本項はクトゥルフ神話TRPG第6版シナリオ「希死言語のグリーフワーク」のネタバレを含みます。
希死言語のグリーフワーク(理:ferasil lkurftless zelx karx retovo)とは、Fafs F. Sashimiによるクトゥルフ神話TRPG第6版向けシナリオ。クローズドシナリオ。
概要
独立シナリオであり、クローズドシナリオ。2~4人向けである。予告されたあらすじは以下の通り。
貴方達は、ユエスレオネ連邦言語翻訳庁の職員であるアレン・ヴィライヤから文化振興調査支援として業務を委託された
大宇宙連合会議・伝統文化保存委員会に所属する専門調査官である。普段は各々の生活がある貴方達は、アレンの招集によって一挙に集まることになる。ファルトクノア共和国におけるとある言語の調査を依頼された貴方達は赴任後、その調査対象が入院している年頃の少女であることを知る――
沿革
おそらく構想は2021年頃に遡り、大学在籍時にFafs F. Sashimiがドイツ語の講義で見た
「ノッキン・オン・ヘブンズドア」から感銘を受けたことでアイデアが発起されたようである。死に関する話題に関しては、別の哲学の講義でハイデガーの本来性(Eigentlichkeit)の概念を知っていたため、これらを組み合わせたシナリオにすることを当初検討していた。2022年1月3日に作成されたプロットは「ノッキン・オン・バベルズ・ドア」と命名されており、まずは小説として書かれようとしていたようである。2024年には、言語を話題とする物語とすることと諸作品との繋がりを強めるためにアレン・ヴィライヤが上司であることになった。2025年の編集によって、本来無かった戦闘が実装された。
影響を受けた作品は複数であり、上記でも述べた「ノッキン・オン・ヘブンズドア」(Knockin’ on Heaven’s Door)の他、
『LOST:SMILE memories+promises』のオープニング
「White Promise」、MOROHAの
「革命」、松本佳菜子
「現存在の本来性について」(東京大学哲学研究室『論集』33号(2014年度)、pp.158-171)などである。
タイトルについて
上記の通り、小説版のプロットでは「ノッキン・オン・バベルズ・ドア」と命名されていた。シナリオ化以後の初期のタイトル案は哲学の話題が絡むために「イリヤの夜、空虚に因果の鎖を止める」であったが、リスペクト元との関係性を重要視して、「Knocking on Babel's door」「希死原語のグリーフワーク」「Live as Cantilater, Death as...」の三つが提起されていた。2024年ごろに現在の題名になったと考えられるが、2025年のセッションで「グリーフワーク」という言葉に疑念を持ったFafsによって一時は「希死言語と病衣の少女」という題名になっていた。しかし、直前でこの題名でもしっくり来なかったために題名を元に戻して予告をしていた。
シナリオの真相
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ネタバレのため閉止 |
アレン・ヴィライヤはシュブ=ニグラスの狂信者であり、そして言語に頭をイカれさせたマッド・サイエンティストであった。ココネの存在を知ったとき、彼女が先住民語の最期の話者になるのは研究者なりに理解しており、その純粋性を守るために黒い仔山羊を召喚し、事故に関与させた(死亡したココネの父母はシュブ=ニグラスに捧げた)。そして、呪いによって良くわからない病気を発症させた。
ヴィライヤは慎重な男であり、自分のココネへの異常な執着を知っていた。冷酷な思考の中で、この研究を複数人の大宇宙の民に任せることは調査への影響を分散させるにあたって都合が良かったのである。
ココネは両親の死と早いうちから入院生活を送ってきたことから、内向的な性格になっていた。年相応の無邪気さも薄れていた彼女は毎日の変わらない生活に辟易しており、いずれ死んでしまうなら早いうちに死んでしまいたいと思っていた。しかし、探索者たちとの関わりから、その気持も段々と変わっていくことになる。
最終的に彼女は亡くなってしまう。しかし、ヴィライヤはその異常な固執から、彼女が死んだことを受け入れられず、狂った頭の中での理解を元に探索者たちを襲うことになる。
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書き直し版
Pixivに投稿された書き直し版「希死言語のグリーフワーク」は2025年3月22日に投稿された。諸情報やキャラクターの詳細、背景設定などが詳細に記述され直されている。なお、ネモの語り関連に関しては原案シナリオとは少々異なっているなど、再編の中で変更された点も多い。
登場人物
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ネタバレのため閉止 |
アレン・ヴィライヤ(alen.vilaija)
ユエスレオネ連邦の言語翻訳庁の職員。この物語の元凶である。
レシェール・クラナフ(lexerl.klanaf)
ココネの主治医。言語翻訳庁の職員を目の敵にしているが、ココネと交流していくうちに彼女が心を開いていくのを見て考えを改めるようになっていく。
第一回のセッションでは、探索者たちに激辛麺を食べさせられ、地獄の様相を呈したり、メンタルに強いダメージを与えるなど、つらい目にあってる。
ココネ(kokone)
とある言語の最後の話者であり、余命一年の少女。ココネという名前は原語で"コ コネ"「詩の 少女」の意味。
ネモ(nemo)
ココネの病室の近くの部屋でいつもピアノの練習をしている精神科の医師。
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枝葉末節
- 第一回セッションでは、ココネの言葉のアルハネメ(またね、じゃあね)を何度もアルハメネと何度も誤読しているが、ハメの部分が日本語で卑語であることから、後にシナリオ側で修正していたが、GMとして練習していた言葉は前者であったために齟齬が出てしまった結果である。
ログ
関連項目
最終更新:2025年03月31日 22:20