エルミア共和国
Siigept la Ermia
国の標語:正しき心のみが未来を見る
国歌:リリーカの祈り
公用語 エルミア語
首都 スモラク
最大の都市 スモラク
政府 中央委員会
国家元首の称号 政府代表
政治体制 直接民主制
人口 約23億5000万人
主な宗教 アルラン教
通貨 エルン(Ern)
建国年 1555年
加盟年 1623年(原加盟国)
主要惑星
母星 ラヴェルト
首都星 ラヴェルト
領 有
ラヴェルト星系 ラヴェルト(一部)
「人として生き、人として死ぬ。これほどまでに、幸せなことはない」
――デヴァストル・フェトスローム(22代目エルミア元首相)

 エルミア共和国(エルミア語:Siigept la Ermia)または第二共和政エルミアとは大宇宙連合会議に加盟している共和制国家。
 惑星ラヴェルトのおよそ半分を領土に持ち、残り半分はリーエス連邦が支配している。
 大宇宙連合会議の設立当初の加盟国の一つであり、大宇宙連合会議事務局の主任国に指定されている。そのため、大宇宙連合会議事務局の職員は全てエルミア人で構成されている。また、エルミア共和国は後述する歴史の経緯から科学志向の技術開発立国として知られており、技術者倫理を非常に重んじる国民性から国際技術倫理シンポジウムの設立国にして議長国となっている。


歴史

宇宙進出以前

 惑星ラヴェルトでいくつかの民族が現れ、豪族による統治が行われた。しばらくすると宗教が現れ、その権威や先進的な軍事力で征服を重ねた封建制国家が誕生した。しかし、封建制は比較的早期に廃れ、独自の民主主義が発達すると同時に国家主権国家が乱立し、技術力の躍進の時代を迎えた。
 宇宙進出の直前にはエルミア共和国(第一共和制エルミア)やリーエス共和国、スベール国などの有力国家が惑星ラヴェルトを席巻していた。

宇宙進出

詳細はラヴェルト時代を参照
 エルミア共和国は他国よりも一足、二足も早く宇宙進出を達成した。
 領土拡張や異星人との交流に対しては消極的で、銀河全体の調査を主目的にしていたと予想される。
 植民地主義のボルガード連合との接触を余儀なくされ、エルミア政府は対抗してラヴェルト連合を結成。ボルガード連合のリーエス領侵攻を皮切りにボルガード=エルミア諸国戦争が勃発する。内部分裂が原因となってボルガード連合は瓦解。最後まで抵抗した中央政府は指導者を殺害され、ラヴェルト連合が戦争に勝利した。
 ボルガード側の終戦宣言で戦争は終結し、ほぼエルミアの手柄となったこの戦争は旧ボルガード領の大半をエルミア共和国が獲得するという結末で終わった。そのため、この勝利はエルミア政府にとって非常に有益なものとなった。
 そこで、帝国主義派閥の一部のエルミア貴族によってラヴェルト連合を解体し、エルミア帝国の成立を目指す運動が活発になった。
 1444年、遂に議会で帝政移行の決議が過半数を上回り、ラヴェルト連合は解体され、エルミア帝国?が成立する。以降、エルミア帝国時代が始まる。
 首都を遷都しエメル・スラメオンをセンペル・スラメオンに改名して帝都とした。

エルミア帝国時代

 各地の編入が完了してしばらく、ベリオン共和国と接触。エルミア帝国の使者は初めての接触の場でベリオン政府外交官に対して高慢な態度を取ったために関係が悪化。両国共に急速に軍拡が始まる。
 関係悪化のために戦争は避けられないとして、ドルムントは1515年にゲルデン連合の結成呼びかけ、成立する。
 1521年から1528年までの間に起こったエルミア=ゲルデン戦争が勃発。ゲルデン連合は防戦一方となり降伏。エルミア帝国に併合される。

大革命時代

 1555年、エルミア帝国にてエルミア革命及びグロスクロイツ共産主義革命が起こり、エルミア帝国は滅亡。
 それぞれの革命指導者たちはペルメ草案に合意したことで、旧エルミア領の各地で独立する国家の領土を確定した。ドルムント共和国、グロスクロイツ社会主義共和国、リーエス連邦、ベリオン共和国が成立し、新生エルミア政府は残された惑星ラヴェルトの半分を1556年にエルミア共和国(第二共和政エルミア)として成立させた。
 エルミア共和国は過去の帝国主義的支配による反省から、エルミア帝国時代に培った科学力・技術力を活かして平和的技術立国として生まれ変わることになる。
 その後、ベリオン共和国の宣戦布告によって勃発したベリオン・リーエス戦争が国際社会に大きな衝撃を与えることとなり、1623年に大宇宙連合会議が設立されることとなった。エルミア共和国は大宇宙連合会議の設立当初からの加盟国であり、国家としての中立性から大宇宙連合会議事務局の主任国に指定されている。そのため、大宇宙連合会議における書類作成や事務作業全般は全てエルミア人職員の手で行われている。

政治

 エルミア共和国では三権分立の原則を定めている。
 行政府は中央委員会と呼ばれ、各研究機関から集めた専門家と立法府である革命議会から選挙で選出された政治家たちによって運営される。司法は共和国裁判所が担っている。また、エルミアには類を見ないほどの多種多様な独立シンクタンクが設置されており、大宇宙各国と比べても民主性の高い政治を実現している。
 そのため一部ではエルミア共和国が大宇宙諸国で最も腐敗度が低い国であるという統計結果が出ている。[要出典]?

 エルミアの政党政治は二大政党制を採用しており、リリーカ・サルト・ファルラー?の思想を継承すると自認している平和党ペルメ・デウ・ストロークタ?の思想を継承すると自認している盟約党が存在する。

政府代表選挙

 エルミアでは直接民主制を採用している通り、政府代表選挙では国民が直接候補者に投票する。
 通常一つの政党から2~3名の候補者を募り、選挙においては大抵の場合4~6名前後の候補者が選挙戦を行うこととなる。しばしば出馬する候補者が一つの政党につき1名の場合もある。
 当選した候補者は国家元首である政府代表となり、自身が所属する政党を与党とし中央委員会を結成する。この時の人事は選挙公約で発表されており、同じ政党内の候補者であっても異なる場合が少なくない。

対抗内閣

 政府代表選挙において中央委員会が組閣されると、野党は対抗内閣に相当する対抗委員会を結成する。
 国家元首である中央委員長(政府代表)が国民から直接選出されるのに対し、対抗委員長は国民からの投票5割と相手側の政党議員からの投票5割で選出される。
 対抗委員会は中央委員会に対して公然と批判できる権利を有しており、対案を提示することで政治をより建設的なものにしようとしている。
 中には中央委員会を徹底的にこき下ろす対抗委員会も存在しており、世論から厳しい目で見られることもある。

軍事

 エルミア共和国の軍隊は領土の小ささも相まって最小限に留められている。帝国のくびきの影響もあり、エルミア政府は国防に必要とされる以上の軍隊を所有することを自ら禁じており、その分、最新技術と練度の高い兵士たちによる質の高いものとなっている。
 設備や兵器の更新もひっきりなしに行われている。

領域

 エルミア共和国の領域は狭く、惑星ラヴェルトの一部分しか領有していない。これは連合会議加盟国基準では小国レベルの規模である。
 これはかつてのエルミア帝国?が領土拡張と他国への侵略をひっきりなしに行っていたことの裏返しであり、歴史的事実に対する教訓であるとも言われている。

ラヴェルト星系

 ラヴェルトの太陽は比較的若く、放射量はやや強め。
 惑星ラヴェルトは第三惑星であり、その生成過程で主に氷でできた薄い環が存在する。
 系外の彗星がより頻繁に到来することで知られる。

惑星ラヴェルト

 ラヴェルト文明の発祥地。豊かな自然に囲まれた温暖惑星であったが、文明の発達に伴ってラヴェルト人類の非持続可能的な資源の収奪を行ったため、環境が変化してしまっている。
 第二共和政に移行してからは自然環境の復元と生活福祉の向上に多額の予算が注ぎ込まれており、隣国のリーエス連邦との協力プロジェクトも行われてきたため、完全ではないものの特に人類への影響が大きい要素に関してはかなりの改善が施されている。その一方でほとんど居住していない極地や高緯度乾燥帯には除去不可能な汚染物質がまだまだ大量に残されており、その他の動植物への影響が懸念されている。

主要都市


スモラク

 エルミア共和国の首都。都心部は第1区から第10区まであり、第2区には大宇宙連合会議事務局の建物がある。
 帝国時代?エルミア帝国?領だったスモラクには各地の例に漏れずタプナパキ人奴隷がおり、革命指導者のヌポラ?は同郷の奴隷を救い出し、反乱軍への協力を呼びかけた。革命後、スモラクの第5区にはタプナパキ奴隷解放の記念碑が建てられた。
 また、エルミア革命では帝国軍2万4000名とヌポラ率いる1万5000名のタプナパキ人との間でスモラクの戦いが起こった。第6区のエルミア革命平和記念公園には民衆を導くヌポラの像戦没者慰霊碑が建っている。
 スモラクの第7区にはエルミア共和国国家情報局RDC(レー・デン・ケー)の本部がある。ゼラエ・ストラメウト?アイローム社?の専任開発者になる前はこのRDCの局長であった。現在でもゼラエゆかりの地として知られている。
 第8区にはエルミアを代表する軍需産業の一つ、エルメト社?の本社の建物がある。現在では本社のすぐそばにはエルメト社の前身であるエルミア帝国産業開発廠の遺構が残され、記念館の中にはその一部が保存されている。

  • スモラクにゆかりのある命名
    • スモラク級戦艦エルミア・ゲルデン戦争に参加した宇宙戦艦。対巡洋艦クラスとの艦隊戦に特化した設計で時代を先取りしていた。エルミア革命?では旧式化していたこともあり、革命軍の宇宙戦闘機にほぼ一方的に撃破された。

クラエルファルラー

 かつては「ニウト」という名前で知られており、古来から物流の要衝として栄えた。
 シンテーア暦1446年まではスベール国?の首都に指定されていたため、現在でも多くのスベール人が在住している。
 革命指導者でありエルミア共和国の建国者の一人、リリーカ・サルト・ファルラー?の死没地として知られており、リリーカ死去の後、エルミア革命を記念して彼女の姓からクラエルファルラー(高貴なファルラー)と改められた。

 1613年にはベリオン・リーエス戦争の講話条約の調印式が行われた。

スコロイア

 リリーカ・サルト・ファルラー?生誕の地として知られる。
 豊かな自然と新鮮な農産物に恵まれており、伝統的なエルミア農村部の景観が広がっている。

マルラー

 マルラー川下流の港湾都市。ラヴェルト共同国際宇宙港の地上点の一つであり、重化学工業と金融業が発達している。

経済

 前述の通り、エルミア共和国の領土はラヴェルト星の半分しかないため、発展規模の割には人口と資源が足りていない。晩婚化の影響から少子化が深刻な問題となっており、資源は主に協商連合や自由解放連合などの国からの輸入に頼りきっている。

 輸出品目は医薬品、機械類や電子機器などが有名。高性能かつ故障しにくいエルミア製機械部品は信頼性の高さから大宇宙各国で利用されている。マーカス連邦の輸出品との競争が激しく、1740年頃まではマーカス製製品に押されがちであったが、マーカス内戦?の影響によりエルミア製製品が注目されるようになった。医薬品・医療関係製品の水準・品質が非常に高く、技術倫理認証済製品部門では完全にエルミア一強状態。不死技術や不老技術の台頭でシェアが脅かされているものの、依然として安定した輸出を保っている。
 また、エルミア帝国時代から続く先進的科学技術のおかげで、研究協定として技術そのものの取引も盛んであり国庫を潤す重要な収入源となっている。

 エルミアには大手技術産業4社と呼ばれるエルミアの素粒子物理学・先進科学を牽引する企業が知られている。
エルメト社
 エルメト・シールド?を開発した宇宙船技術、宇宙船設備技術の設計社。
 元々はエルミア帝国産業開発廠の一部だったが、エルミア革命時にスモラク反乱軍に接収された。戦後は旧帝国産業開発廠の責任者テリカ・エルメトによってエルメト社として設立された。

ペルラモン・ストレンター社
 ストレンター・ワープ航法を開発したワープ技術の設計社。老舗。

スロンコ設計局
 メオン・スロンコによって設立されたエルメト社に並ぶ老舗。ワームホール航法を発明し、ワームホールゲートを開発した。
 ワームホールゲートは惑星間交易に最適であり、少なくとも100年以上はこれを超える設置型FTL航法は存在しなかった。

アイモン社
 アイモン式ジャンプドライブを発明した設計社。
 アイモン式ジャンプドライブは最初に登場した本格的なジャンプドライブであり、大宇宙各国に衝撃を与えたらしい。

国際関係

 エルミアは国際関係においてその国が「技術倫理が遵守されているかどうか」という点を最重要視する。
 また、平和主義国家や民主主義国家を好む傾向があるが、例外は多い。

 ベリオン共和国を除く旧革命連合諸国との関係は通時代的に良好である一方、ラヴェルト諸国とはイデオロギーの対立や歴史的経緯から思ったほど友好ではない。
 レーウス諸国では貿易相手国であるヴァルエルクとサーヴァリアと一応の友好を保っているが、一部技術倫理からの逸脱についてエルミア政府は抗議を続けている。
 神国同盟であるジエール帝国連邦や天嶺皇国、新秩序同盟のベリオン共和国やショアン王国、ニーネン=シャプチとは一応の国交はあるが険悪状態である。

 ただしリーエス連邦とは多少複雑な関係になっており、隣国として一定の友好関係はあるもののベリオン・リーエス戦争でエルミアが日和見主義的態度を取ったことから、歴史認識で多少ギクシャクする場面もある。
 マーカス連邦とも微妙な関係であり、時代によって異なる。通時代的には比較的友好と比較的疎遠の間を行ったり来たりしている。輸出品目の競合と主義の相違(技術倫理 VS 科学進歩)の観点では対立しており、疎遠な関係が続いている。

自由解放連合諸国との関係

友好度:◆◆◆◆◇
 ヴァルエルクは自由、民主、平等を重んじる点でエルミアと相性が良い。
 ただし、戦争好きなところや子分の国を引き連れて徒党を組む?ところがイマイチ。あとスレフィエ国の親分みたいな顔をしているのもマイナス。
 レーウス四大国の中では不死技術をあまり使わない方なので評価されてる。技術倫理の逸脱があまりない点で相対的に嬉しいらしい。
 一応貿易もしている。

友好度:◆◆◆◆◇
 エルミアの可愛い弟分。スレフィエのファーストコンタクトがエルミアだったのがきっかけ。
 スレフィ種族の言う「ご主人さまの文明」は古代エルミア超文明だったらしいという噂があり、なんだかんだ言って仲良し。
 合理主義のエルミアがスレフィエの伝統文化を見て「非合理的だ―!」と怒るどころか、なんか懐かしさを感じてほっこりとさえしてしまった。
 スレフィエ国が自由解放連合に所属してしまったのは残念だけど、他の陣営に入っちゃうくらいならまあいっかって感じ。でも本音としてはエルミアの直系の子分になって欲しかったと思っている。

友好度:◆◆◆◇◇
 種族特性とはいえ培養ポッドで人間を生み出すのは良くないこと!
 しかもエルトリア?と共同で不老化技術を開発した!人として生き、人として死ぬこと!
 自由解放連合に所属してた頃はまだマシだったけど、協商連合に所属してから多少警戒するようになった。
 一応民主主義的なシステムが残っており、他の問題児に比べればまだマシ。一応隣国なのでグレないように心配している。

宗教

 国教のアルラン教はリーエス連邦の国教のスロマト教を母体として誕生した宗教であり、崇拝する神は同一でありながらスロマト教より世俗的で処世訓や知識探求を重んじる傾向がある。婚姻や葬儀の形態や食文化、タブーについて若干の相違が見られる。

国民

 エルミア社会ではあらゆる職種で男女がほぼ均等に雇用されており、共働き社会になっている。晩婚化が進んでおり、少子化の原因となっている。
 エルミア国籍である条件の一つに「不死技術の使用禁止」が挙げられる。すなわち、不死技術を適用してしまったエルミア人はエルミア国籍の資格を剥奪される。エルミア国籍を剥奪された著名なエルミア人の一人にミーレア・クラモル?がいる。

文化

 個人の倫理観が非常に重要視されており、社会の一般的な慣習や風習から外れていても道徳的な行動が非常に評価される傾向がある。
 婚姻に関しては夫婦別姓になっており、また子供は届出を出すことで両親とは異なる姓を名乗ることができる。

関連項目


タグ:

国家 エルミア
最終更新:2025年01月03日 13:37
添付ファイル