第36話~第40話

第36話:空賊の狙うもの

1. 空賊の襲撃!戦場は大混乱!

「……チッ、やばいな。」

ショウ少佐は、空から降り注ぐ爆撃をかわしながら状況を冷静に分析する。

スカイファング――かつて学園都市周辺で暴れ回った空賊集団。その中でも特に凶悪な傭兵団だ。彼らはただの盗賊ではない。強力な戦闘用スーツと特殊兵器を装備し、空中戦を得意とするエリート集団だった。

そして、それだけでは終わらない――

「グリムバウンズまで来たか……!」

ショウ少佐が睨みつけた先には、黒と赤の装甲をまとった異形の戦士たちがいた。グリムバウンズは、違法改造兵士たちの組織であり、彼らの体は人体改造と強化装備によって異形の姿へと変えられていた。

「そしてミッドナイトクロウまでとはな……最悪だぜ。」

夜の闇を纏うような漆黒の戦闘服を着た集団――ミッドナイトクロウ。彼らは暗殺と情報操作を得意とする影の組織。どんな戦場にも潜り込み、最も価値のあるものを奪い去る。

なぜ、こんな連中が一斉に現れたのか――?

「ククク……ショウ少佐、貴様の相手をしている暇はない。俺たちは"狂王の剣"を回収する。」

スカイファングのリーダーが、悠然と笑いながら剣へと手を伸ばす。

「やらせるか!」

ショウ少佐は咄嗟にガトリング砲を構えるが、その瞬間、グリムバウンズの巨大な兵士が前に割って入り、装甲ごと弾丸を弾いた。

ドゴォォォン!!

「チッ……!」

ショウ少佐はすぐさま体勢を立て直すが、戦場の様相はすでに不利だった。

2. 退却の決断!ショウ少佐、撤退へ

「このまま戦っても得られるものはない……ここは退くしかねぇな。」

ショウ少佐は、戦略的撤退を決断する。

バシュンッ!!

背部のアズールウィングが高出力モードに切り替わり、一瞬で加速。まるで青空の閃光のように、彼は戦場を離脱した。

「逃がすな!追え!!」

スカイファングの飛行部隊が追撃を仕掛けようとするが、ミッドナイトクロウのリーダーが静かに手を上げ、止める。

「今はいい。奴はすでに"狂王の剣"の秘密を知った。我々が本当に狙うべきは――」

「フッ、それはまた後で話そうじゃねぇか。」

スカイファングのリーダーは不敵な笑みを浮かべながら、剣へと近づいていった。

そして、混沌の中で、ロザーは苦しみながらも笑っていた。

「クク……よかろう、奪うがいい。だが、この剣はただの武器ではないぞ……いずれ、お前たちも気づくことになる……!」

戦場は狂気と陰謀に包まれたまま、次の展開へと進んでいく――!!

第37話:突如現れた黒帝の国

1. ロザーの消失、そして謎の国の誕生

戦いの混乱の中、ロザーの姿はかき消えるように消え去った。

「消えた……!?」

スカイファングとグリムバウンズの戦闘員たちは、一瞬の出来事に目を奪われた。しかし、それぞれの因縁は深く、ロザーの消失よりも今目の前にいる敵への敵意が勝った。

「貴様らスカイファングは、いつも俺たちの獲物を横取りする……今日こそケリをつけてやる!」

グリムバウンズの戦士が怒声を上げる。

「言ってくれるじゃねぇか……だが、狩るのは俺たちの方だぜ!」

スカイファングのリーダーがニヤリと笑う。戦場は再び火花を散らし、今度はロザー抜きの戦闘が始まろうとしていた。

しかし――

翌日、世界は驚愕の報を受けることになる。

2. 一日にして現れた「黒帝の国」

たった一晩で、一つの国ができていた。

その名も――「黒帝の国」。

黒き軍旗が掲げられ、その中心には、漆黒の鎧を纏った男がいた。

ロザー・ザ・デストラクター。

彼はすでに、一国の王として君臨していたのだ。

「黒帝ロザー、ここに即位する。」

彼は堂々と宣言し、世界へとその存在を示した。

そして彼の周囲には、新たな配下の姿があった。

3. ミッドナイトクロウ、黒帝に仕える

「……我々は、あなたの影となりましょう。」

かつて暗殺と情報操作を得意とした組織ミッドナイトクロウが、ロザーの傘下に入ったのだ。

「くくく……黒帝の影となるのも悪くない。」

彼らはすでに、ロザーのために動き出していた。各地の情報を掌握し、暗躍し、必要ならば標的を始末する。

この時点で、世界はまだ彼らの動きを察知していない。

そして何より――

ショウ少佐たちは、この事実をまだ知らなかった。

第38話「黒帝の宣戦布告」

新学園都市に戻ったショウ少佐は、再び黒城が繰り出した色彩兵器との戦いに身を投じていた。

「まったく、相変わらずしつこい連中だな……!」

青空のショウ少佐は、振動剣「ブリッツブレード」を振るい、眼前の色彩兵器を次々と切り裂いていく。しかし、敵の猛攻は止まらない。

黒城の兵器は通常の戦術では倒せない。だが、ショウ少佐には時間がなかった。新たな戦いの予兆が、すぐそこまで迫っていることを感じていたからだ。

――その時だった。

突如、虚無の波動が戦場を包み込む。

「……ん?」

ショウ少佐が振り向くと、そこには漆黒の鎧を纏った騎士が立っていた。

「……ふむ、思ったより手間取っているな。」

彼の名は――空無のディオス。

黒帝の国・五黒騎の一人であり、「虚無の力」を操る騎士だった。

「お前は……!?」

ショウ少佐が身構えるよりも早く、ディオスは悠然と色彩兵器の群れに歩み寄る。

シュウゥゥゥン……!

彼の手が宙を払うと、まるで存在そのものが消滅するように、黒城の色彩兵器が次々と霧散していく。

「な……!? おい、一体何を……!」

驚くショウ少佐をよそに、ディオスは淡々と答えた。

「貴様が相手をしている暇はないだろう? ……黒帝陛下は、お前に興味を持たれている。」

その言葉を残し、ディオスは一礼すると、ゆっくりと姿を消した――。

黒城たちも想定外だった、黒帝の国の顕現
「……なるほどな。」

その頃、黒城俊光は闇の会議室で、黒帝の国の報告を受けていた。

「たった一日で国家を築いた……? そんなことが可能とはな。」

黒城の配下たちも動揺を隠せなかった。

暗黒のシドが口を開く。

「黒帝……ロザー。あの男、狂王の剣を手にしていたか……。」

「興味深い……。だが、我々の計画には無関係だ。」

黒城は動揺を見せない。

「黒帝の国が現れたからといって、我々の目的は変わらん。だが……」

彼は目を細め、不敵に笑う。

「少し、観察してやる価値はあるかもな。」

黒帝の国――それは黒城にとっても、予想外の変数だった。

世界の均衡は、さらに混沌へと向かっていく……!

第39話「アウトローの侵攻」

新学園都市の空に、黒煙が立ち昇っていた。

「またか……!」

ショウ少佐は高層ビルの屋上から、その光景を睨みつけた。

ここ数日、学園都市はアウトローの襲撃に悩まされていた。
特に――**アウトロー「グリーン・ラプター」**の動きは激しかった。

このアウトロー集団は、単なる野盗とは違う。

彼らは精密に改造された兵器を有していた。
まるで、ショウ少佐の「オールラウンダー・マグナムショウ」を研究したかのような兵器や、黒城の色彩兵器を彷彿とさせる装甲戦車まで投入してきたのだ。

「奴ら……どこでこんな技術を?」

ショウ少佐は戦場を見渡しながら、歯を噛み締める。

「まるで黒帝の国の戦力と、新学園都市の技術を組み合わせたみたいじゃないか……。」

グリーン・ラプターの奇襲
「撃てッ!!」

ズドォォォン!!

グリーン・ラプターの戦車部隊が、市街地へと砲撃を浴びせる。

ビルが崩れ、爆風が巻き起こる。

市民たちは逃げ惑い、都市の防衛隊が応戦していたが――

「ハッハァ! これが俺たちの力だ!」

突如、空から現れたのは、グリーン・ラプターの幹部、スカル・リーフだった。

彼は背中にジェットパックを装備し、両腕に色彩エネルギーのブレードを構えている。

「新学園都市はいただくぜェ!!」

マグナムショウ、迎撃開始!
「ふざけるな!!」

突如、青い閃光がビルの間を駆け抜ける。

ショウ少佐が、ブリッツブレードを構え、グリーン・ラプターの兵たちのど真ん中に突っ込んだ!

「貴様らみたいなチンピラに、好き勝手やらせると思うな!」

バシュッ!!

青い振動剣が火花を散らし、敵の兵士を次々と斬り伏せていく。

だが、スカル・リーフは笑っていた。

「へへっ、こっちは準備万端だぜ……!」

彼は合図を送る。

次の瞬間――

ガションッ!!

学園都市の交差点に、巨大な装甲戦車が現れた。

それはまるで、黒城の色彩兵器の装甲と、アウトローの機械技術を組み合わせたような異形の兵器だった。

「これはな、**『ストーム・バトラーMk-Ⅱ』**ってんだ! お前のマグナムショウにも負けねぇぜ!」

ショウ少佐は目を細める。

「……面白いじゃねぇか。」

彼はストームキャノンを構え、迎撃態勢に入った!

新学園都市 VS アウトロー
激闘の幕が、今まさに上がる――!!

第40話「スパイの影、迫る黒帝の国」

新学園都市の夜空に、炎の光が揺らめいていた。

市街地の戦闘はようやく終結した。

ショウ少佐は、ストーム・バトラーMk-Ⅱを撃破し、グリーン・ラプターの部隊を撤退に追い込むことに成功した。

だが、ただのアウトローにしては、あまりに高度な戦術と兵器だった。

「どう考えても、奴らにここまでの技術があるとは思えねぇな……」

ショウ少佐は倒れた敵兵士の残骸を見下ろし、考え込む。

すると、通信機から副官の報告が入る。

「少佐! 調査の結果、敵の装甲戦車には"黒城の色彩兵器"の技術が組み込まれていた形跡があります!」

「なんだと!?」

ショウ少佐は目を見開いた。

黒城の色彩兵器は、通常なら黒城軍の内部で厳重に管理されているはずだ。

だが、敵はそれを流用し、まるで独自に再現したかのような兵器を投入してきた。

「……内部にスパイがいるな。」

ショウ少佐は確信した。

黒城の勢力内部に、グリーン・ラプターに情報を流している裏切り者がいるのだ。

「だが、黒城はまだ気づいていない……か。」

ショウ少佐はニヤリと笑った。

「これは面白いことになってきたな。」

黒帝の国の次なる標的
一方その頃――

黒帝の国、王宮の広間。

ロザー・ザ・デストラクターは、漆黒の玉座に腰掛け、側近たちの報告を受けていた。

「ヴァーレ王国……ついに、攻め込む時だな。」

ロザーの前には、黒帝の国を支える五人の黒騎士が膝をついていた。

さらに、その場にはミッドナイトクロウの幹部たちの姿もあった。

その中の一人、ミッドナイトクロウの戦略参謀**"カーヴァル・ナイトレイヴン"**が静かに口を開いた。

「ヴァーレ王国の防衛戦力は強固ですが、内通者がすでに潜入し、内部からの撹乱を開始しています。」

ロザーは満足げに頷く。

「そうか……ならば、一気に蹂躙するまでよ。」

彼は、漆黒の甲冑を纏った自身の騎士たちを見渡した。

「我ら黒帝の国が、次なる歴史の支配者となるのだ!」

新たなる戦乱の幕開け――!
新学園都市のスパイ問題、ヴァーレ王国への侵攻準備、黒帝の国の拡大――。

それぞれの思惑が交錯し、戦火はさらに広がっていく……!

次回、第41話「ヴァーレ王国の危機」――!!
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最終更新:2025年02月28日 20:50