←前へ
【内田の日記】
マキちゃんが去った後、この人は腕を組んだまま何故か私をじっと見ていた。
更に、時より目をつむって首を傾げ、考え込んだりしているようだ。
更に、時より目をつむって首を傾げ、考え込んだりしているようだ。
「あ…あのー……」
「なるほど…言われてみれば南ハルカに似ているな…。」
「?? 私がハルカちゃんに?」
「思っていたより少し大きいが…まぁ、そんな事は問題ない。」
「……はぁ…。…?」
「そう言えば名前を聞いていなかったな。下の名前は何と言うのだ?」
「えっと…ユカですけど・・・?」
「ユカか…うむ、いい名前だな。」
「なるほど…言われてみれば南ハルカに似ているな…。」
「?? 私がハルカちゃんに?」
「思っていたより少し大きいが…まぁ、そんな事は問題ない。」
「……はぁ…。…?」
「そう言えば名前を聞いていなかったな。下の名前は何と言うのだ?」
「えっと…ユカですけど・・・?」
「ユカか…うむ、いい名前だな。」
なんだろう…マキちゃんは悪い人じゃないって言ってたけど…ちょっと危ない人かも。
私はお使いもあったので、とりあえずココから逃げ出すことにした。
私はお使いもあったので、とりあえずココから逃げ出すことにした。
「あっ、あの! 私これからお買い物に行かなくちゃ行けないんで…」
「買い物? …何を買いに行くんだ?」
「えっと…年越し蕎麦を……」
「なるほど…いいだろう。オレが人数分そばを作って届けようじゃないか!」
「えぇ?! そんな…知り合ったばかりの人に、そこまでしてもらうのは悪いですから…」
「ハッハッハッ! 何を気を使っている。オレの事は遠慮せずパパと呼べ!」
「パパ…?」
「買い物? …何を買いに行くんだ?」
「えっと…年越し蕎麦を……」
「なるほど…いいだろう。オレが人数分そばを作って届けようじゃないか!」
「えぇ?! そんな…知り合ったばかりの人に、そこまでしてもらうのは悪いですから…」
「ハッハッハッ! 何を気を使っている。オレの事は遠慮せずパパと呼べ!」
「パパ…?」
もう何を言っているのかさっぱり分からない…どうしてパパなの?
いろいろ聞きたい事はあったが、めんどくさくなりそうなので私は適当に笑顔でごまかしていた。
いろいろ聞きたい事はあったが、めんどくさくなりそうなので私は適当に笑顔でごまかしていた。
「そうだユカ、その辺でお茶でも飲まないか?」
「お茶…ですか?」
「あぁ、そこの喫茶店はこの辺りでは有名なんだろう?」
「…はぃ、確かに有名ですけど…」
「お茶…ですか?」
「あぁ、そこの喫茶店はこの辺りでは有名なんだろう?」
「…はぃ、確かに有名ですけど…」
この時、私の頭に一つの事が思い浮かんだ。それは………誘拐。
もしや私はお茶に混ぜられた薬で眠らされ、その後身代金を……
そう言えば、前にカナちゃんも誘拐には気をつけろって言ってたっけ。
私は何としても断って逃げ出すために、理由を一生懸命考えた…。
もしや私はお茶に混ぜられた薬で眠らされ、その後身代金を……
そう言えば、前にカナちゃんも誘拐には気をつけろって言ってたっけ。
私は何としても断って逃げ出すために、理由を一生懸命考えた…。
「あの……えっと…カナちゃんが知らない人に付いて行っちゃダメって……」
「ユカは甘いものは好きか?」
「あの…私の話聞いていますか?」
「バニラアイスと季節のフルーツ盛り合わせジャンボプリンパフェ……これなんてどうだ?」
「…えっ?!」
「ユカは甘いものは好きか?」
「あの…私の話聞いていますか?」
「バニラアイスと季節のフルーツ盛り合わせジャンボプリンパフェ……これなんてどうだ?」
「…えっ?!」
私は思わずその言葉に反応してしまった。
学校からの帰り道…この喫茶店の前を通るたびに、いつも気になっていたパフェ…
値段が1500円もする物だから、小学生の私には縁のない物と諦めていた一品だ。
学校からの帰り道…この喫茶店の前を通るたびに、いつも気になっていたパフェ…
値段が1500円もする物だから、小学生の私には縁のない物と諦めていた一品だ。
気がつくと私は手を引かれ喫茶店の中にいた。
まぁ、ハルカちゃんの友達も『悪い人じゃない』って言ってたし大丈夫だよね!
まぁ、ハルカちゃんの友達も『悪い人じゃない』って言ってたし大丈夫だよね!
「ユカは特に好きな物等はあるのか?」
「えーっと…イチゴ! 私イチゴ大好きです!!」
「そうか、実に女の子らしくて良い。」
「えへへっ…私女の子らしいなんて言われたの初めてかも。」
「そうなのか? ユカの学校の男は見る目が無いのだな。」
「…ですよねっ!」
「えーっと…イチゴ! 私イチゴ大好きです!!」
「そうか、実に女の子らしくて良い。」
「えへへっ…私女の子らしいなんて言われたの初めてかも。」
「そうなのか? ユカの学校の男は見る目が無いのだな。」
「…ですよねっ!」
なんだか最初は変な人かと思ったけど、そんな事は無いみたいだ。
少し個性はあるけど、背は高いし…それに良く見ると……顔もかっこ良い!
私の事ユカって呼ぶのなんて、お父さんとお母さん以外で初めてだし……
……なんだか二人で喫茶店なんてデートみたいでドキドキしてきた。
少し個性はあるけど、背は高いし…それに良く見ると……顔もかっこ良い!
私の事ユカって呼ぶのなんて、お父さんとお母さん以外で初めてだし……
……なんだか二人で喫茶店なんてデートみたいでドキドキしてきた。
そんな事を考えていると、店員さんが私たちの席へやってきた。
「ご注文の方はお決まりでしょうか?」
「あぁ、ホットコーヒーと、このパフェを一つ。」
「かしこまりました。」
「それと、このパフェにイチゴをたくさん入れてくれ。代金は別途で払おう。」
「あの、お客様…その様な事は当店では……」
「なるほど、よかろう…ならば少し厨房をかりるぞ。」
「…え?! お客様、困ります! …お客様ー!!」
「あぁ、ホットコーヒーと、このパフェを一つ。」
「かしこまりました。」
「それと、このパフェにイチゴをたくさん入れてくれ。代金は別途で払おう。」
「あの、お客様…その様な事は当店では……」
「なるほど、よかろう…ならば少し厨房をかりるぞ。」
「…え?! お客様、困ります! …お客様ー!!」
店員に止められたにも関わらず、あの人は厨房へ入って行ってしまった。
何やら厨房が慌ただしい…そりゃ一般人が入れば当たり前だ。
…しかし10分程すると静まり返り、最後には拍手まで起きていた。
何やら厨房が慌ただしい…そりゃ一般人が入れば当たり前だ。
…しかし10分程すると静まり返り、最後には拍手まで起きていた。
厨房から出てきたあの人の手には、イチゴが沢山入った凄いパフェがあった。
なんて言うか…盛り付けがとても綺麗で、食べてしまうのが勿体ないくらいだ…。
…それと、何故かシャツのボタンがすべて外れていた…。
なんて言うか…盛り付けがとても綺麗で、食べてしまうのが勿体ないくらいだ…。
…それと、何故かシャツのボタンがすべて外れていた…。
「あの…これ自分で作ったんですか?」
「あぁ、待たせて悪かったな。名づけて…バニラ苺プリンパフェ、ユカスペシャルだ! ハッハッハッ。」
「……凄い…きれい…!」
「どうしたユカ、遠慮しないでどんどん食べるんだ。」
「あぁ、待たせて悪かったな。名づけて…バニラ苺プリンパフェ、ユカスペシャルだ! ハッハッハッ。」
「……凄い…きれい…!」
「どうしたユカ、遠慮しないでどんどん食べるんだ。」
私はそう言われパフェを食べ始めた。
プリンも美味しいし、イチゴも美味しい…イチゴにアイスを付けても……とにかく幸せだった。
…しかしそんな私にある異変が起きた……マコト君にいっぱい触られた所が少し痛い…。
普段触らない所をずっと触られてたからかな…私は硬い椅子の上でモゾモゾしながらパフェを食べていた。
プリンも美味しいし、イチゴも美味しい…イチゴにアイスを付けても……とにかく幸せだった。
…しかしそんな私にある異変が起きた……マコト君にいっぱい触られた所が少し痛い…。
普段触らない所をずっと触られてたからかな…私は硬い椅子の上でモゾモゾしながらパフェを食べていた。
「…ん?どうかしたのかユカ?」
私はその言葉に慌てて良い訳を考えた。
「えっと…その、家で転んでお尻をぶつけちゃって椅子が硬いから少し痛いかなーって…アハハ、私ドジだから…」
「なんだ、そんな事なら早く言えば良いものを…」
「なんだ、そんな事なら早く言えば良いものを…」
そう言うとあの人は席を立ち、私を持ち上げ膝に座らした。
「どうだ、少しは痛いのはマシか?
「……はぃ。…えっと…ありがとうございます…。」
「気にする事は無い。さぁ、遠慮せずどんどん食べると良い。うむ、子供はそうあるべきだ!」
「……はぃ。…えっと…ありがとうございます…。」
「気にする事は無い。さぁ、遠慮せずどんどん食べると良い。うむ、子供はそうあるべきだ!」
周りの人が少し笑いながらこちらを見ている…ちょっと恥ずかしいな……
でも、これって千秋がカナちゃんのお友達と、いつも家でしてるのと同じだし…気にする事無いか!
でも、これって千秋がカナちゃんのお友達と、いつも家でしてるのと同じだし…気にする事無いか!
そう思って再び食べ始めた私だったが、さすがに一人で食べるのは申し訳なくなってきた。
「あの…よかったら一緒に食べますか? 美味しいですよ!」
「そうか…ならば、せっかくだし…少しいただくとするか。」
「はぃ!」
「そうか…ならば、せっかくだし…少しいただくとするか。」
「はぃ!」
私はスプーンでアイスとイチゴの混ざった、一番おいしい所をすくい、あの人の口へ運んだ。
「…うむ、さすがに時間が無かったから、まぁまぁと言ったところか…」
「…そうなんですか? 私からすれば凄く美味しいですけど…?」
「ユカは本当にパフェが好きなんだな。…よし、ならば今度はもっと美味しいパフェを作ってやろう!」
「本当ですか? 約束ですよ!」
「ハッハッハ! よし、任せておけ!!」
「…そうなんですか? 私からすれば凄く美味しいですけど…?」
「ユカは本当にパフェが好きなんだな。…よし、ならば今度はもっと美味しいパフェを作ってやろう!」
「本当ですか? 約束ですよ!」
「ハッハッハ! よし、任せておけ!!」
そんな事を言いながら、私はパフェの続きを食べ始めた。
…モグモグ…やっぱり美味しい! ……って、良く考えたらこれって間接キス…なのかな?
私はそんな事を考えて、一人スプーンを咥えたまま赤くなっていた。
…モグモグ…やっぱり美味しい! ……って、良く考えたらこれって間接キス…なのかな?
私はそんな事を考えて、一人スプーンを咥えたまま赤くなっていた。
その後、会計を済ませ私たちはお店を出た。
「あの、今日は御馳走様でした!」
「こちらこそ付き合わせて悪かったな。…階段があるから足元気をつけるんだぞ。」
「はぃ! 大丈………わわっ!!…イテテッ……」
「…大丈夫か?」
「こちらこそ付き合わせて悪かったな。…階段があるから足元気をつけるんだぞ。」
「はぃ! 大丈………わわっ!!…イテテッ……」
「…大丈夫か?」
ちゃんと階段は降りたつもりだったのに、まだ足にしっかり力が入らなかったらしい。
階段の上から落ちた私は、下にいたあの人にキャッチされた。
服のボタンが外れていたので、私の顔はあの人の素肌にぴったりひっついてしまった。
なんと言うか、あの人の胸に飛び込んでしまった感じだ…。私は慌ててそこから離れた。
階段の上から落ちた私は、下にいたあの人にキャッチされた。
服のボタンが外れていたので、私の顔はあの人の素肌にぴったりひっついてしまった。
なんと言うか、あの人の胸に飛び込んでしまった感じだ…。私は慌ててそこから離れた。
「あ、あ、あの…ご、ごめんなさい! …その、私足に力が入らなくて……」
「…なんだ、捻挫でもしているのか?」
「えーっと……はぃ、そうです!」
「…なんだ、捻挫でもしているのか?」
「えーっと……はぃ、そうです!」
本当のことなんて恥ずかしくて言えるわけ無かった…。
すると、あの人は私を軽々と持ち上げ抱きかかえた。…あれ…これは……
すると、あの人は私を軽々と持ち上げ抱きかかえた。…あれ…これは……
「足が痛いのなら、このまま抱いて家まで送ろう。」
「…あ…あっ……!」
「ん、どうした?」
「…お……お姫様抱っこだ!!」
「…あ…あっ……!」
「ん、どうした?」
「…お……お姫様抱っこだ!!」
私は思わず顔を真っ赤にして、意味不明な事を叫んでしまった。
まさか今年の目標が12月31日に叶うなんて……この人は私の王子様だ…!
私は家までの数分間ギュッと抱きつき、気がつくとあの人の顔をずっと見つめていた。
周りの人には、私の目がハートマークに見えていたかもしれない…それほど見つめていた。
まさか今年の目標が12月31日に叶うなんて……この人は私の王子様だ…!
私は家までの数分間ギュッと抱きつき、気がつくとあの人の顔をずっと見つめていた。
周りの人には、私の目がハートマークに見えていたかもしれない…それほど見つめていた。
家に到着すると、私は渋々首に回した手を離しあの人から降りた。
「ここがユカの家か…。」
「はぃ!あの…今日はありがとうございました!」
「あぁ、家族にもよろしくな。」
「…あの……少ししゃがんでもらえますか?」
「ん? なんだ?」
「えっと…あの、これは今日のお礼です! ……んっ…。」
「はぃ!あの…今日はありがとうございました!」
「あぁ、家族にもよろしくな。」
「…あの……少ししゃがんでもらえますか?」
「ん? なんだ?」
「えっと…あの、これは今日のお礼です! ……んっ…。」
私はそう言って、思い切ってあの人のほっぺにキスをした。
「ハッハッハ、やはりユカは可愛いな。…ならばオレはお返しに、今度は凄い料理を作ってやろう!」
「あっ、言いましたね! 絶対ですよ! それじゃあ…さようなら!」
「あっ、言いましたね! 絶対ですよ! それじゃあ…さようなら!」
私はそう言って家へ入った。
次にあの人に会えるのはいつだろうか…料理よりも会えることが楽しみだった…。
そして、私も凄い料理が出た時には…もちろん今日以上のお返しをするつもりだ…♪
来年の目標は…あの人と……エヘヘッ…なんだか今日の私少しエッチかな…
次にあの人に会えるのはいつだろうか…料理よりも会えることが楽しみだった…。
そして、私も凄い料理が出た時には…もちろん今日以上のお返しをするつもりだ…♪
来年の目標は…あの人と……エヘヘッ…なんだか今日の私少しエッチかな…
そんな事を考えていると、つい気分が浮かれて誰かに今日の事を離したくなった。
「そうだ、千秋に今日の事を話そう!」
そう思い、私は千秋の家に電話をかけた。
チアキ×藤岡編の続きへ~
次へ→
本編へ→