強制アクセス制御
アクセスの規則を、システムが全体に一律に強制し、情報を受け取った人(主体)が自分の判断で、許されていない相手に渡したり、規則を変えたりできないようにする方式です(英語では mandatory access control。MAC と略す)。
任意アクセス制御と対になる考え方です。
定義
NIST SP 800-53 Rev. 5 の管理策 AC-3(3) は、強制アクセス制御の方針を、次のように説明しています(要約)。ここで「主体」はアクセスする人やプログラム、「対象」(客体)はアクセスされるファイルなどです。
- 対象となる主体と対象の全体に、一律に強制される
- 情報へのアクセスを認められた主体であっても、次のことはできない
- その情報を、許されていない主体や対象に渡す
- 自分の権限を、ほかの主体に与える
- 主体・対象・システムのセキュリティの属性(方針が決めるもの。例えば機密の区分のラベル)を変える
- 新しく作った、または変えた対象に付ける、セキュリティの属性を選ぶ
- アクセス制御の規則を変える
- ただし、組織が決めた主体には、これらの制約の一部または全部を外す権限を明示的に与えられる
同じ解説は、強制アクセス制御を「非任意(nondiscretionary)アクセス制御」の一種としています。
代表的な方針
SP 800-53 Rev. 5 は、強制アクセス制御の方針の例として、情報の
機密性を守る Bell-LaPadula の方針と、情報の
完全性を守る Biba の方針を挙げています(詳しくは
セキュリティモデル)。
任意アクセス制御との違い
| 方式 |
情報を受け取った主体は |
| 強制アクセス制御 |
許されていない主体や対象には渡せない。権限を与えたり、規則を変えたりもできない(システムが強制する) |
| 任意アクセス制御 |
ほかの主体や対象に渡せる、権限を与えられる(主体の裁量) |
SP 800-53 Rev. 5 は、両者を組み合わせて使えるとし、そのときは強制アクセス制御が優先するとしています。例えば、強制アクセス制御が、異なる影響度や区分の主体への受け渡しを禁じていても、任意アクセス制御のもとで、同じ影響度や区分の主体には渡せる、と説明しています。
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出典
確認日:2026年10月17日
最終更新:2026年10月17日 17:54