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保存時暗号化


ディスクやデータベース、バックアップなどに保存されているデータを暗号化することです(英語では encryption at rest)。

何から守るか

主に、保存媒体そのものが他人の手に渡る場面から守ります。
  • ノートPC・スマートフォン・USB メモリの紛失や盗難
  • 廃棄・返却した機器からのデータの読み出し
  • バックアップ媒体やクラウドのストレージの持ち出し
米国国立標準技術研究所の NIST SP 800-111(2007年11月)は、端末に保存された情報が、許可されていない人に読まれるおそれへの対策として、ストレージ暗号化を整理しています。

守れないもの(解説)

保存時暗号化は、動いているシステムが正規の手順でデータを読むときには、自動で復号します。そのため、次の場合には効きません。
  • 正規のアカウントが乗っ取られ、そのアカウントでデータを読まれる
  • 動作中のサーバに入り込まれ、アプリケーション経由でデータを抜かれる
  • 暗号鍵が、暗号化したデータと同じ場所に置かれている(鍵管理)
「暗号化しているから安全」とは言えず、アクセス制御や監視と組み合わせて初めて意味を持ちます。

種類

NIST SP 800-111 は、端末向けのストレージ暗号化を3種類に分けています。
種類 範囲
フルディスク暗号化 ディスク全体。OS も含めて暗号化する
ボリューム・仮想ディスクの暗号化 特定の領域や、ファイルとして作った仮想ディスク
ファイル・フォルダの暗号化 個々のファイルやフォルダ
どれを選ぶかは、ストレージの種類、守る情報の量、保存する環境、防ぎたい脅威で決まるとしています。

法令との関係

日本の個人情報保護法では、漏えい等が起きた(またはそのおそれがある)個人データについて、「高度な暗号化その他の個人の権利利益を保護するために必要な措置」が講じられている場合には、個人情報保護委員会への報告を要しないとされています。
  • 委員会の Q&A(6-19)によれば、当たるためには、その時点の技術水準に照らして第三者が読めない状態にする暗号化を講じ(例:電子政府推奨暗号リストや ISO/IEC 18033 に載った暗号技術を適切に実装)、さらに、読める状態にする手段を適切に管理している必要があります。後者は、①暗号化した情報と復号鍵を分け、鍵の漏えいを防ぐ、②遠隔で情報や鍵を削除できる、③第三者が復号鍵を使えない設計にする、のいずれかを満たすこととされています(鍵管理)
  • 金融分野では、この措置が講じられていても、各業法に基づく報告は別に必要とされています
  • 2026年7月17日に個人情報保護法の改正法が公布されました。施行日は未定で(公布から2年以内に政令で定める日)、個人情報保護委員会が政令・規則・ガイドラインを整備しています。本人への通知を、本人の権利利益が害されるおそれが少ない場合に緩和する方向と解説されています。施行後は、ここに書いた報告・通知の決まりが変わりうるので、委員会の案内で確かめてください

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出典

確認日:2026年10月14日
最終更新:2026年10月15日 09:54