緋月の夜叉姫 ログ3

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―――サンレスガーデン チャイナタウン――― 



BGM.



雛菊「(白い菊の花を描いた蒼和傘を差して悠然と歩く剣姫―――)ふぅ…(満面の笑みで口元を人差し指でなぞり、赤々とした鮮やかな街並みを見渡す) 」

雛菊「こんなに食べ歩いたのは久しぶりです。何処も美味な食堂ばかり、まだまだいきたいですね。(舌でぺろりと唇を撫で、嬉々たる瞳を輝かせている) 」

中華料理屋の男性「―――毎度ありアルヨー!ヤー、こんな綺麗なお嬢さん来てくれた事最近なかなかないアルネ。宝くじ買おうかしら オウフオウフ(店頭から純白の中華服を着込んだ男性が顔を出し雛菊を見送りながら掌を擦り合わせ下鼻を伸ばしていると――――) 」

中華料理屋の女性「ゴスッゴスッ(もれなく横から妻と思わしき女性がいい感じに肘を彼の脇腹に入れてきている)あーお客さんお客さん!せっかくべっぴんさんなんだからあそこ!着付けのお店に行って見たら?少しお値段張るかもだけど遠路はるばるいらっしゃったんでしょう?やってかないと後になって後悔するわよー!(口元に両手を添え店から出て行った雛菊へ呼びかける) 」

中華料理屋の男性「オウフッ オウフッ あー、それもいいケド浜辺に『鳳凰様』の木彫りが売ってるお土産やさんがあるからそこ行くのオススメネ。着付けは借り物だから持って帰れないケド、鳳凰様の木彫りはトッッッテモありがたいものダカラ、ご利益をお家に持ち帰るからオススメヨ。『大和』の将軍様の象徴ダカラネ! 」

雛菊「まあ、ありがとうございます。(先程後にした中華料理店の店員夫婦の声に振り返り、そっと微笑んで答える)…そうですね、食事はほどほどにして…せっかくこの地に訪れたのなら、御師匠様とお母さまへのお土産も考えましょう。(和傘をくるりと一回転させ、歩み始める) 」

中華服の男性「いやぁ……ほんといい娘だったネ。うちの娘もあれぐらいだったケドこう……うん、誰に似たのか残念な感じデ オウフッオウフッ(一言もふたことも多いのがこの夫なのか、慣れたものと言わんばかりに妻からの肘鉄を何度も食らいつつ雛菊を見送った) 」

中華服の女性「――――それよりあんたさぁ。『将軍様』がみんなにお配りくださったこの『棺』どうしようかねぇ……今回ばかりは将軍様が何をお望みなのか皆目見当もつかないよ(夫の腕お引きずり、店前に立てかけてある『黒い棺』に一瞥をやりつつ店の奥へ戻って行った) 」




―― サンレスガーデン 海岸 ―― 



漁師「(説明に耳を傾け囲むようにして群がる漁師が一人、いい気になって大岩の上に腰を下ろし得意げに語る)――――鳳凰様の木彫り? おおともよ、そらここらじゃ有名な木彫りだ。水の国はな、そらもうくじらみテェにでっけぇ大国に狙われたことがあったのよ。てやんでぇ手前らのおまんま食いっぱぐれてたまるかってんで俺らのご先祖様は国同士、国境を超えて呼びかけあって、ようやっと団結して大国を追っ払っちまったってわけ。そんなかでも取り分け勇ましく先頭切って一番槍投げつけて、最後までふんばじったのが『将軍様』の収める『大和国』ってハナシ。そん時の将軍様が被ってた兜の飾りがこの―――――― 」

漁師「―――――鳳凰様ってわけだ。ほれっ、そこのお嬢ちゃんもどうよ。俺の親父がこいつの職人でさぁ。おひとつどう?どう?(たまたま通りかかった雛菊に誇らしげに取り出した鳳凰の木彫りを見せつけ歯をのぞかせ笑う)べっぴん割引だ!今なら半額よ半額。さぁ買った買った! 」

(フォックス)観光客「鳳凰の木彫りかぁ、種植えたら育つだろうか 」

(ファルコ)観光客「そんなもんより俺ならそうめんを栽培するぜ 」

(オケキャス)海の家のキャスター「串キュケオーンだよー!串キュケオーンはいらんかねー! 」

雛菊「……?(突然声をかけられた方へ振り返り、漁師とその手にある木彫りに視線を落とす)繊細なつくりですね…!(わあと目を丸くしてその木彫りを見つめる)……(御師匠様、そう言えばこういうものを好んでいたような…美味しいものよりもこういった方がよいのでしょうか。)…お一つ頂けますか? 」

漁師「(雛菊の返答に『おっ』と口を開け黒い瞳が歓喜で強く輝く)へへっ毎度あり!包装はいるかい、お嬢さんの言う通り繊細な作りだからよ。うっかりこの雪みてぇな肌に傷をつけちまったら大事だ(鳳凰の木彫りを片手に持って自然体を装い雛菊の手に触れしてやったと言わんばかりに満足げに微笑む) 」

漁師「あー……ところでこんな話知ってるかお嬢さん。そもそも将軍様が自らの兜に鳳凰様を飾ったのにはちゃんと訳があってよ。将軍様はかつてとんでもなーっくお金に困ったことがあってよ。困り果ててなんとかお金を増やして民草に豊かな暮らしをさせてやりてぇと思い悩んであてもなく!今!この海岸をトボトボ歩いていたのさ。するとそこへ、なんと大波の乗って『鳳凰様』が現れたじゃねぇか!鳳凰様は将軍様にこうお告げになった『ここを掘りなさい、お宝あるよ』(裏声)ってな。まぁつまるとこ、俺ちゃんは今こうして「鳳凰様のおかげでお嬢さんというお宝に―――――――= 」

\ウワーナンダアレハー!!/ \親方ー!海から鳳凰様がー!鳳凰様の使いがー!/ \ざわ…ざわ…/ \いるさ!ここにな!/

漁師(親方)「ううううっせぇなバァッかやろう!今将来の嫁さん口説いてんだから野暮な真似は――――えっ、なにあれ……えっ? 」

―――――漁師の視線の先には人の大波と言わんばかりの野次馬が海岸沿いに群がっていた。人の竹林と言わんばかりに並ぶ頭、頭、頭。それらを優に超える大波が天を裂かんとばかりに、燦々と輝く太陽をも穿つ勢いで現れ――――


BGM.


バル艦長「 あ"い"え"え"え"え"わしはもうダメだ終わったのだあ"あ"あ"!!(並みの頂では陽光を浴びて輝く『鳥』いや、『鳳凰』がけたたましい叫びをあげ神々し(く見える)い姿を衆目に晒していた) 」

キャロル「まだだ!お前は虎だ、サンダーバードになるのだ!!(その鳳凰の上にまたがり波を超え、少年よ大志を抱けとでも言いたげに明後日の方向を指差し、鳳凰(バル艦長)を巧みに操る少女が一人)ハレルヤー!! 」



アックスナイト「急に迷子になったと思ったら何やってんだあの人(呑気にアイスクリームを舐めながら) 」

メイスナイト「さあ、知らないダス。それより上に乗ってる人は誰ダスか?ワドルディ、知ってるダス? 」

ワドルディ「存じません!それより艦長!中の人が違う気分はどんな感じですかー? 」

バル艦長「馬鹿野郎お前ら見てねえで助けやがってくださいお願いしますこの野郎!!!!!!!あと中の人などいねえ!!!! ついでそこのお前エッ!!!この俺様を誰だと思ってやがる!!?よくも俺様を踏みにじった挙句天国に限りなく近づけやがって!!!!許さんぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああ(発狂説教大絶叫) 」

雛菊「 わっ (漁師に手を取られ少し驚いた表情)え、と…――――?(困惑した表情で話を聞いていると、背後でざわつく人々の声が気になり振り返る)……えっ…!(あの荒れ狂う波…ここは―――)(迫りくる大波に腰元の刀に手を当てようとしたところ――)………??……!?(大波の上に人影を見つけ唖然) 」

キャロル「鶴に限らず鳥類は優しくしてあげると恩返しをするか醜いあひるからサンダーバードへ転生する。古事記にもそう書いてある(黙って泳げとでも言いたげに半目でバル艦長の背中を繰り返しひっぱたく)私は迷子センターへあなたを届けた。よってあなたはサンダーバードとなりて私を風にしろ、疾風怒濤の如くベシベし  ―――――あっ(バル艦長とキャロルを乗せたNAMINOYUKUSAKIにはすっかり鳳凰の使いと信じひれ伏す人の山、その向こうの雛菊の姿が) 」

ヴェルゴ「 さてそろそろ帰還するか。この鳳凰様の木彫りを土産を手にな。 」

ポッポ「 ポッ!(ヴェルゴの頬にくっついている) 」

ヴェルゴの同僚「お前木彫りなんて買ってねえだろ 」

ヴェルゴ「 そうだ俺は…木彫りなど買っていなかった… 」

\鳳凰の使いじゃー!鳳凰の使いじゃー!貢物を用意せよ!/ \えーと、ああもうこれでいいよね!ないよりはいいよね/ \MATTE!それは俺のレッドデーモンズだ!/ 

ピカマン「 うわあああああポッポだああああああいやあああああオアアアアア(ポッポを見るいやいなや恐怖で全身骨折し空へ帰った) 」

ピジョン「 (殺伐とした現場にホウオウが!!!!!!)ホーホー! 」

雛菊「(あれ…まさか人……??)(大波の上にいる人影の正体が明るみになるにつれ、思わず開いた口がふさがらないでいる) 」

アックスナイト「まあ俺たち、スマブラSPにスピリットで出られた勝ち組だからな。おいてけぼりの艦長はほっといてどっか食いに行くか。 」

メイスナイト「そうダスなぁ…鳳凰様の焼き鳥とか食べてみたいダスね。 」

キャロル「んー……これはまずい、このままではポッポがあの子にロマンチックをあげて将来夫婦になってしまう未来が私の千里眼(大嘘)には見えてしまう……!なんか絵面的にムカつくからそれは回避しないと(すっとポケットからは取り出したるは『モンスターボール』無表情で覇気のない叫びをあげ、それを前方へスローイングした)いけ!ゼニガメー!! 」

ワドルディ「スタアラにも出られなかった残念な方ですからね…あ、今日まだプリコネログインしてなかったや(起動) 」

玄武様(クッパ)「 (投擲された球体がまばゆい光を放ち、中から現れたのは――――)\PON!/ ゼニゼニー! (そう、ゼニガメ。フェアリータイプのうさぎデジモンである)ガーメガメ!(愛らしい(濁った)鳴き声を発し、ホウオウ(大嘘)ごとキャロルを背負って並みの軌道修正をし) DOOOOM!!(並みの切れ目からF1マシンよろしく飛び出し、雛菊の目と鼻の先に着地した) 」


ビシャァァァ(着地の際の水しぶきがワドルディのスマホを浸水させ何故かヌマクローを殺した)


(オケキャス)海の家のキャスター「キュケオーンだよ!ふふっ!鳳凰様の串カツ味もあるよ!ふふっ!キュケオーン!!!!おたべ!!!!! 」

ワドルディ「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!プリコネできなくなっちゃっちゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!! 」

むらびと「 何十年もの「メタナイトの逆襲」に君臨、スマブラにもスタアラにも出られず、しまいにゃしまいにゃポンコツ戦艦と海心中…!変態という名のバル艦長!実に空虚じゃありゃせんか?艦長は所詮、スパデラ時代の敗北者じゃけえ…!!! 」

エース「 敗北者……? 」

バル艦長「取り消せよ…今の言葉…!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 」

むらびと「 バル艦バルカン敗北者!スパデラ艦長敗北者!! 」

ヒロ「ヒヨリイイイイイイイ!!!!!!(台車に乗ってワドルディの前を横切る) 」

バル艦長「鳥鳥取り消せ取り消せよ今今今の鳥鳥言葉取り消せよ!!バル艦大艦隊!!!!!!!! 」

ヒロ「乗るなバル!戻れ! 」

闇サトシ「 うっせえええええええええええええ!!!!!!!!(むらびともバル艦長もキェケオーンもヒロもプリコネもワドルディもついでにピカマンも何もかも蹴り飛ばす) 」

雛菊「ひゃ…っ…!?(突然現れた巨大な影の衝撃に思わず開いた和傘を前方に向けて風を凌ぐ)……?(この人、今波に乗っていた…?)(和傘の内側からゼニガメ?の背に乗ったキャロルの姿を見上げる) 」

バル艦長「まさに踏んだり蹴ったりだ!!!!(外野へ蹴り飛ばされ退場) 」

ヒロ「朱夏ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(吹っ飛ばされる) 」

ワドルディ「コッコロ~~~~~~~!!(退場) 」

キャロル「か、唐揚げくぅぅぅぅゥゥゥゥゥゥゥ―――――ンンン!!!!(吹っ飛ばされたバル艦長の方向へ腕を伸ばし親友を失ったJOJO並みの号泣と悲痛な叫び)んんー……ところで鳳凰の木彫りってどこで売ってたんだっけ。改造して宝具にしたいんだけど(ゼニガメ(確信)の甲羅の上に座り頭を掻きながらやる気のない半目で辺りを見渡し)―――う?(ばったり雛菊と目が合う)あ、十ダイコン舞祭のネギ姫だ(特別意訳:十剣舞祭りの雛菊だ)どうしたのこんなところで。あなたもからあげクン落としたの? 」

雛菊「ぁ…(大きな大会に出場していたこともあり、自分の名が世間に知らされていることを今改めて思い知ったのか、少し頬を赤らめ恥ずかしそうにしている)い、いえ…私はただ、修行の旅の途中でここに…(和傘で顔を隠す様に) 」

漁師「 なぁ…………みんな、今の見たか? あのお方、鳳凰(バル艦長)様に乗って現れ、玄武様(クッパ)を遣わしたあのお方を……そのお方が、今!外来人の前に降り立ち、お声をかけられた! 」

\見た!わしも見たぞ!/\オラも!/\私も!/\市長もです…/\あのお方が!鳳凰様の使いをここへお招きになったのだ!/

漁師(幼女)「ふえぇぇ……最近羽振りが良くないからこんなものしかないよぉ……許してほしいよぉ……(初めは皿いっぱいにシャケを乗せた皿を子供が雛菊の前に置き――――) 」

白虎様(現場猫)「その身だしなみ、本当にヨシか? 」

青龍様(はらぺこあおむし)「私のセンスを馬鹿にするな殺○すぞ 」


\アリガタヤ…アリガタヤ…/\ドウカサチアランコトヲ…/\ココニタテマツル…/(次々と野次馬、地元の漁師、市民や市長や元フレアチューバーの社員が次々と供物と言わんばかりに、キャロルと雛菊を囲むようにして作物や海の幸を運び押しかけてきてはそれを置いて足早に立ち去った


白虎様(現場猫)「これはごめんなヨシ子さん 」

はらぺこあおむし「 悲しくなったので青龍様のアルバイト辞めます。お世話になりました。 」

キャロル「ふーん、酒豪(修行)ってことは飲み倒れにここにきたんだ。なんか大変ね、カロリー管理はしっかりね(膝を抱くようにして甲羅の上に座りながら無垢なはんめで雛菊を見下ろし)―――――。(勘違いから崇め、供物を献上に来る民間人と雛菊の正体を隠すような様子を交互に見)―――ピョンッ(甲羅の上から助走をつけて飛び、雛菊の前にゼロ距離で降り立って上目遣いに顔を突き合わせる)――――お忍び? 」

むらびと「 は(らが減っては)い(くさはできぬというので)ぼく(は)しゃ(けを食べようかな) 」

エース「 敗北者……?(食べ物の中から顔を出す) 」

雛菊「わっ、え……?(見ず知らずの民から献上された作物や海の幸に困惑しながらも)(すごい…とても、おいしそう…)(輝く食料の山に瞳に輝きが)ふぇ…?……い、いえ…!(キャロルと目を合わせ、和傘を閉じて改め向き直る)と、とつぜんいろんなことがおき過ぎて… あの…(さっきの奇想天外な波乗り登場のこととか) 」

赤犬「おっと、食中毒の原因になるけんの(エースの顔が出た食べ物をこんがりと焼く) 」

ルフィ「 肉ゥー!!!(山盛りの食料の中から肉だけを盗み取っていくが、ついエースの顔も掴み取って口の中へほうり込もうとする) 」

サボ「 やめろ!エース!ルフィ! 」

セーラーキロメートル「(フレアチューバー社員だけを処刑) 」

キャロル「しゅびっ(白虎様と青龍様に向かって『ピックアップ召喚招待券』と記された札を投擲し叩きつける)よし、コレクション追加~ ん~~?(彼女にとっては無意識に起きた自然なことなのか色々なことに心当たりがなく小首を傾げ)――――(ただ一つ、献上された食べ物にはまんざらではないということを理解し、一人うなずく)おっちゃーん!私鳳凰様の使いだけどこの使ってなさそうな小舟もらっていい~?\ウヘヘ、ドウゾデスジャ/あんがとー(海岸沿いに打ち上げられ動かない小舟と、それの近くにいる老人に声をかけてを振った) 」

キャロル「―――いいってさ(なんの脈略もなく雛菊に向き直り、海鮮類を相当重量のある『束』にしてから抱え軽々と小舟に投げ込み食料を積み上げていく)とりあえずさー、『聖闘士星矢団<大キャロル団>』の秘密基地に持って帰るんだけどー……食べに来る? 」

雛菊「ぁ…(大量の食料を抱え込んだ小柄な少女の背を心配そうに見つめていたが)…えっ…?…… …… ……ご一緒してもよろしいのですか?(純粋な眼差しで涎を垂らしながら) 」

キャロル「ちゃんとサンダーバードに進化して恩返ししてね(くるりと背ごしに振り向きなんでもいうことを(ただ聞くだけ)聞いてくれそうな作画の顔で迫真集中線を発し)よっこいせっ(先の雛菊の不安を払拭するように食料を積み置いた小舟の先端に名ををくくりつけ、軽々と引きずって歩き出す)それに十大根……?だっけ、あれのお話とかいろいろききたいしぃ~(ピタリと足を止め、両手を広げくるりと踵を返す) けつが柔らかそう! (コロンビアを背負って突拍子もなく) 」

雛菊「…(*ˊᵕˋ* )??? 私でよろしければ、お供させてください。(ふふふと微笑んでキャロルに続く) 」

キャロル「特使に任命する、供を許すゆえ仮装チャンバラ(スマブラ)するのだ(くるりと踵を返し淡々と噛み合っているようで噛み合ってない他愛のないやり取りをしながら彼女にとっての『帰路』へ着いた) 」



――――――この遑に六道輪廻より降り立った剣士であり少女である彼女が気付く余地はなかった。この何気なく続く回廊の先が、まさに万夫不当の猛者が軒を連ねる修羅道であり、そして時代を隔てる境界の上であるということを

―――――あとついでに、彼女のいう『キャロル団』なる組織の構成員はたったの三人、ガレージを改築したボロ屋であって、阿鼻叫喚とも言うべき力利用であるということも









―― サンレスガーデン 4番通 ――



キャロル「――――ごっそさんです。全ての食材にありがとう全ての恵みにありがとうただしガッデムゴッド。ファッキューダイ(殆どガレージと変らない彼女の秘密基地で食事をするのもつかの間の時間。行きずりで知り合った和装の女性(雛菊)の腕を理由も告げず強引に引っ張り日がくれた石畳の坂をマイペースに登っていく)そういえばひなぎっちゃんさぁ~、修行の旅って言ってたけどここにはお目当のサンドバッグはいるの?(あどけない顔に似合わぬ物騒の言葉を仰ぎ見た空へ放り、身長差のある彼女へ上目遣いに赤い瞳を向けた) 」

雛菊「ごちそうさまでした(〃´o`)=3(満面の笑みで食事を平らげた後、彼女につられるように傾斜の道を優雅な足取りで駆け登っていく)さんどば…?サンドイッチなら好きですよ♪(片頬に手を当て思わず表情が綻ぶ) 」

キャロル「私も好き。わさび入ってるの以外は好き(わさびの部分だけ露骨にトーンを下げしきりに頷き)あっ、じゃあジゼルに明日の朝ごはんはサンドイッチを作ってもらうようにしよう。もう遅いしどこか泊まるでしょ?つまりうちに来るでしょ?(さもそれが当然のようにグイグイとそうなるのを強要するようにしきりに腕を引き表情に現れる感情の抑揚は乏しいながらも心底楽しそうに口元を綻ばせた) 」

雛菊「そう…ですね…(片腕を引かれる一方で人差し指を顎元に当て目を泳がせる)宿泊できるところを探すのに悩んでいましたので… なら、お言葉に甘えてもよろしいでしょうか。(見下ろした彼女の顔に緩やかに口角を上げる) 」

キャロル「やったっ!(短く単純ながらも素直に直線的に喜びを伝え小さくガッツポーズを取る)――――十剣舞祭、だっけ……。いいなぁ、チャンバラ強いんだろうなぁひなぎっちゃん。喧嘩のやり方でどこまで通用するかなぁ、庭持つかなぁ!(手を繋ぎながらも『闘争』を前提とした思惑に吹けるようにして口橋を釣り上げ進行方向をまっすぐに見据えながら、こころなしか足取りが早く、引く手の力が徐々に強くなる)そうだっ!ここサムラーイが多いんだってさっ。一緒に殴り込みとか遊びが尽きなさそうだよねっ!24時間じゃ足りねーやっ! 」

雛菊「はい。過去二回出場したことがありますが…今年は修行の為、参加を控えているんですけどね。(キャロルの発言と徐々に歩みを進める彼女にあははと苦笑い)そうなんですね…!噂に聞いてこの地へ訪れたのですが…強い武人方と手合わせ願えるのなら光栄です! 」



――――――――― ギ ィ ン ッ  ………(遠くからか、くぐもった金属音か耳鳴りか判別のつかない高音が響いた)  キィンッ!! ガァンッ!!!  ┣¨ッ カランカラン……(今度は二度、強く金属に金属を打ち付けるような重低音が二度響き、程なくして空き缶か何かが石畳の床を転がるような高音が反響し――――)  トッ   トッ トッ トットットットットッ(荒い息遣い、規則性のない足音が徐々に雛菊達へ近づいて来る) 」


キャロル「わはは、名のある武人をどれだけ多く負かしたかで競うのも楽しそうだなっ!―――――― およ?(日二乗的騒々しさに首を傾げ雛菊の和服の袖を指でつまみ引っ張る)噂をすればなんとやらかなぁ? んー……でもひぃふぅみぃ……足音多くない? 」

雛菊「ふふふ、無双劇でも負けませんよ――――?(聞き慣れないような無機質音にほころぶ表情が一変。細くした瞳はその先を見据え、右手の指は本能的に腰元に携えた刀の柄に添えられる) 」

紅髪の青年「―――――ぐッ……ァグ……ッ!(足音がすぐ側まで迫ると羊飼いが持つような杖を手に持った、紅の前髪で片目を隠した青年が曲がり角からひっくり返され貯めた廃棄物を散乱させるゴミ箱と一緒に転がり、雛菊達の前の前へ叩き出され石畳の床に突っ伏す)ハ”ァ”……ゲホッ!!……ハ……ハァ……くそッ……!!(身を守るようにして腕を抑え憎々しげに自身が辿って来た路地の方へ一瞥をやる) 」

侍「ザッ――――――……(青年が転がり出るとほぼ同時に、彼が辿って来た道から三人、雛菊達が辿って来た道や、他の路地からも更に一人ずつ。合計五人の『私服』の男達が『打刀』を既に抜刀した状態で片手に携え、青年を取り囲んだ) 」

侍「――――(一人が雛菊、キャロルの姿を確認し『想定内ではないが意図しなかった』かのように眉を顰め首を悔いとひねり隣の男へ意を問う)」「–――― コク。構わん、察するに旅行者だろう。大和民にあらず、帝御身の流血には能わず(手にした刀の刃を、鍔鳴りを合図に返し明確な敵対意思を示す) 」

雛菊「……!(転がり倒れ込んで来た青年に目を丸くし駆けつけようとした途端――)―――(四方から感じる気配にその歩みを制し、依然微動しない指を柄に添えたまま、前方の敵意と視界に映らないそれらを流し目に感じ取る)――― キャロルさん。(身体に密着した彼女に囁き出す) 」

キャロル「ほいほい。(声掛け一つでシンプルに応え後ろ手を組み雛菊の背後を陣取るようにして背合わせに並び立つ)――――おしゃべりに応じてくれる相手じゃなさそうね。ありゃ根暗だ、職業病が原因だね。 ――――ガォンッ!!(拳と拳をかち合わせるようにして生身の骨だけで擬似金属音を鳴らし歯を覗かせ凶悪に笑む) 」

紅髪の青年「ガンッ!!(杖の先端を強く打ち付けようやくといった具合に立ち上がり、自身以外にも男達に囲まれた人物がいる、それも迎撃の用意があるとわかると大きく目を見開き)――――止せ……司法はそいつらを裁けない……何処へなりとも**……っ!(この場で最も弱い立場にあるにも関わらず彼女達の身を案じるように声を放り出す) 」

侍「 ――――斬心の心得有、他一切無用。我が刃は”鳳凰”が為、即ち是”大和”が為……ッ!(会話に応じる様子はない、刀両手を添え、全員が一斉に一言一句違わず口上を述べると刃を垂直に構えた) 」

雛菊「…後ろのお二方をよろしくお願いします。(キャロルの耳元にそう告げた後、青年の警鐘が耳に入りこんだのかどうかは分からないが、切羽詰まる彼の表情とは相反し底知れない余裕を含んだ表情から安堵を齎す笑みを零す)……ユ ラ ―――――(そして、柄に手を添えたまま、まるで眠りにつくかのように背後へ傾倒し始める。まさに背から地面に倒れ込もうとした、その瞬間―――) 」


――― フ ォ ン ―――(倒れ込もうとする雛菊の身体が、彼女より"遠距離前方にいたはずの三人組の背後から現れる"。それはまるで、半分に切り取られた一枚の写真がそのまま入れ替えられたかのように…不可思議な現象だった) 」


キャロル「―――――ずっるーい、欲張るとマッマに言いつけるぞーぅ……(頭数一人分多く取られることに不満を口では漏らしつつも、『一人分』彼女の技を見られると期待に胸を膨らませつつ、一歩、前へ跳躍――――) 」


    ギュ  ォ   ン  !!   (雛菊とは対照的に、ジェット機がゼロ距離で駆け抜けたかのようなけたたましい音を立て既に前方遠距離にいたはずの男二人の背後で、すでに拳を突き放った体制で硬直していた) 」 


―――――!(雛菊の出現に三名は息を飲んだが狼狽えることはなく、咄嗟に摺り足で身体をバネよろしくひねり一斉に、『一流の剣術』を身につけた者がなせる身のこなしで雛菊へ返しの刃を向けようとするが――――― 数多の剣豪を相手取った雛菊にとってそれは、欠伸が出る程に遅過ぎた ) 」


雛菊「――― ニ コ (そのまま地面に倒れ込もうとする中、三人組の顔を下から覗きこむ。彼らが刀を振り上げた瞬間、柄に固定された様に動く気配の無かった二本指がぴくりと微動する)“下月”――― "転"(まぼろし)。(倒れ込む動作の最中、眼にも止まらぬ居合抜きで瞬く間に三人を斬り伏すと同時に全身を捻って低空跳躍し、華麗に着地する) ト ン …―――― 大丈夫ですか。(優しい表情と共に傍らの青年に手を差し伸べる) 」


キャロル「えーっとなんだっけ……うーんと……(拳を放った態勢を解くと、後ろ手を組み背後で固まる男達をよそに三歩、前へ歩き出す)しちこー……しちこう……忘れた。 ま き し ね ぃ (その間抜けたセリフをトリガーにキャロルが駆け抜けた部位が火柱を上げ男達を紙切れのように吹き飛ばしてしまった)派手に過ぎたか。 」


紅髪の青年「―――――。……(当然予想外、暫く荒かった呼吸が止まり唖然とした。先まで身を案じた二人が瞬く間に追っ手を片つけ他のだから当然だが、すぐに平静を取り戻し、差し伸べられた手に視線を落とす)…………。大丈夫だ、大丈夫……”俺は”な。(差し伸べられた手をとり軽く上下に振ってすぐに離してしまう)――――俺はお陰で命拾いした、ありがとう(含みのある言い回しをすると、杖を足代わりに手短な壁に左足を引きずって進み手をついて吐息を零した) 」

キャロル「―――――ヒュウ♪(踵を返すと既に時遅し、雛菊の技は刹那の内に終わり、見ることは叶わなかったが倒れ臥す男達を見やるとその実力を確信しご機嫌そうに口笛を吹く)コンマ数秒ひなぎっちゃんの勝ちね。舐めプはしなかったんだけどなぁ……(倒れ伏す男達に一瞥をやると、文字通り衣類が”私服”であることを確認する)(――――統一性のない服装。でも構えも口ぶりもパチモン臭かったし……何なんだろうなぁこれ) 」

雛菊「ぁ…(青年の容体に不安の色を露わにするが、それ以上は踏み込めないと悟り再び差し出そうとした手を静かに引っ込める)ふぇ?もう勝負は始まっていたのですか?(ふふっと面白おかしそうに噴き出す)あの…(青年をよそ目に、キャロルに彼をどうしようか相談を持ちかける) 」

紅髪の青年「本当に問題ない……ゲホッゲホ……ゴホッ!!……このナリで説得力ないことこの上ないだろうけど……(手頃な段差の上に腰を下ろすと、座しているにも関わらず態勢を崩しそうなほどに咳き込み口元を押さえ肩で息をしつつ青ざめた顔を上げた)―――それよりあんたら、この国を早く出た方がいい。今なら『アレ』も就寝時間だ。こいつらが帰還しなかったところであんたら外部の人間がそうしたとは気付かない 」

キャロル「当然、ひなぎっちゃんと一緒にいる限りは負かした数カウントしてくよっ(サムズアップしウィンク) 大丈夫かい若いの。既定年終えたにおじいちゃんみたいだZE★(超指を立てて軽いジョーダンを飛ばすもすぐに真顔に戻り、雛菊より自身が踏み込めないことを悟る)―――――わかんないや!私門限はゆるいけど別段帰って何かするってわけでもないしさー……ひなぎっちゃんはどうしたい?ああ言ってるけど。ていうか私でれんし、住所ここだから 」

雛菊「ふぇっ…?う、うーん…でも…(青年のほうへ一瞥を与えながら)私は…――― あの人を放っておくことなんかできません。事情は知りませんが、悪行を重ねた御尋ね者とは思えませんし… 」

キャロル「――――。(雛菊の答えを目で、耳で聞き入れその姿に『かつて自分を救った者達』の面影を重ね)――――んっ!(今日一番、めいいっぱいに微笑みを讃え頷いた)そういうわけだ貧血メン!私は大丈夫って言われたらそういうフリには動じないし置いてく主義だけど、そこはひなぎっちゃんに感謝するんだな!拒否るなら、腹パンして拉致する、ホトトギス。シュッシュッ(シャドーボクシングで空を殴り『腕づくで連れてく』と強調する) 」

紅髪の青年「ゲホ”ッ……(雛菊の返答、それに同上するキャロルに明確な当惑の色を浮かべ咳き込む口を押さえつつ眉間にしわを刻むが……)――――― 。(雛菊の出で立ちに何かを思い出したように目を丸くすると、続いて隣に佇むキャロルへ視線を移し)―――― 。(僅かに口角を上げ、沈黙と決め込もうと縫い付けたはずの口が開いた)……わかった(短く返すと杖を頼りにいくらかマシになった動作で立ち上がる)恩もある、国外に逃げ押せても事情を知らなければ身の振り方もわからないだろう。その辺も含めて落ち着き先で話そう―――― 」

紅髪の青年→紅夜「――――遅い。  バサッ  (腕を真横に向けると、どこからともなく一羽の烏が彼の腕に止まる。それを横目に何処へでもなくごちると、烏を乗せた腕を、今度は自ら雛菊へ差し出した)――――二鷹紅夜<ニタカコウヤ>だ。 」

雛菊「……!(ほっと胸を撫で下ろし、キャロルと挟む様に青年のもう片方の腕に手を添える)ひとまずは…追手が来る前にここを離れましょう。 」

雛菊「…!(彼の腕に飛来したカラスに目を丸くする)…翡翠雛菊(かわせみ ひなぎく) と申します。よろしくお願いします、紅夜さん。(彼とそのカラスに合わせてお辞儀する) 」

キャロル「それならマイホームに行こう。言い忘れてたけど、私『キャロライン・ヴァンシュタイン』。ここに引っ越してきたマフィアの箱入り娘なの。さっきの連中が仮に『司法を味方につけた連中』相手でも安全だよ!(そう単価を切ると再び雛菊の袖を引っ張り、今度は一人で振り返りながらも駆け出した) 」

紅夜「――――こちらこそ(先の突き放すような態度とは打って変わって他人行儀ながらもいくらか友好的に返し、キャロルに続くように歩き出す。すると)――――― ギャァッ!!ギャァッ!!(烏が彼の耳元で品性の欠片もなく喚き立てた。それに対し)――――――――問題ない。今の俺よりかは遥かに頼りになる(何処へでもなく、そう呟き彼女の帰路へ続きフェードアウト) 」



―――グラナート・ファミリエ サンレスガーデン出張所―― 



キャロル「ただまー!(鍵はかかっていないにも関わらず玄関を蹴破って入り)ゴンッ(裏拳で照明のスイッチを入れる)さー上がって上がってー。あっ、ここ洋式だから靴脱がなくていいよー(トントンと満身創痍の明る様顔色が悪い人物の肩を担いでいるにも関わらず着の身着のままにダイニングへ向かう) 」

紅夜「ゲホッ……ゲホッ……(デフォ三白眼で口橋から一筋の赤を垂らしながらキャロルに半ば振り回されるような形で引きずられる)安全地帯って ゲホッ 聞いて来てみれば…… ゴホッ ゴホッ どこにでもある一軒家じゃゲホッ!!ゲホッ!! 」

雛菊「お邪魔します…えっ、いいんですか?(様式の生活スタイルに半場びっくりした様な顔で躊躇いながら部屋の奥へと進む)紅夜さん、さっきよりも容体が悪化している様な…き、気のせいかな…?(彼の様子に思わず苦笑する) 」

キャロル「なんでだろう。老化が早いのかな(←過度な振動を与え肺に負担をかけている張本人)お姉達出かけてるみたいだネ。あんまり外部の人入れるのは歓迎できる状況じゃないって言ってたしなぁ(ひとしきり、自分たちが行動している範囲の部屋の照明を点け、それまで家全体が省エネだったことを把握すると腕を組みうーんと首をひねって唸る)突然帰ってこられても具合悪いしとりあえずガレージ行こっか!(雛菊へ『ついて来て』とジェスチャーで伝えると、ずた袋を扱うような雑な扱いで紅夜を引きずり床下へ続く階段を降りていく) 」

紅夜「 ゲホッ!!!! (助けたんだか拉致したんだかわからないんだけどこれ) 」


その時、ダイニングからキャロルの「わっ!」と驚いた様な声が聞こえる。彼女の声に釣られてダイニングへと向かった紅夜と雛菊が目にしたものは…―――色とりどりの満漢全席だった。その上、ちょうど数分前にできあがったものなのだろうか、料理かは香ばしく美味しそうなにおいと美しく漂う白い湯気が立っていた。 」


キャロルB「メーデーメーデー!誰だお前は!(ガレージへ向かおうとするキャロルAを紅夜ごと連行しようとする)」キャロルC「今ここに私がこなかったか1」キャロルD「バカヤロウ!そいつが怪盗キッドだ!キザなコソ泥がえろ本盗みにきやがったんだ!(トイレからクローゼット、いたるところから次々とキャロルが現れ場が賑やかに混沌化していく) 」

キャロル「ふ『わっ!』と匂いを防げるレノあああああああーーーーー!!!(増えすぎたキャロル達へ片っ端から体当たりを仕掛け、接触したキャロルが『残機』を残して消滅する)1UP!!1UP!!1UP!!1UP!!1UP!!1UP!! わーいおいしそう( 何 事 も な か っ た か の よ う に ) 」

紅夜「( 迫 真 の 真 顔 )(とんでもない化け物に捕まってしまった) 」

雛菊「(とても広いお家だ…剣道場と繋がってた実家も広かったけど…海外の住居はなんて綺麗なんだろう…!)(彼女に案内されるように部屋から部屋へと移る中、それら一室を流し見ては驚嘆している)ところでキャロルさ…!わっ、どうかしましたk―――!?!?!?(いたるところから現れたたくさんの色のたくさんのキャロルに混乱しはじめる) 」

雛菊「…か、かいがいのおうちってとってもすごいんだなー…あは、あはは…(デフォ顔で唖然失笑)クンクン…このいいにおいは…?わーーーーーー!(満漢全席を目にしてとびきり目を輝かせる) 」

通りすがりの青年「やあ、いらっしゃい。(誰とも面識のなさそうな青年がひょっこりと台所から顔を覗かせ、フレンドリーな表情で彼女たちを迎える)ああ、こういう時は「おかえりなさい」というべきかな。や~、なんか鍵開いてたからさ。ついつい魔が差して勝手に入っちゃったからさ…?お詫びと言っては何だが、これは僕からのスペシャルディナーさ。遠慮はいらない。好きに食べてくれたまえ。(キャロルたちに両腕を広げ席に着くよう促す) 」

キャロル「これあれだ、私知ってるおいたんが一回だけ作ってくれたやうだ。 別 冊 マ ガ ジ ン (ちゃっかりとテーブルの前に腰掛け既に両手に食器を握っている)どうしたんだろうねこれ一体。まだアニマートはきてないはずなんだけど……ジゼル帰ってたのかな?(その次の一コマで既に皿一つから料理が消え頬がハムスターのように膨らんでいる)もっきゅもっきゅ 」

キャロル「誰だお前は!!!!!(全く話を聞かない少年ジャンプ主人公的暴挙)おかわり!!!! 」

雛菊「こちらにもキャロルさん以外にお住まいの方が…?(彼女に釣られてついつい席へ腰かける)おいしそう…!……あっ!(人の気配を感じなかったキッチンから突然現れた通りすがり?の青年と目が合い飛び跳ねる)キャロルさん宅の方でしょうか…?えっ…!?ごちそう、いただいてもよろしいのですか…?ありがとうございます♪(嬉しそうに舌を出す) 」

紅夜「(ただでさえ先まで自身を乱暴に振り回していた少女の家に上がっている上、どうやらその身内ではないらしき人物を前に疑心が芽生えるのは彼にとって当然であり、目を輝かせる雛菊、既に一皿分完食したキャロルとは相反して料理に手をつけず食卓から一歩引いた立ち位置で静観)いいのか住民としてそれで。堂々とふ本侵入したと自白しているようなものだがゲホッゲホッ 」

雛菊「え゛え゛ええええええぇぇぇぇ????(まさかの無関係と知って仰天するも)私もおかわりください!!!! 」

リズ「フッ、飾らない家庭の味といえば聞こえはいいがそれはすなわち一流ではないという逆説的証明に穂からならんぞ。何が言いたいのかというとお代わり(キャロルの横で既に食べかすを口橋につけて澄まし顔で) 」

クイント「にんじんください 」

シェン「ちくわ大明神 」

通りすがりの青年「うんうん、喜んでくれた様で何よりさ。君も遠慮せずたんと食べたまえ。ああ、君が不審がるのも無理はないか。なに、お金を取るつもりはないから安心したまえ。せっかくこんなに作ったんだ。余ってしまっては持ったないだろう?(キャロルと雛菊の空になった食器に次々とお手製の中華料理を盛りつける) 」

通りすがりの青年「今夜は僕からの大サービスだ。隣人たちも呼んで誘って楽しいひと時を満喫してくれたまえ。(エプロンの裾を上げながらまたキッチンへと戻っていった) 」

紅夜の肩に停まっていた烏「ガッ ガッ ガッ (一心不乱に皿の上の料理をついばみむさぼり食っている) 」

雛菊「はわわわぁぁ……美味しいご飯も食べられて大満足しました…(一瞬で平らげ、空になったたくさんの食器を前に愉悦に浸っている)キャロルさん、たくさんのお知り合いの方がいるんですね。みんな楽しそうで、優しそうな方ばかりで…羨ましいです。(ふふっとほくそ笑む) 」

キャロル「    」(デフォ顔にっこりで左右に座る見覚えのありすぎる面々を見やり硬直)まてぃルパァーン!逮捕だァー!!(咄嗟に雛菊、紅夜の腕を掴んで強引に引っ張り通りすがりの青年を追うという名目上の逃亡を図ろうとする) お知り合いっていうか家族だね!鬼ババァって読む方の! 」

リズ「 待 て や ^^(←顔で腕をギャグ補正でゴムよろしく伸ばし玄関先まで移動していた時点でキャロルの肩を鷲掴みにし捕獲)――――お初にお目にかかる、ミス雛菊。貴殿がなぜ、我が家で楽しい楽しいホームパーティの一員へ仲間入りを果たしているかとか色々聞きたいことは山ほどあるがまぁ座りたまえよ。その辺はここで聞こうじゃないか 」

雛菊「ほえ?(デフォ顔で引っ張り出される)ご家族の方でしたか!…あ、は、初めまして…翡翠雛菊と申します。(リズに深々と頭を下げて挨拶)キャロルさんのお姉さん、でしょうか? 」

リズ「いかにも。(コートをスカートに見立て両橋をつまみ優雅な佇まいで腰を低くして一礼)初めまして、と言うべきなのだが実感はわかないな。見事な試合だったよ、あればかりはポップコーンを思わず手放したほどだ(十剣舞祭の彼女の奮闘を讃えつつもひらりとコートを翻して踵を返す。床を蹴ってそのまま重力を無視したかのように緩やかに腰からソファへ足を組んで着地し、卓上に並べられていたコーラを手にとっておもむろにそれを口に含んだ)君ほどの才と力量……フフッ、この国なら誰もが手元に置きたいのではないかな? 」

キャロル「私は剣士でもなんでもない。離すのだ(デフォ半目でリズに掴まれたまま宙づりになって手足をばたつかせている) 」

雛菊「…!(以前出場した十刀剣武祭のことで少々照れたのだろうか、思わず目を逸らしてしまう)…み、みていてくださったんですね…(世界中の人に私の名が…そう思うと少し、恥ずかしい…) 」

リズ「ふふっ まぁ頂に近しい者はだいたいそういう反応だろうさ。勝てると見込んだから、栄誉を勝ち取れると確信があったから剣を取った。そういう訳ではないのだからいざ賛美を浴びれば、正当な評価であってもむずかゆい、そうだろう(くわばくわばらと小さく付け加え、コーラを一杯あおると肘掛に頬杖をつき、目を細めおよそ子供に近しい容姿のそれとは不釣り合いな妖艶な笑みを浮かべた)―――――それで? この国へは『誰』に招かれ訪れたんだ 」

キャロル「ピタッ……(空気が一瞬、気体から個体へ変質したような錯覚を覚え身を縮こまらせた。改めて、彼女が手負いとはいえ自身を遥かに凌駕する姉にして悪童なのだと再認識したからだ) 」

紅夜「………(料理をついばむカラスの首根っこを鷲掴みにし、流し目で雛菊を見やる)………(詮索こそしなかったが、リズと同じ疑問を抱いていたのかその視線は何処となく鋭利である) 」

雛菊「―――(リズの質問によって張り詰めた空気の中、前髪に表情が隠され何かを秘匿していたかのような雰囲気を出すが―――)――― へ?いえ、この国へは自分から訪れたんですよ。(顔を上げて露わらにしたその天真爛漫な表情に秘匿も偽りもない)私は…あの大会で自らの弱さを知り、そして幼き頃の過ちと見つめ合った… 自分が思う以上に、自分は誰よりも脆い。そんな自分を鍛えるために…遥か遠い地より、自分の足だけでこの地へ参りました。(本人の意思が全面として答えられた) 」

リズ「――――――(頬杖を突き、そこが一の家ではなく、一の城であり、そのある時であるかのように長椅子へ座したまま沈黙を守り、全面へ出された彼女の答えを受けても尚固く結んだ口は開かなかったが)―――――くっ(―――彼女中で、いkら圧を与えたとて無意味だと結論が出たのか、口橋がほつれ、いとおかしそうに微笑む)はははは!なんの冗談だそれは?何よりも脆いか、君が!よりにもよって君がだ!自ら課したとはいえ業苦に耐え忍び、いかにそれが己が定めた過ちとはいえ一つの技へ昇華させるほどの魂を持つ君が!それを並大抵の者なら自壊するであろうにっ!なるほどこれは本心だ。疑うまでもない!これを当然のよう言えるのだから! 」

紅夜「―――――(リズのように、それを愉快なまでに美しいとは賛美こそしなかったが一つの納得を得たように目を伏せる。そも、自身を救出しよにもよってここへ運んだ時点で彼の中で半ば結論は出ていたが) 」

雛菊「ぉ…おかしい、ですか…?(不思議そうに面々の顔色を窺い頬を人差し指でポリポリ掻く)……ふふっ…♪(温かな家庭、そのひとりとして迎え入れられた様な気分に思わず嬉しさが込み上げ、彼女に釣られ噴き出した)……?……?……???(笑って頭(こうべ)を下げた時、ふと腰元に視線を落とし目をぱちくりさせる。そして、何かを落としてしまったかのように足元にも視線を落とし左右を何度も見渡し始める) 」

リズ「ふふっ……いやすまない。剣士というものにはあまり縁がな買ったのでね。実際にその魂の一端に触れると予想以上というか……(一頻り笑い終え気が済むと、雛菊に不安は抱かせまいと表情にこそ出さなかったが明確な疑心を抱えたままに)さて……――――(紅夜に一瞥をやる。だが『既に見知った顔』であるかのようにその素性は問わない) ?……どうした。床にGでもいたか?ここは比較的暖かいからな。そういうことがあるかもわからん 」

紅夜「――――(リズの言いたげなことは把握していた。それを踏まえた上で)俺は彼女に助けられただけだ。迷惑はかけつるもりはないし、早々に立ち去るつもりだ…………と、ここに用向きがなければそう言うとこだがな 」

雛菊「…っ……??(徐々にその表情に焦燥が募り、がたっと音を立てて席を立ち、ついにはその部屋一帯を隈なく見渡し始めた)……ない……――――『 蕨 』が…ない…っ…??(苦楽を共にした一心同体の愛刀の"失踪"に、表情が強張る) 」

通りすがりの青年「――― やあ、ディナータイムは楽しんでくれたかな?(二階の窓… その縁側にいつのまにか腰かけ、頭上から彼女たちを見下ろしていた) 」

リズ「―――――(雛菊の慌てる様子、それとは対照的に、あたかも『予定調和』であったように見下ろすその青年と視線を銃に動かし、冷ややかに目を細め腕を組んだ)―――ああ、そうか。ここ最近になってやたらと巡回するお周りに茶を振る舞う機会が増えたと思ったがそう言うことか。感心しないなコソ泥。私は義賊に理解はあると自負しているが、何者も救わない略奪には悪質ブローカーに近しいものを感じざるを得ないぞ 」

キャロル「誰だお前は!!!!!!(本日二度目) 」

ローダ「 通りすがりの亜空ローダーだ(ドドドドドドドド) 」

通りすがりの青年→海東大樹「コソ泥とは失礼な。僕は…僕の名は…――――『海東大樹』(かいとう だいき)。通りすがりのトレジャーハンター ――― 世界の"お宝"はすべてこの僕のものさ。『君たち』のお宝も、ネ?(キャロルと雛菊の二人に対し、双方の視線を交互に見比べながら両手に手にしたものを見せつける。右手に「テディベア」、そして左手に名刀「蕨」―――それらは、キャロルと雛菊にとって大切なものだった。青年は、手に入れた"お宝"に愉悦に口角を上げている) 」

雛菊「あなたは…先程料理をふるまってくれた方――――!!(青年へと見上げる。そして彼の手にあるものにひどく仰天する)……『蕨』…どうして、あなたが…っ…?(肌身離さず所持していた愛刀が今、見知らぬ者の手に渡っている現状に理解が追いつけず、恐怖とは似て非なる感情に声を震わせる) 」

キャロル「く"ま"た"竹"書"房"ァァ――――――――ッッ!!!!!(怒髪天、その三文字で事足りる。血が瞳に凝縮されたのではないかと言わんばかりに真っ赤な瞳をぎらつかせ、帽子は威風で吹っ飛び金髪が逆立つ) 」

リズ「やったぜライバルが減った(キャロルのテディベアが回収されたことに関してはこの上なく喜んでいるのか憤りを装った顔のままに本音が漏れた)トレジャーハンター……いやコソ泥だろう。ピラミッドから取れば墓荒らしだしな。私のような人でなしがいえた口ではないが、物盗り風情が横文字を用いて美学を語るもんじゃぁないぞ?(非難をするかのような文字列だが腕を組み至って冷静に彼を監査する。『あれは逃亡の手段もこさえたプロだ』と一目で認めているからだ) 」

紅夜「―――――――(怒髪天のキャロル、恐怖と似て非なる戸惑いを隠せない雛菊を交互に見やり、具合が悪そうに青白い顔を苦悶に歪ませ気だるそうに肩を落とす)―――――『その程度』で満足か。トレジャーハンター(さも『それ以上』があることを匂わせる言の葉を紡ぎため息をこぼす) 」

海東大樹「やれやれ…しょうがないね。(手にした"お宝"を背後へ回すと手品のように何も握られていない素手を披露する)…今、この『大和』の国に世界中の"お宝"が集まっていると耳にしている。そして、この国の『将軍』様が隠し持つという究極の"お宝"も… 実に興味深い。だからすべて僕が手に入れてやるのさ。邪魔をしないでくれたまえよ――― ク ル ル ン ッ ! (背後に回した右手から、銃型の何かをくるくる回しながら取り出した) ――― お譲さんたち?( ダ ァ ン ッ ―― )(不敵な笑みを浮かべると、青年は銃口を彼女たち…ではなく、天上のライトに向けて発砲した) 」


パ リ ィ ィ ――― ン … ッ … ! ! (弾ける硝子破片と散乱音。瞬く間に暗闇が彼女たちを襲う。窓から差し込む三日月の光をバックに青年の影は忽然と姿を消した) 」



キャロル「フェラーリを出せ!!!!!ぶっKOROしてから!!!!!奪い返す!!!!(完全に作画が某クソアニメに早変わりし足が複数に見えるギャグ走法で返還へ向かって駆け出そうとする) 」

雛菊「まってくださ――――ッ…!!?(銃撃音と共に頭上から降り注ぐ硝子破片とその崩壊の音(ね)に身を屈める)…… …… ……!!(ゆっくりと瞳を開けると辺りは闇に包まれ、愛刀を手にした青年の姿も消えたことを知り狼狽する)そんな……蕨が…っ……(視認できないほどの暗闇の中で、右手で虚空を握りしめる) 」

リズ「――――――(心底気の毒そうに雛菊に横目をやり、片やこういった事態に耐性があるのか、通りすがった嵐の余韻を噛みしめるように目を伏せ、月光を肌で感じながら雛菊の肩を黙して叩く)―――諦めろとは言わないさ。できる限り協力はしよう……。クイント(パチンと指を鳴らす) ……(やれやれ、入国当初から感じてはいたが『世界中』から……ねぇ。どうにもきな臭くなってきたな)なぁ青年? 随分お疲れのようだが、あれと君は関係ないんだな? 」

紅夜「――――(『将軍の宝』と聞いて目の色を変え、この状況下において人知れず口元には明確に『笑み』が浮かんでいた)………ああ、あんな愉快な友人は知らないな(そう短く返すと雛菊に視線を移し、彼なりに言葉を選ぶ時間があったのか沈黙こそあったが……)――――あれが『将軍様』の秘宝を狙うのなら、俺と行き着く先は同じだ(含みのある物言いをし、彼の姿がそこにあった月を見上げポツリとこぼした) 」

雛菊「…ぁ… …… ……ありがとうございます…(相棒を失った喪失感によるものか、かつての屈強な剣士としての覇気は稀薄なものへとなっていく)……私が…私たちが、行きつく先…―――(紅夜に促される様に同じように三日月を仰ぐ)………(取り返すんだ…私が…)(胸に手を添え、その月光に強く誓う) 」

紅夜「―――――(決意を固める少女剣士の打ちのめされながらもひたむきな輝く瞳とは対照的に、底の知れない井戸の如く、暗く、黒く歪んだ瞳を伏せる。それは横たわる三日月を彷彿とさせ)……あの怪盗まがいの腕と索敵能力は確かなようだった。俺とあんたにとっては”使える”だろう。なぁ……? 」

紅夜「――――――バサッッ(片腕を上げるとそれに呼応し烏がそこへ舞い戻り、羊飼いが持つような杖で体を支えつつリズへ歩み寄った)―――――グラナートファミリエ……『便利屋』だったな。   『依頼』と『提案』がある。 “蛇の道は蛇、仲良くしようじゃないか“(立つのもやっとな痩せこけた青年の発するそれとは思えない、霧かかった冷徹な気を漂わせ、薄く笑んだ) 」

リズ「――――やれやれ。先客がいるんだが、まぁそっちもそっちで金払い”以外”全て叩けば埃が出そうな案件だ。いいだろう、話だけ聞いてやる









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最終更新:2020年10月04日 19:10