「タルタロス」と呼ばれる権能魔族の、その七代目であると主張するヴァルキリーのネームドエネミー。
未だ本体で姿を見せたことはなく、故に個体名としての名前は不明のままである。
雪明かりのような麗しい白銀髪の長髪に、爛々と輝く柘榴石の瞳。黒く貴族的な衣装を好む、年端のいかない少女の御姿。
翼は開けば左右合わせて6枚の白翼を持つのだという。権能を持つ高位に属する魔族。
人間を裏切り者に堕とす際、本来魔族領である事と魔将の承認か、大掛かりな儀式が必要となるが──その代わりを務める事の出来る子供。
自分の【声】を盗み聞きしたアクーラの正体を確認する為にアクセスしてきたり、ルッカースフェルトの口振りから、彼女には干渉していたようだが『The
Sword Sharpened for Tomorrow』にてとうとう本体ではないものの姿を現す。
救われないものを堕とし、滅ぼすことによって世界を浄化、濾過する気であり、それが目的である事を語ると共に『アガルマトフィリア』と直接関係のない人間がわざわざその為に遠地から討伐に来る結果になった事を計画ミスと詫び、ブラットコーラーの屋敷からナレッジの記憶の間に転移する形で一行へのアフターケアを行った。
「悪あがき」とか「救済」とか大嫌い。すべての人間を救えるわけがないと思っているし、一線を越えた先には破滅しかないとも考えている。
『救いようのないものを取り除けば、未だこの世界は手を加えるまでもなく美しい筈だ』との考えから、「裏切り者システム」の加速を行っている。
その過程で堕ちた「裏切り者」が彼自身を奴隷として扱ったイリーガルを大量虐殺しようが、「裏切り者」の娘を道具として改造し恋慕対象に取り入ろうとしようが、ホワイトローブに何人戦死者がでようが彼女にとってはどうでもいい。
「魔族が人間の価値観の範疇に収まるわけないんだから」
「あなた如きにわたしは理解できない。わたしもあなたを理解しない」
本体以外では戦闘に参加できない仕様らしく、戦闘中に干渉してくることは滅多にない。
(本人曰く、攻撃しないなら頑張れば出来ない事も無いが労力に見合わない、とのこと)
「私は救済なんてしたくはないの」
ワンダラー時代に、不定期、周期的に現れた、天使のレイドボスが存在した。
「裏切り者」を暴食し、災厄を振りまく滅びの乙女であり、討伐される事で代替わりするとされていた。
君がもし、レイドに足繁く通っていたワンダラーなら──彼女の正体を"想像"すること自体は可能だろう。
【奈落の誘い】を扱うこの権能魔族──【奈落】は、何処かから基本的に動く事は出来ない。
しかし、彼女には<memory>を読み取る能力が持たされており、「望んでいるものを読み取る」能力が備わっている。
暗い願い、取り返しのつかない欲望、壊れた感情、そのような思考をキャッチして自らのテリトリーから
心に「語り掛ける」ことができる。(強い衝動のように感じる為、そう表現されることもある)
これを一段、また一段と受け入れる事が彼女の選別行為であり、取り返しがつかなくなった者を選んで【奈落の誘い】を執り行う。
彼女の手で堕とした「裏切り者」から彼女が名前をはく奪しているのは彼女の趣味であり必須事項ではない。
その為、選別行為をすっ飛ばして対象を魔族にすることも、本来は可能。通常、対象の同意が必要であるが、彼女の本拠であれば強制執行も可能である。
その場合には精神の堕落を伴わない為、魔族への転生という表現が正しいかもしれない。