クラリッサ

■キャラクター名 クラリッサ
種別:アクター 性別:女性 年齢:24歳 所属:紅蓮の旅団 役職:チームメンバー兼鍛冶屋 職位:世界を目指す鍛冶屋
種族:人間 メイン:マーチャント サブ:ガーディアン マスター:マスターナイト
身長:自称・130cm(本当は127㎝) 体重:41kg PL名:ふぃおぽん
イメージ:オリジナル。デザインはこちら(ニコニコ静画ページへ)

「当然。私は鍛冶屋としてはベテランだよ?エクスプローラーとしては半人前だけど」


人格、経歴
紅蓮の旅団に鍛冶屋がいない、と聞いて専属鍛冶屋として働く(つもりだった)女性。
そうしたらエクスプローラーとして登録されていた。なんで?
根はまじめなので、やれと言われればエクスプローラーだってやる。武器も持っていたのでそれを使う。

性格としてはクールおおらかな大人の女性。特に家族であるネルと夜千代にはだだ甘。隠れてもない情熱家でそこそこギャンブラー。興奮すると叩く癖がある。
基本的には怒らないが、自分の鍛冶屋としての技術には絶対の自信があるため、それを貶されるとむっとなるし、琴線に触れるとものすごい怒るし、口調も男口調になる。
130㎝以下というとても小さい身長と童顔のせいで10歳以上若く――もはや幼く――見えるのは昔からで、それを指摘されても「まぁ、そう見えるよね」なんて笑ってごまかしてたが、最近は12歳前後に抜かされることも多く、異常に悔しがることが増えた。
勿論コンプレックスであり、身長を大きくするために牛乳や小魚を食べたりするし、毎日身長は計っているが、どういうわけか去年より2センチ減った。

+ 蛇蝎の如く~熱烈な愛の果てに
最近、ネルの時様子がおかしい。
頭痛、眉間を抑える。突然少しだけ止まる。
そんなネルを見ていたら、仕事なんてできやしない…いや、できるにはできるが集中できない。ありえないようなミスを何度も見せながら生活していた。

そんな中入った依頼は「『煉獄』付近に出てきたモンスターの討伐」であった。
上の空で聞いていたがネルも行きたがっている意志を見せたので同行することに。


煉獄付近は、恐ろしい状態だった。
煉獄フェニックスやらヘルブレイザーやらがわちゃわちゃ飛び出してくる。
応戦していると、ネルはますます奥に行きたいというので、自分たちも奥に向かう。
煉獄の入口が見えて、煉獄フェニックスがなにかに怯え逃げてきたあたりで入り口から出てきたのは。

もう一人のネルであった。

『冥府神』だとか『かつてワンダラー時代に暴れていたエネミー』だとかよくわからない事をゼンイチに言われる。よくわからないがワンダラーが相手していたほどに強い相手らしい。
しかし、それを見てネルは苦しそうな仕草と共に意識を失った。どう見てもネルに対して何らかの干渉をしているのは確かだ。クラリッサが戦う理由は、それだけでよかった。

四連撃一回で自分の意識が吹き飛ばされるほどの強烈な火力と、いくら叩いても減らない驚異の耐久力を見せる【冥府神】。
戦っているうちにフィーネとゼンイチが気づく。

「アレとネルは存在そのものが同じである」
「最近のネルの不調は、アレが暴れているから」

存在が同じなら、動けないネルを殺せば、戦況は大きく優位に立つだろうが、当然そんなことは頭になかった。

「攻撃が効かない?だから何…?向こうの攻撃が熾烈?だから何…!?」
「やるんだよ」
「あいつが!ネルちゃんに何かしてる上で!私達を妨害するってんなら!あっちのもどきは、悪だ!」

そう言い放ち覚悟を見せた途端、体に力がみなぎる。でもそれは周りより遥かに強い光で。
わからないけど、これはネルがくれた力なのだと、そう思った。でもただ倒すだけじゃなくて……。
その後も襲ってくる熾烈な攻撃にも、イツキという強力なタンクがいるというのにもかかわらず、クラリッサは一人で【冥府神】の攻撃を受け続ける。

「『こいつの空っぽの思いも受け止めなきゃ』ネルちゃんと正面から向き合えないんだ!」

ネルもどきは、【冥府神】は、ネルである。
ならどうしてネルが産まれたのか。
ならどうしてネルがここに来たがったのか。
その理由を探さなくてはいけない。でもクラリッサには特別な力はない。故に攻撃を、思いを受け止めて理解しようと試みた。
強烈な四連撃も仲間のサポートがありながらも完全に受けきった時、【冥府神】から声がする。

「産まれたことが間違いだろ」
「マジでゴミ」

入っては消えていく不思議な言葉の中から、クラリッサがかろうじて拾えたのはこの2つ。
もしかしたら【冥府神】は、『ネルを悪意から守るために何らかの方法で2つに分けた』と、そう思った。
その後、ネルも起き上がる。

「生まれた ばかりなのに なにも なかったのに」
「いきなり あいして くれた ひとが いる」

思えば。あまりに無垢な反応、表情は顔に出ないけど行動に出る。そんな子がネルだった。最初はペットを可愛がるようなものであったが、それはすぐに庇護欲、あるいは母性となっていたし。
でもネルの方からもこちらに感情を向けてきて初めてわかったことがあった。一緒にいることは幸せだけど、その幸せの感じ方が変わった。これは紛れもなく。

「ネルちゃん、好き。愛してる」

愛だった。一世一代の告白をネルにして、それを受け止めてもらって…。

動きが止まった【冥府神】にも自分の思いを届けんばかりに熱烈な一撃を叩き込んだ。
【冥府神】と鍛冶屋は、お互いの想いを打ち込み合って、理解しあえた。

「あとは よろしく」
「わたしであって わたしでない あのこを」
「任せて。もう絶対放さないから」
「ありがとう」
「私こそ、ありがとうねネルガル。君のおかげで、ネルちゃんに会えた」

そんな短い会話と、優しいハグの後に、【冥府神】ネル=ガルは消えていった。
最後の最後で彼女の名前がわかったのは、理解しあえた何よりの証拠だった。

戦いが終わって、ネルと抱き合って…ちょっと噛んじゃったりしたけれど。お互い泣きながら、思いを伝える。

「ネルちゃん。愛してる。世界で一番。誰よりも」
「うん。ネルも、だよ」

『誓いの証』のキスも交わして。二人共顔を真っ赤にして帰還魔法陣に乗った。

+ 熱烈な愛の果てに
その後、クラリッサの部屋に二人でやってきて。
二人で愛を語る。

恋人の名前を呼び合って恥ずかしがって。
愛してるって言い合って。
笑顔のネルを愛でて。
これからも二人で冒険しようって誓って。
巻き付かれたときの昔話もして。
巻き付くのをクラリッサだけにするなんて言われて嬉しくてめっちゃ撫でて。
また、キスしあって。

あるモノをネルに渡すために鍛冶場に行く。
小箱の中に入ったモノは。

「……うん。宝石細工は……片手で数えるほどしかないけど」
「それでも、この鍛冶屋クラリッサが…生涯一度しか作らない、特別な指輪」
「結婚指輪、だよ」

ネルのきれいな髪の色のような青い宝石が埋め込まれ、指輪の装飾に所々ピンク色を散りばめ、残りは金色で作られている(金色は自分の髪の色である)ペアリング。

「……恋人すっぽかすのはおかしいかもしれない」
「でも、でも…ちょっと、我慢できないや」

今日一日で、想いは一気に膨れ上がり…爆発してしまったのだ。抑える術はなく、プロポーズにまで至ってしまった。
お互いに心臓破れそうなほどの鼓動を抑えながら指輪をつけあって、愛を誓った。


その後、恥ずかしさが消えるまで二人で部屋に籠もって。ご飯食べたり、話し合ったり、愛し合ったりした。
その間もネルはとても良く笑っていて。

(ネルガル、見てるかな?見てくれてるといいな。こんなに綺麗に笑えてるよ、こんなに幸せを掴めてるよ)
(ほんとはあの時、何とか出来たらよかった。でもできなかったから。キミが持つべきだった幸せは、私たち二人が沢山持ってあげるから…どこかで、見ていてね)

心の片隅でそう思いながら。クラリッサもまたネルに負けないほど綺麗に笑っていた。

+ 2020/3/21 ネルと結婚
鉄は熱いうちに打て、という言葉と欲望に従ったスピード結婚なので、今なおイチャイチャしあっている。
雑事はネルが、鍛冶はクラリッサが行い、家事はお互いで協力したり交代交代したりして生活を送る。
初夜は経験済だが、それ以降クラリッサの性癖が極端にねじ曲がった(下半身蛇の子の汗の臭いでドキドキし始める)。
+ Darm Hands 暖かな手達
黒騎士、ヴィヴィアン、エリス、ゼンイチという黒トリ一家のトーリッテ代理として出撃させられ、シーリンクのガーディアン支部まで来たクラリッサ。
依頼内容は『シーリンクで今起こってる子ども誘拐事件の調査、解決』というもの。
子供をさらうなどという非人道的行為にやる気も燃える。
調査に出て見つけた少女を追いかけて着いた先には、『エイス』と名乗る狂人。
追いかけていた少女は彼の『犬』らしく、彼は『真理派』という奴らの懇意にしていた。
少女は犬のようにしか喋らず、全身包帯まみれだった。しかも元の両親は、エイスによって無惨に殺されていた。
そこまではよかった。いやよくないけど、軽い怒りはあったけど。

でも【結婚】を疑似的に植え付けられていたのだけは許せなかった。

クラリッサにとって、結婚というのは幸せなものだ。でもそれをあろうことか利用している。
結婚は愛があってはじめてできることで、その愛を他人に植え付けられるなんてもってのほかだ。
だがクラリッサは、そんなエイスを倒すのではなく、少女の解放を願った。
『よくわかんないもの』をエリスに解除してもらって、自分の想いを告げ、愛を与えた。

抱きしめたら震えて暴れられたけど、少しずつ大人しくなって。
膿みだらけの身体でも構わず抱きしめて。頭を目いっぱい撫でて
腐った手に持っていた武器を落として、抱き返してくれた。
少女…夜千代は、犬から人に戻ったのだ。

後は自分以外の皆がエイスを倒して、この依頼は無事終了となったのだが。
夜千代に行く宛も帰る場所がないのは問題だった。
だったら。

「クラリッサ覚悟決めた!養ってくよ!」

養子にした。放っておけない。金は潤沢にあるし、ネルも受け入れてくれるという信頼感はあった。
夜千代は怯えながらも、それを受け入れてくれた。膿んだ身体はよくわからないので旅団の医療班に任せて、言葉は自分とリリーで教えて行くことにしたり、色々脳内で決めていたが、事件が起きた。
+ 家族の始まり
何と四日間もネルに報告ができなかったのである。
鍛冶の仕事とエクスプローラーの依頼が被りに被り、治療や教育を他人に任せっきりにしたまま四日もスルーになってしまった。
結果的に夜千代の言語能力は徐々に良くなっていく中での、ネルへの紹介となった。
事後報告というものをあまり好まないクラリッサからしたら緊張と不安しかなかったけど、結局は丸く収まった。
ネルもやる気一杯で嬉しいし、夜千代にも自分たちなりの家族を…幸せを与えられることが嬉しい。
ご飯の時夜千代の椅子がなくて膝の上に座るけど、これも幸せの重さというやつだ。嫌がるまでこの状態でいいな、と思った。
+ クラリッサの長い一日(又を、フィッツジェラルド撃退戦)
始まりは、いつも通りに仕事をしている間に起こった。

愛しのネルがみんなと依頼に行くといい、納期の迫った鍛冶仕事を片付けるために一緒に行けずにいた。
とはいえメンバーも豪勢だし、気をつけていけば大丈夫だろうと思っていた矢先…事件が起きた。


ネルとフィーアが捕らえられてしまった、という情報が入った。

フィーアも当然気がかりだが、ネルはその何十倍も気になってしまった。
捕らえたのは『真理派』のトップ、フィッツジェラルド。今までも散々旅団に対してちょっかいかけてきた人で…エリスやらフォルテやらメルティやらジュルネやらが気にしてる人。

当然だが仕事は中断。愛するネルを奪い返す為に鎧とハンマーと盾を持って、戦う道を選び………。


クラリッサの、長い一日が幕を開けた。


一回目:ナッツヘッド、ジュルネ、リリー、テスラ、フォルテ
いきなり全力での攻撃でナッツヘッドの命の火が消えかけた時から、クラリッサの恐怖心は一気に膨れ上がった。けどそれを全部抑えて、立ち続ける道を選んだ。

「ネルちゃんを返せ!そうしないなら、私は一生!お前の前に立って、ありったけ殴られてやる!そして生き残ってやる!」

覚悟は決まった。私が彼女にダメージを与えるつもりはない…というか猛攻が激しすぎて立つのがやっとだから。
そして最後にやってきたどうしようもない黒い一条を見てリリーとテスラの犠牲でなんとか撤退し…更に恐怖を植え付けられて撤退した。


二回目:イツキ、シックス、転猫、リコリス、イーハ
最初の一撃を強く意識して回避してダメージを可能な限り抑えて…イツキとのコンビネーションで安定したタンク仕事をみせる。
リコリスの支援を得た猫、イツキ、シックス、イーハの一撃であの時壊せなかった黒い一条を放つ武器を破壊し…敵の攻撃を凌ぎながら近寄って。

「ネルちゃん!ネルちゃん!ゴメン、まだ、時間かかる!もうちょっと、もう少し、頑張って!私も……頑張るから!」

この長くなるであろう戦いを、意地でも生き抜いてやると、絶対に生きて帰ってやると、深く心に刻みつけた。ネルちゃんが、近くに…胸の中にいる。そう思えば恐怖心も抑えつけられた。


三回目:イラクサ、ガルソン、タケミ、アイリーン、カナタ
やや防御に厚めな構成をしつつも、それでもしっかりとタンク役を行いダメージをありったけ受け続けた。あの武器もギリギリで破壊に成功し…無事なんの問題もなく撤退を済ませる。

この辺りから、フィッツジェラルドの思いを心の奥底で理解し始めていた。
最初から不思議に思っていたが…それでもその感情はちょっと理解できてしまったから。余計に立っていなくては行けないなと…そう思った。


四回目:カナタ、アイリーン、シックス、ヴェルーリヤ、メルティ
火力から支援に形を変えたシックスとヴェル、そしてアイリーンと三回目よりさらに硬い構成で挑む……も。
敵も攻撃の方法を変えてきて複数人を意識した攻撃に変更し、さらに黒い一条を放った武器ではなく、分身した超連撃に特化し始める。
回避も難しく受けて受けて受け続けるだけの状態になり、倒れかけるもなんとか踏ん張り続け…

「君は、君は本当に倒れないね——ミス・クラリッサ!」

名前で呼ばれた。覚えられたのはいい事なのか悪いことなのか。少なくとも彼女にとって重要な存在になったのは間違いなかった。


五回目:シェラタン、シックス、カナタ、エリス、ルミエール
どれだけボロボロになろうとも、撤退して回復してすぐ戻る。それだけを行い続けて五回。
流石にフィッツジェラルドの想いはほぼ完全に理解できた。
フォルテ達と違い最初は理解する気もない状態からだったからか、少しの時間と大量の傷で始めて理解した事でもあった。
でもそれを胸に秘めたのは、フィッツジェラルドをより想ってくれてる人が言うべきだと思ったから。

「出会いが違ったら……私達も、友達になれたかもしれなかったね」
「エリスにも、いったね――もう、遅いさ」

そんな語り合いに「どう、だろうね」と返したのは…フォルテがどういうかを、完全に予測できたという確信があったから…である。

彼女は、救うべき人間なのだ…と。


六回目:ジークルード、名月、シェラタン、エリス、クラウン

「まさか本当に言うことになるとは」
「私は、諦めないよ」
「それは、私もそうさ」
「ネルちゃんを、返してもらうよ」

お互いに、語ることはなくなり。
ただただフィッツジェラルドが行う攻撃を、可能な限り受け続けるだけになり。そしてついに、フィッツジェラルドは消えて…フィーアとネルが残された。

遂に…奪い返したのだ。自分の大切な存在を、戦い続けた意味を。これで終われるーーー

本当に?

彼女の中で終わってないと気付かされたのは…意識の消えかけた、大切な嫁の一言。

「………行ってきて」
「…………ん」

まだ、終わっていない。
そうとわかったら、自室にも戻れない。戻ったら精神が緩んでしまうから。
フォルテ達が準備を終える頃には、なんの問題もない風に、その場に立っていた。

次で…終わって、始まるのだから。


最終戦:メルティ、エリス、ジュルネ、シックス、フォルテ
いつからか、恐怖心は無くなっていた。
その代わりに出た感情(モノ)は…『救いたい、助けたい』という想いだった。

「君だ!君だ、クラリッサ!」
「君の、わからないのに、戦い続けるその力!」
「胸が締め付けられるあの感覚!」
「『愛の力』!『絆の力』!『信頼の力』!」
「世界に設定された力をラーニングし続けた果てには存在しなかったその力!」
「私も、欲しくて欲しくて…………堪らない!」

彼女は強い。すごく強い。多分世界最強だろう。その上全知全能。知らないことはないんだろう。
だからこそ、切り捨てたモノがあった。愛、絆、信頼。一人では持つことすら出来ないモノ達。クラリッサが、なにより大事にしてるモノ。
強いからこそ弱い。全知だからこそ無知。だからこそ起こったであろう達観、我儘、癇癪。

「君は諦めてる」
「私がネルちゃんを信じて戦った、あの時」
「愛を得る権利を、失っているんだ、もうないんだ って」
「ずっと諦めてたのは、なんとなーくわかったよ」
「だから私は生かす!」
「それだけだ!好きなだけ打ってこい!全部受け止める!」

長い一日、あらゆる攻撃(おもい)を受け止めてきてやっと心の一部を理解した。
でも、だからこそわかりあえると思った。仲間になれると、笑いあえると、遅くないと。
最後を決めたのはエリスだし、基本的には超人大戦のオマケのような存在だったけど…戦いは終わった。
ネージュとなった子の新しい物語を、クラリッサなりに見ていこうと思った。


+ そしてまた平和な家族に戻り
長くて短い戦いはようやく終わりを迎えた。
身も心もボロボロなのに、達成感で溢れていた。人を3人救ったのだからクラリッサとしては最高の結果になったのだから。

それでもまだ、クラリッサの戦いは終わってなかった。
まだ、最愛の人の顔を見ていないのだ。
そうして帰ってくれば…お出迎えしてくれたのは娘の夜千代と焦げたハンバーグ。間違いなく今日1番寂しかっただろうし、今日1番我慢してくれた大事な我が子だ。
そんな子が作ったハンバーグなんか焦げようが生だろうが美味しいに決まっている。笑顔で食べてから優しく抱きしめる。

「千代は、偉いからお留守番できるのですよ」
「ちゃんと…帰って来るのを待ってたのです、ママもおかーさんも」
「……そっか。立派な子だね」

少し緩みかけたけど、まだ早い。もう少し我慢して…ネルのところに向かう。
眠っているようだけど、きっと呼べば起きてくれる。ハンバーグもあるし。
そうして愛しい妻の髪を優しく撫でていれば、目を開く。

「……大丈夫?」
「大丈夫、何も悪くないよ。悪い目に、あっただけ」
「…しょうがないよ…事故、みたいなものだよ」
「………うん」

込み上げてくる想いを…ギリギリまで抑える。

「…壊されなかった」
「………壊すこともできた」
「………クラリッサは、凄いね」
「全部、わかったんだ」
「………時間、かかったけど…」

長い尻尾で、夜千代ごと抱きしめられる。
この一日でずっとあったかのような、それでも初めての感覚がやってくる。

「………おつかれさま」
「ごめんね。ふたりとも」
「無茶、しちゃった……」

背中をさすられた。その声と手は……感情を抑えられなくするには十分だった。
涙が零れる。声も鼻声に。

「しんぱいしたっ……!」
「あいても、つよくてっ…」
「ずっとずっと、こわかったっ…こわかったんだからぁぁぁぁぁ……!」

恐怖しか無かった。それでも立ち続けた、戦い続けた。もはや意地だけであの場にいた。
何時しか薄れていたけれど、それでも完全に消えたわけじゃない。ずっとずっとずっと怖かったのだ。
妻と娘に抱きしめられて、泣くだけ泣いて、初めてこの戦いの終わりを肌で、心で感じた。

「千代も、千代だって」
「ほんとは、ほんのちょっと、くらい」
「しんぱい、した……です…ふぇ」
「っ、ぁ…うわぁああああああん!」

つられて夜千与も泣き出す。ネルはいない、クラリッサは毎度傷だらけ。泣きたくもなる。よく我慢してくれたと思う。夜千与が泣いてしまったら、クラリッサも泣いていたかもしれない。そうなったら心が折れていたかもしれなかったから。

「みんな……がんばったね」
「家族の、勝ち」

ネルが護ってくれたから、夜千与が泣かないでいてくれたから、立ち続けられた。頑張れた。勝てた。まさしく家族の勝ちだ。


一通り泣いた後は、家族三人ベッドの上で夜千与特製ハンバーグと、旅団員に運ばせた食事とケーキを食べあって、笑いあって、一緒に寝た。ネルに巻き付かれっぱなし、夜千与とくっつきっぱなしだったけど…離して欲しくはなかったから問題なし。


これからも3人で『ただいま』と『おかえり』を言い合える。それが何より嬉しかった。


所持特異点
お金持ち:キャラ作成時、追加で「3000+CLx1000」GP獲得。シナリオ終了時、1000GP獲得。
※鍛冶屋としての腕前はかなりのモノであり、それを主な職として活動しているため、実入りはかなりいい方。
「包丁から武器、果ては揺り籠だって整備するよ。便利屋?そうかもね?」

ミヤモトスタイル:両手利き。利き腕以外でも武器使用可能。「シールド」+1。
※元々左利きであったが、右でも生活できるように努力した結果。
「左だけ、より両方仕えた方がいいと思ってたからね。こんなところで役に立つなんて思わなかった」


おちびさん:身長が種族平均より極めて低い。[体力]-2。
※童顔で130㎝しかない背丈はどう見ても子供。
「子供…子供ね。うん、そう見えるよね……」

PickUp

豊富なマーチャント特技による割引と武器防具強化をメインに、超装甲で相手に攻撃を耐える肉盾。



+ 鍛冶屋クラリッサの過去
彼女が鍛冶屋を目指したのは12才の頃。
生まれながらの縁の下の力持ち気質が、話に聞くワンダラー…よりも、その武器を作っている職人が気になった。
そうして基礎知識を本で学びながら師匠を探すこと2年。アズマにすごく腕の立つ鍛冶屋がいて、弟子を探している、と聞いてすぐに向かう……も、鍛冶屋は女人禁制。しかし諦めきれないクラリッサはその幼さをフルに活用し、クリスという男の子として試験を受けることに。龍の住まう洞窟から鉱石のかけらを取ってくるという辛い試験を突破して、シュウジ(アカシャアーツ/トモエ/エグゼキューター)の弟子となる。
最初はことあることに武器を作りたがるやんちゃっぷりを見せて、それを止められる日々を送る。この時は口も粗いし、一人称が『俺』だった。(この頃の自分は思い出したくない黒歴史らしいが、キレるとこの時の言葉が無意識に出るあたり完全に捨てきれる日はたぶん来ない)

そのまま体格が全く成長しないまま5年が過ぎ、前々から疑惑だった性別がついにバレて師弟の大喧嘩が始まる。(余談だがこの時の身長130cmがクラリッサの最大身長である)
一週間に渡る壮絶な口喧嘩(殴り合いでは100%勝てない)の末「貴様が女と見抜けず弟子にした儂の落ち度」とシュウジが折れることになった。少なくともクラリッサの腕は捨てるには惜しいレベルにまで成長していた証でもある。

その後ケンカしながらもさらに腕を磨き、シュウジの覚えられないアタッチメント技術もしっかりと納めて世に出して良いレベルと認められて広い世界に飛び出した。
その後、紅蓮の旅団に所属して今に至る。

尚、今現在の師弟仲は比較的良好である。

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最終更新:2021年07月14日 01:04