ふたば系ゆっくりいじめ 1069 CLOUDY

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虐待-凄惨 制裁 観察 悲劇 理不尽 誤解・妬み 駆除 野良ゆ 赤子・子供 都会 現代 人間視点


「CLOUDY」

羽付きあき
 ・直接的に羽付きまりさは出てきません
 ・人間視点です
 ・善良なゆっくりがひどい目にあいますご注意を
 ・一部何も起きないゆっくりがいます


冬の街。それはそこに暮らす街ゆっくり達にとっては千差万別の季節であった。
越冬をしっかりとして、暖かいおうちの中で思う存分ゆっくりしているゆっくり。
過酷な餌場争いに勝ち抜いたゆっくり、協力し合って群れを作って越冬するゆっくり。
それこそ様々な方法でゆっくり達はそれぞれの冬を過ごしていた。
だが冬を無事過ごせるゆっくりがすべてではない。
街の平均的な越冬成功率は40%ほど。つまり6割のゆっくりは「ゆっくりできなくなる」のである。
往々にして特徴があり、しんぐるまざー、ゲス、捨てゆっくり等がその殆どを占めていると言われている。
街の裏通りを歩けばゆっくりには結構、出会えたりする。といっても冬以外に比べれば滅多にと頭に就くほどであるが。

雨が降った後のどんよりとした曇り空の下、固くシャッターが閉ざされた建物のすぐそばに、三体のゆっくりがもたれかかるようにしてそこにいた。
ボロボロではあるが・・・ありす種の様だ。
バスケットボールサイズのありすが一体。そしてソフトボールほどのサイズの子ありすが二体。
建物自体はシャッターが閉じられて長いのだろう。所々錆びている。
小さな段差に上り、シャッターにもたれるようにして斜めに傾いているのはありすだった。
その飾りは所々解れており、薄汚れて所々が欠けている。
飾りがこんな様子ではそれ以外も大体は察しがつくだろう。
小麦粉の皮は・・・弱っているためか、泥やほこり、所々付いた生傷の周りに黒い汚れが入り込んで全体的に小麦粉の皮は傷んだ印象を受ける。
水飴が小麦粉の皮をテカテカにコーティングしたうえで、そこに泥と埃がついて、さらにその上に解れた糸クズや灰色の綿のような埃の固まりが所々へばりついていた。

寒天の両目は生乾きの様になっておりその目は一様にぼんやりと定まらない目線で宙空を眺めている。
口が軽くあいたその周りには砂糖水の涎の跡が線のように舌に伸びていた。
よく見ればまだ微かに「ゆひゅーゆひゅー」と音がする。完全に物言わぬ饅頭となってはいない様だ。

脇の子ありす二体はどうか?ありすから少し離れたところにいる方の子ありすは完全にカピカピの饅頭になってしまっている。
小麦粉の皮がしぼんでゲッソリとした印象を感じさせる。ぽっかりと空いた口、そしてからからに乾いた寒天の両目。真上近くに向いて倒れているため、ひび割れた鏡モチの様な底部にあにゃるの周りにはうんうん(餡子)がこびりついていた。
ありすの横にくっつくように突っ伏している子ありすの方もカピカピになっているようだ。
地面に突っ伏したまま動かなくなって様で、恐らくありすにすーりすーりをし続けて力尽きたのだろうか今となっては定かではない。
中のカスタードクリームの量が多い分の差がはっきりと出ていることが分かる。

よく見る光景だ。これはいわゆる「れいぱーありす」だろう。
ゲス気質の強いありす種は往々にして他のゆっくりを過度にすっきりして、ありす種以外の実ゆっくりと蔓を食べてしまう。
なので他の街ゆっくりが食べるようなものはあまり食べない。そして何より、通常の街ゆっくりに比べてやや大型なのである。
通常種なのにれみりゃやふらんの様な捕食種の色が強い特殊なゆっくり、それこのれいぱーありすというゆっくりだ。
ではなぜ、滅多に食料に困ることのないれいぱーありすがなぜこの様になっているのか?それは冬という季節が関係している。
冬のゆっくりは越冬をする。これは至極当然の話だ。
当然前述した様に越冬ができるゆっくりは全体の四割だ。これらは総じて冬のはじめには完全に準備が終わって越冬に入っている。
「けっかい」という蓋の様な風除けは他のゆっくりからそこにいるゆっくりをみえなくするといった効果があるのだ。

また、それまで多く街にあぶれたいたあぶれゆっくり達もその姿を冬が過ぎるにつれて姿を消していく。
淘汰されるか、群れを作ってれいぱーありすやゲスゆっくりが手出しできない様になるか・・・
つまりこの時点でれいぱーありすが狙えるのは数が少なくなってしまったゲスゆっくりだけということになる。
当然ゲスゆっくりはれいぱーありすだけによって淘汰されるわけではない。外的要因も相まってますますれいぱーありすを追い詰める。
餌場に行ってみようとも既にそこははあぶれゆっくりに抑えられ、他のゆっくりも姿が見えないし、いたとしても群れ単位で行動するので手出しができない。
その結果周りに回ってこの様に疲弊してしまうというわけだ。
ほっといてもほっとかなくてもこのありす達はもう助からない。たとえオレンジジュースをかけてもそれ以上に疲弊しているからだ。
結構よく見る光景だ。冬はありす、それ以外なら親ゆっくり一体に子ゆっくりが数体といったところか

私はその場を後にして、公園へと向かう。
単に散歩しているだけでも色々な発見がある。それが興味の低いものかそうでないかは置いてだが…
この街でのゆっくりと人間の関係はそれこそ様々だ。
人間の手伝いをする賢いゆっくりもいれば、おうち宣言等を無軌道に行うゲスゆっくりもいる。
それらはごく一部だ。大体はその中間の様なゆっくりが大多数を占めており、またこれがある意味ゲスゆっくりなんかよりよっぽど厄介になったりする。
公園に向かう途中で自販機で飲み物を買う。自販機の裏を除けばまりさ種の帽子が大小合わせて数個ほど置かれていた。
主を亡くした帽子はひっそりと誰にも見られることなく置かれている。
これもまた越冬に失敗したゆっくりと言えるだろうか?
なぜいなくなってしまったかは今となっては知る術がないようだ。

公園についてベンチに腰かけていると私の少し遠くで三体のゆっくりが等間隔に並んで跳ねていた。
れいむ種が一体にその子ゆっくりだろうか?バスケットボール程の子れいむと子まりさが一体づつといった構成だ。
「ゆゆ!おちびちゃんたち!もうちょっとでおうちにつくよ!いっぱいおべんとうさんややさいさんをむーしゃむーしゃしようね!」
「ゆっくりわかっちゃよ!」
「きょうはゆっくりしちゃおべんちょうがちぇにはいっちゃんだじぇ!ぱしたしゃんにおこめしゃんにはんばーぐしゃんもありゅんだじぇ!」
・・・れいむが頭に載せているのはコンビニ弁当の様だ。恐らくゴミ捨て場にでも置かれた賞味期限切れのものか何かだろう。
子まりさの帽子が膨れている。「やさいさん」はあの中に入っているのだろうか?恐らくしなびた野菜くずだろうが…
かなり珍しく食料が調達できたようで、一様に「ゆっくり」としながら凱旋するように跳ねて進んでいる。
はしゃぐ子ゆっくり達をなだめるようにれいむが声をかけた。

「ゆふふ!れいむはおやさいさんだけでいいよ!おちびちゃんたちがすきなはんばーぐさんやぽてとさんはおちびちゃんたちでゆっくりなかよくわけてたべてね!」
「まりしゃははんばーぐしゃんとごはんしゃんをちゃべりゅんだじぇ!」
「れいみゅはぽてとしゃんとぱしたしゃんをちゃべりゅよ!」
口々に言い合いながら公園にある公衆トイレの陰に消えていったれいむ達。そこに「おうち」があるのだろうか?
越冬準備ができずに越冬に突入したのか、それとも冬に捨てられた捨てゆっくりかそこらあたりだろう。
この時期に食料集めをしていることが何よりの証だ。
それにしても軽薄過ぎではないだろうか?私は今までこういった類のゆっくりが動くのは朝早くか夕方近くが多いと記憶しているのだが。
かなり珍しいケースだろう真昼間から声を出して動く街ゆっくりというのは。
それにあまりにはしゃぎ過ぎて警戒というものもないようだ。もしゲスゆっくりと鉢合わせすればひとたまりもないだろう。

私がそう思いつつ缶ジュースをちびりちびりと飲んでいると突如先ほどれいむ一家が消えた建物の陰から何かが弧を描いて地面に落ちた。
「「「ゆんやあああああああ!」」」という声が聞こえる。
目を凝らしてみてみると、ダンボール箱ごと蹴飛ばされてゴロゴロと転がる三つの丸い影。
ゲスゆっくりか何かだろうかと思っていたが私の予想は結果的にはずれだ。
ヌッと出てきたのは怒りに顔をゆがませた青年だった。
「ゆ”!?にんげんざん!どぼじでごんなごどずるのおおおお!?でいぶだぢはなにもやっでないよっ!?」
「ゆびぇえええん!きょわいよぉぉおおお!」
「ゆ!ゆっくりおきゃあしゃんをいじめりゅにょをやめりゅんだじぇ!」
寒天の両目を見開いて大きく声を上げるれいむとその後ろで寒天の目から涙を流す子れいむと気丈にも大きく膨れて威嚇する子まりさの姿があった。

「なにもやってねぇだと!?じゃあこの弁当はなんだ!」
青年が怒りの声を上げる。
れいむは声を大にして青年にこう言っていた
「ごれはおがれでだだげだよ!れいむだぢごみばこさんやぶぐろさんにはなにもじでないよ!」
「しょうだじぇ!ゆっきゅりあやまりゅんだじぇ!」
「ぎょうはなにもじでないよぉぉおお!ゆっぎゅりじんじじぇね!」
後から子ゆっくり二体も追従するが、青年はさらに語気を強めてこういった。
「弁当がそこらに置かれてる訳ねぇだろ!ちゃんとゴミ箱に入れるか袋詰めするのが決まりなんだよ!うそつくならマシな嘘をつけ!」
「うぞじゃないゆっぶ!?ゆぎゃあああああ!でいぶのおがおがああああああ!」
れいむの小麦粉の顔面がグニャリと歪んだ。「ドッ」という音に混じって微かに「パキパキ」と音がする。
れいむは餡子を吐き出しながらドシャっと地面に落ちて寒天の両目から砂糖水の涙をダバダバと流して大きく口をあける。
餡子に混じって砂糖細工の歯が折れたようだ。白いものが点々と見える。

「ゆひぃぃいい!いだいいいいい・・・!!でいぶのばがぁぁぁ…!」
苦痛に表情をゆがめるれいむに青年の靴底がさらに降ってくる。
「ゆ”びっ!」
「ここ最近飼いゆっくりを襲ってるのもてめぇらだろっ!袋破るわゴミまき散らすわ散々なことしやがって!やっと見つけたかと思ったらこんなところに居やがったのか!」
青年は何度もれいむを踏みつける。そのたびにれいむの小麦粉の皮がグニャリと動き、餡子が宙を舞う。
「ゆ”びゃっ!いだいいい!ゆぐぅ!ぢが!ぢがうよぼぉっ!」
「加工所が来てからここ一カ月はここら一帯のゆっくりはてめぇらしかいないんだよ!」
「やべぢぇねええええええ!おぎゃあじゃんがいだがっぢぇるよ!やべぢゃあげぢぇねえええええ!」
「ゆっぎゅりやべりゅんだじぇええええええええええ!!」
青年の足元では子ゆっくり二体が体当たりを繰り返しているが全くこたえた様子はない。
青年がれいむを大きく蹴りあげた。ボトッと落ちるとれいむの周りに子ゆっくり二体が集まる。

「ゆ”ひゅー・・・ゆ”ひゅー・・・」
中の餡子が不規則になったのか、小麦粉の皮が膨れ上がり口の端から餡子がついて、ポトポトと落ちている。
グネグネと動くがただ動いているだけの様だ。
青年がふと足元を見る。
「きょ、きょわいよぉぉおおお・・・!」
そこには青年の靴におそろしーしーをぶちまける子れいむの姿があった。
青年のこめかみに青筋が浮かぶ。屈んで子れいむに手を伸ばしたその時に、丸い影が青年の手に飛び付いた。
「ゆ!」
「いっだぁ!?」
青年が声を上げる。手には子まりさがしっかりとかみついていた。
青年の指からは血がポトポトと滴り落ちてきている。相当深い様だ。

「ゆゆ!ゆ!ゆ!」
子まりさは口を離してぽとりと地面に落ちると眉をキリッとさせて青年を見上げた。
「れいみゅ!ゆっきゅりおきゃあしゃんのまわりにいくんだじぇ!」
「ゆ、ゆっきゅりわかっちゃよ!」
「っがぁ!痛"ぇ"ぇ"ぇ"・・・!」
青年は手を押さえて額に汗を浮かべている。
・・・私はその時直感した。このれいむ一家はもう助からないと。
「おぢびぢゃんゆっぐりにげでね!」
れいむもそれを感じたのか必死に声をあげている。
だが、その意図に反して子ゆっくり二体はれいむの前で大きく体を膨らませ始めた。
「ゆっきゅりどっかいきゅんだじぇ!おきゃあしゃんはまりしゃがまもりゅんだじぇ!」
「れ、れいみゅおきょりゅよ!」
「どぼじでにげないのおおおお!?にんげんざんはづよいんだよ!?」

れいむが声を上げると子まりさは再び眉をキリッとさせてれいむに向けてこういった。
「まりしゃはにんげんしゃんをやっちゅけりゃれりゅんだじぇ!」
「れ、れいみゅもにんげんしゃんをやっちゅけりゅよ!」
子れいむもそれにこたえる。子まりさと子れいむの表情とは対照的にれいむは口を大きく開けて青ざめていた。
青年がゆらりと前に出てきた。その表情はここからではうかがう事は出来ない。
子ゆっくり二体は再び大きく膨れると上を向いて威嚇を始める。
「「ぷくぅーーーーーーーーっ!」」
あらん限りに大きく膨れて子れいむの方はピコピコを上下に激しく動かし始める。
「まりしゃはおこっちゃんだじぇ!それいじょうちかぢゅくちょもういっきゃいがーぶがーぶしゅるんだじぇ!」
「れいみゅもがーぶがーぶしゅるよ!ゆっきゅりどっかいっちぇね!」
「おぢびぢゃんやべでええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

れいむの叫びと同時に青年の足が振り下ろされた。
「ゆ”びょっ!」
「ゆううううううううう!まじじゃのいぼうぢょがああああああ!」
足は子れいむの小麦粉の体の後ろ側に落ちた。行き場を失った餡子が子れいむの前面に急速に押し出されたため、一瞬にして寒天の両目ごと餡子が飛び出し口からも大量の餡子がひり出されてそのまま子れいむはつぶれ饅頭となってしまった。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!でいぶのおぢびぢゃんがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
れいむが寒天の両目を見開き、口を大きく開けて砂糖水の涙と涎をぶちまけながら絶叫する。
子まりさの方はれいむだったつぶれ饅頭を見た瞬間に一瞬にして萎縮してしまい、ブルブルと震え始める。
「ゆ”!で、でいびゅううう・・・!!きょ、ぎょわいんだじぇぇぇ・・・!」
青年が手を押さえたまま子まりさに近づく、それを見てれいむが叫び始めた。
「にんげんざん!ゆっぐりやべでええええええええええ!」
れいむと青年より先に行動したのは子まりさであった。
「ゆびぇええええええん!きょわいんだじぇええええええええ!」
そう叫んで跳ねながらその場を後にしようとする。うんうんとしーしーをまき散らし、砂糖水の涙と涎でグシャグシャになったその表情は先ほどと全く正反対であった。
青年が大きく踏み出す。その場からあまり離れていなかったれいむが口を大きく開けてこういった。
「おちびぢゃん!ゆっぐりじないでれいむのおぐぢのながにばいっでね!」
一心不乱に跳ねる子まりさは聞いてか聞かずか、あっという間に跳ねてれいむの口の中へとはいって行った。
青年の動きが止まる。心なしかプルプル震えてるように私には見えた。
それを好機と見たか、れいむは口をつぐんで大きく膨れると、左右のピコピコを激しく揺らしてこう言った。
「おちびちゃんはれいむがまもるよ!ゆっくりどっかへいってね!」
先ほどのれいむとは思えないほどの意志の強さがそこにあった。れいむ種のぼせいというやつだろうか?
毅然と青年に威嚇を繰り返す。

それを見て青年が大きく足をふって前に出した。
その瞬間青年の靴のつま先がれいむの小麦粉の顔面に吸い込まれる。
「ゆ”っ!」
トランポリンのようにはじけてれいむはその勢いで後ろにグルグルと回る。
だが大きく膨れたままれいむは再びピコピコをふるわせ始めた。
「ぷくぅーーーっ!」
れいむはピコピコを支点にグルグルと左右に揺れながら大きく膨れたままの状態になっている様だ。
「ゆゆ!」
れいむが眉をキリッとさせる。それを見て青年の手がプルプルと震えた、それが怒りによるものなのかどうかは定かではない。
青年はれいむの右側のピコピコをつかむと大きく腕をあげ真下に振り下ろした。
「ゆぐっ!ゆぼっ!ゆぐっ!」
一回、二回、三回と・・・地面に落ちるとピコピコがちぎれてしまった。
青年の靴のつま先がれいむの寒天の右目に突き刺さる。れいむはバネではじかれたように吹っ飛ぶと大きく口をあけて叫び始めた。
「ゆっぎいいいいいい!!でいぶのおべべがああああああああ!!!」
ここからではよく見えないが餡子が飛び散るのを見ると小麦粉の皮が破れたのだろうか?

その時に大きく口が開いてしまった様で中から子まりさがコロンと転がったのが見えた。
「ゆ!ゆっきゅりにげりゅんだじぇ!ゆ!ゆ!ゆゆ?」
子まりさが再びれいむの口の中に戻ろうと跳ねる。青年が子まりさをつかもうと片手で手を伸ばしたが、掴んだのは小さな帽子であった。
「まりしゃのおぼうししゃんがあああああ!かえしゅんだじぇえええ!」
帽子がないことに気付いた子まりさが引き返して青年の足元で小麦粉の皮を縦にのーびのーびと伸ばして寒天の両目に砂糖水をためながら舌を伸ばしている。
伸びた舌が小さく左右に振れるが一向に帽子には届かないようだ。
青年の手が子まりさをつかんだ。
「はなしゅんだじぇえええええ!おぼうししゃんかえしゅんだじぇえええええ!」
子まりさは底部を前後に「ぷりんぷりん」とさせている。
青年が大きく腕を振った。

子まりさはそのまま地面へと真っ逆さまに底部から落ちる。潰れたトマトのように地面にのめりこんだように見えた。
「ゆぎゃああああああああ!までぃざのあんよじゃんがあああああああ!」
底部が大きく裂けて餡子が周りにバッと広がっていることがここから見て取れた。
子まりさはそこから張り付いたように動かなくなってしまい、小麦粉の体の上部だけを左右にブルンブルンと振っている。
「あんよざんゆっぐりうごぐんだじぇ!ゆ”!ゆ”!」
幾ら振っても底部は張り付いたように動かない。とうとう子まりさは口を大きく開けてこう叫んだ。
「どぼじでうごがないんだじぇええええええゆ”!?ゆ”ぐぐ・・・!」
青年の足が子まりさの小麦粉の皮に乗った。そのまま徐々に力を入れて言っているようだ。
行き場を失った餡子が下部と上部に行き、底部からズモモ・・・と餡子が出ている。
口から餡子を吐き出しながら顔を左右に振って何やら叫んでいるようだ。

「ゆひぃぃいい・・・!ちゅぶれりゅんだじぇえええええええ・・・!」
青年の足が一挙に落ちた。
「ゆ”!?」
子まりさが声を上げる。
ここから私が見た限りでは子まりさの下部部分が切り離されたようだ。
「おぢびぢゃんんんんんんんん!!」
れいむが子まりさの方に近づく。
「おちびちゃんゆっくりなおってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」
れいむがそういうも決してぺーろぺーろはしようとしなかった。どこをぺーろぺーろしてもどうにもならないからだ。
子まりさは左右に体をふって寒天の両目から涙を流して叫んでいた。
「いぢゃいのじぇえええええええ!ゆっきゅりできにゃいんだじぇええええええ!」
「ゆっくりしていってね!ゆっぐり!ゆっぐりじでいっでね!」
「ゆびいいいいい・・・ゆびゅぅぅ・・・!・・・ゅ”!・・・!!」
れいむの叫びもむなしく青年の足が子まりさを地面にへと押しやった。
徐々に徐々に子まりさはミリミリと音を立て小麦粉の皮が裂けていき、その合間から餡子が漏れ出して銅鑼焼きのように潰れていった。
ついには地面に平たく広がってしまう。
子まりさは餡子を徐々にひり出してつぶれ饅頭となったようだ。時折「ゅ”・・・!ゅ"・・・!」という音とともにモゾモゾと動くが長くはないだろう。
れいむが大きく口をあけて叫んだ。
「でいぶのおぢびぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
同じことを言っていたような気もするがデフォルトなのだろうか?
青年の手がれいむの砂糖細工の髪をつかんだ。
そのままれいむの小麦粉の顔面を地面にたたきつける。
「ゆぶっ!」

青年は屈んだままれいむを地面に引きずりまわした。
「ゆぎいいいいいいいい・・・!いぢゃばばばああああああああ!でいぶのおがぎゅばああああああああ!!」
ザラザラとした地面に餡子が尾を引いていく。削れているのだろう。
しばらくして青年が手を離すとれいむは地面に突っ伏したままグネグネと動くだけになってしまった。
「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」
止めとばかりに青年の足がれいむの後部に落ちる。
「ゆ”・・・!」という音が聞こえるとれいむは地面に餡子がバッと広がってピクリとも動かなくなってしまった。
完全につぶれ饅頭と化した様だ。
青年は痛む手を押さえながらどこかへと去っていく。

・・・街ゆっくりの中で、人間と対等に付き合っているゆっくりが一割、ゲスゆっくりが三割、残りの六割は捨てゆっくりや通常の街ゆっくりと言われている。
人間にとって厄介なのは実はその六割なのだ。
「地域ゆっくり」といわれるような人間の手伝いをするゆっくりはそれで食料を得るため迷惑などでは全くない。
また、ゲスゆっくりやれいぱーありすといったゆっくりも直接的な被害は通常の街ゆっくりよりも少ない。
なぜならゲスゆっくりはゴミ捨て場を荒らして食料を調達する街ゆっくりから食料を奪ったりするからだ。
直接的な人間に対する被害は極稀な「おうち宣言」程度しかない。
れいぱーありすもそれとゆっくりを食べるのが半々だ。
何より街のゲスゆっくりは人間に対して挑発的な行為はあまりしない。時折そういいったゆっくりもいるがそれはその場で永遠にゆっくりすることにつながるためあっという間にいなくなる。(一定数は必ずいるが・・・)
問題なのは通常の街ゆっくりなのだ。

「おうた」と称しては騒音をまき散らし、ゴミ箱をぶっ倒してゴミ袋を破り、泥と埃にまみれた小麦粉の皮で砂糖水の涙と涎を塗りつけるように「すーりすーり」をしながら飼いゆっくりに云々…という。
見方を返せばゲスゆっくりの方が結果的には迷惑をかけていなかったりする。
このれいむ一家は恐らく捨てゆっくりか何かだったのだろう。
今日はごみをまき散らしていなかったとしてもそれ以前もなかったとは言い切れない。
それに辺りにゆっくりがいなくなったと同時期にここへやってきたのは、ある意味失敗だったという他ない。
ゲスゆっくりや地域ゆっくりは中規模な群れ・・・というよりコロニーを形成することが多い。
「他のゆっくりがいるという事はここ一帯はゆっくりできる所だ」と判断するからだ。
なにもいない所で「安全なゆっくりプレイス」等というのは捨てゆっくりぐらいだろう。
本当に加工所が掃除をするのはそういったゆっくりだけであったりする。
その中に幾つかのゲスゆっくりが混じっていることもあり、厳密にいえばすべてではないが、その大部分が通常の街ゆっくりであることには変わりない。
人間からすればゆっくりはあくまで「ゆっくり」だ。
人間と変わらないような聡明なゆっくりもいれば街ゆっくりとしてあぶれるようなゆっくりもいる。

私はそのまま立ち上がって公園を後にした。
暫くここ一帯にゆっくりが現れることはないだろう。
曇り空の下、生暖かい風がヒュウヒュウと吹いている。

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帰り道の途中、再び大きな声が私の耳に入った。
見れば一体のれいむが体を大きくのーびのーびさせて声をあげている。
「・・・おでがいでずっ!でいぶをがいゆっぐりにじでぐだざいっ!でいぶはきんばっじのゆっぐりでじだ!うんうんだっでおなじどごろにでぎばずっ!ごばんざんにもんぐもいいばぜんっ!だがらでいぶをがいゆっぐりにじでねっ!」
飾りも所々欠けて風体もボロボロ。大きく口をあけて砂糖水のつばを飛ばしながら叫んではそこに何もないかのように無視されていく。
様子を見るに、金バッジというのは眉唾ものだ。銀バッジの捨てゆっくり等がそうやって嘘をつくことがあるとかつて羽付きは言っていた言葉を私は思い出していた。
私がじっと見ているとそれに気付いたのかこちらへれいむがやってきた。
「おにーざん!でいぶをがいゆっぐりにじでねっ!」
その形相は凄まじく、砂糖水の涙と涎の跡が下に垂れるようについていて、時折ゴミも巻き込んでいた。なすび型のまま上下しながらこっちへ近づくのを見ていると、怖気がする程のものだ。
私はそれを無視して足早に駆けた。後ろからはれいむが「ゆんやあああああああああ!ゆっぐりまっでぐだざいいいいいいいい!」という声が聞こえる。
が、それも人混みの雑踏にかき消されてやがて聞こえなくなってしまった。
今日見たゆっくり達を見て羽付きなら何と言うだろうか?
きっと厳しい言葉しかまってないだろう。
私の頭の中では羽付きの言葉が浮かんではかわるがわる沈んでいっている。

「・・・あのゆっくりはけっきょくはじぶんがげんいんなのをかくしていいかっこうをしてるだけなんだぜ・・・あんなゆっくりはぜったいいきのこれないんだぜ・・・」
「・・・じぶんでなにかをするということもせずにほかのゆっくりのちゅうこくをむししてひさんなめにあって"れいむはかわいそう"?そうなってあたりまえなんだぜ・・・」
「ゆっくりするっていうのはほかのなにかからもらうものじゃないんだぜ。たぶん、あのれいむやまりさはそれをかんちがいしてるからゆっくりできないままなんだぜ」
「・・・ほんとうの"げす"はじぶんでげんいんをつくってじぶんがかわいそうなゆっくりっていうようなゆっくりだぜ・・・」
「ゆっくりできるゆっくりならここをぬけだして、にんげんさんもなにもいないもりのおくにでもひっそりとくらしているものなんだぜ。それがほんとうのどすというものかもしれないんだぜ・・・」

・・・空はどんよりと曇っている。
ふと思ったがもしかすればあのれいむは本当に金バッジだったのかもしれない。
金バッジでも良いゆっくりとは限らないことが最近多々ある。それは金バッジだからこそ問題が起きたというような事だってあるのだ。
あんな「飼いゆっくりにしろ」とせがむなら羽付きの様に別の道を模索した方がよっぽど賢いのではないかと私は思う。
今日び、ゆっくりがうーぱっくではなく飛行機に乗って空を飛ぶ時代なのだ。その気になればゆっくりはある程度の事が出来るだろう。
自らがゆっくりするために何かをせずにただじっと待っているあのゆっくり達は、ずっとゆっくりする事はできないだろうと私は思う。
曇天の空が晴れ渡るには、街ゆっくり達は何をすべきなのだろうか?
それを気づくまで街ゆっくりが真にゆっくりする事はずっと無いと私は感じた。
冬はもうすぐ終わる。次の季節にはゆっくり達の待ちわびた春がやってくるだろう。
雲は相も変わらず重く重く垂れ込んでいる。

過去に書いたもの

ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー
ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター
ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ
ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト
ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス
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ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック
ふたば系ゆっくりいじめ 625 ループ・プレイス
ふたば系ゆっくりいじめ 632 フェザー・メモリー(前編)
ふたば系ゆっくりいじめ 643 フェザー・メモリー(後編)
ふたば系ゆっくりいじめ 690 ウィンター・ブルース
ふたば系ゆっくりいじめ 706 シティ・エレジー
ふたば系ゆっくりいじめ 1051 街を跳ねるもの達
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感想

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  • >>同じことを言っていたような気もするがデフォルトなのだろうか?
    ここ何か笑ってしまった -- 2013-08-12 12:38:28
  • 単純な硬度なら硬い野菜もあるが、肉を裂くには歯を立てて引かなければ切れない
    餡子に砂糖菓子がくっ付いてるだけのゆっくりは野菜を噛み潰す事は出来ても生きてる動物の肉を引き裂く事は無理だろ -- 2013-07-04 01:04:44
  • ↓野性ゆっくりの大好物であるお野菜と人間の肉の固さ比べてみろ。人間より固い野菜なんてざらにあるから。
    つまり、ゆっくりは人間を怪我させられるレベルの咬合力を持っていても全く不自然じゃない。

    ただ歯がもろいんだよなあ… -- 2012-03-17 19:14:09
  • え?ゆっくり如きの力で人間を怪我させられんの?
    只の喋る饅頭が人間傷つけるレベルの力もってるわけがないだろ…
    しかも子ゆっくり程度で出血なら親ゆっくりだと相当やばくないか?
    喋る上に数が多く、おまけに噛む力が強いとか最早クリーチャーだろ -- 2011-12-18 15:50:02
  • 親ゆの悲痛な警告もガン無視して、人間に噛みついて怪我させた程度で
    自分は人間をやっつけられると思い込む子まりさが非常にウザかった。

    そして子れいむが殺された途端に戦意喪失して無様に逃げ出す様も非常にウザかった。 -- 2010-12-15 19:42:49
  • 怪我した青年は災難だったね。
    意外と顎の力強いんだなぁ…

    善良なゆっくりなんていなかったように思える。
    ゆっくりできたよー! -- 2010-12-12 17:59:10
  • 「善良」の解釈によるかな。
    公園一家は災難だったな。善良には「素直で穏やかな」という意味もあるので、
    善良と言えなくもない一家だったと思うんだが。
    ・・・っていうかゆっくりがゴミを散らかすことを怒っている青年、公園で餡子や饅頭の皮をまき散らさないでよ。
    ケガの治療をしたらちゃんと片づけろよ。広範囲に饅頭の残骸をぶちまけるような殺し方して・・・後始末を考えろよ。 -- 2010-08-18 06:45:19
  • ゆっくりに善良もゲスもねえ。いいゆっくりってのは枕詞に「どうでも」とか「都合の」とか「虐待して」がつくんだよ。ゆっくりのわめき声はゆっくりできるな。 -- 2010-08-18 02:30:59
  • 善良なゆっくりなんてもんはいねえんだよ。残念ながら。 -- 2010-08-01 00:52:15
  • 人間に都合がいいか悪いかのどっちかだね、、、 -- 2010-07-24 15:45:48
  • … -- 2010-07-08 22:48:08
  • 善良なゆっくりがひどい目にあいますって、善良なゆっくりは出ていた? -- 2010-06-29 09:33:49
最終更新:2010年03月28日 15:45
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