掃討者



ダラララララララ…

タタタン…タタン…



霧のたちこめる呪われた街の一角で響き渡る甲高い銃声…
小口径ライフル弾特有の軽い銃声もそれに混じる…


ここに何もかも存在すら認めず…手当たり次第に殺し続ける
一人の化け物がいた…


『全部、終わらせてやる…ヴァアアアアアア』

ダラララララララララララ

タタタタタン…





(彼)の視界は…赤く濁っていた…

『ヒュー…ヒュー…装弾…』

戦闘用のグローブを着けた手が器用にMINIMILMG(軽機関銃)
の箱型弾倉を交換する…

ヒュー

ヒュー

ヒュー

ダラララララララララ

『……ッ…』

べキャ…ゴキ…

(彼)は手当たり次第に動く物に5,56mm弾の雨を降らせる…

目の前にいた動く腐った死体は次々と蜂の巣になり…

後方から掴みかかってきたリビングデッド(ゾンビ)は
そのまま力任せに銃床で頭を叩き潰す…






そんな彼を向かい側の民家から覗く一つの影が居た…
黒い布切れを纏ったそれの手元には…一丁の狙撃銃が握られていた…

『ハッ…こんな茶番に付き合ってられルカ…ニエキらねェ…仕事だぜ』

胡乱な声で黒い布切れを目深に被った化け物は…ちょうど、軽機関銃を
乱射している別の(人ならざるモノ)に照準器のレクティカル(十字線)
を合わせる…

『死ね…』

タアァン


タアァン


タアァン


7,62㎜NATO弾を使用する高精度セミオート(半自動)狙撃銃の
銃声が3回響き渡る…



ビシャッ

ブシュッ

グシェッ


『■■■■■………』

声にならない悲鳴を上げて道路で軽機関銃を乱射していた
(人ならざるモノ)は既に(死んでいる)身で傷口を庇いながら…
付近にあった遮蔽物…犬の小屋の様なモノの影に隠れる…

『…被弾……した……発砲位置は…』

(彼)はかつて人間だった頃に多用していた…(力)を使う事にした。

ザザザッザー

視界が砂嵐に塗れ…次の瞬間にはこの周辺の(誰か)の視点から
の視界が眼に浮かぶ…いや…正確には視界を(視)ているのだ…
一つ目…目の前に何がなんだか分からない原形をとどめてない肉片…

グシャ…クチャクチャクチャ…ベキッムシャ…

先程(彼)が掃討した腐った死体の一部だった物…を貪っている咀嚼音
違う




二つ目…何処か屋内のようだ…そしていま(彼)が
隠れている犬小屋が視界の隅に確認できる…

<ハッ…出て来いよ…居るのは分ってんだゼ?…ヒヒヒヒ>

そんな事を言いつつ視界の(主)は手に持っているドイツ製の狙撃銃を
無性に撫で回してる…
無論、こちらが犬小屋の影に居る事を承知で…


ザザザ…


『……………』



視界を元に戻した(彼)は迷彩戦闘服のポーチから一本の小型で棒状の物
を取り出し…肩に背負っていた自動小銃を一丁肩から外して、その銃口に
まるで飾りを付け加えるような簡便さで…カチャッと小気味いい音を立てつつ
取り付けた。

その銃口を山なりに犬小屋の向こう側の民家の二階に狙いをつける形で
掲げる…






一方、民家の二階から外を照準器で探し回っていた…元UBCS隊員
アーノルドの(殻)の闇人は…不審がっていた。

『…何処に行きやがった?…炙り出してやる…』

そう言うと黒い布切れに覆われた元の戦闘服のポーチから
3個のHE手榴弾を引き抜き、無造作にピンを抜いて放り出そうと窓から
目を離した隙に…

ポンッ

シャンパンやワインのコルクを抜く音の様な
軽い破裂音

ヒュルルルルルルルルル…


『!?』


軽い爆発音が当たりに響き渡り、民家の二階部分の窓が爆発して
残骸が飛散する…
(彼)は小銃を背負いなおし、再びMINIMILMGを腰だめに構えながら
その場を後にする…





【A-3雛城高校周辺/一日目夜中】

【クリーチャー】
【屍人(永井頼人)】
[状態]腹部・左腕に銃創(回復中)
[装備]迷彩服2型、MINIMI軽機関銃(180/200)、ライト
[道具]89式小銃(30/30)、89式小銃(30/30)、MINIMI箱型弾帯(200×3)、89式小銃用弾倉×12
   TNT高性能炸薬×4本、9mm機関拳銃(25/25)、06式小銃用てき弾×4、89式小銃用銃剣×2
   9mm機関拳銃用弾倉×6、TNT用着火信管
[思考・状況]
基本行動指針:眼に入るもの全てを殲滅
1:引き続き新たな目標(呼ばれし者及びクリーチャー)を探し殲滅する


【備考】永井頼人(屍人)の攻撃対象は無差別です





彼が去ってから数分後…吹き飛ばされた民家の二階で一体の
闇人が死にかけていた…

闇人はその場で痙攣しながらも何とか回復するのを待って、
この場を移動しようと考えていた…

ギシッ


不意に下の階から…軋む音が聞こえる


ギシ


ギシ


ギシ

足音の正体はこの闇人が此処を狩場にしようと
最初にやってきたときに居た屍人…意識が胡乱だったので
その場で頭を撃ち抜いて動けなくしていた筈だったが…

そいつは片手に鋭利な刃物を持っていた…

そのまま一歩ずつ近づき…傍に座り込むと…

ぐさっ…

ざくっ

ざくっざくっざく…

動けなくなっている闇人を滅多刺しにし始めた

ざくっ

ざくっ

ざくっ





【A-3雛城高校付近/一日目夜中】

【クリーチャー】
【屍人(美浜奈保子)】
[状態]
[装備]出刃包丁
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動指針:???
1:????

※民家内にはPSG-1(10/10)が放置されています

※民家周辺には多数のゾンビの死骸と大量の空薬莢が転がっています

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最終更新:2011年02月19日 11:04