桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

内田編5

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
メンバー限定 登録/ログイン
前へ


【内田の日記】

マキちゃんが去った後、この人は腕を組んだまま何故か私をじっと見ていた。
更に、時より目をつむって首を傾げ、考え込んだりしているようだ。

「あ…あのー……」
「なるほど…言われてみれば南ハルカに似ているな…。」
「?? 私がハルカちゃんに?」
「思っていたより少し大きいが…まぁ、そんな事は問題ない。」
「……はぁ…。…?」
「そう言えば名前を聞いていなかったな。下の名前は何と言うのだ?」
「えっと…ユカですけど・・・?」
「ユカか…うむ、いい名前だな。」

なんだろう…マキちゃんは悪い人じゃないって言ってたけど…ちょっと危ない人かも。
私はお使いもあったので、とりあえずココから逃げ出すことにした。

「あっ、あの! 私これからお買い物に行かなくちゃ行けないんで…」
「買い物? …何を買いに行くんだ?」
「えっと…年越し蕎麦を……」
「なるほど…いいだろう。オレが人数分そばを作って届けようじゃないか!」
「えぇ?! そんな…知り合ったばかりの人に、そこまでしてもらうのは悪いですから…」
「ハッハッハッ! 何を気を使っている。オレの事は遠慮せずパパと呼べ!」
「パパ…?」

もう何を言っているのかさっぱり分からない…どうしてパパなの?
いろいろ聞きたい事はあったが、めんどくさくなりそうなので私は適当に笑顔でごまかしていた。

「そうだユカ、その辺でお茶でも飲まないか?」
「お茶…ですか?」
「あぁ、そこの喫茶店はこの辺りでは有名なんだろう?」
「…はぃ、確かに有名ですけど…」

この時、私の頭に一つの事が思い浮かんだ。それは………誘拐。
もしや私はお茶に混ぜられた薬で眠らされ、その後身代金を……
そう言えば、前にカナちゃんも誘拐には気をつけろって言ってたっけ。
私は何としても断って逃げ出すために、理由を一生懸命考えた…。

「あの……えっと…カナちゃんが知らない人に付いて行っちゃダメって……」
「ユカは甘いものは好きか?」
「あの…私の話聞いていますか?」
「バニラアイスと季節のフルーツ盛り合わせジャンボプリンパフェ……これなんてどうだ?」
「…えっ?!」

私は思わずその言葉に反応してしまった。
学校からの帰り道…この喫茶店の前を通るたびに、いつも気になっていたパフェ…
値段が1500円もする物だから、小学生の私には縁のない物と諦めていた一品だ。



気がつくと私は手を引かれ喫茶店の中にいた。
まぁ、ハルカちゃんの友達も『悪い人じゃない』って言ってたし大丈夫だよね!

「ユカは特に好きな物等はあるのか?」
「えーっと…イチゴ! 私イチゴ大好きです!!」
「そうか、実に女の子らしくて良い。」
「えへへっ…私女の子らしいなんて言われたの初めてかも。」
「そうなのか? ユカの学校の男は見る目が無いのだな。」
「…ですよねっ!」

なんだか最初は変な人かと思ったけど、そんな事は無いみたいだ。
少し個性はあるけど、背は高いし…それに良く見ると……顔もかっこ良い!
私の事ユカって呼ぶのなんて、お父さんとお母さん以外で初めてだし……
……なんだか二人で喫茶店なんてデートみたいでドキドキしてきた。

そんな事を考えていると、店員さんが私たちの席へやってきた。

「ご注文の方はお決まりでしょうか?」
「あぁ、ホットコーヒーと、このパフェを一つ。」
「かしこまりました。」
「それと、このパフェにイチゴをたくさん入れてくれ。代金は別途で払おう。」
「あの、お客様…その様な事は当店では……」
「なるほど、よかろう…ならば少し厨房をかりるぞ。」
「…え?! お客様、困ります! …お客様ー!!」

店員に止められたにも関わらず、あの人は厨房へ入って行ってしまった。
何やら厨房が慌ただしい…そりゃ一般人が入れば当たり前だ。
…しかし10分程すると静まり返り、最後には拍手まで起きていた。

厨房から出てきたあの人の手には、イチゴが沢山入った凄いパフェがあった。
なんて言うか…盛り付けがとても綺麗で、食べてしまうのが勿体ないくらいだ…。
…それと、何故かシャツのボタンがすべて外れていた…。

「あの…これ自分で作ったんですか?」
「あぁ、待たせて悪かったな。名づけて…バニラ苺プリンパフェ、ユカスペシャルだ! ハッハッハッ。」
「……凄い…きれい…!」
「どうしたユカ、遠慮しないでどんどん食べるんだ。」

私はそう言われパフェを食べ始めた。
プリンも美味しいし、イチゴも美味しい…イチゴにアイスを付けても……とにかく幸せだった。
…しかしそんな私にある異変が起きた……マコト君にいっぱい触られた所が少し痛い…。
普段触らない所をずっと触られてたからかな…私は硬い椅子の上でモゾモゾしながらパフェを食べていた。

「…ん?どうかしたのかユカ?」

私はその言葉に慌てて良い訳を考えた。

「えっと…その、家で転んでお尻をぶつけちゃって椅子が硬いから少し痛いかなーって…アハハ、私ドジだから…」
「なんだ、そんな事なら早く言えば良いものを…」

そう言うとあの人は席を立ち、私を持ち上げ膝に座らした。

「どうだ、少しは痛いのはマシか?
「……はぃ。…えっと…ありがとうございます…。」
「気にする事は無い。さぁ、遠慮せずどんどん食べると良い。うむ、子供はそうあるべきだ!」

周りの人が少し笑いながらこちらを見ている…ちょっと恥ずかしいな……
でも、これって千秋がカナちゃんのお友達と、いつも家でしてるのと同じだし…気にする事無いか!

そう思って再び食べ始めた私だったが、さすがに一人で食べるのは申し訳なくなってきた。

「あの…よかったら一緒に食べますか? 美味しいですよ!」
「そうか…ならば、せっかくだし…少しいただくとするか。」
「はぃ!」

私はスプーンでアイスとイチゴの混ざった、一番おいしい所をすくい、あの人の口へ運んだ。

「…うむ、さすがに時間が無かったから、まぁまぁと言ったところか…」
「…そうなんですか? 私からすれば凄く美味しいですけど…?」
「ユカは本当にパフェが好きなんだな。…よし、ならば今度はもっと美味しいパフェを作ってやろう!」
「本当ですか? 約束ですよ!」
「ハッハッハ! よし、任せておけ!!」

そんな事を言いながら、私はパフェの続きを食べ始めた。
…モグモグ…やっぱり美味しい! ……って、良く考えたらこれって間接キス…なのかな?
私はそんな事を考えて、一人スプーンを咥えたまま赤くなっていた。

その後、会計を済ませ私たちはお店を出た。



「あの、今日は御馳走様でした!」
「こちらこそ付き合わせて悪かったな。…階段があるから足元気をつけるんだぞ。」
「はぃ! 大丈………わわっ!!…イテテッ……」
「…大丈夫か?」

ちゃんと階段は降りたつもりだったのに、まだ足にしっかり力が入らなかったらしい。
階段の上から落ちた私は、下にいたあの人にキャッチされた。
服のボタンが外れていたので、私の顔はあの人の素肌にぴったりひっついてしまった。
なんと言うか、あの人の胸に飛び込んでしまった感じだ…。私は慌ててそこから離れた。

「あ、あ、あの…ご、ごめんなさい! …その、私足に力が入らなくて……」
「…なんだ、捻挫でもしているのか?」
「えーっと……はぃ、そうです!」

本当のことなんて恥ずかしくて言えるわけ無かった…。
すると、あの人は私を軽々と持ち上げ抱きかかえた。…あれ…これは……

「足が痛いのなら、このまま抱いて家まで送ろう。」
「…あ…あっ……!」
「ん、どうした?」
「…お……お姫様抱っこだ!!」

私は思わず顔を真っ赤にして、意味不明な事を叫んでしまった。
まさか今年の目標が12月31日に叶うなんて……この人は私の王子様だ…!
私は家までの数分間ギュッと抱きつき、気がつくとあの人の顔をずっと見つめていた。
周りの人には、私の目がハートマークに見えていたかもしれない…それほど見つめていた。

家に到着すると、私は渋々首に回した手を離しあの人から降りた。

「ここがユカの家か…。」
「はぃ!あの…今日はありがとうございました!」
「あぁ、家族にもよろしくな。」
「…あの……少ししゃがんでもらえますか?」
「ん? なんだ?」
「えっと…あの、これは今日のお礼です! ……んっ…。」

私はそう言って、思い切ってあの人のほっぺにキスをした。

「ハッハッハ、やはりユカは可愛いな。…ならばオレはお返しに、今度は凄い料理を作ってやろう!」
「あっ、言いましたね! 絶対ですよ! それじゃあ…さようなら!」

私はそう言って家へ入った。
次にあの人に会えるのはいつだろうか…料理よりも会えることが楽しみだった…。
そして、私も凄い料理が出た時には…もちろん今日以上のお返しをするつもりだ…♪
来年の目標は…あの人と……エヘヘッ…なんだか今日の私少しエッチかな…

そんな事を考えていると、つい気分が浮かれて誰かに今日の事を離したくなった。

「そうだ、千秋に今日の事を話そう!」

そう思い、私は千秋の家に電話をかけた。

チアキ×藤岡編の続きへ~


次へ

名前:
コメント:


ウィキ募集バナー