未来・綴理「  ばいばい、『 夕霧 』   」


綴理の姿を象った「夕霧」が、一瞬だけ斬魄刀としての形を見せると泡となって夜空へと霧散したのだった――――


浦原喜助「………さてと、あとは…『 お二人 』方の時間です。(そう言うと踵を返し、何もない空間に向けて自身の斬魄刀を振り下ろす。するとそこに異空間への穴が静かに開かれたのだった)………この「扉」の先は、貴女が本来いた世界です。もう「この時代」への未練がなくなれば、どうぞお潜りください。そうすれば、私とも…そして、「この時代」とも"お別れ"です。貴女が元の時代に戻ることによって、真に『歴史』は修正されたことになるのですから。

未来・綴理「………ありがとう。 死神の、「お兄さん」。  」

浦原喜助「はぁ……だから最後くらいは「お兄さん」と呼んd………???(てっきり「おじさん」呼ばわりされるものだと勘違いしていたが、彼女の意外な発言にハトが豆鉄砲を喰らったような顔となり、そして…フッと軽く微笑んだ)………貴女がたの未来が、幸福なものでありますように――――(そう告げると男は身を翻し、颯爽とその場を後にした――――) 」

大賀美沙知「…(こうアツアツとされてると入りにくいねぇ、まったく…)(外から光景を見ていた)……(ふぅ、とため息をつき、2人のもとに歩み寄る) 」

村野さやか「……ふふ、夕霧先輩らしいですね。(浦原との別れのやりとりを傍目にくすりとほくそ笑んでいた)……?あ、沙知先輩……!(立ち去る浦原とすれ違うようにやってきた沙知に気が付く) 」

未来・綴理「………いつか、またどこかでね…(去りゆく浦原に軽く手を振った)……沙知だー。ずっと言おうと思っていたんだけど…沙知は未来も現在(いま)も、本当にちっちゃいねー。(いつもの調子で話し出す) 」

大賀美沙知「………ちっちゃいゆーな!…っておい、未来のあたしも変わらないのか!? 」

村野さやか「ふふっ……♪(不謹慎ながらも思わず噴き出してしまった)……なんだか、久しぶりな気がします。"こういう"空気。現在(いま)も…未来でも…変わらずこういうことが続いてくれるといいなって、思いますね。 」

未来・綴理「そうだね…いつまでも、続いてほしいっていう気持ちは、すごくわかる。………でも、大人になって、嫌でも気づかされる。"いつかは変わる"んだって…(そう零しながら、さやか…ではなく、沙知の方を見る)……沙知、"そろそろ"だよね…?(含みを利かせたような物言いで、首を傾げた) 」

大賀美沙知「………そうだねぃ。綴理、そして……あたしも。(学院を見上げ) 」

村野さやか「……ぇ……?(綴理と沙知の両者の顔を見比べて最初は「?」を浮かべる。だが―――)――――!(そこに芽吹く桜の木。その先端にある蕾が視界に入ったことで、ようやくその真意に気が付いた)……あ……そういう、ことでしたか…っ…… 沙知先輩は、もうすぐ…"卒業"…でしたね……… 」

未来・綴理「……うん。さやにとっては、そう遠くない、近い「未来」の話だ。ボクにとってはもう遠い過去の話だけど…今でも、ちゃんと覚えている。沙知が…この学校からいなくなった、あの日のこと―――― 」

大賀美沙知「ああ。君にとってあたしは………意地悪な生徒会長だったかな?(さやかの言葉に対して頷く)なんか、複雑だねえ。まだあたしはいなくなってないのにそんな話を聞くなんて…未来人と会わなきゃ経験できないことだな。 」

未来・綴理「……そうだね…でも、別れがつらいのは、大人になっても変わらないことだよ。……沙知、残り少ない学園生活だけど、元気でね。さやのこと…そしてみんなのことも、お願い。きっと、この蓮ノ空の「未来」は明るくなるよ。だって…ボクはここで…こんなにも素敵な「先輩」と「後輩」に恵まれてきたんだから。

村野さやか「そんなことは…っ……(必死に両手を振って否定を示す)……!夕霧先輩……(その言葉に、胸がすっと軽くなるような感覚になっていくのを感じる。憧れの先輩に認められることが、今の自分の生き甲斐でもあるのだから―――) 」




村野さやか「―――― 夕霧先輩…っ!(ここで、ようやく張り詰めていた彼女へ、『 夕霧綴理 』の"想い"を告げようと、勇気を振り絞って一歩踏み出した) 」


 ♪   ♪   ♪
月明かり 1人で歩く 言いたいことも 言えないままで


大賀美沙知「………綴理。この未来の時代…君の居場所は見つかったようだね。(小声でふとつぶやく)任せときな。さやかも、クラブのみんなも…"最後"まで面倒見るさ。あたしも………"スクールアイドル"だからね。

村野さやか「……実は、私…この冒険が始まる直前に……現在(いま)の夕霧先輩と…その…喧嘩を、してしまいました…。 夕霧先輩に追いつきたい一心で練習を無茶しすぎて…それなのに、ケガをしたのは自分のせいだという彼女に、「そんなことはない」と強く当たってしまって…  」


 ♪   ♪   ♪
ホントの気持ち ホントの感情も知らないまま 時計は進む


村野さやか「自分の不甲斐なさのせいで、あの人を…傷つけてしまった… 自分はあの人の隣に立つべき人じゃないって…そう悲観して、飛び出してしまいました…。そしたら、この時代であんな大事件が起こって…… 夕霧先輩に謝ることも叶わないまま、私は消えてしまうのかな…って……そんな、怖い思いをしてしまって… 」


 ♪   ♪   ♪
貴方の優しさが遠くで


村野さやか「でも、そんな時…『貴女』が、現れたんです…!私のよく知る夕霧先輩で…でも何処か違っていて…――― 」


 ♪   ♪   ♪
ありふれた日常に君が居たから 何も無い僕もここまで歩けたの


(回想)未来・綴理「………ボクは……ボクは、「夕霧綴理」。でも、キミにとっての夕霧綴理じゃないんだ。ボクはね…―――――

(回想)未来・綴理「――――― " 未来から来たんだ " ―――――


 ♪   ♪   ♪
ありふれた日常に君が居たから 何も無い僕もここまで歩けたの


村野さやか「―――…流石に最初(はじめ)は疑いましたよ…ここは夢の中で、そんな中でも夕霧先輩は変わらず不思議なことを言っているものだって…。でも、それが夢じゃなくて確かな現実だと知って……驚くことばかりでした… でも心の何処かで、どこか安心感も覚えました。ああ、やっぱり私は…夕霧先輩がいないとダメなんだなって―――― 」


 ♪   ♪   ♪
あやふやな 言葉が 夜に舞う 変わらない温度を思い出す


未来・綴理「……沙知のそういうところは、本当に"大きい"ね。(ふふっ、とどこか安心したようにほくそ笑んだ)………さや……(ただ静かに、彼女の語る言葉に耳を傾けている) 」


 ♪   ♪   ♪
覚えてる君のその不器用なとこも つらいってさ言わずに静かに泣いてるのも


村野さやか「……たとえ貴女が、「未来の夕霧綴理」だとしても、私にとっては大切な『 夕霧綴理 』だったんです。だから、不安でいっぱいだったあの時も、私は不思議と冷静でいられたんだと…今になって気づきました。それだけ私の人生には、貴女が必要だったから…っ… 貴女がいない日々は、私には耐えられなく辛くて…っ…… 」


 ♪   ♪   ♪
あやふやなこの感情 愛しさも 夢の中 いつか 綺麗な記憶になる


村野さやか「本当に…一緒に…冒険…しましたね……っ… 私たちの知らない景色を見て、たくさんの人と出会って…いろんな経験をして…っ……それも、貴女とだから、乗り越えられてきたんですよ…っ……?(目頭が、次第に熱くなっていく) 」


 ♪   ♪   ♪
嗚呼 いつしか何もかもが人生 君の色に染まってく題名


村野さやか「そうやって…未来の貴女と時間を一緒に過ごす度に…現在(いま)の夕霧先輩への"想い"も強くなっていって…っ…… はじめは、どんな顔をしてあの人に会えばいいのだろうって……どんな顔をして謝ればいいんだろうって…不安で不安で… でも…っ……それも、未来の貴女が私を支えてくれたから…守って、くれたから……気の弱かった私も…強くなれた気がするんです……!」


 ♪   ♪   ♪
これ以上何も求めないよ 変わらぬままで


村野さやか「今ならきっと、夕霧先輩と…もう一度やり直せる。貴女が、私を強くしてくれたから…っ……! 」


 ♪   ♪   ♪
だけど時計の針は残酷でさ 世界は僕を急かし続けてる


村野さやか「……でも……でも……っ…!私はまだ、『貴女』に何も返せていない…っ!私に会うまで、ずっと一人で私の為に戦い続けてきた未来の『貴女』に、私は…まだ……っ…… 」


 ♪   ♪   ♪
いやそう言うとこが弱いのかなって思う度に


未来・綴理「………―――――――(さやかの"想い"を真っすぐに受け止める。自分にとっては過去のさやかが、「あの時」、当時の自分に何を思っていたのか。その胸中に触れて、そこに生真面目な彼女…自分が大好きな『村野さやか』が、過去でも現在(いま)でも、そして未来でも変わっていないことを知ると―――――) 」

未来・綴理「       ギ   ュ   ッ       (――――優しく、抱きしめた ) 」

村野さやか「     !   !       」


 ♪   ♪   ♪
君をただ 抱きしめていた


未来・綴理「……ボクは、さやから、もう十分に「お返し」を貰ったよ。空回りして、躓いても…それでも「さや」が元気に過ごしてくれているだけで、ボクにはこれ以上ない幸せだ。大丈夫…さやは、「未来」に向かって進んでいる。まだまだ取り返せるよ。(抱きしめたまま、彼女の耳元にそう囁いた) 」


 ♪   ♪   ♪
ありふれた日常に君が居たから 何も無い僕もここまで歩けたの


未来・綴理「…それに、本当に嬉しいんだ。さやが、そんなにもボクのことを想っていてくれたことを。ボクが一方的に寄り添っているわけじゃ、なかったってこと。ボクがそうだったように…さやも、ボクがいないとダメダメ…だったんだね……? 」

村野さやか「……はい……はい…っ……!私は…本当に、ダメダメな…人間です…っ…… 貴女がいてくれないと、前に進めない…そんな……っ… 」


 ♪   ♪   ♪
あやふやな 言葉が 夜に舞う 変わらない温度を思い出す


未来・綴理「でも、さやは立派に成長した。ボクのためにその足で進むことを、選んだ。それは、とても立派なこと。ボクは…未来で、未来のさやに背中を押されてやっと進めんだ。さやは……本当に、強くなった。だから、もう大丈夫。大丈夫…だよね…?(抱き寄せていた彼女をそっと離して、互いに向き合った) 」


 ♪   ♪   ♪
覚えてる君のその不器用なとこも つらいってさ言わずに静かに泣いてるのも


未来・綴理「……あ、さや…――――" 笑った " ♪(そんな、彼女の表情(かお)を見て、釣られて笑顔を零した) 」

村野さやか「……ぇ……?(思わず自分の頬に手を触れる。瞳から伝う涙が満たす、その赤い頬を。傍から見ればこれが「笑っている」とは思えない。だが…彼女の言葉を誰よりも理解している自分なら、その意味に気づく―――) 私の傍に、いつだって貴女がいてくれたから… 私は、きっとこうして"笑っていられる"んだと思います…っ……(そう、涙を零しながら少女は笑っていた) 」


 ♪   ♪   ♪
あやふやなこの感情 愛しさも 夢の中 いつか 綺麗な記憶になる


未来・綴理「そっか……そっか…♪ (嬉しそうに、笑顔を零す。大人びた彼女の笑顔にはどこかあどけなさもあった。あの頃と何も変わらない…大切な人に向けた、心からの幸せそうな笑顔を―――) 」


 ♪   ♪   ♪
いつか遠くで君の声が そこにあるって思えたんだ


未来・綴理「…………うん…っ……なら、何もかも、大丈夫そうだ。これで、ボクも…ようやくボクの「未来」に進むことができる。さや、沙知……元気でね。現在(いま)の夕霧綴理のことも、よろしくね。(そういいながら後ろ歩きで異空間への穴へとゆっくり進んでいく) 」


 ♪   ♪   ♪
いつか遠くで君の声が そこにあるって思えたんだ


村野さやか「……夕霧先輩……いえ…っ……――――――(後退っていく彼女にかけるべき最後の言葉を必死に探り当てるように、切羽詰まった表情をひとつ浮かべて伏し目がちになる。そして、その最後の言葉を…現在(いま)の自分が、未来の彼女に送る切実な"想い"を、ついに見つけたように口を開いた――――)」

大賀美沙知「……あぁ。綴理……… 頑張れよ。


 ♪   ♪   ♪
温もりを満たしてくれたの 本当だったよ


村野さやか「      ありがとうございました、『 綴理先輩 』!どうか、お元気で!     」

未来・綴理「     !   !       」


 ♪   ♪   ♪
答えのない夜にさ また問いかけてしまう こうやって


未来・綴理「……はじめて、「下の名前」で呼んでくれたね。ボクが、さやを「さや」って呼ぶように…(それだけで、胸がいっぱいになった。ずっと大人として堪えていたものが、ついに溢れてきた。あの頃の幼い自分が、未来(いま)の自分と重なり―――) 」



未来の夕霧綴理「      ありがとう、「さや」。さやといられた時間は、本当に楽しかったよ。元気でね…♪       」


 ♪   ♪   ♪
君は綺麗だよ そのままで笑っていてよ


過去、現在、未来…すべての時間が重なった少女が、扉を潜り抜けた。
残されたのは、二人の少女と…別れと出会いを告げる桜の花びら―――


今、ようやく開花した――――――





翌日―――――




村野さやか「 はっ、はっ、はっ ――――――(スクールバックを肩にかけて、桜並木を駆け抜けていく女子高生。一夜が明けて、何処か大きな成長を遂げたような横顔を輝かせて、その先にある学園へと向かっていく) 」


メール受信履歴(2024/02/02) : 夕霧先輩


『さや…さっきはごめんね。ボクは…さやの気持ちを、全然わかってあげられていなかった。
あれからいろいろ考えなおしてみたけれど…
やっぱり、今のボクにはさやになんて伝えたらいいのか、よくわからない。でも――――』


村野さやか「はぁ……はぁ…はぁ……!(校門を潜り抜けて、真っすぐに正面玄関へと飛び込んでいく) 」




『――― やっぱりボク、さやと一緒にステージに立ちたい。一週間後のユニットライブに間に合わなくなってもいい。
でも、いつか二人で、輝きたいんだ。どんなに時間がかかってもいい。
遠回りしちゃってもいい。焦らず…さやと同じ歩幅で、歩みたいんだ』


村野さやか「……!(靴を履き替えて廊下を小走りで駆け抜ける。向かう先は教室…ではない。自分にとって居心地の良いあの場所へ。『あの人』がいる、あの場所へ―――) 」




『こんなことをいうボクは、やっぱりわがままなのかな…?
さやが、こんなにも傷ついているというのに。
ボクは、さやを励ます言葉さえも見つけられなくて… でも、さやには元気になってほしい。
その気持ちは、本当だよ。だから、元気になってからでいいから……
また、ボクと一緒に踊ろうよ。』


村野さやか「――――― ガ ラ ァ ッ (辿り着いた先は、部室の練習室。そこに既にいた『先客』の姿を捉えると―――――) 」


『   待ってるから   』


夕霧綴理「――――――― さや……? (未来の…ではない。紛れもなく、『現在(いま)の夕霧綴理』が、そこにいた。誰もいない広々とした練習室で、窓から差し込む朝焼けの光をその身に纏いながら練習に励んでいた、彼女が――――) 」

村野さやか「……………わがままなんかじゃ、ないですよ……!(そう言いながら、自分のスマートフォンを見せつけた。2024年が崩壊する直前に手放してしまったあの時、落下の衝撃で画面は罅割れていたが…しっかりと、その時受信していた綴理のメールの本文が映し出されていた)」

村野さやか「………『綴理先輩』……この間は……その… こちらこそ、本当に…ごめんなさい……!(彼女の傍へ近寄るや否や、表情を改めてしっかりと頭を下げた)…私の方こそ、綴理先輩の気持ちを、本当の意味で…汲み取ることができていませんでした…。でも、私も…"同じ"なんです…!私も……貴女と、同じステージに立ちたい…!(顔を上げた時には、既にいつものようなしんみりとした顔をなくした。勇気と自信に満ち溢れた面構えで、目を逸らすことなく向き合ったのだ) 」

村野さやか「これからも…たくさんご迷惑をおかけするかもしれません… また無茶をするかもしれません…。でも、それでも……それでも私は…!やっぱり貴女と、一緒に居たいから…っ……!私の……憧れで、大切な…――――『 夕霧綴理 』先輩と!

夕霧綴理「……さや……!(たった1日程顔を合わせていない間に、昨日までの彼女とは違うものを感じた。ただでさえ大人びた彼女が…身も心も大人びたような大きな成長を果たしていた、そんな気がして…驚いたように目を丸くした)………うん……♪ ボクも、やっぱり「さや」と一緒じゃないと。だって、ボクとさやは、二人で一緒の『 DOLLCHESTRA 《 ドルケストラ 》 』だから。

夕霧綴理「……これからも、ボクと一緒に…スクールアイドル…やってくれる……? 」

村野さやか「 もちろんです…!わたし、『 村野さやか 』は…『 夕霧綴理 』先輩と、「未来」を歩いていきたいですから…♪  」

夕霧綴理「……!(今まで見せたことのないとびきりの笑顔を浮かべた彼女に、胸を打たれたように口を開いた)………こんなに嬉しそうに笑うさや、初めて見た。ボク、感激で転げ落ちそうで…明日から学校いけないくらい腰を打っちゃいそう…… 」

村野さやか「そんなこと言って、授業をさぼろうとしても駄目ですからね!><  」

夕霧綴理「てへ、バレちゃったかー… あと、嬉しいよ…♪ 」

村野さやか「……?? 」

夕霧綴理「……やっと、「下の名前」で呼んでくれたね。(その時、さやかの目には未来の綴理の面影が一瞬だけ重なった―――) 」

大賀美沙知「…………(陰から2人を見ていた)………(このクラブは、安心して任せられそうだな。綴理、さやか……) 」

村野さやか「――――― ! (重なる二人の『夕霧綴理』に思わずはっ、と息を呑んだ。そして…)……ふふっ……♪(よく見ると、現在(いま)も未来も、実はそんなに変わっていないのかもしれない…そう思えて、面白おかしく噴き出してしまった) 」

夕霧綴理「……??さや…ボクの顔、何かついてる……?今朝食べたハムエッグ…ついてるかな……?(不思議そうに首を傾げながら口元を指で拭う仕草を取る) 」

村野さやか「……いえ、なんでもありませんよ…♪(口元を抑えながら静かにほくそ笑む)……あ…そういえば、綴理先輩。この間の『 忘れ物 』って…結局何だったんですか?無事に思い出せましたか…? 」

夕霧綴理「あ、うん…そのことなんだけどね、思い出せたよ。ボクにとっては近すぎて、当たり前のことだったから、その…無意識を意識すると、思い出せなかったんだけどね…… 」

夕霧綴理「――――― 本当は、『 さやと一緒に帰りたかった 』だけなんだって、思い出したんだー。 」

村野さやか「……ふっ………なんですか、それ…っ……!(あまりにも意外な回答に、ついに我慢できず盛大に噴きだしてしまった)…………でも、いいですよ…♪ 今日は一緒に帰りましょうか。いえ……綴理先輩が望むのなら、いつだって…… 」




夕霧綴理「……!さや…っ♪(ぎゅーっとハグをしかける) それなら、毎日…!ずっと、ずっと…♪  」

村野さやか「んも~~~~っ!そう言ったの私ですけども~~…!(ハグをされて、苦笑いを零しながらも…満更でもなさそうに笑顔を振りまいた。守りたかった「日常」が…「未来」が…こうして取り戻せたのだから―――――) 」


ニコル・アマルフィ「……それで、結構苦労したんですね?また僕の知らないところで……せっかくなんだから頼ってくれたって良かったんですよ? 」

アスラン・ザラ「ハハハ……(状況的に頼るに頼れなかったとか言えない……そもそもニコルが無事だったかも分からなかったしあの状況……)すまない。これからは皆を頼るよ 」

ニコル・アマルフィ「……にしても、皆って言っても……イザークもディアッカも居ませんからね。僕がここに招かれたのは死んだから……?いや別にそんなことはないですよね、アスランは死んでないんでしょ?それに死んだからならラスティやミゲルもいないとおかしいでしょうし…… 」

アスラン・ザラ「ミゲルかぁ……(旅路の途中で対峙した「最強」を思い返し、そういえば声がよく似ていたなと思考を巡らせる)……しれっとこっちに来てたりするんじゃないか? 」

ニコル・アマルフィ「そうですかねぇ……まあ、いつかみんな揃ったらいいですね…… 」

アスラン・ザラ「いつか揃うさ。別に奇跡的な出来事ってわけじゃないと思う。……きっと……いつか…… 」

ニコル・アマルフィ「そうですかね?あはは。また五人、六人で笑えるといいですね。……あ、アスランは…… 」

アスラン・ザラ「……オレのことはいいさ。なんだかんだ今も充実してると思うから。ニコルはいるし……この世界の奴らも悪くない 」

ニコル・アマルフィ「…………そうかな?(いつもアスランとつるんでる奴らを思い返して) 」

アスラン・ザラ「いやアイツらだけじゃないんだこの世界は!!……この世界にも、友が増えすぎたかもしれない(様々な顔が脳裏に浮かぶ。白塗りのピエロに、新世界の神を目指す青年。のんびりと暮らしているけど、実はとても強い星の戦士。力も知恵も運もあるけれど、何よりも心の強いスター。数多くの顔が浮かんでは……) 」

アスラン・ザラ「…………(どこかで出会った鮫に、家族を思う兄貴分……個性豊かな社長たちに、奇妙な親子。気付けば多くの出会いが今の自分を支えていた。それが今回の自分を支えたことも)……ニッ……

ニコル・アマルフィ「なんだかうれしそうじゃないですか。なんか安心しました。こっちの世界でもアスランが友達や知り合いを作れて。ちょっと不安だったんですよ、その辺 」

アスラン・ザラ「……ちょっと失礼じゃないか? 」

ニコル・アマルフィ「ハハハ、すみません。でもだってほら、アスランって不器用じゃないですか……僕たちはアスランの事わかってますけど……イザークみたいなタイプとはよくケンカするじゃないですか? 」

アスラン・ザラ「それは向こうが突っかかって意地張るのが悪いだろ 」

ニコル・アマルフィ「(そういうところだと思うけどなぁ……) 」

ニコル・アマルフィ「大体アスランは頑固なんですよ。言葉が足りないというか…… 」

アスラン・ザラ「…………そうだろうか? 」

ニコル・アマルフィ「言葉が足りないし一言多いんですよ!そういうところ不器用だって……素直に褒めたりするのも苦手だし……それに拘りも強いし……あと棘も多い!!アスランの言ってることは常に正しいかもしれませんけど……正しいだけじゃ人は動きません!いつも結論から話すし…… 」

アスラン・ザラ「ニコルにまでそう思われてたのか……同じような事は何度も言われた。そうならないように頑張ってはいるんだが…… 」

ニコル・アマルフィ「……はい。今のアスランはなんだかんだ、柔らかくなっていってる気がします。まだ駄目なところはまだまだあるけど、それは人間だから。アスランらしくて、それでいて、人付き合いが上手くなってる気がして…… 」

アスラン・ザラ「……そう、かな…… 」

ニコル・アマルフィ「アスランには、燃えるような「激情」があって……容赦なくて人の気持ちがちょっとわからないような「非情」があって……だけど他の人を思って行動できるような「純情」があって、友達のために頑張れる、近しい人の為に身体を張って、大切に出来るような「友情」があって……

ニコル・アマルフィ「複雑で分かりにくいかもしれないけれど、そうやっていろんな「情」があって、「アスラン」なんです。みんなそうですよ。特にアスランは一側面で全部わかるような単純な人じゃないでしょ?人としてのアスランも、戦士としてのアスランも、全部「アスラン」なんですから 」

アスラン・ザラ「…………(ニコルの語る「自分」について、感慨深そうに暖かい表情を浮かべる。何より、その様子を最近、目に見える形で見たのだから。四人に分かたれた、ほかならぬ「自分」の姿……) 」

ニコル・アマルフィ「……あはは、話は変わるけれど、アスランの情といえば……アスランのいない間変な夢を見たんですよ。なんかアスランが四人になった夢とか……

アスラン・ザラ「……そ、そりゃ奇妙な夢だな…… 」

ニコル・アマルフィ「はい。とっても奇妙な夢でした。そのアスランはみんな性格が違うんです。それこそ僕が前言ってたように、激情に溢れたアスランがいて、非情なアスランがいて、純情を忘れないアスランがいて、友情を胸に抱いたアスランがいて……

ニコル・アマルフィ「そりゃもう、アスランが四人もいるんでメチャクチャでしたよ。それに性格もバラバラで…… 」

アスラン・ザラ「……………… 」

ニコル・アマルフィ「さっきも言った通りアスランって気難しいじゃないですか……それが四人もいてそれぞれ性格も違うってなったら喧嘩ばかりで、すごく煩かったなあ…… 」


「避けるなッッッ!!!!!!!このッ……馬鹿野郎ッッッッッ!!!!!!!!!」


「フン、避けないと当たってしまうだろう。何故お前の豆鉄砲なんかに当たってやる必要がある!」


「大丈夫かお前達!!……無関係な者を巻き込むなんて……それでも俺か!失望したぞ!!」


「やめろーーー!!!自分同士の戦いは醜いものだーーー!!!!!」


アスラン・ザラ「……ハハハ、そうだろうな(喧嘩ばかりだった。自分同士なのに噛み合わなかった。その全員の記憶が残っている今思い返すと混乱してしまう。傍から見れば酷い光景だったことだろう) 」

ニコル・アマルフィ「……でもね、そんな喧嘩ばかりのアスランも、戦いってなったらみんな力を合わせるんです。そりゃチームワークもあったもんじゃないですけど、なんか自然にちょっと連携を取ってて……チーム組んだばかりの僕たちみたいでしたね 」


「敵か!!!!!なら早くそう言え!!!!!!!!!」


「お前も俺なら無様を晒すなよ。下がっていろ」


「怪我したら無理せず下がってくださいッ!!」


「やってみせるッ!!」


アスラン・ザラ「……だろうなぁ(戦いとなれば、四人の「自分」全てが力を合わせた。勿論息はバラバラだったが、不思議と向かう場所は一つだったような気がした。「自分」だから、だろうか) 」

ニコル・アマルフィ「でも、みんな意志は強かったです!!芯っていうか……どんなに変わっても、「嫌だ」と思うことは変わらないっていうか……その時に四人のアスランの意見が合った気がして 」

「……俺は、嫌だ!!!!」


「俺も同じだッッッッッ!!!!!!!!」


「フン。俺の搾りかすの割にはいい啖呵だったんじゃないか」


「いいセリフだった!!きっと私でも同じことを言ったぞ!!」


アスラン・ザラ「…………だったなぁ(四人の「自分」の意志が、あの瞬間重なった。旅路を辿るたびに、自分が一人へと、「アスラン・ザラ」へと戻っていった) 」

ニコル・アマルフィ「段々と息が合ってきて……まあみんなアスランだから当然なんだけど、一体感というか……強大な敵相手にみんなで立ち向かって…… 」


「「「「いけェーーーーーーーーーッ!!!!!!」」」」


アスラン・ザラ「…………うん……(自分が一人へ戻っていく感覚。一体感。四人を構成する全てが自分に欠かせないものだった。それだけじゃない。協力してくれた周りの皆との旅路が大きな力を形作り……) 」


「今だ、決めろ! アスランッ!!!」


「行くぞッ……これで全て終わらせる!!」


ニコル・アマルフィ「それで、そんなアスランを構成するすべてが混ざり合って……たった一人の「アスラン・ザラ」に戻るんです。自分の心を一つにして……そしたら、周りの人たちとも想いを合わせられるんです 」


\ ALL AS ONE /


\ JUSTICE ONENESS /


ニコル・アマルフィ「みんなに囲まれて……みんなの力を合わせて……夢の中のアスランは、そうやって望みを叶えました。なんだったかな……アスランの望み…… 」

アスラン・ザラ「……きっと、「生きる」ことだ。生きて、戦って、先の世界を見ること……(胸に今も刻まれた言葉だ。生きる意志。進もうとする意志。それが戦うということだと、誰かに教わった)……どこか楽しい旅路だった、俺はアレの先を見たい

ニコル・アマルフィ「ハハハ……生きる、かぁ……そうですね……前を向いて生きることが出来るというのは……幸せなことかもしれません。その先の……自分の未来を紡ぐことができるというのは…… 」

ニコル・アマルフィ「……にしてもまるで、本当に体験して来たかのように言うんですね?ぼくが見た夢の話なんですけど…… 」

アスラン・ザラ「あ……あー……ははは、なんか妙に共感できる話でな 必要以上に感情移入してしまって…… 」

ニコル・アマルフィ「あはは、こんなへんてこな夢に共感できるなんて、やっぱりアスランはズレてますね!あはは…… 」

アスラン・ザラ「……そう、だな。か。でいい……(まるで白昼夢のような旅だった。或いは本当に夢を見ていたのかもしれない。いつかの「大乱闘」の時のように……) 」

ニコル・アマルフィ「……そんなアスランが紡ぎたい未来って……どんな未来ですか? 」

アスラン・ザラ「……そうだな。そう言われると、わからない。この先の世界、きっと誰も未来なんて分からないだろうし……分からないから、この世界は続いてるんだ(「未来」を定めようとした、仮面の男の事を思い起こす。そうはならないから、この物語は続いているのだろう) 」

ニコル・アマルフィ「…………未来はわからない、ですか…… 」




アスラン・ザラ「物語は、続くんだ。全てが複雑に絡み合って……一つ一つには「ネタバレ」があるだろうけど、その一つ一つの物語が集まった先には……全てが息づいて、一つに混ざっていくこの世界の行く末には「ネタバレ」はない。誰も知らないんだから……

アスラン・ザラ「……だからオレは……いつも、いつでも、こう言える世界が欲しいな 」

ニコル・アマルフィ「……その言葉とは、なんでしょう? 」

アスラン・ザラ「ああ。いつの日も、いつまでも、こう言えるといい――――― 」

















 「     それでは、また明日      」



















 ♪   ♪   ♪
透明なようです 悲しいさ 凍るほど  聡明だそうです 口出すな もう二度と


 ♪   ♪   ♪
亡霊 果ては幽霊 消え失せろ イメージごと  共鳴 求めて 打ち鳴らすような鼓動


 ♪   ♪   ♪
彼が求めたのは あの娘が流したのは  君が嘆いたのは 他ならぬ今日だ


 ♪   ♪   ♪
誰かが隠したような 僕らがなくしたような  何事もない日々を取り戻せそうか


 ♪   ♪   ♪
それでは、また明日


 ♪   ♪   ♪
興味ないです 何もないような歩道  東名から救命 離れれば知らぬこと


 ♪   ♪   ♪
そうはいかないです 逃げ切れぬ もう二度と  党名はないです 打ち鳴らすような鼓動


 ♪   ♪   ♪
彼が求めたのは あの娘が流したのは  君が嘆いたのは 他ならぬ 今日だ


 ♪   ♪   ♪
誰かが隠したような 僕らがなくしたような  何事もない日々を取り戻せそうか


 ♪   ♪   ♪
それでは、また明日


 ♪   ♪   ♪
緩慢な輪になって 単純なことになって  賛成か 反対か それは何やってるの?


 ♪   ♪   ♪
手と手を取り合って ワン、ツー、スリーで追い出して  異端者は誰だ 異端者は誰だ


 ♪   ♪   ♪
彼が求めたのは あの娘が流したのは  君が嘆いたのは 他ならぬ今日だ


 ♪   ♪   ♪
誰かが隠したような 僕らがなくしたような  何事もない日々を取り戻せそうか


 ♪   ♪   ♪
それでは、また明日









――――― 『 Back to the Chaos 2024 』 ――――――


















――――― " f i n . " ―――――

























― ××× ―




阿万音鈴羽「―――― でも流石に今回はちょっぴりだけヒヤッとしたかなー。いや、ほんとちょっぴりだけどさ。だけどたとえ、『この世界』の因果を理解する者が現れてさ、それを手に取ろうとしたところで予定調和には抗えないってことは確認が取れた。杞憂で終わってよかったよ。(円卓に座し、眼下のティーカップに角砂糖をぽとりと落とし込んだ) 」

アコール「その楽観的思考は一体どこから来るのやら…改変された時間軸、その特異点転移を修正する私の仕事が増えてしまったのですが…。まだ観測対象に纏わる報告書も出来上がっていないというのに…多忙なんですよ、こう見えて。やりますけど。(隣人の鈴羽へやや嫌味っぽく頬を膨らませながら角砂糖をカップへ投じる) 」

渚カヲル「…デウス・エクス・マキナは実在するのかもしれない。あるいは、あの世界がそうなのか…世界に導かれた彼らがそうなのか… いずれにしても"なるようになる"ようにできている。それでも、不可測な収束点がそこに在るのもまた事実。彼らがそれにどう向き合うのか、ボクたちはこれからも見守っていくしかなさそうだね。(人差し指と親指でつまんだ角砂糖を玩具のように指先で転がしている) 」

黒ウォズ「ただ今は、祝おう。またひとつ、『物語』が不岐点に終着し、"完結"したことを。そして新たに始まる『物語』の誕生を。さあ、次の観測は?(開いていた分厚い古書を閉じ、手中に隠していた角砂糖を水面へと投じる) 」

八雲紫「件の『箒星の子』に、『箱庭』が接触を図ろうとしている。『 C. 』はこれを要観測対象としている。先に「蛇」が向かっている…私も合流しようと思うのだけど…渚カヲル、貴方もどうかしら?(角砂糖を混ぜ込んだ紅茶を静かに啜る) 」

渚カヲル「勿論、喜んで。ボクに近しい「彼」も招待していることだしね。なら、神聖なる音楽堂にはそれ相応の正装をしないとだね。表舞台に出るのなら、たまには瀟洒も必要さ。……それじゃあ、行ってくるよ。(円卓から離席するように立ち上がる) 」

阿万音鈴羽「いってらっしゃーい!『そっちのお話』が終わったら、またゆっくり聞かせてよね~♪ 」

八雲紫「どうやら気まぐれも気まぐれな『彼』も既に居座っているみたいだけど…会う機会があればその内声をかけてみるわね。断られるでしょうけど。(カヲルと共に離席し、お気に入りの傘の持ち手を腕にかけて歩き出す) 」

アコール「お二人とも、観測報告をお待ちしております。新たに特異点となった『箒星』の流れつく先を――――― 」















To be continued " Our song story " ―――――












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最終更新:2024年04月10日 19:30