*イースシリーズ ---- **概要 [[日本ファルコム]]より発売されているアクションRPGのシリーズであり、同社を代表する看板シリーズの一つである。 冒険家のアドル・クリスティンを主人公とし、彼の回想録を翻訳・小説化したものというメタフィクション的な体裁をとっている。 またゲーム業界の黎明期よりメディアミックスを展開してきたシリーズとしても知られている。 このシリーズを語る上で音楽は欠かすことができないと言われるほど、ゲーム音楽の質が高いことで定評がある。 そもそも初代『[[イース]]』からして、[[古代祐三]]氏が当時のFM音源の機能をフルに使って曲どころか「音色」から作り上げたことにより、当時としては半ばオーパーツ染みた驚異的な完成度をもって、PC界にゲーム音楽の地位を確立させたとすら言われている。 また次作の『[[イースII]]』は、当時まだ普及していなかったアニメーションを導入したオープニングと曲の「[[TO MAKE THE END OF BATTLE]]」もまた業界に革命を起こしたとすら言わしめるものであった。 古代氏の退職後は、同じく初代『[[イース]]』を担当した[[石川三恵子]]氏が[[Falcom Sound Team jdk]]を結成し、以降のシリーズ及びファルコム作品のサウンドの礎を築いている。 石川氏が書籍「Falcom Music Chronicle」で語ったことによると、ファルコムでは曲の発注書というものがなく、各場面ごとの曲を作曲者自身が判断して作り、それをシナリオライターやプログラマーが当てはめて合う合わないを判断するという流れだそうだ。 そのため、良い曲でも場面に合わなければ容赦なくボツになったり別場面に充てたりするのも恒例らしく、『[[イースII]]』の「A STILL TIME」も元はサルモン神殿の曲だったのだが切ないということでエンディング直前に移されたそうである。 曲数が多くなった近年はまだしも、黎明期に未使用曲がやけに多いのはこういう理由だからであり、曲と場面へのこだわりが尋常ではないことが伺える。 この他にも、&bold(){携帯ゲームやスマホでは音を聴かないでプレイしている人が多くいるのは、ゲームの音は「なくてもいい」と言えるものであるから}、と衝撃的なことを語っている。 が、だからこそ、「&bold(){鳴っているのが当たり前な音}」を目標として、FM音源の時代にも音がショボいということでサウンドを切られていたことを悔しがり「&bold(){たとえPC-9801のピープ音でも、曲を鳴らしておきたいと思わせてみせる!}」という思いをもっていたことも語っており、ゲーム音楽への確固たる信念を見せていた。 だからこそ、このシリーズの最大のセールスポイントの一つに音楽が挙げられるほど、イースと音楽は切っても切り離せないものとなったのだろう。 余談だが、イースシリーズが大きな影響を与えたのは、何もゲーム業界だけに限らない。 リメイク版である『[[イースII エターナル>イースII]]』[[オープニング>TO MAKE THE END OF BATTLE]]のアニメーションを手掛けたのは、後にアニメ業界で活躍する新海誠氏である。 元同僚にして&s(){当時は交代で日毎に社長室にて加藤正幸氏に説教をもらいにいく間柄だった}シナリオライターでもある三代目社長の近藤季洋氏は、現役時代に「『[[イース]]』から受けた心象風景的なものがお互い似てるって話になったんですよね。」と[[電ファミニコゲーマーのインタビュー>https://www.youtube.com/watch?v=jHYJhb7foVE&t=110s]]で語っており、代表作である『君の名は。』が、同時期に発表された『[[イースVIII -Lacrimosa of DANA-]]』と世界観等が似ていると言われるのは、二人とも持っているセンスの根底にあるのが同じだからなのではないかと答えている。&s(){「本人とは気持ち悪いからそんな話は絶対しないんですけど(笑)」とも言っているが。} 新海氏も、表現、技術、ビジネス(対ユーザー)それぞれの基礎を存分に学ばせてくれた場所がファルコムだったと[[返している>https://x.com/shinkaimakoto/status/1708797002191196232]]。 創業者の加藤正幸氏が逝去した際には「僕にとっては唯一の師と呼べる人物」と追悼し、本名の“新津誠”から“新海誠”へ名を変えたのもファルコムを辞めた後に加藤氏にバレないようにするためだったと弔辞で明かしており、ファルコム、特にイースの流れを汲む人物であるのは間違いないだろう。 ---- **本編作品 |機種|ゲームタイトル|年|発売元| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースI| |PC88|[[イース]]|1987|日本ファルコム| |FC|[[イース]]|1988|ビクター音楽産業| |SS|[[ファルコムクラシックス]]&footnote(「[[ドラゴンスレイヤー]]」「[[ザナドゥ]]」との同時収録)|1997|日本ビクター| |PC|イースエターナル|1998|日本ファルコム| |NDS|イースDS|2008|インターチャネル・ホロン| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースII| |PC88|[[イースII]]|1988|日本ファルコム| |FC|[[イースII]]|1990|ビクター音楽産業| |DOS|[[イースII スペシャル>Ys II Special]]|1994|Aproman| |SS|[[ファルコムクラシックスII]]&footnote(「[[太陽の神殿 アステカII>太陽の神殿]]」との同時収録)|1998|ビクターエンタテインメント| |PC|イースIIエターナル|2000|日本ファルコム| |NDS|イースII DS|2008|インターチャネル・ホロン| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースI・II| |PCE|イースI・II|1989|ハドソン| |PC|イースI・II完全版|2001|日本ファルコム| |PS2|イースI・IIエターナルストーリー|2003|デジキューブ| |PSP|イースI・IIクロニクルズ|2009|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースIII| |PC88|[[WANDERERS FROM Ys>イースIII]]|1989|日本ファルコム| |PCE|[[イースIII]]|1991|ハドソン| |PC|[[イース -フェルガナの誓い->イースIII]]|2005|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースIV| |SFC|[[イースIV MASK OF THE SUN>イースIV]]|1993|トンキンハウス| |PCE|[[イースIV The Dawn of Ys>イースIV]]|1993|ハドソン| |PS2|イースIV MASK OF THE SUN -a new theory-|2005|タイトー| |PSV|[[イース セルセタの樹海>イースIV]]|2012|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースV| |SFC|[[イースV 失われた砂の都ケフィン>イースV]]|1995|日本ファルコム| |SFC|[[イースVエキスパート>イースV]]|1996|光栄| |PS2|[[イースV -Lost Kefin, Kingdom of Sand->イースV]]|2006|タイトー| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースVI| |PC|[[イースVI -ナピシュテムの匣-]]|2003|日本ファルコム| |PS2|[[イース -ナピシュテムの匣->イースVI -ナピシュテムの匣-]]|2003|コナミ| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースVII| |PSP|[[イースSEVEN]]|2009|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースVIII| |PSV|[[イースVIII -Lacrimosa of DANA-]]|2016|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースIX| |PS4|[[イースIX -Monstrum NOX-]]|2019|日本ファルコム| |>|>|>|BGCOLOR(black):COLOR(white):イースX| |PS4|[[イースX -NORDICS-]]|2023|日本ファルコム| **番外作品 |機種|ゲームタイトル|年|発売元| |PC|[[イース・オリジン]]|2006|日本ファルコム| **派生作品 |機種|ゲームタイトル|年|発売元| |PC|[[イースオンライン ~古代シーマの鼓動~]]|2009|CJインターネット| |PSP|[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]|2010|日本ファルコム| ---- **作曲家 |作曲家|担当作| |[[石川三恵子]]|I~V| |[[古代祐三]]|I、II| |橋本昌哉|I(未収録)、II| |[[永田英哉]]|II| |笠井治|II(FC)| |原田昌亮|II(FC)| |SHINJI NAKAYAMA|II(FC)| |[[米光亮]]|I・II~IV(PCE)| |川合将明|III| |[[磯田健一郎]]|I(X68000)| |[[蓮舎通治]]|III(FC)| |原田昌亮|III(FC)| |笠井治|III(FC)| |窪寺義明|III(MD)| |[[岩垂徳行]]|III(MD)| |[[湯浅稔]]|III(MD)| |[[松岡博文]]|IV~I(完全版)| |[[白川篤史]]|IV~I(完全版)| |[[中島勝]]|IV~II(ET)| |[[金田直樹]]|IV、V| |綱島貴博|IV、V| |寺義明|IV(SFC)| |[[曳地正則]]|IV(SFC)| |[[小林美代子]]|IV(SFC)| |伊藤直幸|IV(SFC)| |天現寺広尾|IV(SFC)| |遠藤智博|IV(SFC)| |SoundTeMP|II Sp| |[[園田隼人]]|I(SS)~| |[[松村弘和]]|II(ET)、I(完全版)| |[[石橋渡]]|II(ET)~フェルガナ| |服部麻衣子|I(完全版)、VI| |広田公|I・II(ET)| |市川淳|I・II(ET)| |[[十一谷明広]]|III(PS2)~V(PS2)| |荒川恵莉|III(PS2)~V(PS2)| |大槻潮|III(PS2)| |[[村山貴英>柳英一朗]]|フェルガナ| |岡垣“Jill”正志|フェルガナ| |[[神保直明]]|V(PS2)| |[[宇仁菅孝宏]]|オリジン~| |竹下遼|オリジン、VII| |[[山田靖子]]|DS、IIDS| |[[神藤由東大]]|I&IIクロニクルズ~| |オダクラ・アキラ|I&IIクロニクルズ| |オダクラ・アキラ|I&IIクロニクルズ| |[[籾山紗希]]|VII~セルセタ| |大崎政範|VII~オルタナティブ| |萩生田朋克|セルセタ| |[[上倉紀行]]|セルセタ| |[[岡島俊治]]|セルセタ| |[[真我光生]]|VIII~| |古口駿太郎|X| ---- **個別ページがある曲の一覧 |曲名|作品| |[[FIRST STEP TOWARDS WARS]]|[[イース]]| |[[TENSION]]|~| |[[TO MAKE THE END OF BATTLE]]|[[イースII]]| |[[翼を持った少年]]|[[WANDERERS FROM Ys>イースIII]]| |[[バレスタイン城]]|~| |[[最強の敵]]|~| |[[セルセタの樹海]]|[[イースIV The Dawn of Ys>イースIV]]| |[[RELEASE OF THE FAR WEST OCEAN]]|[[イースVI -ナピシュテムの匣-]]| |[[MIGHTY OBSTACLE]]|~| |[[ERNST]]|~| |[[TENSION]]|[[イース・オリジン]]| |[[SCARS OF THE DIVINE WING]]|~| |[[VACANT INTERFERENCE]]|[[イースSEVEN]]| |[[LEGEND OF THE FIVE GREAT DRAGONS]]|~| |[[SCIAS]]|~| |[[Get Over The Barrier! -Roaring Version->Get Over The Barrier!]]|[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]| |[[地下遺跡>地下遺跡(セルセタの樹海)]]|[[イース セルセタの樹海>イースIV]]| |[[神代の地]]|~| |[[SUNSHINE COASTLINE]]|[[イースVIII -Lacrimosa of DANA-]]| |[[A-TO-Z]]|~| |[[DESERT AFTER TEARS]]|[[イースIX -Monstrum NOX-]]|