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老人山(ろうじんざん)
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gensousyusyu
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老人山/ろうじんざん
中国の伝説における、老人が化した山。
広西チワン族自治区桂林市にある山で、高く険しく、大小の群山の間に聳える。『民間文学』1980年第二期所載「桂林の山水の伝説」によれば、以下のような伝説があるという。秦の始皇帝が長城を築こうしたため、庶民は苦しんだ。そこで東海の龍王の3人の王女が南海に行き、観音に民の苦しみを和らげるよう頼んだ。観音は1本の柳の枝を授け、海中の巨石を虎・豹・駱駝・象・錦鶏・仙鶴などにし、これをゆっくり北へ進ませ長城を築くよう告げた。そして観音は「貪ったり遊んだりしないこと」と、「凡人と話さないこと」を戒めた。3人の王女が石を駆り立てながら3日3晩かけ、ようやく桂林まで来ると、美しい川の水と花が咲き乱れていたため、彼女らはしばらく休んで旅の疲れを癒したいと思った。そこへ、風帽を被りだぶだぶの服を着た白ひげの老人がいたため、彼にしばらく巨石の動物たちの見張りを頼んだ。しかし老人は目をこすり、「これは皆巨石じゃないか。どこが虎や豹や駱駝などだ」と言った。その途端、動物たちは石に戻り、柳の枝で打ってもびくともしなくなってしまった。王女は後悔し、南海に戻って観音に許しを請うた。老人は山に転じ、王女の頼みを聞いていつまでもそこで虎・豹・駱駝・象・錦鶏・仙鶴に似た山を見張っているような格好なのだという。
広西チワン族自治区桂林市にある山で、高く険しく、大小の群山の間に聳える。『民間文学』1980年第二期所載「桂林の山水の伝説」によれば、以下のような伝説があるという。秦の始皇帝が長城を築こうしたため、庶民は苦しんだ。そこで東海の龍王の3人の王女が南海に行き、観音に民の苦しみを和らげるよう頼んだ。観音は1本の柳の枝を授け、海中の巨石を虎・豹・駱駝・象・錦鶏・仙鶴などにし、これをゆっくり北へ進ませ長城を築くよう告げた。そして観音は「貪ったり遊んだりしないこと」と、「凡人と話さないこと」を戒めた。3人の王女が石を駆り立てながら3日3晩かけ、ようやく桂林まで来ると、美しい川の水と花が咲き乱れていたため、彼女らはしばらく休んで旅の疲れを癒したいと思った。そこへ、風帽を被りだぶだぶの服を着た白ひげの老人がいたため、彼にしばらく巨石の動物たちの見張りを頼んだ。しかし老人は目をこすり、「これは皆巨石じゃないか。どこが虎や豹や駱駝などだ」と言った。その途端、動物たちは石に戻り、柳の枝で打ってもびくともしなくなってしまった。王女は後悔し、南海に戻って観音に許しを請うた。老人は山に転じ、王女の頼みを聞いていつまでもそこで虎・豹・駱駝・象・錦鶏・仙鶴に似た山を見張っているような格好なのだという。
参考文献
- 袁珂著/鈴木博訳『中国神話伝説大事典』大修館書店