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【ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人】 - (2014/01/07 (火) 22:03:23) の編集履歴(バックアップ)


・DQ本編シリ一ズ
―Ⅸ

概要

2009年7月11日にニンテンドーDSで発売。
シリーズ9作目で、ナンバリング新作としては初の携帯ゲーム機用ソフトとなった。
当初は2007年発売予定だったが、シリーズお約束の発売延期を何度も重ねた末、前作から4年8ヶ月後の発売となった(このブランクの長さはⅥ→Ⅶとほぼ同じ)。
海外では "DRAGON QUEST IX Sentinels of the Starry Skies" のタイトルで発売された。

Ⅷに引き続いて【レベルファイブ】が開発を担当した。
DSの特性を生かしたマルチプレイやWi-Fi、すれちがい、といった通信要素を売りとしている。

開発当時に最も売れている機種で出す、でおなじみのDQシリーズだったが、携帯ゲーム機であるDS、および発表当初はアクションRPGのようにも見えた戦闘方式(後述)などに、当初反発も多かった。
しかし戦闘は従来どおりの方式に変更され、先述の通信要素などにより絶大な人気を勝ち取り、2010年3月現在、426万本超を出荷。
Ⅶの持っていた歴代最高出荷記録を更新している。
また、累計117,577,073人がすれちがい通信するという記録を叩き出し、ギネス・ワールド・レコーズに登録された。

また、初めてエンディング後のストーリーが明確に存在する。
最終ボスを倒した冒険の書を選択しても時間は戻っておらず、「早く○○を倒して」などと言われたりしない(最終ボスと再戦はできる)。
平和になった世界での新たな冒険が始まる。
特に空を飛ぶ乗り物【天の箱舟】はクリア後でなければ自由に動かせず、ストーリークエストによって攻略中お世話になった町やキャラクターの秘密が判明したりもする。
そういう意味では、新作クエスト追加が終了する発売1年後までストーリーが完結しなかったとも言える。

従来作からの変更点

全般

  • おなじみのオープニングテーマ【序曲】のイントロが一新。壮大な宇宙のイメージとのこと。
  • 冒険の書は一つだけ。
  • 本体上のボタンの他、タッチペンによる操作にも対応。これを使うことで柔軟なキャラ操作も可能。
  • ストーリーの進捗度を確認できる「これまでのあらすじ」の表示機能が登場。

キャラクター・呪文・特技関連

アイテム関連

  • 道具用の袋と「装備品袋」が分けられる。道具も重要アイテム(だいじなもの)が一般アイテム(つかうもの)と別管理になる。
  • 防具が細かく分類された(頭部、上半身、腕、盾、下半身、足、アクセサリー) 。装備ごとにキャラの外見も変わるようになった。
  • 【ちいさなメダル】の「交換方式」が復活。80枚到達までは前作のような累計方式で、その後は交換方式となる。
  • 【錬金釜】は持ち運び不可となったが、待ち時間がなくなり、作りたいアイテムと数量の指定で自動的に材料を選んでくれるなど利便性が向上。さらに【錬金大成功】のシステムも登場。

移動中

  • 視点はⅦなどのようなトップビューだが、360度回転できず、隠し扉が見つけにくい。物を持ち上げるアクションは廃止。
  • 上画面にはフィールド・町・ダンジョンに関わらず常に地図が表示され、自分と仲間の居場所がわかる。前作のようにダンジョンの地図を入手する必要はなくなった。
  • 仲間との会話システムが廃止。代わってキャラが様々なポーズをとる【しぐさ】が初登場。
  • 何度でも取れ、開けるまで中身の分からない【青宝箱】が登場。【中断技】というウラ技も誕生した。

戦闘

通信要素

  • 【マルチプレイ】の導入。ワイヤレス通信で自分の主人公を他者の冒険世界に入れ、4人まで同時にプレイ可能。
  • 【すれちがい通信】。相手の主人公を【リッカの宿屋】に呼び込んで発展させられる他、宝の地図の配布もできる。
  • 【Wi-Fiショッピング】。ネットに接続してリストを更新することで、レアアイテムやWi-Fi限定アイテムを買える。
  • Wi-Fiで冒険の書をサーバに送ると、携帯サイト「星空の仲間たち」で自分のキャラを公開可能(会員限定)。

おまけ要素

  • 依頼をこなして報酬を貰える【クエスト】が初登場。Wi-Fi機能で新たなクエストもダウンロードでき、新たな物語が展開される【ストーリークエスト】も登場。
  • 自動生成ダンジョンで様々なアイテムを入手できる【宝の地図】が登場。すれちがい通信で他の人に渡すことができ、【まさゆきの地図】【川崎ロッカーの地図】などの有名地図が流通。歴代ボスと戦える【大魔王の地図】も登場。
  • 【称号】が再登場。主人公がスキルを上げたときや、一定条件を満たしたときに称号獲得となる。得た称号はリストに保存され、すれちがい通信などで用いるプロフィールにも設定できる。
  • カジノや福引きなどのミニゲームは無し(コインのデータはあるらしい)。

舞台

ロト、天空、Ⅶ、Ⅷのどのシリーズとも世界観は共有しないが、宝の地図に歴代ボス、そのドロップアイテムとして歴代主人公のコスプレ武具、Wi-Fiコネクションでのゲストとして歴代シリーズの仲間キャラが登場するなどのファンサービスがある。
なお次回作のⅩの発売後、公式でⅩと繋がっている世界であることが明かされた。

今回は地上の他に【天使界】【神の国】が存在するが、フィールドマップは地上世界の1つのみで、異世界のフィールドは登場しない。
地上マップは地区ごとに分かれており、橋を渡るなどにより隣接する地区へ移ると画面が切り替わる。
またフィールド上には錬金素材などのアイテムが特定の場所に出現することがある。

乗り物は【船】【天の箱舟】
乗り物の使用中は専用のマップが使われ、このマップは地上の地形の一部が簡略化されている。

ストーリー

プロローグ

ねえ?だれかいるの?
いるのだったら姿を見せてよ。なにか言ってよ。
そんな人びとの声がきこえる……。
いったいいつの頃からこの世界を見守ってきたのだろう…。
ボクたちは【天使】とよばれていた。

人間の感謝の気持ち【星のオーラ】を天使の国の世界樹にささげると、いつか【女神の果実】が実り、天使たちは神の国に帰る。
そんな伝説を持つ天使界の新人守護天使が今回の【主人公】
【ウォルロ村】での初めての任務を終えた主人公が「星のオーラ」をささげると女神の果実が実る。
しかしそのとき、天使界は何者かの攻撃を受け、主人公は天使としての力の大半 (残ったのは幽霊、天使などとの視認/会話能力くらい)を失って地上に落ちてしまう。
同じころ、地上では謎の大地震により多くの異変が起きる。

シナリオ

本編のシナリオは大きく3パートに分けられる。
序盤は主人公が【サンディ】の助言により、地上に落下した天の箱舟を動かして天使界に戻るため、行く先々で人助けをして星のオーラを集めることが目的。
中盤は、天使界で聞いた謎の声に従って再び地上に降り、世界各地に散らばった女神の果実を7つ集める。
そして終盤は【ガナン帝国】との戦いに巻き込まれていき、帝国滅亡後は黒幕である【堕天使エルギオス】と戦う。

中盤まではⅥやⅦと同様に「町→ダンジョン→ボス→町」というお使い形式のシナリオが今回も多いのが特徴である。
女神の果実集めでは自由度が高く、果実を入手する順番も決められていない。

エンディング後は宝の地図に潜む魔物を退治していくことが新たな使命となる。
実質的に物語はエンドレスであり、何をゲームの最終目標にするかという点も各プレイヤーに委ねられる(クエスト全クリア、最強装備コンプ、全魔王Lv99まで打倒、etc...)。

開発中時代のDQⅨ

Ⅸが発表されたのは2006年末のことであり、このとき既に正式タイトルとロゴも決定していたが、当初のゲームシステムは実際の製品とは異なる部分があり、特に戦闘関連が大きく違っていた。
当初発表されたPVやデモプレイでは、移動マップ画面から戦闘画面への切り替えが無く、マップ上をうろつく敵に各キャラクターがリアルタイムに攻撃を仕掛けるという、見た目アクションRPGのようなシステムであった。
画面には戦闘のメッセージは無く、ダメージの数値のみが表示。右上隅には「どうぐ」「じゅもん」に相当すると思われるカバンと杖のアイコンがあった。
装備によってキャラの外観が変わるというシステムは当初から存在したが、装備画面のデザインも実際の製品とはかなり違い、画面下部に「つうしん」「つよさ」「じゅもん」「かいわ」などのコマンドアイコンが並んでいるというものだった(海外版Ⅷのようにサブ画面方式のメニューにする予定だったのか?)。
このような従来からのDQのシステムを大きく覆すような変更には当初、否定的な意見が圧倒的に多かった。

これを受けてか、後に2007年に発表された情報では、戦闘がシンボルエンカウントで従来どおりのコマンド入力・ターン制という方式に変更され、製品版に至っている。

なお、この開発段階のⅨで登場したリアルタイム戦闘システムは、オンラインゲームとなった次回作Ⅹにて若干形を変えて採用されている。