赤い彗星の如し ◆fRBHCfnGJI
この、殺し合いの舞台を高度から見下ろす者が一人いた。
A-3にある海を臨める森林にある一際高い樹、そこがこの殺し合いへと招かれ彼が最初に向かった場所であった。
別に、彼にとって殺し合いに招かれたかどうか等は関係は無かった。
彼にとっては、生きることそれこそが人間との殺し合いであり、ただ、彼はいつも通りに人間を殺せば良かったのだ。
樹の上で、何人もの人間の眼球を抉ってきたご自慢の嘴を尖らせる彼の名はキメラと言った。
A-3にある海を臨める森林にある一際高い樹、そこがこの殺し合いへと招かれ彼が最初に向かった場所であった。
別に、彼にとって殺し合いに招かれたかどうか等は関係は無かった。
彼にとっては、生きることそれこそが人間との殺し合いであり、ただ、彼はいつも通りに人間を殺せば良かったのだ。
樹の上で、何人もの人間の眼球を抉ってきたご自慢の嘴を尖らせる彼の名はキメラと言った。
しばらくして、周囲に目を鋭く光らせていた彼の目に飛び込んできたのは少年だった。
赤い帽子に赤い服、彼の故郷では見慣れない風貌だったがそんなことは殺しには一切関係ない。
彼の目を狙い、嘴を尖らせ、突き抜ける。
今回もいつも通りのステップで気づかれるまもなく仕留めるつもりだった。
赤い帽子に赤い服、彼の故郷では見慣れない風貌だったがそんなことは殺しには一切関係ない。
彼の目を狙い、嘴を尖らせ、突き抜ける。
今回もいつも通りのステップで気づかれるまもなく仕留めるつもりだった。
だと言うのにソレは運命の悪戯と言うべきだったのだろうか、
赤い少年の視線もまた、彼を捉えていた。
赤い少年の視線もまた、彼を捉えていた。
…………
両者の間には、沈黙だけがあった。
速攻で仕留める、そう決めていた彼は何故か動くことが出来なかった。
速攻で仕留める、そう決めていた彼は何故か動くことが出来なかった。
彼は、少年のその目が何故か異常に恐ろしいものに感じられていた。
言うならば、そう、彼の王が持つ支配者の目。
何故、人間がその様な恐ろしい目を持つことが出来るのか?
いや、目などは戦闘に関係ない、さっさと仕留めてしまえば良い。
彼の理性が呟くも、本能はそれを許さなかった。
言うならば、そう、彼の王が持つ支配者の目。
何故、人間がその様な恐ろしい目を持つことが出来るのか?
いや、目などは戦闘に関係ない、さっさと仕留めてしまえば良い。
彼の理性が呟くも、本能はそれを許さなかった。
そして数秒。
何故、動くことが出来なかったのか。
その理由を彼はソレが恐怖によるものだと身を持って知ることになった。
その理由を彼はソレが恐怖によるものだと身を持って知ることになった。
ズサッ
唐突に何かが突き刺さる微かな音が彼の耳へと届いた。
何処からか?彼の腹部からだ。
まったくの気配も無かった
まったくの予兆も無かった
彼が体の痛みに気づいた時、
彼の肉体は死を迎えていた。
彼の肉体は死を迎えていた。
【キメラ@ドラゴンクエスト1 死亡】
◆◆◆
レッド 11歳 冬
己の育成と捕獲に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は
感謝であった
自分自身を育ててくれたポケモンへの限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが
己の育成と捕獲に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は
感謝であった
自分自身を育ててくれたポケモンへの限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが
一日一万回 感謝のモンスターボール投擲!!
気を整え 拝み 祈り 構えて 投げる
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万回投げ終えるまでに初日は18時間以上を費やした
投げ終えればカビゴンの様に寝る
起きてはまた投げるを繰り返す日々
気を整え 拝み 祈り 構えて 投げる
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万回投げ終えるまでに初日は18時間以上を費やした
投げ終えればカビゴンの様に寝る
起きてはまた投げるを繰り返す日々
2年が過ぎた頃 異変に気付く
一万回投げ終えても 日が暮れていない
齢14を越えて 完全に羽化する
感謝のモンスターボール投擲 1時間を切る!!
かわりに タマゴを厳選する時間が増えた
一万回投げ終えても 日が暮れていない
齢14を越えて 完全に羽化する
感謝のモンスターボール投擲 1時間を切る!!
かわりに タマゴを厳選する時間が増えた
シロガネ山を下りた時 レッドの投擲は
音を置き去りにした
音を置き去りにした
サファリパークに立てば 投石でポケモンを瀕死に追い込むことが出来た
双子島に立てば 五体満足であるフリーザー(初代仕様)にモンスターボールを命中させることが出来た
最早 彼にとってモンスターボールとは マスターボールと同義語であった
双子島に立てば 五体満足であるフリーザー(初代仕様)にモンスターボールを命中させることが出来た
最早 彼にとってモンスターボールとは マスターボールと同義語であった
まぁ、そんな感じで
怪 物 が 誕 生 し て い た
◆◆◆
「…………」
無言のまま、レッドは地面へと落ちたキメラの死体から投げつけた毒針とキメラのデイパックを回収し、
見たことも無いポケモンへの一瞬の黙祷を捧げると彼は何処かへと走り出した。
無言のまま、レッドは地面へと落ちたキメラの死体から投げつけた毒針とキメラのデイパックを回収し、
見たことも無いポケモンへの一瞬の黙祷を捧げると彼は何処かへと走り出した。
彼は本来ならば、ほんの少し廃人でちょっと修行のために山にこもる程度の普通な少年であった。
だが、この殺し合いに招かれ目の前で人が死んだと言う事実が、表面張力限界の彼の心に、余計な雫を落とした。
だが、この殺し合いに招かれ目の前で人が死んだと言う事実が、表面張力限界の彼の心に、余計な雫を落とした。
彼は恐れていた、自分の理解の範疇に及ばない異常なる状態にあるということに、
一歩、間違えれば自分の命が消える世界に身を置いているということに、
そして、今まで彼が一?獅ノ歩んできた仲間達が消え失せているということに。
一歩、間違えれば自分の命が消える世界に身を置いているということに、
そして、今まで彼が一?獅ノ歩んできた仲間達が消え失せているということに。
ただただ、生まれたての赤子の様に泣き出したかった、涙で現実をぼやかしてしまいたかった。
だが、今手元に居ない仲間たちの存在が彼を奮い立たせた。
そうだ、僕が居なくなっては仲間はどうなる。
その思いが彼の脚を立たせる力となった。
もう一度、仲間と会うんだ。
その思いが彼に武器を握らせる力となった。
彼はただただ走る、仲間と再び再開するため。
例え、その手段が他者の皆殺しであったとしても。
【A-3 森林 一日目 日中】
【レッド@ポケットモンスター金銀】
[状態]:健康
[装備]:毒針@DRAGON QUEST3
[道具]:支給品一式*2、不明支給品1~5
[思考]
基本:優勝し、仲間と再会する。
1:何処かへと走る。
[状態]:健康
[装備]:毒針@DRAGON QUEST3
[道具]:支給品一式*2、不明支給品1~5
[思考]
基本:優勝し、仲間と再会する。
1:何処かへと走る。
【参加可能者 残り13人+α】
019:LIFE A LIFE | 投下順 | 021:ずっとずっと、主と一緒。ずっとずっと、壊れるまで。 |
019:LIFE A LIFE | 時系列順 | 021:ずっとずっと、主と一緒。ずっとずっと、壊れるまで。 |
初登場! | レッド | 032:赤の怪物、黒の超人 |