聖槍院 九鈴幕間その4

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dangerousss3

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猥褻がいっさいないトング伝説温泉・前編

雪山の戦いに敗れた高島平四葉は、魔人医師・王大人の治療によって奇跡的に命を取り留めた。
そして、佐倉光素によって半ば強制的に温泉旅館へ転送された。
「これから色々大変だと思うけど、ひとまず温泉でゆっくり回復してね!(光素)」

確かに一度死んでるのでとても疲れたし、湯に浸かりながら世界征服計画の修正案を練ろう露天風呂に行くとそこにいた。
岩風呂の中で何やら不気味なチャントを呟いている先客は聖槍院九鈴だ。
「タカシマダイラ……!『清掃婦は大いなるナイルよりトングを授かり、それを掲げ祈りを捧げた(イムホテプ17:31)』」
四葉を見据えトングを構える九鈴。
「湯船にトングを入れていいのかしら? またノシイカにされたくないなら、しまって欲しいな!」
戦闘態勢をとる四葉。一糸纏わぬ一触即発!

「これはいいのよ。お風呂用トングだから。見ててごらん。『その水面には憤怒、病、嫉妬、あらゆる醜いものが浮かんでいた(タハルカ2:17)』」
表情を和らげた九鈴は、水面を撫でるようにトングを滑らせた。
言われて見れば、樹脂製であまり怖くない感じのトングだ。
湯面に浮かぶ垢や髪の毛などがトングの先へ次々に吸着されてゆく!
九鈴の能力『タフグリップ』による異物捕獲だ。
「うわ、すごい。てゆーか意外と温泉ってきたない?」
「こんなものです。人は、ただ生きてるだけでその身からゴミを撒き散らす……。『獣は硫黄の息を吐きつつ地に満ち、やがて掃除されるだろう(アマルナ書3-45)』」
「ふーん」

「さらに、こちらは! じゃーん! なんとツボ押し器になってます!『私は挟む。私は癒やす(セクメト神の碑文)』」
お風呂用トングの柄を肩に押し当て、機能をアッピールする九鈴。
感心する四葉。
「そうだ、いまから! 四葉ちゃんをマッサージしてあげる! 私、トング道整体師の資格もってるからすごく効くよ!『あなたの心と体にもトングを用い、常に清浄に保ちなさい(ワセト14:51)』」
まったくしぜんで猥褻な意図が一切かんじられないていあんです!
キャラのブレもナントカ許容範囲内ですね!

(後編に続く)








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