内亜柄影法幕間その1

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dangerousss3

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内亜柄影法~エピローグ~

「よう。元気か」

これが元気に見えるか。

…と言いたい気持ちを飲み込んで起き上がる。

「アンタは元気そうだなァ、雨竜院の旦那…と、偽原の旦那か」
「そうでもねぇよ。『救済』期間中の誰かさんにさんざこき使われたからな」
「フ、そう言うな。楽しんでいただろう、お前も」

あの死人みてーだった偽原の旦那が冗談を言うなんてな。
まるでファントムの呪いがかかる前に戻ったみてーだ。
(検事ってのは警察の関係者だからな、顔を合わせたこともある)

…これも、チャラ男とやらのお陰かねぇ。

「しかし内亜柄よ。4階から飛び降りて気絶だけで済んだとは見なおしたぞ」
「…いや。さすがにあそこから飛び降りて無傷というわけには行かんだろう。何かしらの能力だな」

心当たりは…そうだな。「慣性の法則を無視してゆっくり人を降ろせる」奴がいたな。

「じきこの戦争も終わる。黄樺地の能力の残滓で明日には平和な日常が戻るだろう」
「お前、どうする?今なら俺たちの口利きでまた検事に復帰できるかもしれねえぜ」
「そいつァありがてえ話だ。だが…」

今まで、俺は魔人共はみんながみんなロクでもねぇ奴だと思っていた。
中にはそりゃあロクでもない奴もいる。
でもいいやつも悪い奴も、みんな頑張って生きてるんだ。
そんな当たり前のことを、こいつらの戦いを見て思い出したんだ。

「検事はちょっとお休みだ。これからはこんな感じで…ヨロシク!」

『あいさつ』の言葉が『武器』になる。
その『武器』を二人に投げつけ…

「ッと、…何だァ?」
「フフフ、お前らしいといえばお前らしい。応援させてもらうぞ」

その『武器』―商売人にとって『名刺』は立派な『武器』だ―にはこう書かれている。


『内亜柄魔人相談事務所
 所長・内亜柄影法』



「おいッ!いつまでゴロゴロしてやがる!とっとと調査に行きやがれ!」
「ん~、もうちょっと、もう1時間だけ~」
「アホか!そんな待たされたらターゲットも証拠隠滅して高飛びするわ!いいから起きろグータラ娘!」
「所長!例の件、嗅ぎつけたぜ!すぐにでも行けるぞ!」
「さッすが鎌瀬、どこかのニセ探偵とは違うなッ!オラ行くぞ駒音!」
「そ~んなに急がなくても大丈夫だってば~。もうそこには伏線張ってあるから~」
「良しッ!仕事してるならしてるって言え!クソ優秀だなお前ら!」

~内亜柄なんでも事務所~

鎌瀬戌の協力により自宅跡地の地下深くに埋められていた隠し金庫を発掘した内亜柄は、
その金を使い、発掘作業を手伝ってくれた鎌瀬とそのへんにいたこまねを半ば強引に雇用、
魔人能力による困り事や相談などを解決する相談事務所を設立したのであった。

「そういえば、夜魔口さんとこにカチコミにきた奴がどうこうって依頼はどうしたのさ?」
「あァ、ああいう荒事は山田のとこに仕事を回した」
「まぁね~、私達よりあちらさんのが向いてるよね~」

こんな感じでバタバタしているが、あのトーナメントの参加者からの依頼がちょくちょく入ってくるから
まあそれなりに忙しくはある。(たまに依頼料を踏み倒されそうになったりするけどな!)

いいやつがいて、悪い奴がいる。そんな世界で、今日も俺たちは生きていくんだ。

「せか~、ウィ~、ヘェイ、ワァ~…ってかァ?」
「なぁにそれ~?」
「なんだかわかんないけど、懐かしい響きだな!」
「おう、俺たちみんなの『トモダチ』の最強の『言葉(ぶき)』だぜ!」

~to be continued~