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クロス第40話

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匿名ユーザー

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主催本部。東方不敗は己の席にどっしりと腰掛け、部下の報告を待っていた。

「司令、死亡者発表の準備、整いました。あとは時間になれば、すぐに現在生存している参加者全員にメールを送信できます」
「うむ、そうか」

やがて届いた報告に、東方不敗は静かにうなずく。

「しかし、意外でした。あの長門有希が、ノルマを達成できずに死亡とは……」
「優秀なエージェントといっても、所詮はまだ子どもという事よ。まあ、今回は不運も重なったようだがな」
「そういうものなのですか……」

自らが振った話題について返ってきた答えに、兵士は釈然としないといった態度を見せた。

「そんなことより、首輪爆破装置の修理は終わったのか?」
「はっ、そのことなのですが……。申し上げにくいのですが、かなり難航しております。
 何せ回線の不調は想定していても、物理的に破壊されることは考えておりませんでしたので……。
 その、事前の準備が……」
「そうか、わかった」

あからさまに言いづらそうな部下の報告を、東方不敗は途中で遮る。

「それでも最善を尽くすよう、技術班に言っておけ。今回のプログラムは乗り気でない参加者が多いからな。
 切り札は確保しておく必要がある」
「はっ! 了解しました!」

敬礼をすると、部下はその場を去っていく。それを見届けると、東方不敗は小さく溜め息を漏らした。

(ユーゼス・ゴッツォ……。あ奴は首輪の解除に王手をかけておる。自然なプログラムの流れで死んでくれればよいが……。
 そうならなかった場合に備え、いつでもこちらから殺せるようにしておかねばならない。
 だというのに……。
 ええい! 返す返すも忌まわしきは風見志郎よ! あの男がここに乗りこんでこなければこんな事には!)

東方不敗は今一度、今度は強い苛立ちを込めて溜め息をついた。


◇ ◇ ◇


開始12時間までの死者

01 相羽シンヤ
03 朝倉涼子
06 泉こなた
09 桂ヒナギク
10 門倉雄大
12 キョン
16 城茂
17 涼宮ハルヒ
21 滝和也
23 チンク
25 長門有希
39 ルイージ

以上12名


(前の発表までの死者と合わせると、これで死んだのは30人……。たった半日でクラスメイトが1/4か……。実感湧かないわねえ……)

木の上でメールの内容を確認しながら、紫は心の内でひとりごちる。

(まあ、死人が出るのが早ければ早いほど、私には有利……ってことになるのかしら?)

このプログラムの中で、彼女が選んだ行動方針は「傍観」。
ただひたすらに他者との接触を避け、逃げ回る。そして残り人数が少なくなってきたところで、初めて積極的に動き出す。
それは理論だけなら、もっとも合理的で確実な生存への近道だ。
しかし実際には、そう都合よく自分だけが他者との接触を避けられるわけがない。そのはずなのだ。
だというのに、この八雲紫という参加者は見事なまでに他の参加者の目を逃れ続けていた。
それは彼女が自分に出来ることと出来ないことを正確に判断し、慎重な行動を重ねてきた結果だろう。
むろん、運に恵まれたというのも理由の一つである。

(何はともあれ、あと10人。もう少し人数が減るのを待とうかしら)

意味深な笑みを浮かべると、紫は木から飛び降りる。そして、いずこかへと去っていった。


【36番 八雲紫】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】不明
【能力】知力:S 体力:C 少女臭:A



【36番 八雲紫】

Former

Next



【東方不敗】

Former

Next


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