問題はサイレンの鳴る前に遡る。

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岩下明美は願った。

「次はきちんと呪いや魔術で動いてる死体と遊びたいわ・・・・」

ルーベライズは怪しく光る、そして持つ者に不幸を与え、希望を叶える。
廊下に出るとそこには素晴らしい光景が広がっていた

「・・・・・・うふふふふふ・・・・運命は素晴らしいわね・・・・・」

そこにはこの街の誰もが今だ経験した事の無いほど溢れかえった 無残な顔のナース達がいた・・・・・ 何人かは銃を向け、また何人かは鉄パイプを握り締める。
ゴリッという音と触感、こめかみに銃が突きつけられる。
そして・・・・・・!

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そしてここが問題のシーンである。岩下明美は確かに殺人クラブの中でも実力者の部類には入る、が、果たして一切傷を負わずに
十数体は居ようかという亡者の群れを殺しきる事が可能であろうか?
今回はそこで何が起こったのかを見ていきたいと思う。


ホラゲロワ・モザイク
~岩下明美がナースの大群に勝つ経緯~


「ふふふ・・・・醜い!!」

頭蓋に穴を開けようと突き出された銃を遅いとぱかりに上に払い除ける。するとナースはあらぬ方向へと銃を発砲し、指を落とされ銃を奪われなす術もなく喉を裂かれた。
しかし奪った銃を構えた時には既に眼前の白衣の悪魔達は雑多な凶器を振り上げている最中・・・・・

(これじゃどう足掻いても袋叩きは免れないじゃない!)

咄嗟に急所を腕で庇いつつ倒したナースの方へ横っ飛びもといタックルをかまし退路を確保する。多少のダメージは覚悟していたのだがその思いとは裏腹に直後信じられない事が起こった。
発砲音が鳴り響き前方にいたナース達がバタバタと倒れていくではないか!
横方向には体当たりで床に倒れ伏したナース以外に一体も敵はいなかったため視線を前へ移す、誰が助けてくれたのだろうかと見てみると・・・・・


「・・・・・は?」


どうみてもナースである。
銃を持ったナースが岩下を狙って発砲し、仲間のナースを誤射したのだ。
『この街の誰もが今だ経験した事の無いほど溢れかえったナース達』、それはきっと彼等にとっても未知数の世界・・・・これはそれゆえに起きた悲劇であった。

ナースがナースを誤射してナースを殺し尽くすという頭の中がゲシュタルト崩壊を引き起こしそうな状況に流石の岩下もぽかーんとした表情をしていたが相手は銃を持っているのだという事実にハッと
正気を取り戻し通路の影に隠れ様子を窺う。
(その際キチンと倒したナースの首筋を切る事も忘れない)

すると突然銃を持ったナース達は一斉に胸元に手を突っ込み弾丸を取り出して懇切丁寧にひとつひとつノロノロとマグナムのゴチャゴチャした部分を開けて弾を込め始めた!

そう、これが俗に言うリロードタイムがレヴォリューションしている状態である。ボウリング場のピッツァや何処かの山猫部隊のように素早くやると息吹を感じるカッコいいアレである。

「・・・・・」

岩下はあまりにもあんまりなので一瞬躊躇したが結局無言で殺害を実行した。

あんな穴だらけの戦闘のせいで服が汚れてしまった・・・・少ししょんぼりとした面持ちで血まみれの制服を持ち上げる、血濡れたせいで制服は透け紳士には書き表す事の出来ない艶やかで
美しい光景になっていた事は言うまでもないだろう。
ナース服はあるが間抜けが移りそうで着たくはなかったため
少し休んだらエレベーターで移動してドクターの服でも探そうと考え元の部屋に戻り。

そして思ってしまった。
(もっと知的で理性のある相手ならよかったのだけれど、可愛い殿方ならなおいいわね)
と・・・・

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つまりはこういう事だったのだ。二番目の不幸は数と質。ルーベライズが呼び寄せたのは弾丸の足りない
『過去にサイレントヒルの来訪者達が倒し損ねたナース達』の集まりであった事
そのおかげで彼女は欲求不満となり3番目の願いを掛け、死んだ。


そして今・・・・・


to be continued

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最終更新:2010年12月24日 23:44