カチャリ「―――カチャカチャ……あっ!これこれ~~!! やっぱ大きな公共施設って良い部品使ってんのよね~……!(巨大ターミナルの、その裏側。”立入禁止”と書かれた扉の向こうで、目を爛々と輝かせながらあらゆる制御盤をこじ開けていた)これと、これと~……うふふ、笑いが止まんないわ~……!(職人技と言わざるを得ない工具捌きで、あらゆるネジや固定具を外しパーツを抜き取っていく) 」
カチャリ「これとこれもそれも当たり……!いやぁ、箱をこじ開けて漁るのって中毒性あるわよね……!(せっせと詰め込まれるポーチが膨らんでいく)うん……こんなもんかしら。じゃあさっさとずらかるとしましょうか――― 」
――― カオス駅・第7番線ホーム ―――
間もなく第7番線に、快速列車が到着します―――……
カチャリ「(人のざわめきのある広々としたホームで足早に歩き、その場を離れようとしていたところ……)……ん?(視線が吸い寄せられる―――壁面に備え付けられた制御盤だった)あぁ~……(人気はある……けど、これだけ人が多いなら、逆に怪しまれないかも……いいじゃんね、最後の一箇所にするし!こっそりやればバレないわよ!へーきへーき!)(慢心。彼女の組織の悪いところである。そうしてコソコソと制御盤を弄り始め、周囲の喧騒でやや紛れてはいるが、もし彼女が視界に入ったのならその様子は十分に怪しいものだった) 」
エドガー「(―――――と、いう慢心を抱くのは彼女だけではなかった。コンクリの柱の影に背を付け、デフォ半目、三白眼、汗マークというギャグチックな絵柄で額に手を当て首を横に振る男の姿がある。 慢心、この場に居合わせたのは『何事もなく帰宅できる』という慢心故だったのである)……スゥゥゥゥゥゥ………(放置してもいいのでは?これは鉄道会社側の警備の問題、一個人が責任を負い静止にかかるのは筋違いでは? VS これが原因で列車が事故ったら間違いなくここで足止めを食らうどころの騒ぎじゃ済まない ならちょっと後者に行ってくる) 」
エドガー「――――あー……ん"ん"っ メンテを装うなら変装ぐらいしておけ。バレバレだぞ解体魔。やめとけやめとけ、ここの鉄道の部品はオーバーツを使ってるわけじゃないし市場じゃ良い値はつかねぇ~んだ!("その道の同僚"のような佇まいで指差し、『親切で言ってやってるんだぜ、手を引いておけよなぁ~』と言いたげな風を装う(事ができているつもり)) 」
カチャリ「ビックゥウゥ! かかっ、解体魔ぁ!?(汗白目 彼女の尾骨部から伸びるスチームテイルまでもピーン!と伸びる) 」
カチャリ「ち、違うわ!これはメンテナンスを―――(「メンテを装うなら変装ぐらいしておけ」)―――……(用意していた言い訳を先んじて封じられ、ぐぬぬ顔でエドガーを睨む)(この人、『今なら見逃す』って言ってる……普段のアタシなら、パーツを戻して忠告通りさっさと手を引いておくけれど……)(――体のポケットにいたるポケットに溢れる盗品たちが視聴者視点の画面上にスポットされる――)(もう前科100犯なのよね!!!!!!!!!)(心の中でダバーッと涙を流しながら) え、え~~~っと……わ、わかったわ。この辺にしてさっさと帰るから見逃して――― 」
――まもなく、第7番線に、快……―――……(ノイズ。音声が途切れ、ホーム内に異常が発生する)
ギギギギィ――――……ギャァァァァァ………!!(ホームへ入ってきた列車からブレーキ音が鳴り響き、列車にも異常が発生していたようだった) 安全確認のため、一部運行を停止します――――(エドガーの懸念は当たり、カチャリのあらゆる制御盤の窃盗により足止めを喰らってしまうはめに)
カチャリ「!?!? ち、ちが!!アタシのせいじゃな―――(アタシのせいだ―――――!!!目撃者を……こ、この男の記憶を、消す!!!!(ぉ) カチッ―――(という音と共に、手元に巨大なレンチが出現する)ごめん!ちょっと寝てて――――!!!(ぐるぐる目で巨大なレンチを振りかぶり、エドガーの頭部へ叩きつけるように振るう!) 」
エドガー「―――――――。――――― えっ (最悪……圧倒的最悪。今日は楽しみにしていたベーカリーの特売日、つまり情報を見逃さないお得意様としての格を見せつける時だった。 しかし圧倒的欠席、遅刻を上回る最悪の既定路線、列車の運行停止。結構呑気していたエドガーもこれには絶句せざるをえなかった。鉛筆で何重にも円を描いたような目は宙を仰ぎ見、線はぐしゃぐしゃになり、胴体はてるてる坊主のようなてきとーな絵柄になる) \ごめん!ちょっと寝てて――――!!!/ (意識が呼び戻されたのがこの敵意のない攻撃を告げる声。咄嗟に腕をくの字に折り、前腕を青語の高さにおいてレンチを受け止める) 」
エドガー「――――――――(置かれている状況、攻撃されているという事実。思考が言葉にならず紆余曲折した結果……) ボウッッ(右腕に僅かな蒼炎を灯し、それを斜めに振り払ってカチャリを押しのけ、間合いを図り直す)―――――この遅刻は、時間と金銭といった数字に図れる損失じゃねぇ、俺の心身、金や利益で埋められねえ損失をもたらす傷だ……、ゆ、許せねえ……どうしてこんな仕打ちを受けるんだ……! 敵だなぁ、テメェ―――――ッ!!(腕をまっすぐ前に伸ばし二本指でカチャリを指す。この瞬間、敵対関係は絶対的な物になり、ちょっと寝るどころか見逃すだとか逃がすだとか、そんな選択肢がないことを示した) 」
カチャリ「わ、わっ!(蒼炎を纏う腕で押しのけるように振り払われ、エドガーとの間合いを図り直し正面から相対する構図に)(蒼い炎……!能力者―――さくっと寝てて貰おうと思ったのに、けっこう厄介なの引いたかも……!駅のド真ん中でケンカを売る相手じゃなかったわね―――でもいい!ここまできたら進むしかない!!)運がなかったわね!!恨むんなら、このカチャリ様と同じ日同じ時間同じ駅に居た、自分を恨むことねェ―――――ッ!! ブンッ!(手のひらサイズの物体を投擲―――エドガーの眼前の床で跳ねると、その姿がハッキリ視認できた)―――カコンッ(跳ねたのは、閃光手榴弾―――) 」
バ ン ッ ッ ! ! ! (耳を劈くような音と共に眩い閃光が放たれエドガーの視界を塞ごうとする)
カチャリ「――――置いてけ記憶ぅうぅうぅうぅ!!!!(タイミングを図って閃光をしのぎ、スチームテイルによる跳躍補助で一気にエドガーとの間合いを潰し、愚直な横殴りを繰り出す) 」
エドガー「 ! (足元で鋭い音を立て跳ねる金属音。ピンが外れるまで所有者の友人だったであろうそれが、投擲された距離感から"直接攻撃する手段ではない"事を察し咄嗟に腕で視界を塞ぐ)――――(以外とクレバーだな。言動の割に冷静……こいつ、楽観的に見積もっても天性の気質に反して実戦経験はある奴だ) だが 」
エドガー「 ゴッ (両腕をクロスし肘で横殴りを受け止め、吹っ飛ばされるように見せかけ自発的に床を蹴り後退。背後の壁へ踵を付け……)視界を潰すのが目的なら効力がある内に、読まれねえ角度から仕掛けるこったなッ!(壁キックしカチャリの頭上へ、浮遊状態から彼女が操るアームテイルの頭部目掛け顎を蹴り上げるようなハイキックを振るう) 」
カチャリ「 !? (対応した!?あらゆる条件からあの数秒の猶予もない短時間で、投擲物が閃光手榴弾であると判じた―――えぇ、不可能ではない。不可能ではないけれど……!)アンタも裏社会の人間ってワケ―――…………!!(額に汗を浮かべ、口端を引き攣らせながら歯を剥いて笑む) 御高説どうもありがと、気の毒だけれどそっちに逃げてもあるのは壁よ―――!!(シューズの蒸気噴射で追い縋り、彼が背後の壁へ踵をつけた時点でもう一方レンチを振るい―――) バ ゴンッ !!(手に伝わる感触は、壁。崩壊した壁にエドガーの姿がないことに目を大きく見開いた)上―――― 」
カチャリ「――――うきゃッ!?!(汗涙目)(頭上を翻るエドガーにスチームテイルを蹴っ飛ばされ、ダメージがカチャリ本人にも伝わったかのように小さな悲鳴を上げる)う、うちの子になんてことすんのよッ!!(蹴り飛ばされたスチームテイルがシュルリと伸びてエドガーの片足に巻き付いて絡め取る)――――捕まえたッ!! クルンッ ブォオンッ!!(そのまま一回転し、壁に叩きつけようとする) 」
エドガー「 え"ッ (うちのコ……ッ!?)すまッッ ア"ッ (機会に対する擬人的思い入れ、それを足蹴にしたという事実を突きつけられ猫目、口端が引きつった状態で反射的に謝罪するのもつかの間、その一瞬を文字通り絡め取られ、治安が劣悪な国家が経営する格安航空でも経験しないGが襲いかかり、意識を置き去りに天地が逆転……) グワァ――――ッッ!! (頭部を金槌にしたかのように壁へ叩きつけられる。咄嗟に両腕を後頭部に添えて組み、踵を後方へ繰り出すことで急所への衝撃は抑えるものの尋常でないダメージが背骨から末端に至るまで電流となって迸る) 」
エドガー「 ッ……!(バンッッと手を床につけローリング。未だスチームテイルの拘束は振り払えないが地に足と膝を付け体制を立て直す。腕で口元を拭い、カチャリを見上げる双眸は冷淡を装うが首筋に冷や汗が伝う)(―――宝くじ引くぐらいの確率で最悪のビンゴしちまった……相性も悪い、加えて評価訂正、その道の"プロ"だ。今ならパチ屋に誘われてもいいぐらいにはツキがねえ……!ここは先手を取らせる、道に飛び込むより既知への対処だ!) 」
カチャリ「―――ニィ……!(確実に入った!よし、これで気絶して……)……っ……?!(膝をつきながらも、いまだ折れぬ瞳でこちらを見上げるエドガーに目を見開いた)(普通なら気絶してるはず……こんなの”想定外”―――) ギチ……チ……ッ! (エドガーの片足に巻き付くスチームテイルの締め付けが強まる。目元に影が差し込み、ニヤリと歯を剥いて口元が薄く歪んだ) 」
カチャリ「どうしたの? もう打つ手無しってワケ?(余裕たっぷりの声色で、あざとく首を傾げて肩を竦める)それ以上起きてたらもっと痛い思いをするかもしれないから、さっさと意識手放しちゃったほうがアンタのためよ―――ほらっ!! ブォオンッ!!(エドガーはリーチのある攻撃手段を持たないと判断。一定の距離を常に保ち、主導権を完全に握ることができるこの状況を利用し、先ほど彼に喰らわせたスチームテイルによる振り回しを再度行い、彼の体を玩具のように持ち上げて反対側の地面に叩きつけようとする) 」
エドガー「 くそがッ!"こうなる"のがつれェーから飛行機は止めたのに……だァ"ーーッエコノミークラスゥゥゥーッ!!グォ―――z____ン (内蔵を揺さぶるG、天地逆転、ジェットコースターにおける救いだった座面という固定具すらなくこの奔流に成すすべもなく振り回される)―――――ンてなァ……ッ(瞳孔が渦巻き、冷や汗、大きクラ枯れた口とシャレにならないぐらい窮地なのは確かだが、それ自体を想定していたかのようにしてやったりの笑みを浮かべ) 」
エドガー「 グンッッ (両腕、両足を重ね錐揉み回転。スチームテイルの先端、最も重心が傾いている部分に揺さぶりを入れる事で綺麗な曲線を描いていたテイルのそれが歪み……) ガク ンッ (天井照明を吊るしているチェーンへ、スチームテイルのアーム部分を絡ませる。そのままチェーンを軸にし振り子のようにしてスチームテイルの矛先をカチャリ自身へ変えUターン) ヴ ンッッ (遠心力、落下の速度の乗った踵落としをカチャリのつま先に触れる寸前の床へ叩きつけようとする) 」
カチャリ「(沈みなさい――――! そしてどうか今日の記憶の全てを忘れて~~~~~っっ!!!)(確かな勝利の手応えを抱き、全力でスチームテイルを振るうが、)なっ――――ガクンッ!!(はッ――――!?)(彼の機転により、思惑通りスチームテイルのアーム部分がチェーンに絡まる)(……照明のチェーン!? この一瞬で――!?)ジャリッ!!(強引に引き戻そうとしても叶わず、逆に体が照明のチェーン側に引かれ体勢を崩し、カチャリの体にこちらへ向かってくるエドガーの影が落ちた)やば、ちょ、ちょっと待っ―――――― 」
カチャリ「 ―――――― ズ ド ォ ォ ン ッッ !!! (エドガーの踵落としが凄まじい風圧を伴ってカチャリの鼻先1cmを通過し、つま先に触れる寸前に彼の踵が深く突き刺さった) …………………ぁ、ゎゎ……(完全に戦意を喪失。蚊の鳴くような微かな音を口から漏らす。膝から崩れ落ち、腰を抜かしたようにぺたんと床に座り込んだ)…………(それからややあって、) 」
カチャリ「――――すぃやせんでしたァァァァァァ!!!(バッ!!!とターミナルの各所から盗み出したパーツ類をエドガーに差し出して土下座。清々しいまでの全面降伏である) 」
エドガー「………――――(シャフ度、無言の圧。言葉を発さぬことで反論の余地を与えないプレッシャーを与えようと意気込んでいたが……) や"め"い"……ッ (腹部周辺に雷
マークが見えそうな程に胃をキリキリ痛め、歯を食いしばって頭に手を当てり) 自分を客観視してくれ、現行犯でもなけりゃそーいう奴に見えねえからアンタ。絵面的に"俺が"奪って、目撃者を脅しているようだから。 ブンッ(風切り音を立てて周囲を見やり) 」
エドガー「あいにく俺はクソ外道でもないが正義の味方も気取らない。今回喧嘩打ったのは不可抗力とむかっ腹が立ったからだ。サツに突き飛ばそうだとか、そんな誰もとくしないことはしない、パーツが元に戻って社会がいつもどーりになりゃいいし、俺も俺で、この遅れをどうにか取り戻せれば良い。 そこで提案……というより埋め合わせを強制させてもらう(続けざまにガラスケースを拳でぶち破り、そこに保護された非常ボタンを鳴らす) 」
エドガー「 ピッ(けたたましい警報音がなる中、人差し指を工事中と立て札の上がっている狭い通路へ向ける)今から警備員が来てパーツ"だけ"を回収する。それでこの事件はシマイだ。 この駅には詳しい、こっから警備の目を抜けて出れるようナビしてやる。そっから先だ、どうせ逃亡用の足は用意してるだろ。そこから…… 俺を、指定の住所まで、最短で届けろ。スピード違反してでも届けろ。違反切符とか諸々の社会的ペナルティは全部アンタ持ちだ、嫌なら上手くやってくれ(ジト目のまま、『ニフ"ニフ"ニフ"ニフ"』という濁音を周囲に浮かべ) 」
カチャリ「だ、だってぇぇ~~……列車止めたのアタシだってバレたんだもぉぉ~~~ん……!(デフォルメ顔で非常に情けない表情を浮かべながら) (『サツに突き飛ばそうだとか――』)え―――ほんと!?警察に突き出さない!?やった♪ もう~そういうことなら早く言いなさいよ!じゃあアタシはこれ―――(けろっとにこやかな表情を浮かべ、さっさとトンズラしようとし―――エドガーによって非常ボタンが押され、けたたましい警報音が鳴る!)ぇ―――でぇぇえぇえぇえぇ!?!?!(汗汗汗)ちょっと!!なにしてくれちゃってんのよぉおぉおぉ!?!?!て、提案ってなに!早く!早く言って!!!(汗汗汗) 」
カチャリ「―――(そして提案――強制的な埋め合わせの内容を聞き、)―――…… 」
カチャリ「………………💦 」
カチャリ「―――…………上等。やったろうじゃない。(腹をくくった)必ず送り届けてあげるわ、このカチャリの名にかけてね(そんな立派な名じゃないけど……)……ただアンタ、しぬほど酔っても知らないから。ちょっと浮いたり跳ねたり飛んだり壁走ったりするかもしれないし。 アンタのほうこそナビしくじったら分かってるわね? 捕まったら、アンタにぜんっっっっぶ罪被せてやるから!いいわね!! ……ほら、間に合わせるんでしょ? そうと決まれば作戦開始! 行くわよ!(エドガーの肩を軽く小突き、警報音が鳴り響くホームを駆け出していった) 」
エドガー「そいつぁいい、さっき散々予行演習したばっかだよ。背に腹は変えられねえんだ……俺の心身、メンタル、いや命に関わる用事なんだ。 ……あれなんで俺が一方的に追い詰められってるんだ……?おかしくない?あれ?(自身で選択した結果にも関わらず割に合わない取引をしているのでは?という違和を抱えたまま、まるで共犯者であるかのようにカチャリへ続いて駆け出す) ミギ!!ソコヒダリ!!ジャンプ!!スライディングスライディング>(>>ロックマン8<< 」
――― 市場通り・裏 ―――
カチャリ「―――ふっふっふっ……(市場通りの喧騒から一本外れた裏通り、明らかに脇に並ぶ店が持つ敷地の隅に積み上げられた木箱や錆びた金属箱に目を光らせる)前回は大きな駅なんか狙おうとしたから失敗したのよ。こういう地味~な路地裏でコッソリ貰ってくのが大正解ってワケ……! ゴスッ (ひとつの箱にバールを差し込んだ) 」
カチャリ「バリ、バリバリ……バキンッ!(箱が軋み、最後に大きな破裂音が響き渡る)さて、中身は~……♪(開いた箱を身を乗り出して覗き込む。またしても油断。彼女の悪いところである)当たり、あっこれもいい! こんなの今作ってるあの子に使うしかないじゃない―――(上半身はすっぽり箱の中に入っており、尻尾(?)であるスチームテイルが楽しげにフリフリと揺れ、無防備をさらす。先ほど響き渡った派手な破裂音も相まり、もしこの場を通りすがる者がいれば彼女を不審に思うには十分だった) 」
トントン(と、そこでどこからどう見ても挙動不審者のソレであるカチャリの肩を叩く感覚。それが何を指し示すのかは想像に難くなく、そしてそれが想像通りの相手ならば無理もない話だ)
カチャリ「ガサガサゴソゴソ……ん~~?(物品を物色する最中に、肩を叩かれる感覚に眉をひそめながらやや不機嫌そうな声を上げる) なによ、今ちょうどいいとこなん、だか……、ら…………。(言葉が途中で途切れ、サーっと背筋が冷える感覚に汗をだらだらと流す) ギ、ギ、ギ、ギ、ギィ…………(デフォルメ顔で軋む音を立てながらゆっくりと振り返る) 」
肆々玖「何してるんだ、あんた。(青色の制服、そして制帽。全体的に警官を思わせる配色の―――警備員然とした青年が真後ろにいた。物資漁りに熱中していたのを加味しても、一切の気配を感じさせずにだ) 」
カチャリ「――――――っっ!?!?!(汗汗汗 スチームテイルがビーンッ!と逆立ち、これでもかと言わんばかりの驚愕を示した) 」
カチャリ「あ、あの、あにょ……これはちが……(咄嗟の言い訳を並べ立てようとし、口角だけが中途半端に上がり引きつった表情を浮かべた)(けけけ警備員!??!しまった、油断した! ていうか気配も何も感じなかったんだけど!?) えっと、あの~……あ、アレよ!整理?みたいな! そこの店のおじさんに頼まれたのよね~、いや~大変だわ~!(汗笑顔)(と、手のひらに握っていた機械パーツを素早く―――なんと自身のポケットに入れた!肆々玖の目を持ってすれば、その行為を視界に捉えることは容易だろう) 」
肆々玖「そうか、不思議だな。そこの店は爺さんではなく婆さんが店主のはずだが。それに頼まれたならば大っぴらに手持ちせず懐に隠した理由は?(鋭い眼光、無論見咎めずに見逃す理由もなく)合理的な返答を期待しようか。 」
カチャリ「え゜ッ!?!?(聞いたことがないタイプの発音の奇声を短く上げ、白目を剥く) ぐ、ぐぬ……(”完璧”な理詰めね……お手上げだわ。でも見知らぬジャリボーイ、その言葉が逆にアンタの”詰み”を呼んだわよ……)……はぁ、観念するわよ。盗んだ品は返すから見逃してくれない?(肩を竦めながら小首を傾げ、申し訳なさそうな声色を作り)ほら、これ盗ったパーツ―――(懐から出したパーツを、上空へ放り投げた)――― ヒュ オ ッ !! (記憶よ消し飛べーーーーー!!!)(上空への視線誘導。その隙に素早く手刀を繰り出し、彼の首元へ迷いのない一撃が迫る) 」
肆々玖「そうだろうとは思ったが―――ガ ギッ(視線はわざとらしく空へ向け、ただ一瞥もなく鈍い金属音と共に手刀が止まる)騙しの手品とはベタな事をする盗掘者だな、バイト警備員としてお前を拘束する。(薄らと手に纏う気―――即ち
エーテルが鋼鉄のように硬質化している。そのまま素早く手を思い切り引いて後ろ手にして拘束を試みる) 」
カチャリ「ガ ギッ ―――(目を大きく見開き、彼の硬質化した手に止められてた手刀と彼の感情の起伏が少ない顔を交互み見てブンブンとコミカルに顔が動く)や、や、やば……ちょ、ちょっと待っ―――(その場で足を上げ、物色していた木箱に足をかける) ダ ンッ!!(彼に思い切り手を引かれると同時に、彼に捕らえられた手を支点に木箱から大きく身体を跳ね上げた!)―――ほっ!! シュタ (捕まった手をねじるような宙返りをして、彼の反対側に着地して拘束から抜け出す) 」
カチャリ「ガチャガチャ―――ガギンッ!!(手元に巨大なレンチが現れ、背に振りかぶる)ふんっ、こーなっちゃあ仕方ないわよねェ……アンタには悪いけど、ちょっと寝ててもらうわ。 ちょっとはやるみたいだけど―――バイト風情がアタシを止められるかしら!!(振りかぶった巨大レンチを、彼の頭部を目掛けて振り抜く!) 」
肆々玖「アクロバティックな盗掘者だな、評価を上方修正しよう。(的確に拘束を抜け出され、躊躇いなく致命の一撃を狙う姿勢にゆっくりと気を練り上げ―――)"暁の祈祷<ルエゴ・アルバ>"、"フェーズ:1<プリメロ>"。(大振りなレンチの間合いの内側に素早くダッキング、視界の端から抉り込むように躊躇なくボディブローを狙う) 」
カチャリ「(ここはレンチの間合い!大丈夫、無謀に踏み込みさえしなければ―――)―――えっ!?(安全圏にいると思った瞬間、カチャリの視界から肆々玖が消える。ダッキングして身体を沈ませた彼に気づいた時にはもう遅く、)―――ぐっ!! (逃げ場のない角度から放たれたボディブローを叩き込まれる―――その刹那、) ガ ギ ッ !! (対応した”第三の手”。スチームテイルが素早く2人の間に滑り込み、肆々玖の手を弾いていた) 」
カチャリ「ふふっ、どーよこのカチャリ様のスチームテイルは……!アンタさっき”評価”とか言ったけどねえ、アタシそういうの一番嫌いだったの!上司みたいなコト言うなーーーー!!(スチームテイルが付近の石ブロックを掴み、彼に投擲する) 」
肆々玖「その長いのは飾りか趣味ではなかったか、評価と認識を改めよう。(冷静、冷徹。淡々と処理を進めるようにブロックをスライディングで潜り)"発光<イルミナル>"。(短く一言、発した途端に―――) 」
カッ―――!!!(その言葉が引き金となり、肆々玖の心臓と血流が魔術回路を描き詠唱を代替、なんの前触れもなしにカチャリの眼前が視界を潰すほどに強烈に発光する!!) 」
カチャリ「はあ!?💢 このジャリボーイまた評価って言った!!💢(ガーッ!とコミカルに怒りを露わにする) 」
カチャリ「ついでに因んでおくけれど、このコ(スチームテイル)は10割”趣味”よ―――(こいつ、かなり動ける……! 感情の起伏も薄く、淡々と最善手を選んでいる―――まるで帝国の兵士を相手にしている気分だわ……!)―――\"発光<イルミナル>"/―――(イルミ……発光―――!!) カッ――――!!!(短く発せられた言葉の意味を理解、同時に強烈な発光がカチャリの視界を潰し、方向感覚が乱される)しまっ……!!(やや大きめの隙を晒す) 」
肆々玖「ふんッ―――ズッ ダ ンッ!!!(一歩踏み込み、深く姿勢を降ろしてから前方へ推進力を背で叩きつける―――"鉄山靠"を見舞う)返してもらうぞ。(そのどさくさに紛れ、盗まれた品を引ったくってのける、鮮やかな手際だ) 」
カチャリ「が、っ―――!?!(ズドン、と鈍い衝撃が全身を打ち抜いてその場から吹き飛ばされ、)―――ガガガガガッ!!(地面をスチームテイルで抉ってブレーキにし、数メートルの間合いを空けて静止する)はぁ、っはァ……!チッ、やられた……!(一片の無駄もなく、鮮やかに盗んだ品を引ったくってのけた彼の手元を見て苦い顔をする)最近負け続きでねぇ……前々回も、前回も、今回も!”戦利品なし”じゃあーノコノコお家に帰ることなんざできないのよ!! 置いてけその部品ンンンーーーーッッ!! ポチッとなァ!!!(手元のスイッチをぽちっとな!) 」
ピッ、ピ――――――カッ!!!!! ドガァァアァアンッ!! (いつの間にか肆々玖の足元に設置されていた起爆型爆弾が爆発!!)
視聴者解説ローファ「まともに食らったとしても、
トロイメ団補正でなぜか全身が黒焦げになるだけだから安心してね~! 」
肆々玖「バイトだからな、盗難品を取り返すのは当然だ。(当然なのか?)……ッ、準備がいいな!(予想だにしないタイミングの爆発にも、冷静に―――己の下方へ闘気を集中させて覆うことで威力を抑えるが大きく吹き飛ぶ)だが、そっちから向かってきてくれるなら都合がいい。警備員としてお前を捕縛する必要があるからな。(クイクイ、と指先を引いて挑発する)来いよ、やるものは拳骨と前科だけだが。 」
カチャリ「―――……!(挑発を受け、スチームテイルがピコンと反応する)……いいわよ、やったろうじゃない……!(一歩前へ踏み出し、ニィと歯を剥き出して好戦的な笑みを刻む)”トロイメ団”のカチャリ様を捕まえられるかどうか試してみなさいよ。アンタがそうやって挑発すんならこっちから奪いにいってやるわ、大事なパーツと勝利をね―――!! プシューーーーッ!! (巨大なレンチから蒸気が吹き出し、ギャリギャリとギアが回転する音が聞こえる) 」
カチャリ「いっ――――くわよぉぉおおぉおお!! ダンッ!!(スチームテイルによる跳躍補助でほぼ水平に跳躍し、一歩で肆々玖に高速接近する)蒸気のパワーで何倍にも威力の増した一撃、喰らってみなさい!!(防御されても、それごと打ち砕いてやるッ―――!) ブシュ――――ッッ!!! (蒸気による推進力を得たレンチによる横殴りを繰り出す!) 」
肆々玖「まんまとかかってくれたのは都合がいいが……大幅減点だな、"薄氷<エスカルチャ>"。(手を前に出して無詠唱発動、空気中の大気が凍りつき、薄氷ほどの地面が跳躍中のカチャリの"足に添うように、足場として生成される") 」
ギュリッ(水平跳躍を可能にするほどの絶大な速度、それが氷で滑ってしまおうものなら―――)
カチャリ「 へ っ ? 」
カチャリ「 ツ ル ン ッ ゴチーーーーーンッ!!! あいっっっっっった――――――――!!!!(まんまと肆々玖の意図通りに盛大に足を滑らせ、地面に額から激突―――!!) 」
肆々玖「地に足つけて生きろよ。いや、つけられてないから盗掘者なんてやってるんだろうが。(さっ、と滑っていく方向を予見して身を逸らす)さて、それじゃあ捕縛させて貰――― 」
柏槇「カチ―――"震電"ッ!!(鞘の音を立て、今まさに捕縛されんとするカチャリとの間に割って入る落雷がごとき一閃)ぬわっはっは、今日もしくじるかと思って心配だったから来てみれば、案の定お縄寸前まで追い詰められておるなぁ、わっはっは!! 」
肆々玖「―――ッ!?(猛烈な殺気により刺激された第六感が、咄嗟の後退による回避を成した)……新手、か。早々にカタを付けられなかった俺の落ち度だな。(……強いな、フェーズ:1じゃ勝ち目がない。2でも怪しそうだ、まずいか。) 」
カチャリ「ぬわあああああん……!!なんでいつもこうなるのよぉぉぉ―――(額に巨大なコブを作り涙目に。まさに捕縛されようとした瞬間、2人の間に割って入る閃光。柏槇の介入で九死に一生を得る)―――!!スミレ~~~~!!!(ダバーッと滝のような涙を流し、助っ人の姿に安堵を覚える)ナイス、ナイスよ!!ヒーローだわ貴女!!今月はもうお酒いっぱい飲んでもいいから!!(ぉ 」
柏槇「ぬぅ、ヒーローかもしれぬがしかし儂はおなごじゃからヒロインであって……うむ?うむむ?いやまあ酒呑んでよいというならばそれでよいか!(そして当然のようにこの場で一升瓶を取り出して呷りだした、酒カスしぐさ全開だ)っぷはぁ!……んでぇほれ、そこな若いのはどうするかのぉ?二人になってしまったぞぉ?形勢逆転じゃぞぉ~~~?(そして酔いが回るのが早い……こいつ一回で一升瓶半分いきやがった) 」
肆々玖「……バイト警備員なんだから、やるに決まってるだろ。もう加減はしない……"フェーズ:2<セグンド>"!!(新手の強さと状況の悪化で、闘気の質が一段引き上げられた―――逆に言えば、ここまでは制限されても十分だと踏まえていた事になるのだが) 」
カチャリ「よいよい!こんな素敵な働きをしてくれたんだからよいに決まって……ひと口で半分いった……(汗白目)ふふん、そんな強がりしちゃって。やめといた方がいいわよ、なんせウチのスミレは団内きっての武闘派……で……(フェーズ:2を解放する肆々玖。彼の闘気がさらに一段引き上がることを肌で感じ、背筋に寒いものが走っていき思わず息を呑む)……ね、ねぇスミレ。シラフじゃないとヤバかったんじゃないの……これ……?(汗汗) 」
柏槇「なぁ~~~に、行雲流水……なるようになるわい!(ぎゅるんと両手の刃を別々に回し、低く構える)ならんなら、逃げればよかろう!ははははっ!!(ぐるんと軸足をたてて大振りに斬り払う―――"手抜きの時"の身振りだ) 」
肆々玖「"双短剣<ドス・フィロ>"ッ!(暁の闘気が形を成し、二つの短剣を形作り)はぁッ!!(一つを鋭くカチャリへ投擲、もう一つの刃で斬り払いを受け止める)ぐ―――らあッ!!(足に闘気を込めて爆発、強い推力を得て鍔迫り合いから押し返した) 」
柏槇「ぬぅ?おぉ、おおぉぉぉぉお?意気も威勢も十分なしゃかりき坊主じゃのぉ~~~!わーっはっはっは!(がきん、と押し切られ千鳥足でたたらを踏んだ) 」
カチャリ「ま、スミレがそういうなら安心して任せられるけど……―――って結局トンズラすることになりそうな予感!!(汗 柏槇の”手抜きの時”に見られる立ち回りを見て白目汗) っく! ギャインッ!!(レンチで投擲された短剣を弾いて側方へ飛び出し、) スミレ! 交代っ!! (柏槇と肆々玖が鍔迫り合いをする側方から殴りかかり、横槍を入れて数的優位を利用した立ち回りをする) 」
肆々玖「見えているッ!(闘気散布による広域検知から来る超反応―――まるで全方位へ目でもあるかのような速度でカチャリの方へ手を突き出し)"流刃<トレンテ>"ッ!!(四方から押し寄せたウォーターカッターと短剣による制圧攻撃を繰り出し応戦しつつ)ほんのひと時降りしきれ、その身打ち据え過ぎただ去りゆく……ッ!!!(片手に闘気を練り上げ大槍を生成、そこに尋常ではない量の闘気が集中してゆく―――) 」
柏槇「よぉいすいっちんぐじゃあ!ほれほれっ、諦めるで―――む、むぅ……こりゃちとマズいぞぉ!?(連携により追撃を受ける事なく入れ替わったが―――見たこともない闘気の高まりに声が一瞬シラフに戻った、即ち本格的にヤバいらしい) 」
カチャリ「うっそでしょこのジャリボーイ――――(完全に見られていたタイミングでの応戦に目を大きく見開き、瞳が収縮する) キン、キンッギャイン ガッ ガギンッ!! (バックステップで後退しながら、彼から放たれる飛び道具を辛くも弾き切る)はぁ、はぁっ……!イヤな手の痺れ……!(弾いた衝撃が手に響いていた) スミレ!反対に回って!タイミングを合わせて挟撃を―――…… ゾク……(言葉が最後に向かうにつれて声量が萎んでいく。その要因は、対峙する肆々玖が練り上げていた巨大な槍。全身に怖気が走り、スチームテイルも元気なく丸まってしまい、体が強張る。次の彼女が取る手は、) 」
カチャリ「―――退くわ!!これ以上は遊びじゃ済まない!!(切羽詰まる表情。上ずった声で叫び、柏槇側に寄るように駆け出す)乗せてスミレ!!(スチームテイルに寄る跳躍補助で高く飛び上がる) 」
柏槇「あいや承知ぃ!ガッ―――ルゥゥゥゥウウウウォォォオオオッ!!!(目を見開き、力強く咆哮―――肉体が巨躯の獣へと変貌して跳躍したカチャリを首根っこから咥える)はっはーっ撤退じゃぁーっ!!(楽しそうだなコイツ) 」
肆々玖「バイトとして―――逃がすわけにはいかない、"【叢雨】<ムラサメ>"ッ!!!(巨大な槍に込めた闘気を一気に殴りつけて解放―――) 」
ズドッ ガァァァァアアアアアアンッ!!!!(一瞬のインパクトから解放された闘気は、さながら巨大なレーザーの如く野盗二人へと迫る)
柏槇「あんなのがバイトってえのは今の世は凄いのぉ!ぬわははははっ!!(髭のような管から強烈な熱気を後方へ放出、目眩ましをしつつ親猫が子猫を連れて行くかのようにカチャリを咥えたまま離脱してゆく) 」
カチャリ「スミレ~~~~! ”乗せて”って言ったのに~~~~~~!(デフォルメ顔のまま、さながら母猫が子猫にするように首根っこを咥えられたまま共に離脱していった) 」
肆々玖「逃がした、な。モノは取られてないが、バイトとして特別手当は貰えそうにない。残念だ。(ぱっと闘気が霧散してゆく)……あの剣士、露骨に手を抜いてたな。本気だったらまずかった……どういうワケかは知らないが、まあ……どうでもいいか。(盗まれたものを元に戻し、警らに帰ってゆく) 」
エミナ「くくく……計画は常に隙を生じさせぬ二段構えがオトクなバリューセットの基礎。主犯の逃亡後火事場泥棒が構えているなど、偽幸子の背後から現れた幸子もまた偽幸子と予測できないのと同じぐらいわかるまい……(この上なく勝ち誇った笑みをしつつ抜き足差し足で更に物資を盗もうと行動に出る) 」
ピカマン刑事「君何してんの。(ガッッッ) 」
エミナ「 は" ッッッ !?????!!!!?!?!? ( >> Y O U D I E D << ) 」
― 中華料理屋 ―
そこは木製の椅子や調度品の並ぶ、赤茶、そして金の装飾で彩った中華料理店。
空気が忙しないとさえ云える程に繁盛したそのテーブル達は、客で鈴なりとなっていた。
高温の鉄鍋が叩きつけられる乾いた音と、勢いよく立ちのぼる湯気が、厨房の向こうで絶え間なく脈打っている。
天井近くに設えられた換気扇は唸り声をあげ、煙を吸い込みきれずに、白濁した靄が店内を薄く覆っていた
コーディ「あちっ、あちあち……(その店の中央に位置する回転テーブル。油と香辛料が混じり合った重たい匂いを発する高温の皿に注がれた料理から、麺や野菜の混ざった料理を器用に箸で持ち上げ、その熱気に抵抗しながら口を曲げてでもくらいついていた)ズルズル……ゴクッ……(油に塗れた手書きのメニュー表を横目に、食事を楽しむ。彼の視覚と味覚を制する料理の他に、椅子の脚が床を引き摺る音や、他の席から聞こえる子供が叱られる声など、渾然一体となり、店内に独特のざわめきを形成したその多くを楽しんでいるようだった) 」
コーディ「(このジャンキーさがたまんねぇな。ゆりかごの家で食う飯で健康維持は出来てるだろうし、たまにゃこうやって腹の中苛めたってバチあたんねぇだろ)(回転台をサッと回すと、軋んだ音と共に別の料理が目の前に登場する。そのテーブルを利用するには些か一人では役不足であったが、そんなことをお構いなしに頬を綻ばせている)んめぇ~ぇぇ~~♪ 」
コーディ「ゴトゴト(そうして幾つもの食事を楽しみつつ、都度都度足元の手の届く範囲に置かれた次元鞄が存在感を放っていた)(魂にゃ色々な味を堪能する権利がある。生きている内に色々食っときてぇな~) 」
アクタ「―――ガシャン!(わざと視線を引くような大きな音と共に、回転台に食べかけの餃子皿を叩きつけるように置く)―――(ピンクのサングラス越しにコーディを数瞬の間視界に捉え、そして何の断りもなくどかりとコーディの真隣に腰を下ろした)おい、隣いいか(と言いながらコーディが注文したであろう料理に勝手に箸が伸びている) 」
コーディ「(こんな喧騒一歩手前の店はそんな好きじゃないかな……?でもどうせなら連れていってみたいけど――)――(不意を突かれた衝撃が瞳孔を縮める。皿から跳ねた餃子が視野の片隅に映り、その包帯の道筋を視線で辿りながらアクタの顔を瞳のみで視野に納める)――ゲホゲホッ!(気道に入り込んだ食事を苦しそうに救出しつつ、腕で口を拭って首を振った)んだお前!?(足で次元鞄を自身の股下に移動させつつ、片手で使用していた箸でアクタの箸の動きをバシッ!と止めた)座る許可も食う許可も出してねェだろが(ギチギチ 」
アクタ「 ! (コーディにより自身の箸が阻まれたことに目を見開いた)む。なら食べてもいいか(ギギギと箸にじわじわと力を込め、二本の箸による鍔迫り合いを演じ……その最中、コーディの全身を改めて視界に修めると、ふっと箸に込められていた力が抜けた)…………お前……かっこいいな。どう考えてもスクリーン向きだ(サングラス越しの目がキラキラと輝いていた)で、だ。ここから始まるなら―――(箸を置いて顎元に手をやり、やあや俯いてしばし思案顔。……やがてゆっくりと顔を上げ、) 」
アクタ「―――お前が主演で、オレが悪漢か?(ニィ、とギザギザの歯を剥き出し―――)――――ガッ シャア ア ァ ン ッ ! ! ! (何の前触れもなく円卓を蹴り飛ばす。皿が舞い、野菜、麺、餃子が宙を飛び、周囲から悲鳴が上がった) 」
コーディ「……あ?(手元の力が分散される。合わせて箸を起き、怪訝そうに彼の様子を伺った)……(東部センクを彷彿とさせる出で立ちだ。だが草炎玉球とセンク特有の手袋してねぇな。ただ恰好が東寄りではあるが――)(都市の風景と重ねていた頃、目の前のアクタに躍動が燈り)――(細切れになった食材の破片が視線の中で横切っていく。その中でも驚いた様子は見せず、腰掛けたまま淡々とアクタの行動を見納め)俺が脇役でもテメェはぶっ飛ばすさ(高揚も緊張も宿っていない黒い瞳を張って、即座に次元鞄を手に取った) 」
セラ「んん~~~!ここの中華もやしは見事なまでに美味でありますなーーー!アクタくん!タッパーを貰って我々のアジトに持っていきましょう!
ローファくんの為に小籠包も――て、アクタくんんんん!!??(自身が料理に夢中になっていた頃、先まで同席していたであろうアクタに声を掛けようとしたところ、店の中枢の位置するテーブルでアクタの姿が見えて思わず叫ぶ)わ、わわおぅ!こ、これは!!チャイニーズファイティングブゥワトルスィーンではありませぬか!?!??(即座に眼を輝かせ、その最中を遠目で見ていた) 」
アクタ「クハハハハ!!! バッ!! (飛び交う喧騒の中、コーディが次元鞄を手にしたと同時に、布が張り詰める音を鳴らして瞬時に構えを取る)ここで会ったが……あー……百……?ゃあー……アルデンテ!!! オレはお前を狙う始末屋、アクタだ!!もう逃げられないぞ、なぜなら―――もう逃げられないからなぁあぁあぁあぁぁぁあッッ!!!(突然のハイテンションで即興の配役を決定。口が裂けんばかりに刻まれた笑みのままに床を蹴り、身体が弾けるようにコーディへ向かって飛び出す!) 」
アクタ「一発目は派手にいかないとな!!!ハッハァ―――!!! ブォンッ!!(コーディとの距離を潰しきり、腰の入った一直線の拳をコーディの顔面を目掛け放つ!) 」
コーディ「スッ(上体を後ろに流す。腰かけた体勢から、椅子事後ろに倒れ込むようにしつつ、目の前を通り過ぎる拳が空を切りつつ彼の前髪と帽子を揺らした)ガタンッ(全身が倒れ切る寸前、身体を捻じるように横に回転させる。同時に腰かけていた椅子を脚で蹴り、アクタへと飛ばしつつ受け身を取って床を転がりながら距離を取る)カチッ(その場で立ち上がりながら次元鞄のロックを外す。特に武器などもないが、それで武装は完了しているようだった)バッ!(転がりながら拾った皿の破片を、アクタの脛目掛けて投擲する) 」
セラ「店主!!!床掃除はお任せください!!!当方が一時的なアルヴァイタァーとして、見事に掃除を熟してみせましょうぞ!!(客の悲鳴、戦いの喧騒、従業員の困惑の最中、わくわくやときめきを抑えられず目を輝かせて外野で箒を持ち始めた) 」
アクタ「見事な身のこなしだ!!だが―――コンッ!(自身へ飛ばされた椅子を足先で軽く受け、弾くように椅子の軌道を流して宙へ浮かした)こいつは避けられるかッ!?―――バゴンッ!!(次の瞬間、間髪入れずに浮かした椅子へ回し蹴りの追撃。この際に浮いた足で、脛へ投擲された破片は空振りし、カウンターのように椅子がコーディを目掛け弾丸のように打ち出される!) 」
コーディ「バチンッ!(振り上げた次元鞄の側面で椅子を防ぐ。衝突の影響で椅子は粉々に粉砕され、その材質が飛び散る最中に視線をアクタに固定していた)ガチャッ(次元鞄を開放する。開かれたそれは『黒』で中身を埋め尽くしており、何も見えず、何も在ることはなかったが)ヴォンッ!!(突如ジェット機のような暴風が刹那的に鞄の内部から発生した。棘のように舞っていた椅子の無数の破片を、アクタへと横殴りの雨のように吹き飛ばす) 」
アクタ「あだだだだだだだだ!!!(滞空していた彼に逃げ場はなく、鋭い木片がブスブスブスと身体の一面にぶっ刺さる)な、なんだ今の……!中身が真っ黒だったが……海苔、好きなのか……?(なわけない 腕にや顔に刺さった木片をちまちま取りながら構え直し……)―――ッククク……面白いぞ!!場にある家具を駆使したアクションもカンフー映画の定石だ!そいつを心得ているとは、ますます気に入った!! お次はこんなものはどうだ!!(大きなテーブルを蹴り倒し、コーディ側へと蹴り飛ばす。コーディの視界いっぱいに広がる天板にアクタの姿が覆い隠された) 」
コーディ「(破壊出来る。だが向かいに居る奴はこの仕切りの向こう側で肉薄してるはず。乗る必要はない……が……)(脳裏に浮かぶのは、アクタの本能的な狂気的快楽を彷彿とさせる笑みであったが、その口角には純粋さを感じていた。それ故に)かかって来いよ(彼もまた、戦いの最中でニヒルに笑う。そうして隕石が如く、自身を覆うテーブルを、次元鞄を振り回して乱雑に破壊した。次元鞄を振り切った体勢で、身を屈めるように体勢を低くしつつ彼の攻撃に備える) 」
セラ「店主!!!床掃除だけでなく、窓硝子も拭いて差し上げよう!!!サービス!!!やはり付加価値のある労働とは提供者も享受側も気分のいいものであります!!!(窓硝子を必死に拭いている。戦いの最中、椅子の棘の軌道、その最終地点に位置する窓ガラスを拭いていたが、アクタが全部喰らっていたので被害はなかった)ピカピカ!!! 」
コーディが破壊したテーブルの向こうにアクタの姿はなかった。一瞬の空白。気配は―――上!
アクタ「 バ ン ッ !!(乾いた音を響かせて天井を蹴りつけ、高速落下する) ――――クハハハハッハァ!! 受けてみやがれえぇぇえぇぇえ!!! ヒュ ゴ ォ オ ッ ! ! ! (中空で身体を回し―――体重、加速、重力を一点に集めた踵落としをコーディの頭部目掛け振り下ろす!) 」
悪魔博士「みんな静かにしよう!(提案)俺様だぁ!お^~見たところみんな(※約二名)騒いどるようだな。俺ぁ悪魔博s…悪魔店長だよ!(酒の席のおっちゃん)おとなしく金を払えばヨシ!さもないと48時間以内に大都会の警察に警報(通報)を入れてやるぞ~!そしたらどうなる?どえりゃ~数のサツどもがやってきてな?おみゃらーをトカゲ星人の星へ連行しちまうんだとさ!そこでおみゃらーも、この女(セラ)みたいに奴隷となって働くんやぞ。しっかりまじめに働けよオメェ!(激励)そしたら、命ぐれぇは助けてやるからな(慈悲の心) 」
コーディ「――(テーブルで遮られた視界。その死角の際限を測った跳躍。反動を一点に集中した蹴り。それが今、空を切りつつ肉薄していた。体勢は下方に崩したまま、身動きがすぐ取れるような状況ではなかった。喰らうしかないようなその瞬間)ヴォンッ!!(次元鞄が再び空砲を噴射する。人が即座に動けるような体勢ではなかったが、その鞄の反動で彼は大きく横へと飛び、床擦れ擦れに滞空して周囲のテーブルや椅子を巻き込んで転げ落ちつつアクタの蹴りから逃れた) 」
ガシャアアアアア!バリバリパリイイン!ガチャガチャグシャアアア!!(コーディが転げ回ったが故、店内は更なる悲惨な状況となり、テーブルや料理が散乱した)
キャーーー!ウワァーーー!ニゲローーー!タスケテーーー!ウワアアアー!アンキモカスタード!タスケテーーー!ウワアアアー!
コーディ「――っ……(廃墟のように散乱したテーブルや椅子の残骸から身を乗り出し、服や顔の汚れを振り払いつつ再び立ち上がる)……(跳躍の角度が完璧だった。こいつ、蹴りにおいて拘りがあるな……) 」
セラ「DIYの素材がたくさん手に入りますな!店主!!お代はいいのでこちらに散らばった素材の回収をさせてくだされ!え、産廃処理……?何言っているかよくわかりませんが我々がルィサイクリンゴゥするので大丈夫です!!アジトの扉がボロボロなので!!!!! 」
アクタ「ズッ ガァァアァアアァァアンッッ!!!(振り下ろされた踵が床へ直撃。床材が砕け、亀裂がアクタを中心にクモの巣状に走り、店全体に粉塵が舞い上がった)……今のを避けたのか……確かに感覚があったんだ。”これは食らうぞ!”と。だがそうはならなかった……―――最高だ!!! ”主演”はこうでなくてはなァ!!!!ックハハハハハ!!!(再び前方へ飛び出す。コーディを猛追して距離を縮めきり、拳を放つ!)ヒュ、バッ!!ヒュゴォッ!!(正面から顔面へのストレート→腹部へのブロー→横殴りのフックと、動きを途切らせず流れるような連撃を放つ) 」
コーディ「誰しも自分の主演だろーがよ ガッ、バギャァ!ドッッッ!(右拳の裏で、直線を描く拳を弾く。左脚を上げ、その膝に瞬間的に力を加えてブローを相殺。身体全身を力ませ、最後のフックを食いしばりながら耐えて喰らう)ゴンッ!!(零距離となった二人のレンジ。その際に有効打となることを判断した。聞こえる程にギシギシと歯を食いしばり、彼の額目掛け、サングラスを割る勢いで帽子ごと頭突きを繰り出した) 」
アクタ「クハハハハ!!!いい言葉だな、オレもそう思うぞ―――!?(一撃、二撃をいなされ目を見開き、興奮気味に口を開く)お前、肉弾戦もいけるクチか!!!おかしな海苔詰めの箱を使っていたから、てっきりこっちは全くかと―――あいったーーー!!?? バリィン!(頭突きをもろに喰らい、サングラスがパリンと割れながら視界がぐらぐら揺れる) 」
コーディ「身体強化施術、B級防弾性能搭載マント、弔い事務所支給耐腐敗浄化スーツ、あと男の子の意地。肉弾戦行けねぇ訳ないのよ(よろめきを見せたアクタの腹部へ、間髪入れずヤクザキックをかます。距離を離し、内臓に被害がないかを確かめるように被弾部位に手を当てる。その際も、視線はアクタを捉えたままであった)どうだ?まだやれるか?やれんなら来――(やや興奮気味だった自身に言い聞かせるように息を大きく吐く)俺としたことが、熱くなっちまった…… 」
アクタ「どはァ―――ッッ!!?? ドガシャン!(情けない声をあげ、腹部にかまされた一撃に吹き飛ばされて壁に背を打ち付けられる)あだ、あだだだ……はァん……?まだやるか、だと……?ンなもん当然―――あ……?主演が3人……分身の術まで使えるのか?とんでもないヤツだ(頭突きによる軽度の脳震盪で視界が滲み、コーディの姿が複数に見えていた)ククク……!!やはり勝つのは主演だな。オレの負けだ……おいお前、名前を教えろ(割れたサングラスのフレームを指で押し上げながら) 」
セラ「――!!あ、アクタくん!!(彼のサングラスが割れた事、そしてここにきて大きな一撃が彼に入ったことで、彼に駆け寄ってあたふたとする) 」
コーディ「……(憎悪による敵意ではない。本能的なもの。俺を陥れる為の罠じゃない……あとそのグラサン、度付きだったのか)(名を聞かれ、思考を巡らせる。彼の本意が自身を陥れる為の物ではない事を直感的に感じとり、且つ妙な勘違いをしつつも)コーディ。あんたは?(帽子の縁に指をかけ、そのポジションを整えつつアクタに視線を向け続ける)……アンタのお友達をこれ以上攻撃しねぇよ、安心しな(途中、合間に入ろうとしたセラに声を掛けつつ、その戦意を完全に薄めていた) 」
アクタ「オレはお前を狙う始末屋、アクタだ!もう逃げられないぞ、なぜならもう逃げられないかr(ry コーディ、覚えた。オレの名はアクタだ。また手合わせ願うぞ。見かけたら蹴りかかる(と、カーテンに向かって話しかけていた(※度入りサングラスが割れたため視界が終わってるもよう)) その声はセラか!クハハ、共に飯を食べてる最中に悪かったな。どうても我慢できなく……ム?セラ、少し身長が縮んでいないか(と、観葉植物に話しかけていた(※度入りサンg(ry)) 」
コーディ「おい、聴覚まで共有してんのかそのグラサン?俺の事覚える気ないだろ?????? 」
セラ「おぉー!アクタくん、見るべきはそのプラントではなく、当方ですぞー!!(話しかけている観葉植物との間に入り、元気よくブンブンと腕を動かしながらアクタにアピール)あの者、主役としての輝きが十二分にありましたな!アクタくんの勇士と、コーディ殿の所作は当方がしかとメモ帳に記載しておきましたが故、早めにアジトへ戻りましょう!! 」
アクタ「ぬおおセラ!!セラが生えてきたぞ!!!(元気よくアピールするセラにようやく気づいたようでやや大袈裟に驚愕しながら)さすがは我が同志セラだ!!帰ったらそのメモ帳で感想戦といくぞ!!クハハハ!! ―――というわけだコーディ。オレたちは行くが、お前とはまたどこかで会いそうだ。その時はきっとオレが勝つからな(コーディに一瞥をやり、ニィ、とギザ歯を剥いて笑う) さあセラ!!我らのアジトへ帰るぞ!!!!!クハハハハハハハ――――! ドゴーン!!!(ろくに前が見えないまま元気よく駆け出したアクタは、壁に衝突しそのまま壁に穴を開けてそのまま店から離れていく) 」
エミナ「あなたを障害罪と器物損壊罪で訴えます!理由はもちろんお分かりですね?あなたがウチのモンと店をあんなスゴ技で暴行し、尊厳と財産を破壊したからですわァーーー!覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方はHANZAI者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!!!!(店の外からコーディに向かってジョジョ立ちをし指差す魔族の姿) ガ ッッッ (その直後
トラック、バス、戦車、F1カー、チョコボの順に連続で跳ね飛ばされる魔族の姿)ち、畜生ォォォ~~~!! 」
セラ「うむ!この店の食事をタッパーにいれたので皆にお土産を――あー!アクタくん!そちらは入口でも出口でもないのにーーー!!!(彼が作った穴を潜り、彼を追いかけていく) 」
コーディ「喧嘩吹っ掛けるなら場所選んでくれよ。またなアク――\ドゴーン!!!/――やばすぎだろアイツ…… 誰か居たぞ。多分アクタの知り合い。めっちゃ轢かれてたけど……多分大丈夫だな。何言ってっかわからんかったし(?) ……さぁてと……それなら俺もとんずら―― 」
店主「お客さん 」
コーディ「…… 」
店主「…… 」
コーディ「……はい…… 」
悪魔博士「み、みんな静かにしよう!(動揺) 」
その後コーディは「今なら中指に入っても可笑しくない」と泣きわめきながら店の修復に勤しんだのであった
ももん「くぁ~~~っ……!(積み上げられた荷台の上で、桃色の小さな梟が暢気に居座って欠伸をしている)なこは働き者だもん。ももんはお手伝いが終わるまでちょっと居眠りでもしてようかな~? 」
なこ「あはは…ちょっと待っててね!せっかく地下街に来たんだし、これが終わったらあとで何か食べに行こう?なんでも…ここにもおいしい激辛ラーメンがあるみたいだしさ…♪(∗ˊᵕ`∗) 」
ももん「んももっ!?激辛料理が好きなのはなこだけだもん!ももんは苦手だもんっ!💦 」
カチャリ「(そんな桃色の魔法少女がせっせと働く傍ら……機械油にまみれた赤と茶色のスチームパンクな作業着に身を包んだ女性が、場所を同じくしたジャンクショップの商品棚の奥に身を潜めていた)くぅっ……今度こそパーツ山ほど盗んで帰ろうチャレンジが成功するはずだったのに……どうして今日に限ってあんなピンクでキラキラしたお手伝いちゃんが居るのよ~~っ……!(ぐぬぬとコメディチックにギリギリ歯を噛みながら、なことももんを睨みつける) 」
カチャリ「まぁいいわ!まだ客だもん、何も盗ってないからあたしはまだ客……(それに、所詮はおっさん店主とコスプレ少女……いざとなればダッシュで逃げれば簡単に撒ける!)ねえあなた、今積んだ物資は商品? 興味あるんだけど見せてもらえる?(すっと商品棚の影から姿を現し、なこに話しかける) 」
なこ「……!(๑º ㅿº)ハッ(地上に比べて人の通りが少ないこの地下街。ましてやこのような老舗且つ客層も絞られるジャンクショップに客が足を運ぶことは珍しく――それも女性客――、声をかけられてぴくりと反応してしまう)い、いらっしゃいませ…♪はいっ…!ただいま棚卸業務中ですが…店主さんがお客さんを優先していいとおっしゃっておりましたので、どうぞ♪(∗ˊᵕ`∗) (潔く片手を伸ばし商品棚へ彼女を促す) 」
カチャリ「ありがと、じゃあ見せてもらうわね(なこに愛想の良い笑顔を投げかけ、促されるままに商品棚の前へ)えーっと……(一段、二段、三段―――瞳だけが忙しなく左右に動き、くまなく商品を見て目ぼしいものを品定めする)フワッ……(ごく自然に床に大きな風呂敷を広げて、ごく自然にシワのないようにせっせと伸ばす)これ、これー……あとこれと(ガサッと棚に乗せられた箱ごと引き抜き、ごく自然に風呂敷に乗せていく)ちょっとあなた、そっち持ってくれる?(風呂敷の端とニか所持ち上げ、なこ側にあるもうニか所の端を持ち上げてくれと頼む。ごく自然に) 」
なこ「ふぇ?あ、はいっ…!(人を疑うことのないような屈託のない笑顔を振りまく純粋無垢な魔法少女が、カチャリの指示に潔く応える。この行為に何の意味があるのだろうと疑うこともなく、カチャリが齎す"自然の流れ"に図られたように従い、指定された端の二か所を持ち上げる) 」
カチャリ「いい子ね……!素直な子は好きよ、ありがと(友好的な表情を浮かべたまま、なこに持ち上げてもらった風呂敷の端を預かるように受け取り、しゅるしゅると慣れた手つきで風呂敷を包み上げ最後にキュッと結び目を締める。風呂敷の柄は唐草模様―――できあがった荷物は、完全に泥棒が背負っているそれだった!)ふぅ~~……!助かったわピンクガールちゃん!じゃ、この荷物は……えーと、なんかいい感じの場所に運んでおくから~!(風呂敷を背負い、そのままササーッとトンズラしようとする。窃盗の現行犯である) 」
なこ「わぁ!?あ、ありがとうございます…!なこのことを手伝ってくれたなんて…なんて優しいお客さんなんだろう~…♪(*´˘`*)(風呂敷をもって逃走を図ろうとするカチャリを目に、同業者か慈善者だと判断して悠長に会釈して別れようとするが…) 」
ももん「なこっ!!!あれはどう見てもドロボーだもんっ!!逃げられるもん!捕まえるんだもーん!!(バサバサとあわただしく翼を羽ばたかせて警鐘を鳴らす) 」
なこ「 Σ( °o°)え゛っ!?!?!? (ももんの叫びにハッと我に変えり振り返る。すでに十歩以上先に距離を離したカチャリの背を捉えると―――)―――――ま、待ってーーーーー!!ドロボーはダメだよ~~~~!!><💦(今更カチャリの本性に気づいたことで血相を変え、急いで彼女を追いかける) 」
カチャリ「(背中に受けた声に気づき、走るスピードを上げながら肩越しに振り返り―――) 」
カチャリ「 べーっ! 」
カチャリ「きゃはは!人を簡単に信用するからこうなるのよ~~!ばいばーーい!!(運動苦手そうなガキンチョだったし、どうせ簡単に逃げられるでしょ!これまでの失敗もそーすれば良かったのよ、やっぱ逃げるが勝ちね~!!)(大きな風呂敷を背負ったままグレイゾーンの通りに出て、マラソンでもするかのようにペースを緩めて走り続ける) 」
なこ「ううっ…ついうっかり信じ込んじゃった…!💦 急いで追いかけないとお店の人に怒られちゃう…! ももん「かなり距離をはがされたもん!魔法を使ってでも捕まえないと!」 そうだね…!いくよ…!(クルルルルンッ、スチャ!) (魔法の杖「ラプチャースタッフ」を手中で回すように手繰り寄せる) 」
なこ「 疾風"バルブ・ア・パパ"…! ( ビ ュ オ ワ ア ァ ッ ! )(魔法の杖の先端にあるハート型の結晶。最初はピンク色だったそれが瞬く間に淡い翡翠色に変色したと思えば、なこの背後から強い追い風が突如押し寄せる。風通しの悪い地下街に吹き込む突風は彼女自身が魔法で巻き起こしたもの。それが術者の彼女を押し出すことで、少しずつカチャリとの距離を詰めていく) 」
カチャリ「ふんふんふ~ん♪ 帰ったらこの部品を使ってポポイの改造でもしよっかな~♪ …………?(呑気に走っていると、不自然に髪が揺れる)……(背後から吹き込む風、このような地下街で? どうにも考えにくいけど―――)(と、振り返ってみると) 」
カチャリ「 げぇぇえぇえぇえぇっっっ!?!? (風魔法を活用して迫ってくるなこの姿を見て驚愕する) あんた、その格好本物だったの!? うぐぅ、また厄介者~~!!でも今度はぜっっっったいに美味しい思いしてやるんだからーーーーー!!(汗)(懐からポイポイと小さな石ころサイズの物体をばら撒く―――小型の爆弾である!) ドカンボカンドカンボカーーーンッ! (小規模な爆炎がなこに襲いかかる) 」
なこ「 っ ―――――! ( ブ ワ ァ ッ )(自らが巻き起こした突風により大きくなびく自身のひらひらのスカートの裾をフリーの左手で抑えつつ、右手に握られた魔法の杖を彼に振り回す。前方から無数の爆弾がまき散らされるさなか、ハートの結晶が今度は鋼色に切り替わる―――) 」
―――― チュボボボボッガァァァアアアアンッ!!(一個単位は小さく十それらは集まればなかなかの被害規模になる爆撃が破裂。魔法少女の姿が黒煙の中に閉じ込められるが―――)
なこ「――――― ボ フ ゥ ン ッ ! (その少女が、黒煙を貫くように飛び出した。よく見ると全身を薄い膜のようなもので覆われていたが、爆撃を防いだ衝撃で爆ぜるように消滅する)スタンッ――― ダ ッ ! (着地と同時に再疾走。カチャリの見立て通り走り出す挙動は素人のそれであり、彼女自身の運動神経のなさが伺える。だが、それでも常任を超えた速度で更に距離を詰めなおす。その原因はただ一つ…彼女の魔素(マナ)が作用しているが故だ。重力を軽減しているのか、あるいは術者と地面の引力・斥力を操作しているのかは定かではないが、軽々としたステップのみで少しずつカチャリに肉薄していたのだった) 」
カチャリ「よっし! ふふっ、これでちょっとは痛い目を見て―――んなっ!?(汗 無傷のまま黒煙を貫くように飛び出してきたなこに再び度肝を抜かれた)……!(そのさなか、なこの全身を覆っていた薄い膜を見逃さなかった)(この感じ……団長に似てる……? エーテル使い、もしくはそれに類する何か……もしそうなら納得がいく。あの走り方、地面を“蹴る”というより“跳ねる”ような走り―――焦ることはないわ、カチャリ。相手が普通の人間じゃないなら、こっちも普通の逃げ方をやめるだけ―――!!) 」
カチャリ「アンタ、面白い手品ができるみたいね!こういう動きにはついてこられる!? シュルルッ―――ガキンッ!(スチームテイルが射出されるように飛び出し、地下街の剥き出しになったパイプに絡みつく)グンッ――― ブォ ン ッ! (射出したスチームテイルを巻き取る反動を利用し、前方へ大きく身体が投げ出される)ほらほら、大事な荷物持ってっちゃうわよ!?(蒸気の尾が地下街を躍動し、放り出されるような加速を繰り返す) 」
なこ「―――――!(今になって気づく、カチャリの体から生えている特徴て機械尾。手足のように自在に動くその尾を使った巧みなワイヤーアクションに驚嘆するように目をかすかに見開いた)このままじゃ…っ… だったら…ちょっとだけ強気に…!(ただのステップだけでは限界があると判断し、再び元のピンク色に戻った魔法の杖の先端を突き付ける) 」
なこ「 "ガンム"! (――― ドヒュン、ドヒュンッ!)(仄かな桃色に発光する杖の先端から同色の魔力弾をいくつか放つ。カチャリを素通りする魔力弾が壁や天井に被弾すると爆発することはないが、まるで吐き捨てられたガムのように粘膜が広がった痕が出来上がる。このことから、少女が放つ魔力弾が、念道魔法特有の"拘束"に特化していることが伺える) 」
なこ「っ……!(いくつか放つも、軽い身のこなしでスチームテイルを繰るカチャリに粘膜弾が被弾することはない。それなら…と顔を上げて次の手段に乗り出す) "チューイン・ガンム"! ( プ ク ゥ ~ ッ ――――― バ ヒ ュ ゥ ン ッ ! )(指で輪を作り口元に当てることで風船を膨らませる仕草をとると、体内で練り上げた魔素(マナ)が粘膜のように膨らむように吐き出される。破裂寸前まで膨らんだその魔力の粘膜をエネルギー弾のように発射。被弾すれば大きな衝撃を巻き起こす粘膜弾がカチャリに向かって真っすぐに飛来する) 」
カチャリ「 !! あ、っぶな……―――!(カチャリの側をかすめた粘膜弾が天井に当たり、べったりと広がった粘性のある痕に目を見開く)なるほどね、狙いは良いわね―――(もちろん、当てるのが本命――当たらなくても逃げ場まで潰せる。くすっ、可愛い顔してやることは随分堅実ね―――)―――ってでっかぁ!?アンタそのサイズ今まで出して来なかったじゃない!?(汗 迫るチューン・ガンムに目を剥いて驚き、空中で翻るようにして逃走を続け、) 」
カチャリ「ちょっとごめんなさいね~!! シュルルッ…!(通りすがりの出店にかかげてあった、灯りが消えかけ今にも落ちそうなネオン看板にスチームテイルを引っ掛け、) ガギンッ! ミシミシ……バリィッ!(根本から引っ剥がした!) 誰かの食べかけのガムなんて押し付けてこないでちょうだいっ!! ガァ ンッ―――!!(擦れるような金属音をあげ、看板をチューン・ガンムの正面へ叩き出して防ごうとする) 」
なこ「 あっ?! (引き剝がされたネオン看板に渾身の粘膜弾を遮られてしまい驚愕すると同時に、道をふさごうと落下する看板に対し直する一歩手前で華麗に宙返りし、紙一重で受け流して着地。再び助走をつけて疾走する)あとでちゃんと直してあげないと…! ももん「余所見は禁物だもん!このままだと尻尾まいて本当握られてしまうもん!」 う、うんっ!(いよいよただごとではなくなってきた緊張感から冷や汗が頬をじわりと伝う。次の一手はこれだと走りながら杖を掲げる) 」
なこ「お願い、あの人を捕まえて! 召喚“ブレッドメンの音楽隊”! (魔法の杖の先端に魔法陣が展開される) 」
ジンジャーブレッドマン『 ポンッ♪ ポンッ♪ ポンッ♪ (なこに召喚された二体のクッキー人形の使い魔。スタッフを手にした動くクッキー人形たちがリズミカルなステップを踏みながらカチャリの頭上から飛び掛かるように強襲する)』
カチャリ「 っ♪ さ、グレイゾーンの出口は―――(と、突如として頭上に召喚された使い魔。目を見開いて視線を上げ……)んぎゃーーーーー!!こら、髪引っ張んな!!やめて髪は女の命なの~~~~っ!!(汗汗汗 ジンジャーブレッドマンに髪へ張り付かれコミカルに悲鳴を上げる。スチームテイルも驚いたような素振りで動きが止まり、地上に降り立った)もうっ!このっ!!!!(引っ張って投げ捨て破壊) 」
なこ「 ももん「ああっ!ジンジャーブレッドマンが木っ端のミジンコちゃんになってしまったもん!」 うわぁーん!ごめんねぇ兵隊さんたちぃ~…っ!。°(°´ᯅ`°)°。(粉々に砕け散ったクッキー人形たちの残骸を申し訳なさそうに後にする)……っ…(あの長い尻尾が厄介かも…それなら――――!) 」
なこ「 "エンゼル"! ( ブ ワ サ ァ ――――― ッ !)(掲げた魔法の杖より齎された光によってその背中に天使翼が生え、ふわりと宙に浮きだす) ヒ ュ オ ァ ッ ! (そして、地につけて走り出すよりも明らかに加速を帯びた飛翔能力でカチャリを追随する。ただでさえ狭い地下街の通路の脇道に積まれた荷台や看板、ごみ箱などを左右上下に全身を揺らしながら掻い潜り、螺旋を描くように差し迫っていく) 」
カチャリ「んげっ――――(差し迫るなこの姿に思わず声が漏れる)(天使………っ……!?) こんな場所で天使なんて、ちょーっと悪趣味なんじゃない!!(あの加速、距離―――逃げ切れない!ここは一度受ける―――!)(手元に巨大なレンチを出現させ、駆けながらも一瞬立ち止まり彼女と正面から対峙する) 」
なこ「えいっ――――――― ガ ッ ギ ギ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! (ついにカチャリを目前にしたところで、彼女が観念したように足を止めて振り返る姿に警戒を怠らない。取り出された巨大レンチを構える彼女に向けて魔法の杖「ラプチャースタッフ」を思い切り振り下ろし、互いの武器が衝突する。魔法少女が手繰る可愛らしい装飾の杖…だが、振り下ろされたこの杖を受け止めたカチャリはある種の戦慄を抱く。それは…見た目に反して、"非常に重い"からだ。おそらく80kg以上はあるだろう重量感が振り下ろされた衝撃が、レンチ越しに伝わるほどの衝動が走る)」
カチャリ「(ふーん!!!!そんな玩具のステッキで何ができるっていうのよ!軽々受けてちょっと頭バゴンッてして寝ててもらうわよ!)(油断、慢心。それが彼女の……そして彼女の属する組織の、悪いところである―――)―――――(お互いの武器がぶつかり合い、激しく火花が散り劈くような金属音が地下街の隅々まで反響する)―――――メ ゴ ォ ッ … … … … ! ! !(振り落とされた杖を受け止めた刹那、両足をつけた地面がひしゃげ、クモの巣状のヒビが刻み込まれる) 」
カチャリ「は、ひっ――――(なんなのコイツゥゥゥゥウゥウゥウ!?!?重すぎ!!!!!馬鹿じゃないの!?!?片手で受けてたら骨がオシャカになってたわよ!!!)………!(でもチャンス!こんな重量感たっぷりの得物が振り下ろされた、二撃目は遅いはず―――!) ちょっと寝ててね~~~! クルクル ヒュ、ブォンッ!!!(レンチを一回転させ、なこの後頭部を目掛けて振り抜く) 」
なこ「 ももん「なこッ、後ろだもんッ!」 ……っ!? (ずっと頭上にしがみつく様に居座っていた梟が警鐘を鳴らす。そのお陰か、こと戦闘において素人な彼女でもカチャリの背後からの強襲にいち早く反応。二つに結ばれたツインテールの髪を大きく揺さぶるように上半身を捻り、間一髪のところで一撃を受け流すことに成功する) 」
なこ「 グ ル ン ッ ――― ス タ ン ッ (身を翻してからの着地。すでに魔法の杖の先端が青色に染まっており―――)―――水泡"リモナーデ"!( ビ シ ャ ァ ッ ! )(水滴を発射。水鉄砲というにはあまりにも弱い威力…だが、この魔法はトラップ。撒き散らされた水飛沫はレモンのように甘酸っぱく、カチャリの動揺を図るためのものであった) 」
なこ「おとなしく…―――してくださいっ!(再び振り上げられた魔法の杖。あの異常な破壊力を齎す杖をか細い腕で軽々と持ち上げ、振り下ろそうと構えるが―――) 」
カチャリ「きゃ!(しまった、毒―――!?……?違う、なんだか甘酸っぱ……?)ぎゃ!ていうかこれさっきの粘膜弾と同じとこから出したでしょ!ばっちい!(酷) 」
カチャリ「くぅ―――(目にかかった水を腕で拭い取り視界が開ける。そこにはあのステッキを掲げるなこの姿―――だが、)させるか―――シュルルルッ!!(スチームテイルが地面すれすれを滑るように走り、なこの足首へと一気に巻きつく)ギチ……ッ…!(強く締め付けると同時に、凶器が振り下ろされる前に彼女の身体を持ち上げた)大人しくしてるのはアンタの方よ、ジャリガール!! ギチィッ グ ル ン ッ ―――― ブ ォ オン ッ !!(身体を大きく捻り、一度回転して遠心力を乗せ側方の壁目掛けなこの身体を投げ飛ばした) 」
なこ「ふぇ――――――ふわわあっ!?(魔法つの杖を振り下ろそうとしたその瞬間、足元に蛇でが這ったかのような背筋の凍り感触に硬直し咄嗟に視線を落とす。蛇ではなかった、まるでそうであるように意思を持ったスチームテイルに右足首を撒きつかれてしまい動揺。対処する間もなく軽々と持ち上げられてしまい宙吊り姿勢をさらけ出され、思わずスカートの裾を抑えつけるが―――) 」
なこ「―――――― き ゃ ふ ッ゛! ! (――――― ド ッ グ ゥ ォ ォ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! )(激しい回転に巻き込まれた末に、ついにコンクリート壁へ叩きつけられ、そのままめり込むように瓦礫に飲み込まれてしまう) 」
ももん「な、なこッ…!?(なこがスチームテイルに持ち上げられた衝撃で彼女の頭上から離れてしまい、壁に叩きつけられてしまった彼女を心配するように空中を飛び回る) 」
カチャリ「はぁ、はぁっ……!(肩で大きく息をしながら、瓦礫に埋もれたなこをじっと見ていた)正直ヤバかった……戦闘に関しては素人みたいだったわね、お陰で助かったわ……(もし戦闘慣れしてたら……あー、やめやめ。考えたくないわね……) べーっ、じゃあね~♪ (なこに対してあっかんべーをし、大きな風呂敷を背負い直して逃走を再開する) 」
なこ「パラパラ…ッ…――――― ケホッ、ゲホッ…!う…っ゛……(はじめて全身に受けた強い衝撃に、流石の魔法少女も堪えたのか呻き声を上げる。土埃塗れで崩れた態勢から瓦礫をゆっくりと押しのけて復帰するが、既にカチャリの逃走を許してしまい、朧げに霞む視界の中で彼女の背中が遠ざかっているのが見えた) 」
なこ「……はぁ……はあ……っ… なこの、せいで……わたしが……油断ばかりしていたから……いろんな人に迷惑をかけてしまう……っ……(改めて実感する自身の注意深さの欠如に、少女は悔しそうに唇を嚙み締める。いろんな人の期待を裏切ってしまう結末…それは、魔法少女である自分の過失であり、自己の喪失。それだけはなんとしても回避しなければならない。覚悟を悔い改めた少女はついに立ち上がり、手にしていた魔法の杖を地に突き立てる) 」
なこ「……苦手だった時空魔法…必死に勉強して会得したあの魔法を……使うなら…今が……っ!!(魔法の杖の先端が…黄色い閃光が時折交錯する藍色へと切り替わる。なこ自身も初めて顕現するであろう真新しい魔法が、彼女の意思に応えるように輝きを帯びる) 」
ももん「……!その色…魔力……もしかして……なこ…!"時空魔法"を…っ…!? 」
なこ「ハーッ…ハァー…ッ……―――――― 時空"オーバーラン" ッ !(既に背中から生えている天使翼が再び水平に勢いよく展開。それと同時に羽の表面に藍色に輝く輪郭が纏われ、その全身から眩い光の粒子が次々と湧き上がっていく) 」
なこ「 ギ ュ ン ッ ―――――― ! (眼前、最果て―――もう姿形、その影を消そうとするカチャリの背中を、魔法少女の決意を孕んだ瞳が確実に捉えた瞬間、前のめりに傾倒するように飛び出した。) 」
ギ ュ _______√ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Z_____√ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ オ ゥ ッ ! ! ! ! (際限なく青空が広がる地上とは異なり、限られ制約された地下空間。そんな密閉された無機質な空間を、一陣の風の如く少女が飛びぬける。地面から壁へ、壁から天井、そして天井から再び壁を伝うように地面へ帰るように、その一連の挙動が目まぐるしい速度で繰り返されながら怒涛の速度で進撃される)
なこ「――――――――― ュ゛ オ゛ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! (そして、一時的に時間を超越した魔法少女が、瞬く間にカチャリの真横を過ぎ去ろうとした時、世界がスローモーションに陥る。次の瞬間には加速の勢いが衰えることなくカチャリを追い越した見えざる残像が彼女の視線の先で何重にも屈折しながら飛び交い、その逃走する足を阻止した) 」
なこ「 バジバチンッ―――――――――― "キャラ・メリ・ゼ"!! (―――― ズ ド ガ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(そして、ようやくカチャリの視界に少女の姿が現れたと思われたその瞬間、そこには帯電された手を広げるなこがいた。大気中の静電気を一転凝縮したように生み出された電気エネルギー。電撃玉という形に落とし込まれたそれをカチャリの腹部に押し当てることで、彼女の全身に稲妻が迸る!) 」
カチャリ「―――――え?(風も、音すらも追いつかない何かが通り過ぎた気がした)―――― っ (次の瞬間―――彼女の頭脳を持ってしても理解が追いつかなかった。一瞬瞬きをした刹那に、視界の正面……逃走経路の先に、自身が遠ざかろうと逃げようとしていた”桃色の少女”が現れたのだから。分からない。どうやって?あらゆる可能性を浮かべ、辿り着いた仮説がひとつだけあった) あんた、まさか時空を――――― バチ バチ バヂィ ッィ イ ィ ッ !!! あばばばばばばば!!! (全身に稲妻が迸り、コメディチックに骨が透けて見えたりなどする) 」
なこ「―――――っは……ぁ…!(感電するかカチャリの目の前で、前のめりの姿勢で俯きかける。新たに発動した魔法の反動によるものか、かなりの負荷がかかっている。しかし、それでも倒れることなく…魔法少女はその魔法の杖を彼女へ突きつける) 」
なこ「……どうする…?もう悪さをしないと誓いますか……? 」
なこ「―――――――――――― "二度目はない" (俯いていた顔がゆっくりと上げられた時、天真爛漫で可憐だった少女の面構えが険しく一変していた。それは魔法少女というよりも"魔女"と形容するほどの重圧感。突きけられた魔女の裁定が、自分よりも背丈のあるカチャリを上目越しに睨みつけた――――) 」
カチャリ「ひ……ひぃ~~~……もうゆるひれ……電気はやらぁぁ~~……!(先までの余裕はボロボロに崩れ去ってしまい……汗と涙でべしょべしょになった情けない顔でなんとか巨大レンチを杖にして辛うじて立っていた) 」
カチャリ「……わかったわかった、もう悪さはしないわ! 誓うわ、誓えばいいんでしょもう!盗んだパーツも返すし、だからさっさと見逃し――――(この場さえやり過ごせば良いと適当に言葉を並べたて、俯いていた彼女の顔が持ち上がり目が合い―――) 」
カチャリ「―――――………… ―――…ッ …ぁ…………(言葉を失った。呼吸すらままならない、途方も無い重圧。もはや背丈の差など関係なかった、今この場において、”立っている”のは彼女で、地べたから”見上げている”のは自分だった) ………わ、わかっ……た……。 何も、しないわ……これ以上………っ……(唇は震え、なんとか言葉を絞り出す。もう逃げ道を探そうという思考は完全に止まっていた。ひとつ言葉を間違えたら、自分は裁かれてしまうのだから) ペタ…… (スチームテイルが力なく床へ垂れ落ち、降伏の意を示した) 」
ギュインギュインギュイン―――― ズ ド ド ド ド ド ド ド ド ! ! (その時だ。まるで突貫工事のような喧騒が轟きはじめる。騒音は次第に高鳴り、それと同時にカチャリのすぐ傍の天井が逆陥没したようにその表面が膨れ上がり―――)
ポポイ「―――――ンポポポ~~~~~ン!!(―――ボッグゥォオオンッ!!)(膨れ上がった天井を貫いて、二頭身の小さな生き物が飛び出してくる。その特徴的な潜水ヘルメットから延びだしたマジックアームの先端にはドリルが装着され、今もギュインギュインと回転していた)ンポポッ!!ママ!グレイゾーン行くと団長に聞いてきた!どうせ(>>> ど う せ <<<)地下街で迷うと思って、ついてきた!!ポポイのナビ!これ無くてはゴーホームできんでしょう!んぽい! 」
ポポイ「ささっ!お帰り!帰りましょ!ここは撤退!逃げるは恥だが役に立つ!ンポポポ~~~イッ!(ポイッポイッ――――ボッガアアァァアアアンッ!!!)(すると今度は、なこの方へ振り返り、潜水ヘルメットから取り出した小型爆弾を両者間地面へ叩きつけるように投げて爆発させる。あっと言う間に狭い通路に黒煙が立ち込める中、マジックアームを開かれた天井の大穴に向けて伸ばし、自分の体にしがみついたカチャリと共に昇っていくように撤退していくのだった) 」
カチャリ「ポ~~ポ~~イ~~~~~!!!!!ありがと~~~~さっっっすがあたしの子~~~~~!!!!!(両目から大粒の涙をぽろぽろ零しながらポポイの身体にしがみつき、共に撤退していく)(―――あの子……なんだったの? さっきの、彼女は……”誰”だったの―――) ア゛!!てか>>>どうせ<<<って言った!?あんた一言おおっ……ああ~~~~!??!(反動で手の力が抜け、盗んだ風呂敷を落としてしまう)やな感じ~~~~!!!(定番の捨て台詞をはいていった) 」
なこ「………―――――― (๑°ㅁ°) ハ ッ !(降伏を宣言し、盗んだパーツを地面に置いたカチャリを目前にしても、魔法少女の凍てついた眼差しが一切の動作に対し一寸の隙も許さないと告げるよに突きつけられる。ハイライトを失いかけ、闇色に染まりかけた眼だったが、その瞬間、重苦しい空気を貫くように現れたポポイの存在に急に我に帰った)な、なにこの子…っ…!?ひょっと……貴女の使い魔…!? 」
ももん「多分違うと思うもん(なこに冷静なツッコミ) 」
なこ「あっ…!!ウッ…けほっ、こほっ……!(そんなやりとりをももんとしていたのもつかの間、急に投げ込まれた爆弾の余波に思わず腕で視界を覆い、立ち込める煙にせき込んでしまう)………!!(煙が晴れ渡った時には、カチャリと彼女を助けに現れた二頭身の生き物の姿は消え、彼女が置いていった窃盗品だけが取り残されていた) 」
なこ「…………はぁぁ~~~~……っ……!(無事に盗んだものを取り返せたことで脱力感が一気に押し寄せる。最悪の事態が免れたことで一度は安堵したように大きなため息をついた) 」
ももん「……なこ、大丈夫もん?(ぱたぱたと羽ばたいてきたフクロウがなこの目の前に止まる) 」
なこ「……う、うんっ……!大丈夫…かな……?商品も無事に取り返せたみたいだし……お店に戻る前に、道中壊れてしまったものとか直して帰ろうね……(ははは、と疲労感でやつれた苦笑を零し、少女はおぼつかない足取りで来た道を戻るように歩き出した) 」
ももん「……………… 」
ももん「………無茶しすぎなんだもん。このままだといつか壊れてしまうかもしれないもん。ももんがちゃんと支えてあげないとダメみたいだね。それにしても……時空魔法の適正がなかったなこが、あんな魔法をいつの間にか会得していたなんて……驚いたもん…… 」
ももん「……なこ…君はやっぱり、ももんが見込んだ最高の『魔法少女』になれるもん。(独り言を呟くフクロウが、パタパタと低空飛行で飛び出してはなこの後をゆっくりと追いかけていくのだった―――) 」
最終更新:2026年05月21日 23:08