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男女反転6話

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datui

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ツンデレとヘタレ


虫の鳴く声くらいしか聞こえない、視覚もほとんど頼りにならない深夜の森の中を一人の少女が走っていた。
もう幾度転んだことかわからない。
少女の顔は涙と泥でぐちゃぐちゃになり、服も汚れ、手や膝にはたくさんの傷を負い、まるで暴漢にでも襲われたかのような有り様だった。
この見知らぬ地に放りこまれてからずっと泣き続けてきたため、すでに声も涙も枯れかけている。
本当ならもう一歩も歩けないほど疲弊しているのだが、もし立ち止まったら闇の中から殺人者が襲ってくるのではないかという不安が拭えない。
なのであてもないまま見えない道に一歩を踏み出す、だが、その次の一歩を踏み出した時、少女は木の根に足を取られて転んだ。
全身を襲う冷たい痛みに、ついに少女の精神は限界を迎える。
この場で大声など上げたら、殺人者に気付かれるという思考すら働かないままに。

「助けてよー、ドラえも~ん!!」

「全くけしからん!! あんなものを見せた上に殺し合いをしろなどと!!」
真夜中の森の中で一人息巻いているのは、膝丈の和服姿の小学生くらいの少女である。
顔には眼鏡をかけ、カチューシャで剥き出しにしたおでこがまぶしい。さらに髪の毛を頭のてっぺんで一本に結んでいる。おでこに月の光を反射させながら、少女は腕組みして頬を膨らませていた。
こんなことなど絶対に許せない。しかし、一体どうすればいいというのか。
どうにかして殺し合いを止める方法でもあればいいが、生憎こちらはただの無力な少女。
それにも増して心配なのは、ここに彼女の家族までもが連れてこられていないかということだ。
騒がしくて落ち着きのない連中だが、彼女にとっては大切な家族。
(だいたい、あの呑気な連中が殺し合いの中で生き残れるわけないし……やっぱり私がしっかりしないと。
全く、世話の焼ける連中なんだから!!)
そう考え、一先ずは家族がいないか確かめようと、配られた鞄に手を伸ばしたとき。


「助けてよー、ドラえも~ん!!」


その声を聞き、少女の顔に戦慄が走る。
(誰だ!? 怪我をして動けなくでもなっているのか?)

一瞬罠かとも思ったが、そうじゃないとしたら取り返しのつかないことになる。
少女は荷物を手に取ると、一目散に声のした方向に走り出した。

果たして、そこにいたのは同い年くらいの少女だった。
地面に倒れ伏したまま、顔を涙と汗と鼻水でぐちゃぐちゃにしている。
「おいお前、怪我は無いか?」
声をかけると、少女は驚いたようにこちらを見上げて硬直したが、敵意が無いことを見ると静かに首を横に降った。
「全く、転んだくらいのことで大袈裟な。最近の子供は実に軟弱でけしからん」
そういうと、倒れていた少女は嗚咽混じりに言った。
「だ、だって、殺し合いだなんてできるわけないし……ボクなんか、すぐに殺されちゃうに決まってるもん」
「ばっかもーん!!」
辺りの木々を揺らさん限りの怒号が飛んだ。
「最初から諦めるやつがあるか!! お前にも家族や友達がいるんだったら、生きて帰りたいとは思わんのか!!」
「ぐすっ……そりゃあ、ボクだってまたドラえもんやジャイアンやしず夫さんに会いたいよ……でも……」
「だったら諦めず、生きる方法を考えるがよかろう!! 全く呆れた奴だ。しばらくはワシと一緒にいるがいい」
倒れていた少女は首を上げて和風の少女を見た。
「あなたと、一緒に?」
「左様。か、勘違いするでないぞ。ただお前があまりに情けなくて放っておけないだけなんだからな!!」



【一日目深夜/E‐6】

【磯野波平@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一色、不明支給品2~3
[思考]:
1:のび太と行動をともにする
2:家族が巻き込まれてないか心配
3:殺し合いには乗らない


【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:かなりの疲労
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品2~3
[思考]:
1:波平と一緒に行動
2:助けにきてよ、ドラえもん!!

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