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クロス第46話

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匿名ユーザー

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四十人で始まったこのバトルロワイアルも、生存者はあとわずか。
そのわずかな生き残りであるアカギと6/は、今まさにぶつかり合おうとしていた。

「よくも……。よくもみなみをぉぉぉぉぉ!!」

先手を取ったのは、恋人を殺され怒りに燃える6/。彼は鉄パイプを手にして、アカギに突撃する。

(銃を持っている相手に、正面から特攻とは……。話にならない……。どうしようもない悪手……!)

嘲りの感情を抱きながら、アカギはサブマシンガンを構える。
だがその直後、6/の動きが変化する。まっすぐアカギに突き進むのではなく、左右への動きを加えてきたのだ。

(なるほど、そこまでバカではないか……。だが、たいした意味はない。
 サブマシンガンは、その連射性こそが最大の長所。広範囲に弾をばらまけばいいだけのこと)

アカギは左右にサブマシンガンを動かしながら、銃弾を発射していく。
最初のうちはなんとか被弾を逃れていた6/だったが、それが長く続くはずもなく脚に銃弾を受けてしまう。

(さすがに銃を動かしながらの射撃となると、狙ったところに弾を撃ち込むのは難しいか……。
 まあいい。動きが鈍ったところを今度こそ確実に……)

次の手に思考を巡らすアカギだったが、それは途中で強制的に中断させられる。
6/がバランスを崩しながらも、鉄パイプを投げつけてきたのだ。
アカギはとっさに、サブマシンガンを盾にして鉄パイプを受け止める。
結果としてアカギ自身は無傷で済んだものの、サブマシンガンは銃身が歪んでしまった。
銃身が歪んでしまった銃など、暴発が怖くて使えたものではない。
仕方なく、アカギはサブマシンガンを6/に投げつける。
だがそれなりに重量のあるサブマシンガンを投擲したところで、たいした速度は出ない。
サブマシンガンはあっけなく、6/が新たに取り出した金属バットで叩き落とされる。しかしアカギの方も、それは想定の範囲内。
6/がサブマシンガンに気を取られている間に、アカギはポケットからつかさが持っていた拳銃を取り出した。
そして、発砲。だが銃弾は、6/の頬をかすめるに止まる。

「うらああああ!!」

銃弾にも怯まず、6/はさらに突進。アカギを間合いに収め、金属バットを振るう。
身を翻し直撃は避けたアカギだが、バットの先端が彼の腕をかすめる。

「ちっ……!」

久々に感じる痛覚に思わず舌打ちしつつ、アカギは腰に下げていた警棒で反撃に出る。
バットを振り抜き隙だらけになった6/の顔面に、まともにアカギの一撃が入る。
たまらず怯んだ6/に、さらにアカギの膝蹴りがヒット。倒れ込んだ6/に、アカギが馬乗りになる。

「終わりだ」

6/の眉間に照準を合わせ、アカギが拳銃の引き金を引こうとする。
だがそれよりも早く、6/の投げたクルミがアカギの顎を直撃した。

「ぐっ……」

思わぬ反撃を受け、アカギの体がのけぞる。隙だらけになったその胴に、6/の拳が突き刺さる。
たまらず倒れ込むアカギ。今度は逆に、6/がアカギの体に馬乗りになる。

「立場逆転だなあ、おい!」

目をぎらつかせながら、6/はアカギの顔面に拳を叩きつける。一度ではなく、何度も何度も。
殴られ続けながらも、アカギはズボンの右ポケットに手を伸ばす。
だがその手は、6/の脚に押さえつけられてしまった。

「おっと、そう何度も新しい武器を取り出されてたまるかよ」

余裕の表情すら見せる6/。だがその余裕は、すぐに反対側の脚を襲った激痛に打ち消されてしまう。

「残念……。そっちはブラフさ……」

6/の脚に左手でナイフを突き立てながら、アカギはボロボロになった顔に笑みを貼り付ける。
さらに彼は、ふいの痛みで脱力した6/をはねのけ三度体勢を逆転させた。

「今度こそ終わりだ」

再度の反撃を許さぬよう、アカギは可能な限りの速さで6/の額目がけてナイフを振り下ろす。
だがそのナイフは、「何か」によって横に弾かれた。

「なにっ!」

予想外の、その上不可解な現象を目の当たりにして、アカギの顔に動揺が走る。
そんな彼の顔に、6/はアカギが落とした拳銃を拾い上げて突きつけた。

「ああ、終わりだ。てめえがな」

銃声が響き、アカギの額に風穴が開けられる。

(ここまで来て、この程度の凡夫に負けるか……。まあ、それも悪くない……)

散りゆくアカギの口元には、わずかながら笑みが浮かんでいた。


「はあ……はあ……」

6/は、しばらく自分が殺したアカギの死体を見下ろしていた。
やがて彼は気が済んだように視線を外すと、近くに転がっていたみなみの亡骸に歩み寄る。

「ごめんな、みなみ。守ってやれなくて……。でも、仇は討ったから」

すでに物言わぬみなみに向かって、6/は優しい声で語りかける。そして、銃を自分のこめかみに当てた。

「俺も、そっちに行くよ。お前がいないんじゃ、生きててもしょうがないからな」

今一度、銃声が響く。6/の体は、みなみに覆い被さるようにして倒れた。


◇ ◇ ◇


「うーん……。無差別攻撃男よりは復讐鬼の方が与しやすいかと思って助けたけど……。
 まさか自殺するとは。さすがにそこまでは考えてなかったわ」

全てが終わり、姿を現すのは傍観者。八雲紫は、屍の山の中に一人佇む。

「さて、これからどうすればいいのかしらね……。ここまで来ると、生き残りも少ないだろうし……」

紫の独り言を遮るように、突如彼女の携帯電話が振動を始める。
怪訝に思いながらも、紫は届いたメールを開いた。

『今回のプログラムは、貴君の優勝を持って終了した。
 以下に指定する場所に、可能な限り速やかに来られたし』

メールにはその文章と、地図の一点に赤い丸が付けられた画像データが載せられていた。

「え、優勝? ということは、マリオとかユーゼスももう死んでたのね……。
 しかし、優勝と言われても……。充実感とかそういうものがまったく湧いてこないわね……。
 まあいいわ、さっさと行きましょう」

指定された場所に向かうべく、その場をあとにする紫。
だがその途中、彼女は一度だけ足を止め、クラスメイトたちの屍へ向き直る。

(あなた達は恨むかしら。自分の手を汚さず、ただひたすら危険を避けるだけで生き延びた私を……。
 けど、私は恥じないわ。これが私の選んだやり方。そしてそのやり方で、私は勝利をつかんだ。
 それは動かしようのない事実なのよ。それじゃあ、さよなら)

心の中で級友たちに別れを告げ、紫は今度こそその場から立ち去った。

【2番 赤木しげる 死亡】
【40番 6/ 死亡】


【プログラム終了】
【優勝者 36番 八雲紫】



【36番 八雲紫】

Former

Next




【2番 赤木しげる】

Former

Next

死亡



【40番 6/】

Former

Next

死亡

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