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赤の怪物、黒の超人

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赤の怪物、黒の超人 ◆uOve0/ks1k


戦闘員は、改造人間である。
人間の十倍の戦闘能力とショッカーに全てを捧げる忠誠心。
そして、ショッカー以外をゴミのように扱う冷酷な心。
例え仮面ライダーを目の当たりにしようと恐れずに、無謀と言い換えることの出来る蛮勇で襲いかかる戦闘員だ。


その戦闘員は今、何が起こっているのかが分からなかった。


目の前にいるのは普通の少年。
まだ十五も超えていないだろう。
少年はどこかガッチリとした体格をしている。
腕周りや太股、首筋などは同年代から比べると段違いだ。
とは言え、まだ筋肉はつききってなくまだまだ伸び代を感じさせる肉体だ。

だが、その程度。
所詮は普通の人間、改造された超人類であるショッカー戦闘員では象と蟻ほどの力量の差がある。

なのに、なのに。
ショッカー戦闘員は決して少年から目を離せなかった。
まるで仮面ライダーを相手にしているような、そんな心地よい緊張感すら抱いている。

「……」
「……」

戦闘員も少年も一言も口にしない。
バイクのエンジンを吹かす。
戦闘員が乗るバイクは改造サイクロン号。
彼らショッカーの宿敵、仮面ライダーが乗るべきハイパーマシン。
だが、今はこの名もなきショッカー戦闘員が乗っている。
普通の関係であるならば、戦闘員は興奮と敵意の入り交じったを現わにしていただろう。
そう、戦闘員が脳改造手術を行われていなければ。
戦闘員は興奮などしない、ただいいアイテムを引き当てたと冷静に思う程度だ。
そのハイパーマシンに跨って戦闘員は西へと海をなぞりながら向かっていた。

そこで、この目の前の少年と出会ったのだ。
直ぐ北には海が見える。
戦っている最中に落ちてしまうかもしれないほどの近さだ。

戦闘員は僅かに考える。
この後、どうなる。
少年が持つのは数本の針だけ。
戦闘員が持つのはミスリルナイフと宿敵仮面ライダーのサイクロン号。
負ける要素が見当たらない。
だというのに、戦闘員はアクセルを回すことが出来ない。

「イーッ!!」

戦闘員は迷った後に、アクセルを蒸す。
後はこれで突っ込むだけ。
サイクロンの超スピードならば簡単に死んでしまう。
改造人間と言えど無事ではすまないのだ。


少年が先に動く。
改造人間である戦闘員ですらそう思えただけだ。
そして、戦闘員の肩に衝撃が走る。
思わずハンドルから手を離しそうになるが、歯を食いしばり持ちこたえる。
なんだこれは、と戦闘員は驚愕する。

しかし、同時に少年も驚愕に満ちていた。
本気で投げつけた、目にも留まらぬ一投。
それで決まりのはずだった。
サイクロンから振り落とされた相手は重症を負う。
スピードを出せば出すほどカウンターとなるはずだったのだ。
そして、痛みに悶えているところにトドメを刺す。
必勝の策のはずだった、だのに相手は未だにサイクロンへと跨っている。


戦闘員は『勝った!』と確信した。
この距離で避けられるはずがない、勝ったのだと。
だが、少年の目は死んでいない。
今度は戦闘員にも分かるほどのスピードで振りかぶる。
手には指で四本の針を挟んでいる。
目はまるで人を射殺すかのように鋭い。
そして、まるで野球の投手が速球を投げ込むときのように足を大きく踏み出し。

「イーッ!!?」

やはり、投げる瞬間は戦闘員には追えなかった。
改造された戦闘員ですら追えない、神すら目で追えぬその投擲。
放たれた針は一本は戦闘員の肩に。
残りは何処だ!?と戦闘員が探そうとした瞬間、大きく身体が崩れ落ちる。
世界が傾く、いや、サイクロン号が傾く。
そして、その後に『パアアアアアアアアン!!!』という音が聞こえる。
音を置き去りにした、少年の投擲。
それはサイクロン号の前輪と後輪、そしてブレーキケーブルを打ち抜いたのだ。

『サイクロン号の前輪と後輪とブレーキケーブルを打ち抜いた。』

確かに跨る戦闘員は仮面ライダーと比べると基本スペックも技量も大きく下回るだろう。
だが、だがそれでもサイクロン号は仮面ライダーの愛機。
安々と壊されるものではない、壊されていいものではない。

それを少年は、たったの一投で破壊したのだ。

サイクロン号が海へと落ちる。
戦闘員もそれに習うように、海へと吹き飛ばされていく。

「イーッ!!!!!!」

ショッカー戦闘員は海に落ちながら、少年へと向かって叫んだ。
『貴様、何者だ!?』という叫び。
この年でこれほどの戦闘力を持っているとなると、確実にショッカーの壁となる。
しかし、少年にその意味が分かるわけがない、ただの叫び声としか少年は受け取らないだろう。
だが、少年は僅かに帽子の唾を下げながら。


「ポケモンマスター、レッド」


そう呟き、ショッカー戦闘員が落ちた海を背後に去っていった。


【一日目・午後/A-3 森林】
【レッド@ポケットモンスター金銀】
[状態]:健康
[装備]:毒針@DRAGON QUEST3
[道具]:支給品一式×2、不明支給品1~5
[思考]
基本:優勝し、仲間と再会する。
1:何処かへと走る。

※旧サイクロン号@仮面ライダーは海へと落ちました、何処に流れ着くか、利用できるかは後続さんに任せます。



   ◆   ◆   ◆



パシャリ、と。
海面から一つの黒い手が飛び出る。
その手は崖を上り、徐々に姿を現していく。
真っ黒な全身を包むスーツ。
それはレッドによって海に落とされたショッカーの姿。
北へと流された彼が、北にある崖を掴む。
地図を見ている、神視点の人間から見れば不可思議なことはないだろう。
だが、おかしなことはないのだ。
この島は、繋がっているのだ。
いかなる術かは分からない。
だが、南に進み続ければ地図の北へと出る。
そういうところなのだ、ここは。

ショッカー戦闘員は考える。
超人である自分をこうも簡単に撃退したあのレッドなる少年。
あれは敵だ、間違いなくショッカーの壁となる敵。
だが、なぜだろう。
ただ殺せばいいだけだというのに。

何故、ショッカー戦闘員の胸からは興奮が溢れてくるのだろうか。


【一日目・午後/E-3 森】
【ショッカー戦闘員@仮面ライダー】
【状態】全身打撲
【装備】ミスリルナイフ@FINAL FANTASY、ショッカー戦闘員スーツ@仮面ライダー
【道具】支給品一式、不明支給品0~1(強力なものは無い?)
【思考】
基本:イーッ!(ショッカーへ帰還する)
1:イーッ!(参加者を殺す)
2:イーッ!(武器を探す)
3:……イーッ!(ポケモンマスター・レッドが気になる)


031:『無名』 投下順に読む 033:戦いたい 殺したい 絶望させたい
031:『無名』 時系列順に読む 033:戦いたい 殺したい 絶望させたい
020:赤い彗星の如し レッド 046:My Love's Sold
006:黒き尖兵 ショッカー戦闘員 054:戦闘員が仲魔にしてほしそうにみている



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