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E101・102 降下作戦 - (2007/08/04 (土) 07:44:53) の編集履歴(バックアップ)



E101/102 越前剣・王分隊 降下作戦


作戦案



SS・イラスト

 音もなく、宇宙空間に浮かんでいる箱形の輸送船。その姿はユーモラスにさえ見えた。何隻居るのだろうか。それは青い地球の上に佇んでいる
 不意に両脇腹に当たる部分が開くと潰れた円錐形に似た黒い小さな船が射出された。降下輸送艇。その狭い中には数名の兵士が戦場に到着をするのを待っている。

 『諸君、私だ』

 兵士のヘッドセットディスプレイに光が灯りウィンドウが開く。ウィンドウの中には指揮官が厳しい顔で立っていた。

 「これから降下作戦を行う。目標地点、ターゲット、それぞれ頭に叩き込んでいると思う。だが、最も大切なのは我々こそが未来を切り開くという自覚だ。
 いいか、自分を見失うな。我々こそは未来を切り開く嚆矢なのだ。そして私は命令をする。必ず生き残れ。勝手に死ぬことはゆるさん。私に遺族に手紙を書かせる手間をかけさせるなよ。以上だ。」

 ウィンドウは開いたときと同じく勝手に閉じる。全員の顔が引き締まった。その時だ、中央に座った男が口を開いた。

 「野郎ども、準備は良いか!」
 「おう!」

 全員が唱和をする。

 「いいか、これから敵地に降下をする。ジャミングがかけられているが対空砲火が予想をされる。決して油断をするな!」
 「おう!」
 「これから成層圏に突入をするまであと1〜2分。成層圏に突入をしたらとてもじゃないが震動が酷くて話せたものじゃない。だから今話す。
 打ち合わせ通りこれから俺達は敵領空に侵入。既にジャミングや航宙戦闘機が出撃をして敵を撹乱している。俺達はその間隙を付いて領空からHAHO(高々度降下・高度開傘)にて侵入し目的を達成をする。簡単だ。いいな。」
 「おう!」
  「良い返事だ。良いか野郎ども。俺は葬式の作法など知らん。だから死ぬなよ。今更俺に勉強をさせるな。」
 「おう!」
 「これより成層圏に突入する!」

 降下艇は激しい震動に襲われた。永遠と思われた震動。その震動がやんだとき、中央に座った男は自分の足下にあるハッチを開け放った。

 「さぁ、行け、ハリーハリーハリー!!」

 男に促されつぎつぎと降下をしていく兵士達。その中にある一組の男女が居た。越前藩国のRANKと刀岐乃。二人は手を握りしめると微笑んだ。

 「行くよ!」
 「うん!」

 微笑みと共に二人は手を取り合い、眼下の光景に吸い込まれていった。 

(SS1・Wish)

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