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―― 3 after day ―
『オペレーション01。記念すべき最初の任務だ。目標は本プロジェクトにおける重要人物の救出。並行してその人物が軟禁されている区域の浄化だ。その人物へは我々からコンタクトをじかに取るはずだったが何の因果か、本人から我々へ連絡があった。まあ……『救難信号』だったのだが……』
『事の発端は首脳会議にまで遡る。そう、レッドアイズ<赤い眼>が介入したあれだよ。火の国の内政首脳会議で直に現国王……いや元国王アルセニオ二世は学のない国民を巧妙に騙し、
政府軍に叩き上げの即興兵として売りつける事で世界政府からの援助に預かれるよう計らう算段だったらしい。ついでに、兵士という職を与える事で雇用を維持し数値上は経済を上向きにした賢王として自らの地位を護る算段だった』
『だが、例の武装集団が首脳会議に介入したことによってこの取引は頓挫した。そも、一部政府軍の高官が独断で行おうとした取引だ。国際社会に知れれば世界政府共々世論に批判される可能性が高く、前代未聞のテロリストの干渉、挙句は一国の姫君が拉致されるという失態を犯してしまった為それどころではなくなったのだろう』
『悪夢はここからだ。実質徴兵制……いや国民の叩き売りバーゲンをするプランが何処からか情報が流出。何処の誰がそうしたのやら……いまいちピンとこない国民にもわかるよう、熱心に国王が自分達へしようとしていた仕打ちを丁寧にわかりやすく噛み砕いて伝えてやった連中がいたらしい』 」
『その後唯一の安全地帯だった王都がどうなったかは……もはや語るまでもない
。兵や進化でさえ王への忠義心が損なわれアルセニオ2世は便所に行くにもクレイモアが仕掛けられていないか都度確認する有様だったろう』
『彼は自己顕示欲は高いがあれで権力に対し執着がない、何を置いても保身を追求する。面倒な上、常に命を狙われる王座に居残るより世界政府に亡命し、玉座を押し付けてトンズラする算段だったのだろう。何一つ迷うことなく王城を捨て……失踪したそうだ。だがこの逃亡劇は失敗に終わった』 」
『我々がアルセニオの救難諡号をキャッチしたのが一週間前 一体何をどう転んだらそうなるのか……トラスタ区のチンピラ共に拉致監禁されているらしい。 自体は芳しくない。彼を軟禁している族は通称『ハード・コ・タイ・メン』。主に富裕層をターゲットにしたペットショップだ だがその法外な値段からして取り扱う商品は『奴隷』だろう。このまま彼が奴隷として売り鯖kれれば追跡は難しくなる。今となっては彼は無国籍の根無し草………放っておくわけにもいかない』
『今回、貴殿達には『アルセニオ二世の身柄を保護救出』し、『トラスタ区の族を鎮圧・無力化』して頂きたい。お手並み拝見といこう、頼んだぞ!』
―――ボルカノクス トラスタ区域近辺砂漠―――
――――背の高い赤石以外に遮蔽物の見られない砂漠地帯。一機のカーボン塗装輸送ヘリが着陸し搭乗者を地上へ搬送し終えた 」
ホーネット(操縦士)「ランディングポイントで合流致します。どうかお気をつけて!(無線からそう告げると、けたたましい羽音を立てて青空へ飛翔する) 」
クロサワ『マイクテス……マイクテス……。ウ"ゥ"ン"!(咳払い) 無事到着したようで何よりだ。現在君達が着陸した場所は目的地【奴隷商ハード・コ・タイ・メン】が占拠した村から南西より500m程度離れた場所だ。顧客がよく訪れるようで、ヘリの機影が確認されても攻撃してくることはないだろう。徒歩10分もあればすぐに建物へ近付ける。 ゲリラや反政府軍でもない、あくまで商人である以上ガラは悪いが無差別攻撃は行わないはずだ』 」
ジギー「―――っし(自動小銃をバックルに忍ばせ無精髭を弄りながらヘリより降りる)やー、俺みたいなしがない賞金稼ぎが初陣の案内役でいいのかね。 あくまで俺は配達員上がりの道案内だ。あんま頼りにしねーでくださいよ、旦那方(肩をすくめ親指で『こっち』と言わんばかりに方向を示すと、視界の悪い中うっすらと影が見える建物へ歩き始めた) 」
ローブ服の人物「 バ サ ァ … (ジギーに続きヘリから飛び降りる)………(砂塵と共に吹き付ける乾いた風にぼろきれのローブが靡く中、殺風景なその景色を静かに見渡し始める) 」
アオ「あはは、土地勘ゼロなもので……こうして先導してもらえるだけで本当に助かりますよ。(機動するヘリから地上へ降り立ち、砂漠の乾いた風に目を細める。拠点の装備から拝借して事前に刃引きしておいたククリナイフを背のナイフシースに収め、あまり目にする機会のない砂漠の風景を眺めながらジギーについて歩く) 」
ミハイ「奴隷商……私個人の感情としてあまりいい顔が出来ないが、可能な限り穏便に……とは、ならないような気がしてきたなあ。……やるしかあるまいな、覚悟は済ませてきた。(グローブを深くつけなおし、頬を軽く叩く) 」
ラトニカ「あー、あー…こちらラトニカ、マイク良好。当の村も上空から視認できてまーす(大型ライフルをケース内に入れて背負い、ヘリから降りながら)…客層は兎も角として、買う側の人達も居るかも知れないですねえ……殲滅ならともかく、鎮圧、無力化となると手っ取り早いのは暴力と恐怖を叩き込むのが理想的なのだけれど(相変わらず余裕とも取れる、飄々とした表情でジギーの後ろを歩きながら) 」
陸也「やめとけやめとけ……買う側にもしも件の”黒い霧”に関わってる奴らがいたらたまったもんじゃねえぞソレ、早期から目立ちすぎるのはよかねぇ。地方民とかと仲良くするにはハデ過ぎないほうがいいんだ。(いきなり武力手段を語るラトニカを諌めるように、軽く伸びをしながらそう語る。適当にストレッチのような動きをしながら、身体をじんわりと慣らしているようだ) 」
カンプ「(巨大な体躯を覆える程の外套に同様の巨大な武装を忍ばせ、ヘリから降りて一行の後ろをついて歩き)案内は有難い。方角と場所は分かるが、それでも土地勘のある人間が先導してくれるとスムーズだ 」
ジギー「大丈夫かい姉さん。飲み水なら俺が持ってるから喉の心配する必要はありませんぜ(続いておりたフードの人物へ笑いかけ) 俺がいなかったらいなかったでミラーが視界共有した上でツアーガイドすんですがね。いやま……耳的にはあまりに快適じゃないっしょうけど(トントンと耳にかけたイヤーフック型のレシーバーと叩く。カメラも搭載されており、本部とは随時これを介して視界共有、音声共有されモニターしているらしい) 売る方も売る方だし買う方も買う方すからねぇ。需要がある限りその手の商売は潰れないからいや始末が悪い……うんまぁ、俺も姉さんよろしく見せしめにでもするのが一番手っ取り早いと思うんすけど。 」
ジギー「そこなニーさんが言うように黒い霧も怖いわクライアントが付かなくなっても怖いわけで……因果な『商売』ですよ、お互いにサ(捻くれた悪い笑みを浮かべ肩をすくめる) いや俺も土地勘はないんすけど。あくまで方向感覚っつーか……まあそういうサバイバルの経験があるだけでここは初見には初見なんすよ。GATEがここのプロジェクトに着手してからは日が浅いし。確か三何ヶ月ぐらい? あーそうそう、足りないもんがあったら無線送るといいっすよ、ホーネットが大概の備品を持って上空旋回してますからね 」
陸也「あ、コーヒーくんない?超呑みたい、今。(冗談か本気かよくわからない願い出) 」
ローブ服の人物「 いい。(ただそれだけ口にして否定し、一同とは異なる方角にただ視線を落としながら歩き続ける) 」
メイヴィス「(弾むような声が無線に割り込んでくる)『まいくてーすまいくてーす! 改めて初めまして!こないだはなぜかクロサワさんに遠ざけられてました、メイヴィス・ドナ・レイディアと申します!本作戦ではメディックと医療のリモートサポートを担当したします! ジギーさん同様サバイバル知識がありまして……えと、そう!主に食に関してはそれなりに的確なアドバイスができるかと!食の現地調達に関して聞きたいことがあれば連絡をくださればと!(蘇るダークマター)』 」
クロサワ『コーヒー飲料の要請を受諾した。すぐにお届けする』 」
ぼスツ シュリーン ピロリン♪ (ヘリの羽音が一瞬頭上を意義ったかと思えば紐で封がされた神パックが陸なりの前に落下。それがゲームのアイテムよろしく点滅するとペットボトル入りの『ジョージア』へ早変わり) 」
陸也「!(某ゲームよろしく落下してきたジョージアに反応しそちらを向く)……マジで来た、しかも俺の好きな微糖。(拾ってフタを開け、勢いよくイッキ)~~~~~~あ゛ぁ゛、最高!!(ご 満 悦) 」
アオ「あ…そうだったんですね。スミマセン、俺てっきり―――(ジギーに言葉を返している中に割り込んできたメイヴィスの無線に驚く)――し、食の…っ…ゴホン、何でもありません…えと、よろしくお願いします(食のエキスパート…三日前の騒動は何だったんだ…!?(汗) 」
一同が歩を進めていると、うっすらと確認できた建造物が確かな実態を得た。木材や岩などの寄せ集めといった印象のバリケードが一帯を取り囲んでいるらしく、フェンスに取っ手を付けただけの正面入り口に『リーゼント』の大柄なブ男が佇んでいる 」
ジギー「そうすかい?ま、あんたがそれでいーなら構わねえんすけど。なんだ……やっぱり岩うまい返しが浮かなばなかった(少女が見やる方向に何かないか目をしかめるが、何も確認できず進行法雨へ向き直る)飯に関しても俺がやるから君はマジで黙ってお願い(震え声) いやまあ、足跡なりなんなりを見分けて生態系やらなんやら地形の特徴から人の居住区域への足取りを見ることなら余裕っすけどね。まあ頼ることなく、こき使ってくださいよってハナシ(自身を卑下する様子もなくはにかみながら歩を進め) ねっ、便利っしょ?うちはサポートに徹するメンバーだけは優秀すからね。肝心の行動派がおざなりだっただけで…… 」
ラトニカ「確保対象を考えると短期決戦、かつ流血は最小限に抑える……警察部隊の得意分野ではあれど、この規模だと骨が折れますねえ……電力系統辺りを攻撃して混乱を起こすとか、指揮官、元締め的な人が分かればひっ捕らえて殴り倒せれば楽なんですが…(懐からレーザー測距器付きの物々しい双眼鏡を取り出し) 人選に思う所はあるけれど……こうしてサポートが受けられるのは素敵だわ!惜しむらくは長期戦に持ち込めない事かしら……(コーヒーが落ちてくる一連の流れを見ながら) 」
ジギー「―――と……。あー、あれですねぇ。なんか見るからにって感じなんですけど……(スコープで遠方に見える建物の様子を伺う)正面に立っている男は重機の類は持ってないっすね。釘ばっと……ていうか棍棒?棍棒だなありゃ。えらいぼろ儲けしてる割には粗末な装備っすね 」
ミハイ「―――ふむ。(正面の男を見やる)随分と”古風”なへあすたいる……というやつだな、それに……棍棒か。……”この者にとってはそれで十分”なのか、それとも……読めないな。 」
クロサワ『ヘリには小型ドローンとカタパルト砲を搭載している。無機物であれば飛ばすなり射出するなりして現地スタッフへ輸送できる仕組みだ。俺が、そう俺が考案した(無線越しでも伝わるドヤ顔) ――――今回……いや、今後俺からは『方法』『手段』について口出しはしない。我々マニュアルでは、我々のやり方では『成果を出せなかった』からだ。故にこそ、作戦遂行にあたって手段、生殺与奪の決断。その全てを貴殿らに委ね、必要なすべてをサポートする 」
カンプ「怪我人に備えて医療物資の投下の準備はして置いて貰いたい所だ、本職のスタッフも来てくれれば万全なんだが……(コーヒーを煽る隆也を見ながら) それでも、我々は此処に来て一週間も経っていない。俺もサバイバルの経験はあるが、現地に居る期間は少しでも……っと、案内ご苦労。指示をくれればあの歩哨…門番は俺が当たるが(リーゼントの男を注視しながら) 」
陸也「便利だな……うん、納得の便利さだわ。あのダークマターさえ無ければな……。(先日のことを思い出したのかげっそりとしている)リーゼントに、バットぉ?……うっわーそれ超ステレオタイプのヤンキーかよ!絶滅危惧種かっつーの!?(男の姿を確認し、あまりにも”古典的”すぎて吹き出した) 」
カチカチ明太子ヘッド「 ? (陸也が吹き出した際に頭上にクエスチョンマークを浮かべこちらを見やっている。所作からして『方向を見ている』だけで厳密には気付いていない) ! (『誰かがいる』そう察したのか上半身裸、赤のリーゼントヘッド、膨れた顔というステレオタイプのモブヒャッハーな兵士は『棍棒』を『背にしまって』此方へ歩いてくる。殺気は感じられない) 」
ジギー「――――顧客……と決めかねてるみたいっすね。武装解除はしないが構えも解いている。典型的な素人の行動ですけど奥にいる仲間を呼ばれても厄介です(バックルから自動小銃を取り出しセーフティを慣れた手つきで解除)その前に麻酔銃で眠らせるなり、客に扮するなりやりようはそれなりにいくつか思い浮かびますが……俺もオタクらのやり方には興味がある。どうします? 」
陸也「―――うわっこっち来た!?……ん、でも”やる気”ではないな、……いけるか?ワンチャン……ある、かもしれないな。(暫し考え)……ちょっとネゴシエイトしてくる、ダメだったら俺ごとブチ抜く勢いで頼むわ。(そう言って、たくましいリーゼントの男へ歩み寄ってゆく)―――(あそこまで”ステレオタイプ”なんだ、だったら……”挨拶”はこうだろ……!!)(カチカチ明太子ヘッドに”メンチ”を切る、客としてナメられないような圧を出しながら) 」
カチカチ明太子ヘッド「\ヘ"ッヘ"ッヘ"/(お手本ともいうべき濁った笑い声。からの『ごますり』)いらっしゃいませ、ようこそお客様。 見ない顔ですけど
『 ツ チ ノ コ 』
をお求めになるのは初めてで?よろしければご案内致しますぜヘッヘッヘ…… 」
クロサワ『 ツ チ ノ コ ? 』 」
メイヴィス『 ツ チ ノ コ ? 』 」
ジギー「……。…………。 えっ (目を伏せ『頭痛がする』と顔に書いてある表情で当惑の一声) ……。ああ、きっとあれだ。奴隷の隠語だぜニーサン。幸い顧客と間違われてるからうまいこと話合わせてくれ(遠くから陸也へ無線を送り) 」
ラトニカ「(近くの適当な場所に移動し、ケース内から大型ライフルを取り出し)成功が前提、全くその通りなんですが……より良い形で片付けたいものだわ(明太子ヘッドを見ながら)その人どうします?殴り倒すのかそれとも客に扮するのか…(と言い掛けた所で"ツチノコ"の単語に反応し) 」
ローブ服の人物「……?( ツ チ ノ コ ? )(小首を傾げる) 」
カンプ「客と思ってくれているらしい。ツチノコは隠語だろうが……どうする(隆也の後ろに立ちながら) 」
陸也「―――りょ、了解。(想像以上の好感触、思いもよらぬ業界用語、そして通るゴーサインに思わずキョドった返事になる)……そうだな、この辺に来たのはつい最近なんだ。こっちだけに出回ってるようなレアモノが見てみたくてよ……そう言ってくれりゃ話は早い、ここいらは砂埃も酷いしサッと頼むぜ。(そこはかとなく”『強化』”を発動し、”貫禄”を強めてそれとない熟練者オーラを出す) 」
アオ「おぉ…!(なるほど…!そういう手もあるのか…!すごいな、俺も見習わないと……)(離れた地点から陸也の機転に感嘆の声をもらす) ツ、ツチ……(ジト目) 」
ミハイ「……(非殺傷で事が進むならば私としてもそれが一番いいが、なんだ。なんというか……まるで”そういう劇でも見ているかのような”存在感だな、この男は……。) 」
カチカチ明太子ヘッド「\ヘ"ッヘ"ッヘ”/……おっ、ひょっとしてご家族連れですかい。親父さんデカいっすね\ヘ"ッヘ"ッヘ”/(顔からして品性がないのと比例して下手な女性店員より礼節極まった丁寧な接客の所作をしてくる。こわい) そこのフードのお嬢さんもいかがです?ツチノコ。今なら5000.0000ソルト(火の国の通過。10ソルトで100円、100ドル程度の価格)『手乗り』になりまっせ、ヘッヘッヘ…… 面白いお兄さんすね。ヘッヘッヘ……ツチノコはツチノコ一種類しかおりませんぜ。ツチノコってだけでそれはもう世界中、学会が大慌てっすからね。ヘッヘッヘ…… 」
ジギー「……。えっ(手乗り……一種類……いや待て、まさかそんな……)な、なあおたくら……『マジ』でツチノコ売ってんの? 」
クロサワ『こ……ここらの奴隷の一般的な相場とほぼ一致する……!だ、騙されるな……ツチノコは隠語だ……!て…手乗りというのはあれだ、小人を売っているんだ!許すな!(震え声)』 」
カチカチ明太子ヘッド「 えっ いや、ツチノコっすけど。いやほんと。なんなんすかお客様……ツチノコっすよ。本当ですよ(震え声) 」
ローブ服の人物「いい。(ぴしゃり) 」
陸也「”原産”によって個体差ってもんはあるだろ?ヨソじゃデカいのもあるけど、俺はデカいのには飽きてきてるんだ。(可能な限り専門用語は避け、しかしちゃんと客であることをアピールする)買う意思はある、見ての通り団体客だから狭くなるかもしれないが、みんな砂まみれで辟易としてだいぶ頭のほうもヤラレちまってるんだ、案内を頼む。(そして”ツチノコ”に疑問を持っている事に対してのフォローもすかさず入れる) 」
ミハイ「……(な、なんだろうこの怖気が走るような感覚。調子が狂う……!こんな意外性に……) 」
カンプ「そういう事だ、まず"現物"を見せて貰いたい。それなりに長い旅だったんだ、建物にも入りたいしな(隆也の後ろから明太子ヘッドへ) 」
カチカチ明太子ヘッド「ヘッヘッヘ……まあそう言わずに……お嬢さんも現物見れば気にいるよ。きっとすぐにお友達になれるよ(濁っているが真心を一生懸命込めた優しい声をひねり出す) ヘッヘッヘ……そいつぁ失礼。しかしなかなかお目が高いと見える。いいでしょう、リピーターになってくれそうなお客様にはうちの販促部長が自らツチノコをレクチャーしてくれることになってまして。ささっ、どうぞ此方へ……おっと(背に隠した棍棒をその辺に放り捨てると、フェンスを不器用にこじ開け手を進行方向へ差し伸べ『どうぞ』と言いたげに誘導する) 」
ラトニカ「(”ツチノコ”が奴隷の暗喩だったと察し、おずおずとライフルをケースに仕舞い)……まあ、まあ……考えてみれば当然ね…紛らわしい…… 」
ジギー「……。うす(目を伏せあまりにスムーズながら相手の罠を仕掛けるほどの脳がなさそうな様子に当惑し言葉が出ない)あれだ、きっとおにーさんの交渉が一流なんだな……うん スッ (遠くで待機しているメンバーへ『中へ入れるとジェスチャーで告げ明太子ヘッドへ着いていく』) 」
――――フェンスの向こう側はほとんどバラック街といっても過言ではない殺風景なスラムだった。たった一軒、奥に高くそびえる『鉄製』のラボと思わしき建物を除いては…… 」
陸也「―――よし、皆ちゃんと入る前に砂は払っておけよー。(後ろへ合図し、多少の安堵と共に自分も砂を振り払い、誘導に従って進む)ネゴシエイターの”面目削除”ってところだな…… 」
カチカチ明太子ヘッド「営業部長ー!営業部長ー! 乗客をお連れいたしましたぜ。ヘッヘッヘ……個体値厳選なされるお客様でさぁ。きっとリセマラも期待できまっせヘッヘッヘ…… 」
ミハイ「……これで本当にツチノコだったら、私はこの言いようのない蟠りをどうすればよいかわからなくなってしまうな。(極めて渋い表情) 」
営業部長「―――――あほう。この私に恥をかかせる気か明太子ヘッド。間違っても業界用語はお客様の前で使うなと指示しただろうが(モブ兵士の声かけに応じ奥にそびえるラボの『自動ドア』から、金の頭髪に褐色、服装が整った身なりのいい青年が姿を表す)――――コホンッ 部下が失礼いたしました。彼はまだ研修の身で……。ええと、上質なツチノコをお探しとのことで?(王子的顔(だけ)のいい微笑みを讃え一同を出迎える。 両腕にいっぱいの『ツチノコ』……と思しきモルモットの胴体に蛇のような尻尾、頭部の『キメラ』を抱きかかえて) 」
明太子ヘッド「いや俺ジョセフィーヌっていう名前をお袋からもらってるんすけど……スミマセン(シュンッ…) って部長ちょうどいいタイミングっすね! どうですお客様、此方が当店で取り扱っておりますツチノコになります!ええ!本物です!品種改良などでは断じてありません! 」
陸也「団体客で悪いね、要件はまあ知っての通りだ。(毅然と、不自然さを廃して本当に買う意思があるような語りで、しかし踏み込みすぎない切り口)……これマジでツチノコだったらどうしよう、流石に経費おりねえよな……ポケットマネーで買うか……?(超小声の心配) 」
クロサワ『うん……キメラだあれ(何かを期待していたのか、酷く落胆した声色で)いやそれ以前に……状況が読めないのだが……。あの営業部長という男、彼が……その……――――――『アルセニオ二世』なのだが……』 」
ミハイ「―――は。え、え?つまりクロサワ殿、それはつまり……”ターゲットが捕まったと思ったら、捕まったんじゃなくて、組織のボスでした”……?……???(スペースキャットの如き顔になる) 」
カンプ「他のも見せて貰えるか、俺はこんなだから大きいのが好きなんだ(隆也の前に出て)…ちなみにその抱えてる奴は、何処産で?(適当に話題に乗りながら、別の商品を見ようと周囲を見渡している) 」
陸也「―――は?マジ???(全く予想しなかった事態に、目を丸くする) 」
アルセニオ二世「ふふっ、お値段のご心配ですか?ご安心ください。お客様ほどにもなればツチノコが短命ということはご存知でしょう?短い間しか愛玩できないペットに高額な請求。知識がある身からすれば不当な取引でしょう。 そこでどうでしょう、今ならサブスクリプション制でお買い上げいただけます。たったの円にして500.000円を毎月お納めいただければ、お買い上げのツチノコが亡くなっても新しいツチノコを優遇価格でお買い上げいただけますから( 甘 い 声 ) ええもちろんですとも。ここだけのトップシークレットですが、最近突然変異した巨大な個体も見つかりましてね? シハナ、ラボへご案内なさい 」
シハナ「――――(シハナと呼ばれたその人物は現地民の装いとして一般的なターバンを巻き、口元をスカーフで覆った白装束、銀長髪の女性だった。一言も発さずこくりと小さく頷くと、手で誘導し鉄製の建造物へ向かっていく) 」
ラトニカ「(懐柔された…というには少しいい顔をしているわね、拉致されたというには心身ともに健康そのもので、態度も大きい……)クロサワ?貴方とそのバックは本当に信頼して大丈夫だった?(周囲に聞こえない様、小声で無線機に呟き)(最悪強引に彼だけ拉致して、後は犠牲は出るとは言え何人か血祭りに上げて降伏を促すか…)(”営業部長”の周囲、そして出口までのルートを振り返って確認しながら) 」
ローブ服の人物「……(ハムスターの方が可愛い…)(と思いながらケース内のツチノコをじっくり観察している) 」
陸也「……正直な事言えば、掌サイズで可愛がれるペット、ってのは旅路にもかなりいい癒やしになる。それにその値段なら割と……ハッ(仕事抜きに私情で欲しくなっている事に気がついて我に返る) 」
クロサワ『いや信頼してほしい……ッ 信頼はして欲しいが想定外にも限度がある……ッ! ホーネットの位置をより村へ近づけておく、必要ならすぐに脱出できるよう火力支援の準備も進める! 彼はアルセニオ二世に違いないが……うむ、胡散臭い気配しかない!第一あれツチノコじゃないし!キメラだしッ!!!』 」
脱走だァァァーーー! 衛生兵ーーー! セガサターーーン!!! (鉄製の建物の自動ドアが開くや中からけたたましい声が響く。 ワンオクターブ遅れて蛇、モルモットなど『ツチノコ』の面影がある生物の群れが入り口から這い出て外へ飛び出した) 」
ミハイ「―――クロサワ殿、これは私からの提案なのだが……よろしいか。(無線を繋ぎ、小声で話す)我々の目的は”掃討”よりも”懐柔”であったほうがより効率的だ、という話は受けたが……彼のこの待遇を見るに、さして悪いようには思えない。何だったら、話で聞くよりよっぽど楽しそうだ。これであれば我々は今後も”顧客として接する”ことで友好的関係を保ちつつ、監視状態を容易に保てるのではないか……?それに、馴染みになるほどの関係になれれば、多少の顧客情報なんかも聞き出せるかもしれない。そうすれば此処を新たなる情報の”足”としても使えるのではないかと考えたのだが……。 」
アルセニオ二世「ふふふ、でしょう?私も生まれはそれなりに俗服で何不自由はありませんでしたが……周囲に馴染めずツチノコだけが唯一の話し相手でした。だからです、こうして皆様に愛らしいツチノコの素晴らしきを広め、世の中と繋がろうと!このストレス社会の癒しになろうと考えに至り……。……。……………………。―――――― 。(演説めいた語りを身ぶり手ぶり加え一行を案内しようと扇動するさなか、蛇やモルモットが足元を一陣の風の如く駆け抜ける)……。………(滝のように流れる汗。サングラスをかけくいと位置を直して表情を隠し)……。……(一行と向かい合ったまま気まずい沈黙が流れる) 」
陸也「おわァ!!??(伝令の大音声に、先程まで穏便に事を進めていただけあってめっちゃビビる)俺らまだ何もしてない!! 」
カンプ「有難う、大きいサイズは中々見つからなくてな……楽しみだ(隆也に軽く目配せしながら、シハナについて行き) 確認だが、この国で動物保護関係の諸法はどうなっている?天然モノとは思えない、そっちで引っ張れないか?(周囲に聞こえない様小さな声で、かつ足跡をワザと目立たせながらクロサワに無線で確認する) …!脱走か……しかし珍しいのばかりだな 」
クロサワ『……。ふむ、確かに。下手にここを抑えるより情報源として生かすことで闇市の情報を随時獲得できる。流石だミハイ殿。私としては賛成したいが……。……… さて、社外秘を公にされた経営者というのは、どのような行動に出るのか。それ次第ではあるが…… 」
ミハイ「おっ、と、とっとと……!?(急に走り抜けていった多種多様な動物たちを踏み潰さぬよう避けたり片足立ちになったり。急すぎて捕まえることもできない)―――その、なんだ。部長殿……”お気の毒です”と言えばよいのだろうか……。(きまずい) 」
ラトニカ「(拳銃を隠した腰部分にさり気なく手を当てながら)……へえ、素敵な商品……個人的にあの蛇なんかは中々興味があるけれど… 」
アオ「っ…っと……!(小動物の脱走に驚いて思わず片足を上げる)(モルモット、ヘビ……さっき見せてもらった『ツチノコ』とやらにも似たような特徴が……えーっと…これから導き出される答えは―――)(半目になって額に薄く汗を浮かべ、アルセニオ二世の気まずそうな様子を見てなんとなくなにかを察する) 」
クロサワ『火の国は法整備が充分になされていない無法地帯だ。故にこうしてブラックマーケットの温床にもなっている。 動物保護の観点から引っ張るのは難しいだろうが、天然物ではないという事実を『購入前』から知って足を運ぶような顧客はさすがに少ない。情報流出は間違いなく痛手だろう』 」
陸也「―――ままならねェな。(誰に向けて言った言葉なのか、それは自分への慰めなのか、誰もそれはわからない。) 」
アルセニオ二世「…………。カチャカチャカチャカチャカチャカチャ(指でサングラスを支える手がバイブレーションよろしく震え既に汗で床に小さな水溜りができている)……、ああ、ええ……ええと、うん。何も?何問題はありませんが?ツチノコじゃないですし……。…… ――――お客様。私には夢があります。ここの従業員は脳がない、脳がないがよく働く。従順に、それこそ下手に知識や志を持ち合わせた兵士より従順だぁ……。それを持ってすれば、お王族なんぞより安全に儲かる、安全に高い地位へ登れる。そう思いませんか?(そう告げるや、壁に添えられた『ボタン』へ腕お伸ばした) 」
アルセニオ二世「―――――不運極まりないなァァァお客様ああああ!!秘密を共有しちまったたそれはもう客じゃぁねえ、企業の敵に他ならねえからなあ"あ"あ"あ"!!(それを思い切り殴りつける。瞬く間に館内にけたたましいブザーが響き渡った)みちゃいけねえもんを見た野郎は!この世に存在しちゃならねーんだぜ!! 産業スパイだー!!誰か早く来てクレーーー!! 」
カチカチ海鮮ヘッド.s「「「「「「ヒャッハァァァ――――!!!!異物混入は犯罪だァァァ―――――!!!!!(騒ぎを聞きつけるや頭の具が明太子だったりいくらだったりする以外にほとんど同じ容姿のチンピラ達が建物内、建物外から駆けつける)」」」」」」 」
. ┣¨ VS【ハード・コ・タイ・メン構成員】カチカチ海鮮ヘッドs. & 【ハード・コ・タイ・メン営業部長】アルセニオ2世 ンッ .
ミハイ「こうならなければ情報源としてかなり期待が持てただけに、惜しいものがあるな―――だが仕方あるまい。(何もない空間から粒子のような光が集い、刺突剣を形作る)あまり手荒な事は好まないが、これより諸君らを討つことを許し給え……!! 」
陸也「正直ちょっと……ペットと一緒に世界練り歩きの旅とか……いいなって、思ってたのによォ……!!そんでもってなぁ、野郎ばっかりじゃあ……ひん剥いたりどさくさに紛れて触っても嬉しくねーじゃねえかよォ!!!(どこに憤慨しているのか、その矛先は恐らく八つ当たりめいてチンピラ達へ向けられていた。両拳をガチガチと突き合わせ、ステップを刻み戦闘態勢) 」
ラトニカ「(腰から拳銃を抜き、現れたカチカチ海鮮ヘッドsの”耳”を次々に正確に撃ち抜く)いやあ、分かり易くて有難い!味方をまだ信用出来そうで良かった 」
クロサワ『うんそうだネ!これらとの関与を疑われたら俺は身投げを考えるネ!! ええい……権力に執着はないが自己顕示欲が高い坊ちゃんと聞いてはいたがここまでとは……! もう我慢ならん、全責任は俺が持つ!そこの根性が曲がったボンボンの根性を叩き直してやってくれ!』 」
カンプ「どうも少しは賢かった様なんだが、此処に来て下手を打ったらしい(現れたカチカチ海鮮ヘッドs達に向かって、正面から歩き寄る) 」
陸也「チキショーが!!俺は!!女の子を半ば合法的にアーマーブレイクしたいってのにィ!!!(独特の構えからの”タメ”を作り、複雑な『強化』をしてピークで思い切り振り抜く)”風神拳”ッッッ!!!(そして拳から、荒れ狂う暴風が敵を引き裂かんと放たれた!!) 」
カチカチ鮭大根ヘッド「その綺麗なお顔は無事残しといてやるぜ!YEAAAAAAH―――――!!!!(腕から三枚刃の鍵爪を露出させカエルのようなフォームで飛び跳ねミハイへ襲いかかる) 」
カチカチイクラヘッド「わぁい 殺 るDEATH~~~~★(明らかに顔だけ作画が日曜アニメの構成員が丸太を担いで串刺しにしようとカンプへ向かって走り出す!) 」
カチカチウニヘッド「こいつで遊んでやるZE!!こんなものより、俺はウニがいいぜ!(ランドマスターと印字されたロードバイクにまたがりフードの少女を轢こうと全力疾走してくる) 」
カチカチマグロヘッド「勝った!なら使ってもいい!勝った!今日は海鮮丼だ!!(狙撃銃……だというのに銃口をラトニカへ向けアサルトライフル時のムーブで接近してくる) 」
ミハイ「悪いがそこを通してもらおうか……少々痛い目に遭って頂く!!(無防備に空中へ乗り出した鮭大根ヘッドに、刺突剣で脚部と腕部へ鋭い突きを放つ!わざわざ死ににくい部位ばかりに攻撃している) 」
カチカチゲソヘッド「見よ!他にやることがないので極めに極め抜いたジャギ様仕込みの美しいライダーキッk……―――――ひでぶぅッッッ!!!(美しいフォームのライダーキックを穿つが陸也の鋭い一撃で装備が全部パージされ全裸でぶっ倒れる) 」
アオ「ま、まあ~…王子様が奴隷の取引に手を染めてなくて良かった…と思うべきなのかな?なんにせよ、お灸はすえてやらなきゃだけどさ(苦笑を浮かべたまま、切れることの無いよう入念に刃引きをしてあるククリナイフでカチカチ海鮮ヘッドsを打っていく) 」
カチカチイチゴヘッドイチゴ味「―――全てのイチゴよ!我が供物となれィ!!!AMEN!!!(銃剣<バイオネット>を十字状に重ね神への祈りを終えると超人的(に見える素人)な動きでアオへ斬りかかる!!) 」
ゴゴゴゴ………(カチカチウニヘッドが走らせるバイクの前に突然壁が地面から迫り上がってくる) 」
カチカチドンファンフェイス「別に…・お前を倒しても構わんのだろう? フッ!! オォォォォ…… ハ ァ !!(錐揉み回転を加えつつ飛翔、空中でかっこいいポーズを決め、交差した剣を振り下ろしながらジギーへ急降下する) 」
カチカチ鮭大根ヘッド「け……拳王様あああァァァ~~~~!! う わ ラ ヴ ァ (ミハイの乱打を喰らい始めから終わるまで素っ頓狂な悲鳴をあげ続け、最後は奇妙な断末魔をあげ床に沈んだ) 」
陸也「野郎のおおおおおおォォォォォォォォォ裸なんていらねぇええええええええええ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!(クソがクソがクソがと強烈に悪態をつきながら地団駄を踏んでいる、八つ当たりでゲソヘッドのタマも蹴る) 」
アオ「とはいえ……、うん、これだけの荒くれ者を束ねるカリスマ性は本物なのかも――― ゴンッ (カチカチイチゴヘッドイチゴ味の斬撃を半身になって避ける。そのまますれ違うように軸足一本でターンして裏拳の要領で彼の後頭部をククリで打つ)………残念だけどイチゴは俺のものなんだ、ごめんね(ズモモモモ) 」
アルセニオ二世「何をしている!さっさと始末しろ! ひぃぃ!? ええいこのクズ共め!! うわぁぁーー!!(奥で部下へ葉っぱを飛ばしては一人やられるごとに素っ頓狂な悲鳴をあげ逃げ回るを繰り返している) 」
カンプ「フ ン ッ(カチカチイクラヘッドの丸太を容易く受け止め、あまつさえ両手で抱え込み……身を捻ってカチカチイクラヘッドごと丸太を投げ飛ばしに掛かる) 」
カチカチウニヘッド「グワァァアァァ―――――!!(せり上がった壁と正面衝突し爆発四散。しかし) 甘 い な ! (とってもいい声でそう告げるや腕を交差しマシンが大破した爆風を利用し飛翔、ナイフを両手に交差切りを仕掛けようとフードの少女へ斬りかかる) 」
カチカチイクラヘッド「 ハ ァ イ ☆ (甲高い声で断末魔の叫びをあげると天井に顔面が衝突しはたき落とされたハエのようにアルセニオ二世の足元に転がる) 」
ラトニカ「数がちょっと多いなあ、殴り倒しても良いんだけれど…っと、銃持ってる(カチカチマグロヘッドを視認するなり、狙撃銃を持つ両手に正確に拳銃を撃ち込む) 」
カチカチイチゴヘッドイチゴ味「―――――ちなみに私はァァ……メロン派……(若本ボイスでそう言い残すと重々しい音を立て床に伏す。それこそ死に絶えたかのように)……プゥ(そして鼻から膨らむ鼻ちょうちん) 」
ミハイ「そこで止まりたまえ部長殿!投降するならば悪いようにはしない!(逃げ回るアルセニオ二世に肉薄し、威嚇の意を込めてその足元を一突きする) 」
カチカチマグロヘッド「ウワァァァ―――――!!!!(両手を撃ち抜かれ顔がシワシワになり大粒の涙を浮かべる。その際セーフティを外した狙撃銃を落としてしまう) BUMG!! ウワァァァ――――!!!!(暴発。鉛玉が天井と床を絶えずバウンドしその最中で頭を抱えうずくまる) もう好きにして…… (そして彼はマグロになった) 」
ガキィン!!!!!!(フードの少女に切り掛かったナイフが振り払われる) 」
アルセニオ2世「くそ……くそぅ……!あと少しなんだぞ……あと少しだ!俺の才はここに求められているんだ!ここで花開くんだ!ここで自由になる!ここで『生まれも身分も関係なく正真正銘、成果を正当に評価される』はずなんだ……!それを……それを……ッ!(仲間がほとんど全滅し失意に染まる……どころか逆に、追い詰められたことでやっと火がついたのか、宝石で豪華絢爛に彩られた短剣を引き抜く)――――トッ 等奥なんて真っ平御免だ……お仲間は負傷したお前を放っておくかな……!(一歩の踏み込みで俊敏にミハイの間合いに入る。他の海鮮ヘッドとは明らかに格が違う、場数を踏んだ動作で懐に潜り鋭い切り上げを行う) 」
ジギー「いやなんか鼻につくなお前の全部が(飛翔したカチカチドンファンヘッドの眉間を麻酔銃で打ち抜き。床に落ちした後ねに理にアームロックを決める) 」
ラトニカ「(マグロヘッドが戦意を喪失したのを確認し、冷静に拳銃の弾丸を込め直し)……速い、少し舐めすぎたかな(射線上にミハイが居る為に、アルセニオを捉える為に横手に移動しながら拳銃を構え) 」
カチカチウニヘッド「馬と鹿な……ッ!?(ナイフが弾かれた反動で後方へ吹っ飛び、アクロバットを決め着地) 」
ミハイ「む、この間合……ッ!(咄嗟の反射回避―――反応は素早い、だが身体が追いつかずちぐはぐな動きで刺突剣のハンドガードにぶつかり武器を弾かれる) 」
サングラスをかけた男「……悪い、俺は獅子と鷹だ(意味不明)(ウニヘッドのナイフを弾いた主。刀を片手に立ちはだかる) 」
陸也「お前がこんなことしなけりゃちょっとペットにツチノコほしいとか思ってた俺の純情!!返してくれよォ!!!(アルセニオ二世に向かって踏み込み、跳躍しくるりと回転し『強化』を発動し)ラ○ダーァァァァァキィィィィィィィック!!! 」
アルセニオ2世「――――!!(横っ腹掻っ捌いてやるはずだったが……反応がいいな……!) グイッ キンッ!! (屋内にもかかわらず手榴弾のを取り出しピンを抜……) ――――シハナ!お前なんとかしろァ!! 一帯の『蛇』をここに集めて村ごとぶっ潰せ!証拠はチリも残すな!!(――――かない。ブラフだった。ピンの抜いていない手榴弾をかなぐり捨て出口へ脇目も振らず、死に物狂いで走り出す) 」
カンプ「チッ……逃がすか!!(手榴弾がブラフであった事を確認し、猛ダッシュでアルセニオ2世を追う) 」
シハナ「―――――――カツッッ(その女は、通路を抜けた先にある正面入り口に凛として佇んでいた。アルセニオの味方ではなく……明確に『通さない』という意を示すかのように) ス……(口元を覆っていたスカーフに指をかけ、口元をあらわにする。人の口、なんてことのない女性の口だが……) シャャァァァァァァ……・・・(腕を彼へ向け、それに巻き付いた蛇が口を開けた。そして、彼女の開いた口からも『蛇』の舌が露出していた。彼女は『蛇語』を話せる) 」
腕の白蛇「 ゴ ォ ア ッ !! (シハナの腕に巻き付いた蛇は彼女の声を聞くや否や他の誰でもない、『アルデニオ』へ毒々しい深く暗い赤の炎の吐息を吐いた) 」
アルセニオ2世「 へ? (絶望……その度を超えた感情が一瞬で彼の意識を吹っ飛ばし思考は真っ白に染まる。それほどに彼女を信頼していたのか、アルセニオの足は止まった) ぐゥァァ―――ッ!!(そして運よく、陸也のライダーキックが横っ面に炸裂し、還付の元へ吹っ飛ばされルコとで炎から図らず逃れられた) 」
カンプ「うおっ…!?(シハナの離反と”蛇”の出現、そして吹っ飛んでくるアルセニオに一瞬の困惑を見せるが、即座に立ち止まって吹っ飛んできたアルセニオを確りとキャッチ)……参ったな、何だアレ 」
ミハイ「く……反応はともかく、身体がついて行かんな……近間だと刺突剣では不利か……(取り落した刺突剣を拾い直す)しかし、あの仲間……だったはずの少女、蛇使いか?厄介だな…… 」
シハナ「 ―――――(アルセニオの無事を確認するや、言葉こそなかったが心底落胆の意を示し肩を落とす) シュルルル… (『蛇の鳴き声』を発すると、今度は蛇を腕のようにしならせ、手を蛇の口の如く開いては閉じを繰り返し、思慮装束を揺らめかすように舞う。それを一瞬で終え――――)ドドドドドド┣¨┣¨┣¨┣¨(地鳴りにも似た振動が床から響き渡り建物を大きく揺さぶる) 」
クロサワ『 !! 全員その女から距離を取れ!何処から現れた……巨大な熱源……いや生体反応が地中から女の足元へえ急接近しているッ!』 」
アルセニオ二世「シハ……ナ………? おい、待てよ……どういうことだ?お前……だってお前……このビジネスを一緒にやろうって……俺は『王族に終わる男じゃない』って……そう言ってくれたじゃんか!シハナぁ……!(腰が精神的に破壊されたのか、立つこともままならず相対するその女を、捨てられた子犬のように、懇願する眼差しで訴えかける) 」
陸也「うおおおおおおお!!女の子じゃん!!!いるじゃ―――え?なんだそりゃ!?(シハナの出現にウキウキだが、クロサワの切迫した静止で思いとどまり距離を置く) 」
サングラスの男「(シハナを一瞥)早いとこカタをつけるか…(刀を片手に着地したウニヘッドの後ろに回り込む)でやぁ!(刀の柄の部分で一突き…と見せかけて、瞬時に持ち手を変えて彼の両手に切り込みを入れる) 」
黒鎧の大蛇「 ┣¨ ォ" ゥ" ……(自動ドアより外、入り口の手前の地面が迫り上がる。否、建物を砕きながらそれは地表を、食い破られた岩盤の破片を巻き上げ、土煙を膨張させ現れた)―――――――――。(部分的に地上へ露出しているだけなのだろう。頭部だけでもジンベイザメの全長程はある、ムカデのような外殻に身を覆った巨大な黒の大蛇が陽光を遮り面々を高みから見下ろしていた) 」
ウニヘッド「ギェー!!!(あっけなく撃沈)俺のことはいい……それよりボスを助けてやってくれ……!(唐突ないいやつムーブ) 」
シハナ「 ―――――― 『 』 (『口の動きだけで言葉を発さない。だが相対したものならわかる。アルセニオへ短く、明確に侮蔑の言葉を、彼女は冷淡に吐き捨てた。) ヒュオ…… トン (黒の大蛇の頭上へ軽い身のこなしで飛翔し飛び乗る。完全に手懐けているのか、擽るようにして頭を1名でした)………、――――新天地へようこソ、迷える子羊。私は『
罪業の刻印・蛇の罪』 一番に合間見えることができて光栄ダ。『マッチで組み立てたような村の連中』よりは手応えのあることを、『王』は期待していル(事もあろうに『黒い霧』を体表から放つその蛇の頭上から、その女は告げた) 」
ミハイ「これは―――でかいな。それに……随分と頑丈そうだ。(巨大な蛇と対峙し、しかし怖気づかない) 」
アオ「ッ――――………!(大蛇を仰ぎ見る。その尋常ならざる巨躯に本能的な恐怖にかられてひやりとした感覚が背筋を駆け抜ける)…これは……予想外だな………っ(しかし戦意まで潰えることはなく大蛇を見返し、シハナの動きに視線を移す)………!(あれは…『黒い霧』……!) 」
陸也「……そうか、”アレ”が件の”黒い霧”の正体か……、成程馬鹿げたデカさだ、どうやりゃ倒せるかわかったもんじゃねえ……。 」
シハナ「―――――前任者……じゃないのネ(アオを一瞥するなり興味深そうに目を丸くしたが、すぐに無機質なそれに戻り) ああ、そレ(呂律がうまく回っていない言葉で短くアルセニオを指で指し)――――アゲル。私の蛇は、この子の娘達は『世界中に解き放った』……それで充分。死ぬね、死んじゃうねぇ……蛇の毒はねぇ……命を呪うほどに痛くて苦しいから、ああ……見たかったなぁ クスクス(『光悦』。最悪の結果を愉快そうに想起し、大蛇を人撫でした)――――挨拶はオシマイ。今度は屍山血河でお会いしまショ(微笑みを絶やさず弾むような声でそう告げ、手をひらりと降った) 」
黒鎧の大蛇「┣¨ ┣¨ ┣¨┣¨┣¨ドドドドドドド……(シハナを頭上に乗せたまま、地面に頭を突っ込み岩盤を食い破りながら二つの大穴を残して地下深くまで潜っていく。その巨体は面影もなく、煙のように消えてしまった) 」
クロサワ『………。……――――(インカム越しでも十分に伝わる、絶句し出かかった言葉にならない叫びが喉につかえ絶句する吐息)――――に……任務達成……。ともあれ、武装集団は無力化。アルセニオ二世も……そうだな、無傷とはいかなかったが回収はできた。大丈夫だ……カウンセラーなら、資格がなくともできる面子はいるさ……ああ……(混乱しているのか、自分に言い聞かせるように繰り返し大丈夫と囁いている)』 」
ジギー「ああうん……メンタルセラピーなら俺も受けようかなぁって思ってるんすけど、予約一杯になりますかね(タバコに火をつけ煙を貪り食うように吸い、溜息の大きさそのままに煙を吐き出す)……。………いやぁ……つい此間まで『俺達だけ』でこのプロジェクトを成功させようとしくはくしてたっていうのがさぁ………ハッハハハ…… 」
アオ「(『前任者』―――)待てッ!お前は一体―――(シハナが大蛇と共に地中へと姿を消し、まんまと見逃してしまったこと、何も出来なかった自分自身に悔しさを覚え強く歯噛みする)……了解しました。…予定通りランディングポイントに向かいます。 …… …… ……。(さっき、なんて言った…?『罪業の刻印』…『蛇』……? …わからない、けど…何か”引っ掛かる”んだ…ああ、くそ――) 」
サングラスの男「屍山血河…か…(呟く)どうやら…あんたのボスは助かったようだ。ま、ただじゃすまねえみたいだがな(ウニヘッドに) 」
ミハイ「”この子の娘たち”……と言ったな、つまり……”アレ”に近い存在が、強弱の差はあるとはいえ……。……一筋縄どころでは済まないな、これは。 」
クロサワ『……考えたくはないが……この『ツチノコ販売業』が彼女の目的、その過程である可能性が極めて高い。となると……あのツチノコ……いやキメラが『娘』に該当するのではないか……。いや止そう。憶測では何も語れない。ともあれご苦労だった!その近辺に適正反応はない、セーフゾーンと判断しホーネットを回収に向かわせる。後日、スタッフが直接ポータルを設置にムカ予定だ』 」
MISSION RESULT
- ハード・コ・タイ・メン制圧完了
- トラスタ区セーフゾーン化完了
- フルトン回収によりスタッフ増員
- カチカチ海鮮ヘッド達がスタッフに加わった。輸送部に配属される予定
- GATE支部拡大
草木も眠る丑三つ時、ひとりの少年剣士が夜道を歩き、目的の場所へと向かっていた。数々の剣豪がいるとされる街に。その誇りと能力を以て天下に名を轟かせた剣士達がいる国に。群雄割拠ともいえる時代に乗り遅れまいと少年は故郷からここまでやってきた 」
少年剣士「この森を越えれば辿り着く。あらゆる剣豪達の天国とも言える場所に……ッ!(かつて彼は百刀剣武祭に参加したがその圧倒的な実力差に敗れ、十刀剣武祭で名立たる剣豪の勇姿を見てからというもの剣士としての魂が燃え上がっていた。修練を重ねてついに相応しい実力を手に入れた時、ある街には剣豪が多くいるというのを聞いて武者修行に) 」
もうすぐで街という所で、人の形をした異形と出会う。こちらにむかってくるように歩いてくる妖艶な女性。
黒い髪が月明かりに照らされより映える。だがその両手に持つ武器がその女性の安全性を否定していた。 」
???「あらあらあら……可愛らしい剣士さんね。こんばんわ(まるで昼間の街ですれ違って挨拶をするように微笑む。だが、その手に握られている片手斧にはべっとりと血が付着しているのが分かる。ついぞ誰かを切ってきたためかまだ血が凝固していない。) 」
少年剣士「┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨(緊張が走る。目の前の女に殺気はなくただ単に通り過ぎようとしているだけのようなのだが、その華奢な身体からは考えられないほどの闘気めいた気配を感じる。)…いきなり出会って不躾とは思うけど、アンタ、その両手のはなんだ? 伐採作業をしてきたってわけでもないな。この地域に赤い樹液なんて出る木なんかない。……それで一体、何を切ってきた!?アンタはこの先にある街から来たのか?だとしたら、誰を切ってきた!? 」
???「質問が多すぎるわね。一応全部答えてあげるというのなら、それはひとつ。・・――――「アナタには関係ない」よ。だから、そこ、どいてくれる? お姉さん、少し急いでるの(場の空気が一気に氷のように張り詰める。それはさながら首筋に刃を突き付けられた感覚。少年剣士は恐れると同時に剣士としての闘志を燃やした。それに気付いたのか、女の目が薄く笑んだ) 」
少年剣士「(重心を低く、柄に手を添えて抜刀術の構えを取る)この先にある街に、俺はようがある。だが、その途中で血塗れの斧を持った女が現れたら…放っておくわけにはいかないだろ。――――アンタ、切ってきたな?街で【誰か】を!俺には分かる、アンタの目、アンタのその気配はは殺人鬼のソレとまったく同じだ! 」
???「(少年の剣気に呼応したのかほんの一瞬眼光を鋭くさせる)殺人鬼、ねぇ。中らずと雖も遠からず、かな。じゃあ、特別に教えてあげる。――――あの街にいた剣豪と言われる人たち全員よ(臆面もなく冷淡に告げた。ただそれだけで十分であるかのように斧にこびりついた血を振り払い)アナタは『ターゲット』に含まれていないのだけれど、もしかして私とシたいの?ウフフ(蝶を愛でるような笑みを零しながら冷徹に言い放つ)止めておきなさい。アナタの剣では私にか勝てない。でも、危ないことに飛び込んでくる勇ましい子は好きよお姉さん 」
彼女の言葉を皮切りに沈黙と風に揺れる木々の音が場を支配した。森にすむ動物達ですら動く音や呻き声を控えるほどに濃密なまでの闘争の空気。一番最初にいちげきを放ったのは・・・・・・ 」
少年剣士「ヌ ゥ ゥ ン !――――シキィイイイイン(一瞬にして剣を抜き放ち、目の前の女の首へとその切っ先を振り向こうとする。――――だが) 」
???「(ゆっくりと目を伏せるように下を見ながら、左手に持った斧を放す。その直後に剣が抜き放たれる。そしてその軌道に合わせるように左手を出すと、切っ先をそのまま)ビシィイイイッ! (指でつまむように手に取って見せる)フフフ、早いのねぇ。坊や 」
少年剣士「(あまりの現象に目を見開く。厳しい訓練のもとようやく辿り着いた境地。この速さなら次の百刀剣武祭に生き残り、十刀剣武祭にいくこともまた可能かもしれない。だが、目の前の女がやったことはそれらすべてのアンチテーゼだ)ば、ばかな……ぬ、抜けな―――い・・・・・・。(押しても弾いてもビクともしない。初見でほとんど見ずに受け止められただけでなく、単純なパワーでも負けているという結果がかなりのショックを与えた) 」
???「ニィイ……(不気味な笑みと共に振り上げられる斧。そして一瞬の内に少年の腕を切り落とした。)ズバァアアアア!!(ざっくりと切れて噴き出す血にうっとりとしながら、何度も、何度も、何度も、何度も振り下ろす。少年の命乞いの情けない声が彼女をさらに発情させ、斧の勢いを強くしていく。そして)――――グシャア!! 」
気が付けばそこには血の肉の海ができあがる。名も知らぬ少年は天下にその剣腕を披露する間もないまま死んでいった 」
???「ふう、私ったらはしたない。ちょっとやりすぎちゃった。でもいいわ。次のお仕事もあるし、ひとりくらい死人が増えても同じこと。フフフ、ご飯を食べてからまた次のお仕事へ向かいましょう。 」
――― 」
港町。水の国ほど漁業に富んでいるいわけではないが、それなりに賑わっている町だ。しかし、その水面下では不気味な影が蠢いていることは最早改めて言うはずもなく。この現状を打破する為、『 権智保管機関
G.A.T.E 』が動き出す 」
英雄や正義感のある者達を雇い各方面で解決に向けて動き出す中、この港町に送り込まれたのは『反英雄』とも言えるが信用における人物。"彼女"は今、宿屋である指令を受けていた。 」
ガガ・・・ガガガガガ・・・・・・ピー(薄暗い部屋で電子音の背後でシャワーによる流水の音が響く) 」
クロサワ・ミラーだ。今開いている動画ファイルは『ミッションの受注』についてのレクチャーになる。G.A.T.Eが受ける依頼は恐らくこれを見ているあなたが思っているより膨大な量になる。基本、『プランナー』と呼称するスタッフが一度の作戦行動で可能な限り多くの依頼をこなせるよう、俺をはじめとした作戦指揮を取る『コマンダー』と連携しスケジュールを組む。 」
依頼は民間人や現地の公的機関、NPOなど多くから発注されるが、内容が重複しているケースが非常に多い。加えて、情報に誤りがないか、ブラフではないかなど審査をし先の行程も終えてようやく『ミッション』として成立するようになっているが、如何せん我々の判断基準のみでは思うように成果を出せていなかったのも事実だ。そこで、民間人から受けた依頼が掲載されるデータベースを、本作戦に参加しているあんた達からも閲覧できるように設定しておいた。 」
あんた達が優先すべきと判断した依頼を拠点内の端末から我々に申請してくれれば、それを優先して類似する案件と統合しミッションとしてプランニングし改めてこちらから依頼させてもらう。端末の操作方法はこの動画ファイルが格納されているフォルダーに同梱されているPDFから確認してくれ。ミッション受注チュートリアルを終了する 」
電子音と共に、端末が動き出しフォルダーの方まで自動に移行する。丁度その時にシャワーから上がった彼女はその端末を火照った手で取って湿り気まじりの指使いで操作する 」
???「ふぅん…依頼ねぇ。面白そうじゃない。し・か・も…(端末の内容を見ていく内に口角が吊り上がっていく)非殺傷による任務遂行、やむを得ない場合を除く、か。ふぅん、この私に『なるべく殺すな』ってオーダーを出すなんて。――――でも嫌いじゃないわ(端末を置いて漆黒のドレスに着替える)お姉さん、縛りプレイも好きよ。だってゾクゾクしちゃうじゃない」 」
???→
ブルスト「じゃあ、ブルストお姉さん、行かせてもらうわね。マフィアのボス、フィリップを事故に見せかけて抹殺…ふぅん悪くないわね(ドレスをひるがえし早速マフィアがパーティーを行っている会場の情報を端末から引き寄せ、そこへと向かう) 」
表向きはセレブ達が集まる酒の席。実際はその裏で麻薬や武器の密売などが行われている。港町であるがゆえに、物流がしやすい。そんな血生臭さをなんとかして消すかのように、豪華な食事や数多の美女が勢ぞろいし客人をもてなしたりする。ブルストもその中へと潜入した 」
フィリップは奥の部屋で休憩しており、そこにはボディーガードが数名。 」
ブルスト「へ~、……あら、そうなのですか―――すごいんですね~。―――――――。(シャンパンを片手に、持ち前の美貌とプロポーションを活かしてセレブたちから情報を収集。階段を上り奥へと歩けばそのままフィリップの部屋へと行けるらしい)……グビ(このまま部屋へと押し掛けるのは得策ではない。あくまでも事故死に見せかけた抹殺なのだから・・・あ、いいこと考えちゃった。フフフ) 」
フィリップ「高校・大学と成績は一番で卒業。その後一流企業に勤め相応のキャリアを積んだ。しかし出世するにつれ社会の裏側に魅了されていき、ついにはマフィアのボスという地位に君臨するに至る。政治家を操ることは勿論、警察にだって彼を捕まえることは出来ない。それほどの権力を持ち 、毎日が絶頂であり続けている彼は自分に不幸などあるはずないと信じ切っていた)なぜなら私は…ボスだから! 」
下っ端「ボス、お車の用意ができやした」 」
フィリップ「うむ、あ、そうだ。美女を何人か連れてこい。一緒に屋敷に連れて帰るからな。(パーティーも御開きとなった時刻、下っ端に命令し自身は表に停めてある車へと歩いていく。すでに何人かの美女が待っておりニコニコとしながら車へ乗るよう指示する)ほらほら、入って入って。君達と一緒にもう一度飲みたい。フフフフ 」
ブルスト「(陰に潜みボディーガードとフィリップが通り過ぎたと同時に、同じような黒いドレスをまとった女を一撃で眠らせ、陰に隠す。そして自分がまんまとすり替わりフィリップの隣へと移った。―――その際彼女はある術を使う。それこそ『波紋法』であり、ある程度であれば人間を操ることが出来る。それを利用した) 」
フィリップ「ホッホッホッ、全員乗ったね。―――車を出せ。(部下に命令して走行すること数分後)―――おや、君(隣に座っているブルストのほうに目をやる)……(あれ?この黒ドレスの子ってこんな顔だったかな?スタイルもいいし…まいっか!)ほほ~う、君ぃ、中々の美人じゃないか。どこから来たのかな?ん?名前はなんていうんだい? 」
ブルスト「………………(表情はにこやかであるが、フィリップの声掛けにまったく反応しない足と腕を組んだまま前をじっと見ている) 」
フィリップ「んんん~~~? ホッホッホッ。そんなに緊張しなくていいんだよ。うう~ん、君の微笑みの中にあるそのちょぉぉっとばかしの『冷たさ』も、中々可愛いじゃないか―――――(そう言いながらブルストに触れようとした直後)――――ガシガシガシガシィイイイッ!!(突如周りの美女たちがフィリップを抑えつける。目は虚ろで口も半開き、しかしその膂力は並とは思えない)な、な、な、なんだぁあああッ!!なんだお前達!放せ!放さんかぁああ!!(ジタバタと暴れるがまるで万力で固定されたように離れない。運転していた部下はもう一人の美女から拳銃を奪われ頭に突きつけられている) 」
ジギー『ターゲットを車に乗せたか。今回のクライアントはその男の排除を要求している、生死は問わないとのことだが ―――――俺はクロサワ程甘くはない。その男を回収したところで利用価値があるとも思えん、処理は任せる』 」
オペレーターA『あれ、ミラー教官は?』 」
ジギー『 ツ チ ノ コ 採 取 に 出 か け た 。 まあこの手の仕事は俺が受け持った方が早い。あれはあくまで兵隊上がりの経営者だからな、英雄様がお相手でない分相性もいい』 」
ブルスト「――――ドガァアッ!(抑えつけられたフィリップの顔面に顔色一つ変えずに強烈な裏拳)―――もっと車を飛ばしなさい。さもなくば…(もう一度拳を握りしめいつでも殴れるように見せつける。それに怯えたフィリップはなにがなんだかさっぱりわからないまま部下に命令する。その様を見てブルストは黒い笑みを浮かべながら)うん、よろしい。そのまま進んで人通りの多い場所へ行くのよ。もっと、もっと………… 」
車は加速する。色と愉悦の空間は今、1人の女によって恐怖に歪められた。しばらく走っていると渋滞に巻き込まれる。車は速度を落としやがて止まる。周囲の車から渋滞にしびれを切らしたのか無数のクラクションが鳴り響く。 」
フィリップ「くぅうう、くぅうううッ!み、観ろ。渋滞だ。この時期はこんな風に道が混雑するのだ!貴様の目的はなんだかしらんがな!この私を出し抜こうなどと考えんことだ!(マフィアのボスとしての矜持を見せつけんと大声で怒鳴る)それになぜわざわざ人通りの多い道など。ここから先にリゾートなどないぞ!! 」
ブルスト「(渋滞を見て考える。この人通りの多い道には"ある場所"へ向かう為の最短ルートがあったのだが、こうも道がふさがっているとなると無駄に時間が掛かってしまう。そこで彼女が言い出したのは………)―――――――港への道が広いじゃない。行って(フィリップも運転手も唖然とする中、ブルストはさらに波紋を駆ける。運転手が餌食になり、操られたままその道へと歩道に乗り上げて入っていく)0……もっと飛ばしなさい。もっと、もっとよ。 」
住民「うわぁあ、なんだ!?」「おいあの車って……」「あぁフィリップの車だ!」「ま、マフィアが暴れ出しやがった!」「ヒィイイ!」「皆よけろぉ!」(クラクションを鳴らしながら進む高級車に住民達は避けながら侮蔑の表情を見せる。マジックミラーになっている為中の様子はうかがい知れない) 」
車は更に速度を上げて、港へと通じる道を突っ切っていく。まるでチキンレースのように海へ海へと近づいていく様を感じ取り、フィリップは発狂に似た懺悔を繰り返す 」
フィリップ「ひぃいい!もう許して!許して下さぁああい!お金ならいくらでも上げます!や、ヤクだって好きなだけ!そこからでた利益の6割…いえ、7割差し上げますからあああ!! 」
ブルスト「(フィリップの情けない断末魔ににんまりと黒い笑みを浮かべ)―――――ダメよ。(こっそりとドアのロックを解除する) 」
そして車は時速200Km近くを出した直後、海に向かって飛んでいく。 」
臨時ニュースです。えー先ほど、現地マフィアのボスである、ドナード・フィリップ氏を乗せた車が市街にて暴走した後、凄まじいスピードで海に飛び込むと言ったことが起こりました。現地警察の報告によるとこれによる死傷者はゼロ、しかし、車にはフィリップ氏以外にも複数乗っていた模様……。 」
同席していたのはパーティーに参加していたと思われる若い女性達複数名。海へ落ちたのちすぐに海から這い出てきたところを地元の漁師たちによって助けられました。現在の所、フィリップ氏とその運転手の行方はわかって――――――――プツン。 」
ブルスト「(港の離れにある岩陰にて端末をいじる)――――任務達成よ。フィリップは生粋の金槌、運転手は操ったまま。彼等には『私の術』で強化したシートベルトで固定してあるから、そのまま海の底へ沈んでいったわ。(端末の先にいる人物に話しかけている) 」
ジギー『―――ご苦労ッした。丁度市警に紛れ込んだ諜報班が遺体の称号を済ましたそうだ。ターゲットの死亡を確認しクライアントへ報告したところ非常に満足していたよ。 ――――街中でありながら対象のみを排除、民間人に死傷者はなく事故死として処理される。100点満点中200点だ、あんたの力は底知れないな』 」
ブルスト「あら、満点以上取れるなんて初めてね。(海で濡れた髪を片手でいじりながらにこやかに)こういうプレイもたまには悪くないわね。縛りがあればあるほどいい。お姉さんゾクゾクしちゃうわぁ~。 」
ジギー『フィリップはここらの市場を取り仕切る上比較的大きな規模のマフィアを統率していた。奴が消えたことで今後G.A.T.Eの介入が容易になるはずだ』 」
ブルスト「あらそう。まぁアナタ方組織のうんたらかんたらはよく知らないけど、…私を好きなだけ使ってね?好きなだけやらせてもらうから。 」
ジギー『ご満悦いただけたようで何より、ミラーの言葉を借りるならWin Winの関係といったところか(無線越しに乾いた笑い声が反響する)―――ただ港付近でずぶ濡れとなるとシャワー上がりとは思われないだろう。ドライヤーを常備しているホテルを確保しておく、水の国ナンバーのタクシーを近辺に駐車してあるからそれで向かってくれ。 OVER』 ブツッ 」
ブルスト「はい、ありがとう。(無線が切れるのを確認して)……今度の組織はやけに紳士的ね。そういうの嫌いになれないわぁ~。さて……(しばらく歩きタクシーを見つける)フフフ、しかもホテル付なんて気前いいわね 」
MISSION RESULT
- ドナード・ウィリップ 抹消完了
- 港町での自由行動が可能となった
- 港町より東への移動が可能となった
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最終更新:2020年06月12日 18:10