カオスファンタズマ Re:胎動篇 戦闘ログ①

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― 幻影の巨塔 ―


― 第11層「再興」 ―




フレイミス「―――――― ダ ァ ン ッ ! ! (既視感のある戦場を模倣した結晶空間。再現された乾いた大地を踏み鳴らし、砂塵を巻き上げながら青年は疾走する) ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ (それはまるで弧を描くように。対峙する敵から一切の余所見をせずその死角に回り込もうと無心に駆け巡る) 」

Dr.ビス(幻影)「一人こっちに攻(く)るぞ!守れぇい! 」

マキシー・キボン(幻影)「うぃっはははは!!!俺様に任せろァ!!!(筋肉質のガタイのいい男が威勢よく飛び出す)うぃ~~~はっはーーー!!!食らえッ、“拳骨 魔愚魔”ァ!!!(迫りくるフレイミスへ剛腕を振り抜いて迎え撃つ) 」

フレイミス「――――欠伸が出るぜ (敵の剛腕は自身の残像を掠め、巨漢を横切る―――)―――― ド ゴ ォ ァ ッ ! ! (その間際、両腕に装着されたガントレットによる強烈な殴打をマキシーにめり込ませ、そのまま歯牙にもかけず敵が守っている「あるもの」へと接近していく) 」

マキシー・キボン(幻影)「ゴ…ァ゛……ッ……!?(めり込まれた拳の一撃に白目を剥き、一撃でノックアウト。巨漢はそのまま膝から崩れ落ちると―――)―――― パ キ ャ ア ア ァ ア ン … ッ … ! (結晶体となって砕け散ったのだった) 」

拠点クリスタル「 プレイヤーが『 拠点クリスタル 』圏内に入りました。これより、カウントを開始します。 (そのアナウンスを発したのは、敵陣営が守っているという謎のクリスタル。赤色をしているその結晶体の頭上にホログラムウインドウが展開され、「 40s 」(40秒)を起点に1秒ずつカウントを刻み始めた) 」

ルンラー(幻影)「もう入ってきてるって!急いで迎撃しないと…!(両手にナイフを手繰り、マキシーを退けたフレイミスに狙いを定めて投擲しようとするが―――) 」


バキュン、バキゥンッ―――――!(何者かの狙撃がルンラーのナイフを華麗に撃ち抜くことで、その凶刃が虚しく宙を舞った)


ムスカ「――――はっはっはっは…!そうはさせんよ。(水平に構えた拳銃の銃口より白い煙を不可視、男は不敵に口角を吊り上げた) ここは我々が食い止める!君は"制圧"を急ぎたまえ! (フレイミスに叫ぶ) 」

Dr.ビス(幻影)「ぐぬぬ…おのれ……!こうなれば、とっておきの切り札を用意するしかないようじゃなあ!!出でよ、サイバーレックウザ!!奴らを仕留めるんじゃあ!! 」

サイバーレックウザ(幻影)「 ボ ゴ ォ ォ オ オ ン ッ ―――――ギャオオオオオォォォオオンッ!!! (伝説のポケモンを模した巨大機竜が地中より勢いよく飛び出し、咆哮を上げながらその咥内より高密度のエネルギー弾を次々と吐き出した) 」

フレイミス「言われなくても―――――やってやるッ!!(ムスカに呼応しながら頭上のサイバーレックウザから吐き出されたエネルギー弾を交差した腕で耐え凌ぐ)…ズザザザァーーー……チッ……!(致命傷こそ至らなかったが、その余波に吹き飛ばされまいと双脚を踏みしめる。それは、意地でも『拠点クリスタル』の範囲から外れまいとする、プレイヤーとしての意地からなるものだった) 」

拠点クリスタル「 ピ、ピ、ピ、ピ、ピ…―――――― (いつの間にか「赤」かったクリスタルは「黄色」へ変色し、そして今まさに「緑」に切り替わろうとしている。頭上のカウントは「28s」を指していた―――) 」

9S「援護します! ハッキング!! (エネルギー弾の着弾爆発を掻い潜りながらサイバーレックウザにできる限り接近。岩石を影に身を潜め、こちらに気づいていないタイミングを見計らいかの敵に掌を突きつけることでそのシステムに干渉。システム改竄による内部破壊を試みる) 」

サイバーレックウザ(幻影)「ギ、ギギュ…ギュゥゥゥ……ッ……!!(9Sのハッキングによるものか、無差別に攻撃を繰り出していた機龍の動きが著しく低下し、全身に稲妻を走らせた) 」

ニシキノ(オーディエンス)「ホホゥ…?なかなかにいい連携が取れたパーティじゃあないか。プレイヤー…攻略組は制限時間内に『拠点クリスタル』を制圧すれば勝ち。即ち、それが目的ならば敵を全滅させる必要はないが、当然相手も黙ってそれを見過ごすわけがない。仲間と連携し、敵の攻撃を抑え、あるいは倒し…いかに安全かつ素早く制圧ができるかが、このゲームの肝になってくるわけだ。実に、興味深い…!(オーディエンス専用の観客ルームから、そのバトルを興奮気に観戦していた) 」

メトロ(オーディエンス)「…そして、"一歩でも拠点クリスタルの範囲外に出てしまうとカウントはリセットされちゃう"……だから意地でも接近して敵の懐に潜り込み、耐え抜く必要もあるんですね…でもそれも、仲間と一緒なら… これがこのゲームの醍醐味と言えるタワーオフェンス式バトルなんですね…!伐刀者(ブレイザー)の試合でもこのような類の戦闘は見た事がありませんから、すごく…新鮮です…♪( *´꒳`*) 」

稔(オーディエンス)「…………(寄宿舎のロビーにあるテレビ。放映生中継されている『カオスファンタズマ』の現在の試合を横目に事務作業をしていた) 」

ネモ「 シ ュ バ ッ ――― 灯せ、《 イグニーズ 》 ! ( シ ュ ホ ゙ ォ ア ッ … ! ! )はあぁぁぁぁあああああーーーッ!!!( ザギンッ―――ザギンッ――ザギンッ―――!!! )(焔が生まれ揺らめく刀を振り回しながら跳躍。刀身を焔で丸ごと包み込んだその鋼刃で、怯んだサイバーレックウザの胴体を次々と輪切りにしていく) 」

サイバーレックウザ(幻影)「 ギ ャ゛ オ゛ オ゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ( ボ ッ ガ ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! )(ネモによって長い胴体を細かく切り刻まれ、盛大に爆散した) 」

メトロ(オーディエンス)「キャー♪ネモちゃーん♪( *´꒳`*)キャッキャッ 」

ルンラー(幻影)「調子に乗るなよ!!(予備のナイフを握りしめて攻略組へ斬りかかっていく) 」

杉下右京「警察官を舐めるんじゃないッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!(キキィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ーーーーッ゛!!!!!!!!!!!!!)(乗り込んだパトカーでドリフトをかましてルンラーとついでに味方のバナナ猫もうっかりを撥ね飛ばす) 」

ルンラー(幻影)&バナナ猫『イィ~~~~~~~イィ~~~~~~~~😭 (二人同時に撥ね飛ばされる)』

タチャンカ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!このままだと突破されるぞ!!!(銃眼からDP27ライトマシンガンを攻略組に掃射) 」

拠点クリスタル「 ピ、ピ、ピ、ピ、ピ…――――― (ついにクリスタルは「緑」に切り替わり、残り時間「9」秒に差し迫った―――) 」

仮面ライダーギーツ「ゲームクリアは目前だな…さァ…―――― 打ち上げと行くか!! ( カチリ…バキュンッ ! ブォンッ、ブォォンッ ! ! )(マグナムバックルのリボルバーを回転させ、トリガーを引き、ブーストバックルのハンドルを2回捻る) \ MAGNUM BOOST GRAND VICTORY / (全身に紅蓮を纏いながら跳び上がり―――)―――― は あ あ あ あ あ あ あ あ あ ァ ー ー ー ー ー ッ ! ! ! (ギーツのライダークレストを描いた強力なライダーキックをタチャンカへと炸裂させた) 」

YND「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!!!!!(9秒に差し迫った焦りからか、拠点クリスタルへ走り黒塗りの高級車の幻影に激突してしまう) 」

黒塗りの高級車(幻影)「(だる)どっかああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!(YNDを巻き込んで大爆発) 」

フレイミス「どうやらあとはお前だけらしいな。高をくくるつもりはない。確実に勝つために、倒させてもらうぜ――― “エア・ドライヴ”ッ!!!( シ ュ ド オ ォ ォ オ オ ン ッ ! ! ! )(全身の蒸気を噴出させると、とてつもない速度で駆け抜け―――― Dr.ビスを殴り抜いた) 」

Dr.ビス(幻影)「しま――――― ン゛ブェ゛ア゛…ッ゛……!!?( ド シ ャ ア ァ … ッ … ―――― パ キ ャ ア ア ァ ァ ア ン ッ … ! ! )(殴り抜けられて宙へと螺旋を描きながら舞い上がり、落下と同時に事切れた幻影体はそのまま砕け散る――) 」

拠点クリスタル「 ピ、ピ、ピ、ピ、ピ…――――― ピ コ ォ ー ン … ♪ (そして、「緑」だったクリスタルは綺麗な「青色」に完成されると、カウント表記が「GAME CLEAR」のテキストに差し替えられ、無事党派を達成した攻略組へ送られる小さな花火が打ちあがった) 」

エリノラ「 ゲームセット~!! これで第11層踏破だよ!おめでとう♪ (打ち上げ花火と同時に、攻略組の背後にずっと潜んでいた少女が意気揚々と飛び出して満面の笑みを表現する。この少女こそ、彼らが参加しているゲーム『カオスファンタズマ』の『案内人』なのだ―――) 」

エリノラ「 みんな、お疲れ様!ではでは~…今回のバトルリザルトを発表しちゃいまーす♪ (頭上に広げられた大きな映像に片手を突き出して彼らをその画面に促した) 」


バトルリザルト ――― 討伐数:フレイミス 支援力:9S 妨害:ムスカ 無傷:9S、ムスカ、ネモ、杉下右京、仮面ライダーギーツ 賑やかし:YND 終止符:フレイミス 不運:バナナ猫


エリノラ「 そしてそしてぇ~…?試合を観戦してくれたオーディエンスによる「MIP」の投票も決まったみたいだね!今回のMIPは……――――『 フレイミス 』さんでーーーす!おめでとうございまーす!MIPに選ばれたフレイミスさんには、更にボーナスとして『チャオス』が贈呈されるよ♪みんなも、MIP目指して次の試合でがんばろうー!それじゃあみんな、『転移クリスタル』に触れて「ホーム」に帰還しよう!  」

フレイミス「……その辺の仕様はよくわからねえんだが…まあ選ばれたって言うのなら悪い気はしないな。とにかく、このゲームは俺たちは"自発的に回復できない"んだったな。またあのメディカルなんとかってところに世話にならなきゃな……(はあ、とため息をついて転移クリスタルのもとへと歩き出す)………(ふと振り返る。共に戦ったパーティメンバーたちが各々にクリスタルに触れて帰還する中で、自分一人は何もないバトルフィールドに取り残された) 」

エリノラ「……どうしたの…?(戻る気配のないフレイミスに全身ごと小首を傾げる) 」

フレイミス「……なあ、『案内人』さんよ。この『塔』の最上階を目指すこと……つまりはゲームをクリアすると"望みが叶う"んだってな。 」

エリノラ「……まだ、信じられない? 」

フレイミス「疑ってるわけじゃねえさ。事実俺は過去にその類の催しに参加したことだってある。そん時は…願いは叶ったようで叶わなかったが……まあ、それはそれって奴だ。実際のことはどうであれ、俺はもとより微かな希望を求めてこの時代に来た。手探りで回るよりこっちの方がずっとマシだ。アンタの言葉、信じてるからな。(はにかんだ笑みを見せると自身もようやく転移クリスタルに触れ、バトルフィールドを後にした) 」

エリノラ「………「希望」か…… すごく、良い響きだね。(フレイミスの転移を見届けた後、誰かに語るわけもなく静かに呟いたその言葉を噛み締めて自らもクリスタルに触れるのだった――――) 」







突如として現れた、何とも形容しがたい天を穿つような巨塔


それは神々しくも禍々しく、そして美しくとも醜くあった


ある語り部はこう謡ったそうだ。「天国だか地獄だかわかりゃしないが、あの場所には"混沌の幻影"が現れるのさ


―――誰が、一体何のためにあの塔を建てたのか。案内人と自称する少女の謎、そして"混沌の幻影"とは?


それからしばらくして、世界中へと多種多様な噂が飛び交った


ある者は眠る財宝を求めに。ある者は冒険を求めに。ある者は己の力を求めに。そしてある者は、真実を求めに


それぞれの想いを抱き、人々は幻影の巨塔へと足を踏み入れていく―――





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最終更新:2025年05月03日 19:52