幻想用語データベース @ ウィキ
レベ
最終更新:
gensousyusyu
-
view
レベ/Lebe
アフリカのマリのドゴン族の神話に登場する老人。
かつてドゴン族は、8つの祖先の血をひく8家族に分かれ暮らしていた。第8の家族は言語を持っていたため優れているとみなされた。まだ死の概念が無かったが、最年長の男レベは神意により死ななければならなかった。そのため、レベは頭を北にして仰向けに埋められ、象徴的な死を遂げた。そして第7の祖先が蛇の姿になり、彼を呑みこんだ。蛇は人間の魂に似た形の石をいくつも吐き、それぞれの祖先の頭に1個、関節に8個の石が配られ、小さな石は肋骨や背骨や他の骨の中に詰められた。この石は子孫たちや祭司によって大切に保持され、祖先たちの生命力の象徴になった。レベが呑み込まれたことにより、言語だったものから生じた良いものはすべて石の中に集約され、不純なものは投げ捨てられた。呑み込まれたレベの骨は形を変え、彼が石の中に存在すると考えられた。
別の神話では、レベは体の疲弊からの解放を求めて至高神アンマを訪ねた。レベは死んだが、彼の親戚は彼が眠っていると思い、起こそうとした。レベの死体が腐り始めると、彼らは穴の中に置いた。何年か経ち、ドゴン人が他の土地に移動することになると、レベの遺骨を共に持っていくことになった。そこで墓を開けると、骨の代わりに蛇がいた。蛇はドゴン人の旅に同行したため、それがレベであることを確信したという。
レベは社会・人間を象徴する。人類の身代わりとなったレベには、毎年大々的な犠牲を伴う行事が催される。
かつてドゴン族は、8つの祖先の血をひく8家族に分かれ暮らしていた。第8の家族は言語を持っていたため優れているとみなされた。まだ死の概念が無かったが、最年長の男レベは神意により死ななければならなかった。そのため、レベは頭を北にして仰向けに埋められ、象徴的な死を遂げた。そして第7の祖先が蛇の姿になり、彼を呑みこんだ。蛇は人間の魂に似た形の石をいくつも吐き、それぞれの祖先の頭に1個、関節に8個の石が配られ、小さな石は肋骨や背骨や他の骨の中に詰められた。この石は子孫たちや祭司によって大切に保持され、祖先たちの生命力の象徴になった。レベが呑み込まれたことにより、言語だったものから生じた良いものはすべて石の中に集約され、不純なものは投げ捨てられた。呑み込まれたレベの骨は形を変え、彼が石の中に存在すると考えられた。
別の神話では、レベは体の疲弊からの解放を求めて至高神アンマを訪ねた。レベは死んだが、彼の親戚は彼が眠っていると思い、起こそうとした。レベの死体が腐り始めると、彼らは穴の中に置いた。何年か経ち、ドゴン人が他の土地に移動することになると、レベの遺骨を共に持っていくことになった。そこで墓を開けると、骨の代わりに蛇がいた。蛇はドゴン人の旅に同行したため、それがレベであることを確信したという。
レベは社会・人間を象徴する。人類の身代わりとなったレベには、毎年大々的な犠牲を伴う行事が催される。
参考文献
- ジェフリー・パリンダー著/松田幸雄訳『アフリカ神話』青土社
- アーサー・コッテル著/左近司祥子,宮元啓一,瀬戸井厚子,伊藤克巳,山口拓夢,左近司彩子訳『世界神話辞典』柏書房