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セキュアデータリンク」を以下のとおり復元します。
*セキュアデータリンク


「なになに、セキュリティの基本方針と組織編成、資産の管理、人的・物理的・環境的セキュリティ……?」
「通信や運用の管理とアクセス制御、システムの開発だけじゃなくて保守までかっちり決めんとならんのか!」
「のわー! プリントアウトしたら紙が! 紙が!」
「バカヤロー! 電話帳レベルのブツを不用意に印刷すんじゃねぇ!」
「わー…… 実家に送って漬け物でもつけて貰おうかしら。これで」
「気持ちは分かりますけど、やめてくださいね」
「……ワシの運用定義書は108章まであるぞ」

―――システム開発者の憂鬱。必要なのは分かるんですけどね




**物語的背景
ターン13終盤。
セプテントリオンの魔手によって防空回廊がハッキングを受け、陥落。駆けつけた摂政以下越前情報部が待ち伏せに遭い壊滅。
その挙げ句、文殊の開発者でもあった黒埼のアカウントを奪取されて文殊の情報を奪われた事件は、越前藩国の民の心に大きな影を投げかけた。

それは、『ここまで脆いものだったのか』という虚脱感にも似た感情であった。



いままでこの国では、ニューワールドにおける最先端の情報技術を持つという自負があった。
シーズン1にて情報戦の芽が生え、それが伸びていくと同時に情報戦を求められる戦場は幾多。その全てで、とは行かなかったが、多くの場合に
皆の期待と要求に応え、敵のシステムを乗っ取り、あるいは破壊し、中のデータを奪取・改ざんして沢山の者を助けてきた。

しかし、その矛先がいざ自分たちに向けられたとき、それを防ぎきることの難しさを改めて識ることとなったのが先の事件である。
セキュリティとは『盾』ではなく『城壁』であり、即ち弱い所から破られていく。そしてそれはただの一度きりで良い。

この現実を思い知らされた多くの技術者は、二度とこのような攻撃に屈しない事を願い、そして考えた。

摂政を失い、苦境に立たされたセントラル越前の元にも、多くの要望や嘆願が寄せられた。その中には「こうすべきである」という投書も含まれていた。
セントラル越前はこれらの意見に目を通し、やはり考えた。

これらの書を投じた者達は一握りであり、その他の多くの国民達は、摂政の死に同様し、絶望している。
自分自身もまた、その魂――情報技術者の経験と知識から、一度汚染されたシステムの復活が難しい事も十分に分かっている。
特に、ニューワールドの文殊は発表直後から管理データの幅を広げ続け、今や無くてはならないものとなりつつある。そんなシステムが汚染されたのであれば……

「……」

その胸に現れるのもまた、絶望の影である。
こんなものが使い物になるのか――




「いいや」

思わず口から漏れ出たのは、その言葉である。

「まだだ」

それは夜闇の中に燦然と光を放つ一抹の明星である。

「いいやまだだ。これで終わりにはしない。他の誰でもないこの私に、この方法で挑んできたことを……」

心の中の星空からあふれ出た光が瞳に灯る。
力なく垂れ下がっていた手に力をぎゅっと握り、拳を胸に当てると、セントラル越前は宣言した。

「後悔させてやろう。我が魂にかけて!」


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L:セキュアデータリンク = {
 t:名称 = セキュアデータリンク(技術)
 t:要点 = 安全,複雑,手順
 t:周辺環境 = ネット上
}

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