偶像に世界を委ねて ~ Idoratrize World
概要
本作の6面ラストボスである埴安神袿姫戦で流れる曲。
『
輝針城』や『
紺珠伝』と同じく
6面道中曲が6ボス曲のサブセットになっている。
曲名のメッセージ性が強いためか、「偶像」と略されることが多い。
悲壮的でありながらもどこか攻撃的、それらを内包する壮大な曲調の極めて完成度の高い一曲で、『鬼形獣』のテーマである「誰が敵か味方かわからない」「弱肉強食」という評価の高いシナリオをこれでもかというほど表現している。
曲としては、ZUN氏の真骨頂であるピアノとトランペットとエレキギターを主音源としており、それでいて昔のキャッチーかつクサいメロディーと、近年の複雑な音の響きが見事に融合しているため、全体を通して新しくも懐かしい印象を受ける。
戦いの始まりを感じさせる壮大なイントロから始まり、切なくも爽やかなAメロに続く。
Aメロが終わった後は、6面道中曲のイントロで徐々に盛り上げ、サビに突入。ピアノをバックにトランペットが吹き荒れ、圧巻の盛り上がりを見せた後、ダメ押しと言わんばかりにエレキギターがもう一度サビを奏でる。
そして勢いを保ったまま「いつものフレーズ」が流れ、イントロに繋がるこの圧巻の曲構成は、聴く者の心を惹きつけて離さない。
シナリオとの親和性や画面の演出、曲自体の圧倒的な完成度の高さからプレイヤーからの人気は非常に高く、
第16回東方Project人気投票で「
ピュアヒューリーズ」を抜いて初登場4位と、「
感情の摩天楼」以来と言える快挙となった。
さらに中国で行われた人気投票では「
輝く針の小人族」に次いで
初登場で2位、
次回では1位に輝くなど、
シリーズとしてもかつてないほどの注目を集めている。
本ランキングにおいてもその人気は健在であり、第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100において、初登場で4位にランクインした。これは、東方Project作品の楽曲としては歴代最高順位である。また、シューティングゲームのBGMとしても歴代トップタイ記録となっている。
また、
みんなで決める東方ProjectBGMランキングでは、並み居る新旧の名曲たちを抑え、見事1位にランクインする快挙を成し遂げた。
作曲者のZUN氏もお気に入りの一曲である様子で、東方25周年記念イベントである
東方ダンマク祭で、新曲でありながらもピアニストのまらしぃ氏によって風神少女、ネイティブフェイスと共に演奏され、かなり喜んだ様子で「僕も偶像が大好き」とコメントしていた。
余談ではあるが、鬼形獣は暴走ロアリングシステムの影響で歴代Win版でも随一となる画面の激しさが特徴で、プレイしている際は魔理沙のマジックミサイルの弾ける音や、特に妖夢の低速ショットやボムのズバズバ斬るうるさい効果音が曲調と合わさって非常に爽快である。
ZUN氏のコメント(Music Room 百獣の音楽室より)
埴安神 袿姫のテーマ曲です。
天才造形師です。彫刻刀片手に作業着エプロンで戦うボスを、
如何にして格好良く見せるのかだけが今回のテーマでした(笑)
本当の敵が誰なのか主人公にもプレイヤーにも不確定なまま戦う
為、悪意の感じない少し切なさもある爽やかな曲になりました。
過去ランキング順位
最終更新:2025年03月09日 12:40