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切り札達の憂鬱 第5話 後編
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ストーリー
| く……なぜ……だ…… この完璧な……ボディ、が…… | |
| 偽カイト | |
| た、助かった 心が折れるかと…… | |
| スペル・デル・フィン | |
| これで全て片付いた 【プレイヤー】 ありがとう | |
| エンペラー・キリコ | |
| いつも通りの貴方でなければ 私は解放されることも なかったかもしれない | |
| エンペラー・キリコ | |
| ……キリコの完敗 | |
| キリコ | |
| 本当にこれで一件落着? こっちの大きい方のキリコは 野放しで問題ないのかしら | |
| ネロ・グリフィス | |
| 小さい方は 守護者達と同じように偽物か? | |
| バルガライゾウ | |
| キリコはどちらもキリコ 言ってしまえばどちらも本物 | |
| エンペラー・キリコ | |
| シミュレーターを作る時、 効率化を図るためキリコの 人格を目的ごとに分割した | |
| エンペラー・キリコ | |
| その時……マスターのために タスクをこなす人格が 暴走してしまった | |
| エンペラー・キリコ | |
| キリコにとっては マスターに強くなってもらう事が 至上命題 | |
| エンペラー・キリコ | |
| 権限まで分散してしまったのが 間違いだった…… | |
| エンペラー・キリコ | |
| 迷惑をかけてしまった ごめんなさい | |
| エンペラー・キリコ | |
| え、えぇ…… なんだかとても素直で 拍子抜けしますね | |
| スペル・デル・フィン | |
| 私はいつも素直 いつもマスターに直球の想いを 伝えていることから明らか | |
| エンペラー・キリコ | |
| ほら、キリコも謝って | |
| エンペラー・キリコ | |
| キリコは……目的を 遂行しようとしただけ | |
| キリコ | |
| 分かってる でも、マスターは こんなやり方は望んでいない | |
| エンペラー・キリコ | |
| 迷惑をかけるなら マスターにだけ迷惑をかけろって マスターなら言う | |
| エンペラー・キリコ | |
| そうでしょう? | |
| エンペラー・キリコ | |
| ……その通り | |
| キリコ | |
| 迷惑をかけた、申し訳ない | |
| キリコ | |
| ……ふぅ やっと一件落着ですね どっと疲れました…… | |
| スペル・デル・フィン | |
| ずーっとカリカリ してるからですわ | |
| ネロ・グリフィス | |
| 貴方達が言うことを 聞いてくれれば 不要な苦労なんです! | |
| スペル・デル・フィン | |
| はぁ……エレナのように 上手くはいきませんね | |
| スペル・デル・フィン | |
| キリコ この後、この世界はどうなる | |
| ゼロ・フェニックス | |
| プログラムを大きく 改ざんしてしまったから…… | |
| エンペラー・キリコ | |
| 強引な手段も使ったし この世界は簡単には 修復不能なくらいに崩壊してる | |
| エンペラー・キリコ | |
| ほほう、そうは見えないが そんなことに | |
| バルガライゾウ | |
| も、もしかして やりすぎてしまった……? | |
| スペル・デル・フィン | |
| あれは負荷をかけただけ 崩壊させたのはキリコ達 貴方達のせいじゃない | |
| エンペラー・キリコ | |
| こうなったら作り直す方が早い ここで得たデータを利用して マスターともう一度作る | |
| エンペラー・キリコ | |
| ……あら、そうなんですの? 残念ですわ | |
| ネロ・グリフィス | |
| この姿で、同じ目線で ルカ様と過ごせることを 楽しみにしていたのに…… | |
| ネロ・グリフィス | |
| ……貴方達もその気になれば 自力でもできるはず なぜやらないの? | |
| エンペラー・キリコ | |
| ………… | |
| ネロ・グリフィス | |
| 自分で作った姿が ルカ様に気に入られなかったら もう立ち直れませんわ!! | |
| ネロ・グリフィス | |
| 自分で人間の姿を作るのは 骨が折れる…… | |
| バルガライゾウ | |
| まぁ、チュリンの助けに なるのであればやってみるか | |
| バルガライゾウ | |
| 貴方達の アバターは残しておくから 使いたければ使うといい | |
| エンペラー・キリコ | |
| (キリコ、貴方の作ったあの ルカ様なんですけれど……) | |
| ネロ・グリフィス | |
| (私用に一人残して いただくことは……) | |
| ネロ・グリフィス | |
| (ず、ずるいぞ! 我も欲しい!) | |
| スペル・デル・フィン | |
| キリコ この機会をくれたことに感謝する それに、戦友も出来た | |
| バルガライゾウ | |
| ……おい 俺を含んでるんじゃないだろうな | |
| ゼロ・フェニックス | |
| 違うのか | |
| バルガライゾウ | |
| 何をどう勘違いしたらそうなる! | |
| ゼロ・フェニックス | |
| 今回の戦いを通じて知見を得た 協力する関係だけが 友を指すのではないと | |
| バルガライゾウ | |
| ここで過ごした時間は チュリンと共に過ごす 時間のようだった | |
| バルガライゾウ | |
| これを友と言わずに何と言う | |
| バルガライゾウ | |
| こっちはひたすら 絡まれ続けただけだぞ…… | |
| ゼロ・フェニックス | |
| そういえば、力を振るい たがらなかった貴方が、最後に 協力してくれたのは何故です? | |
| スペル・デル・フィン | |
| これ以上、他者に自分の力を 勝手に利用されるのは癪だ | |
| ゼロ・フェニックス | |
| グレンのように、認めたものに 力を貸すならまだしもな | |
| ゼロ・フェニックス | |
| それと、グレンをあのような…… | |
| ゼロ・フェニックス | |
| ――いや、今回は 世界を壊す大義があった | |
| ゼロ・フェニックス | |
| 大義の為に自ら力を振るう というのがどんな感覚なのか 興味があっただけだ | |
| ゼロ・フェニックス | |
| しかし【プレイヤー】 貴方が皆に好かれる理由が 分かりました | |
| スペル・デル・フィン | |
| あれほどの数の敵を前に 臆しもしないとは! | |
| スペル・デル・フィン | |
| うむ、まさに武人 チュリンは良い友を持った | |
| バルガライゾウ | |
| ますます貴方をルカ様の モノにしたくなりましたわ | |
| ネロ・グリフィス | |
| まぁ、当然だな グレンと対等にやりあえる者なら この程度はこなせると思っていた | |
| ゼロ・フェニックス | |
| ――ログアウトの準備が整った 準備はいい? | |
| エンペラー・キリコ | |
| またこの世界を作るときには 協力してもらうかもしれない | |
| エンペラー・キリコ | |
| ええ、今度はエレナ達を 連れてくるように! AIじゃない本物をね | |
| スペル・デル・フィン | |
| もちろん | |
| エンペラー・キリコ | |
| 【プレイヤー】 また会いましょう | |
| エンペラー・キリコ |
