六日目録音無残編

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haputea

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録音 部屋 夜

録音「(テレビを見ながら)ひでえな、処分に困ったペットロボが
   大量に不法投棄だとよ」

ハロがピョーンピョーンと飛び跳ねる

録音「こら、仲間がひどい目にあってるのに何はしゃいでんだよ!」

ハロ「チガウ ナイテタ」

録音「飛び跳ねるのは嬉しい時だろ。不謹慎だぞ」

ハロ「………」


匙「……ええと、僕に急用って何かな?」

ハロ「コショコショコショ」

匙が録音に向かって手を動かす

ハロ「サジ ナニシテル? サジ ナニシテル?」

録音「何って…『あっち行け』ってジェスチャーだろ」

ハロ「ブッブー」

匙「ハロに『おいで おいで』をしてくれって言われたんだけど」

録音「えー、『おいで おいで』は(手のひらを上にして指を曲げる)こうだろ」

匙「あー国の違いだね。日本ではそうやらないんだ。英語の先生から代表的な
  ジェスチャーの違いとして習ったから知ってるんだけど…で、ハロ用事は?」

ハロ「オワッタ オワッタ サヨナラ サヨナラ」

匙「ええっ!!これだけのために呼び出したの!!(ガーン)」


録音「……さっきの悪かったよ………結構、負けず嫌いなんだな…ボソッ」

ハロ「(カチン)………リカイサレルヨリ リカイスルコトヲ」

録音「…は?」

ハロ「マザー・テレサ セカイノ フコウヤ ゴカイノ ヨンブンノサンハ
   テキノフトコロニハイリ カレラノタチバヲリカイシタラ キエサル」

録音「それは?」

ハロ「マハトマ・ガンジー」

録音「(うぜー)わかった。俺が悪かったから…もう寝よう」

ハロ「(録音の肩に乗っかり)イクツニナッテモ ワカラナイノガジンセイ
   ワカラナイジンセイヲ ワカッタツモリデ アユムホド 
   キケンナコトハナイ バイ マツシタコウノスケ」

録音「(まじ、うぜー)わかった!俺が悪かった!もう勘弁!!」

ハロ「コノ タシュタヨウナ ミンゾク ブンカ レキシ ノナカデ
   ハタシテ ジブンノジョウシキガ セカイノジョウシキト 
   イエルノデショウカ!!」

録音「うう……」

ハロ「(大声で)イイキレルノデショウカ!!!」

録音「(がーーん)」


翌日 昼

録音上司「こぅらぁ!現場に1時って言っただろうが!何バックれてやがる!
     ああ?時間通りに行くという常識が本当に世界の常識なのか
     わからなくなった?……なに寝とぼけたこと言ってやがる!いいか、
     一時間以内に来ねえと、俺の常識でクビにすっからな!覚悟しとけよ!」


ハロ 道を歩いている 向こうからブシドーが来る

ハロ「(サワヤカナアサ シュウリョウ)オハヨウ オハヨウ」

ブシドー「おお録音の相棒の球体形ペットロボ『ハロ』君ではないか?おはよう」

ハロ「デハ サヨウナラ デハ サヨウナラ」

ブシドー「(繰り返して喋るのが流儀か。よかろう)ところで録音は
     ところで録音はと言った」

ハロ「マダネテル マダネテル」

ブシドー「そうか そうかと言った」

ハロ「………イイイチニチヲ イイイチニチヲ」

ブシドー「ありがとう、君もいい一日を過ごしたまえ
     ありがとう、君もいい一日を過ごしたまえと言った」

ブシドーが去っていく

ハロ(ウザー キョウハ ウザサ ヒャクパーセント ゾウリョウ
   ナンデ アア クリカエシテ シャベルンダカ……ッテコトハ
   ジブンモ ウザシャベリ??……………ガーーーン!)

フェルト「どうしたの、ハロ?………えっ喋り方?うざいかって?
    もう慣れたし……『ナレタッテコトハ ヤッパリ……』
    って違うってば!それがハロだから……
    『ハロダカラッテコトハ……』って……ハロ、ハロってば」


ミレイナが仲間と喋っている

ミレイナ「本当ですう。ただの友達と約束なんですよぉ。えー彼氏だろ?
     もう、そういうのセクハラですぅ」

フェルト(可愛いな。本当に。一番キラキラしている時期よね
     私にもあんな時が……)

クリス(もう少し…お洒落に気を使ってね…)

スメラギ(最近柔らかくなったわね……)

フェルト(……ない…全然ない……もしかして14の私ってかなり暗かったかも……)
     ロックオンにも暗い女の子として見られてた?
フェルト(がーーーーん)

フェルト ファイルを開き何か調べ始める

ドアが開きミレイナが入ってくる

ミレイナ「時間なので先にお昼に行かせてもらいますね」

フェルト「おう、行ってきなミレ公」

ミレイナ「……え?ミレ公?」

フェルト「しけた面すんなって、心置きなく行ってきな
     早くしねえと蕎麦が伸びちまう、べらんめえ」

ミレイナ「い…言ってくるですぅ……」

イアン「どうした?飯行ったんじゃなかったのか?えっ?
    フェルトと後で話してくれ?悩みを抱えているようだ?
    真面目な子だからな…思いつめるのかもな…ああ…わかった」


フェルト(擬似人格E3…江戸っ子…うまくやれたよね、クリス…
     ミレイナが楽しく仕事できるように…がんばるね、私)

ミレイナ 友達二人とカフェで

友達A「かっこいい人いないかなー」

友達B「ミレイナがバイトしてるとこは?いい人いない?」

ミレイナ「(ゲボッ)年の近い人いないんですぅ」

眼鏡が通りかかる ミレイナに向かって会釈する

友達A「わっわっ超イケテない?」

友達B「もしかしてバイト先の人?もう、年の近い人はいないとか言っちゃってー 
    本当は自分が狙ってるんでしょ……ちょっとミレイナ、吐かないでよ
    具合悪いの?」

ミレイナ「(ゲボゲボ)ち…違います……あの人は、ああ見えて(えーっと……)」

友達B「ああ見えて?」

ミレイナ「パパと同い年なんですう」

友達A・B「「おじさんと?!」

ミレイナ「そ…そうなんです……」

友達B「わっかー。今の技術ってすごいねー。びっくり」

友達A「私も。……将来に希望持っちゃった。あんなに若くいられるんだ」

ミレイナ(ああ…私のせいでアーデさんが整形美少年扱い……えっ?
    こっちに来る?どうして?まさか聞かれた……びくびく)

眼鏡 ミレイナのテーブルの伝票をサッと取る

ミレイナ「あ…あの…」

眼鏡「(フッと笑って)俺のおごりだ」

友達A「ありがとうございます」

友達B「素敵なおじ様じゃない」

ミレイナ(アーデさんはあんなにいい人なのに…保身に走った私って…
     最低の人間かも……がーーーーん)
眼鏡(……これでまた一歩あなたに近づいた……ロックオン……)


刹那家

刹那「おかえり……上機嫌だな」

眼鏡「よくわかったな」

刹那「スキップをしながらよく鍵を開けられたな。感心する」

眼鏡「底のほうに入って見つからなかったから廊下を三往復したよ
   いや、そんなことはいい!これをみたまえ(雑誌を掲げて)」

刹那「『パソコン天使』……エロゲーの雑誌か」

眼鏡「この老舗中の老舗雑誌の中でも創刊時からの特に人気コラムに
   僕のゲームが載ったんだ」

刹那「そうか、よかったな」

眼鏡「ああ…本屋から読みたいと思う気持ちを抑えるのにどれほど苦労したか……」

読みふける眼鏡 見守る刹那

眼鏡「………死んでも……いいか……」

刹那「は?ちょっと見せてみろ。ええと……『いま巷で人気の作家のゲームを聞いて
  パソコンの前にチン座してプレイしたんでおまっ』ひどいな、校正漏れか?
  ええと『結局、小生の愚息がマン足することなくプレイ終了…』
  っておい、自分の子供にエロゲーなんてさせてるのか!」

眼鏡「もう……僕は駄目だ……」

刹那「そう思いつめるな……(パソコンが鳴る)ほらメール来てるぞ」

眼鏡「仲間からだ…みんなプレイしてくれたんだな……がーーーーーん」

刹那「どうした?(刹那画面を覗き込む)」

「クソゲー」「エロのためのエロいらね」「全俺が否定」ズラズラ

刹那「仲間っていうか…赤の他人よりひどいな…そんな変なゲームだったのか?」

眼鏡「僕にしては珍しく純愛物だ。君をモデルにしたからな」

刹那「……そうか……えっ?!ええーーーー!!」

眼鏡「君が会って三回目でマリリンの元に夜這いに行った話をメインに作った」

刹那「あ…お…おま…どうして……」

眼鏡「あの時の君は危なっかしかったからな、制服にGPS機能を内蔵しておいたんだ」

刹那「あ…あ…」

眼鏡「どこが駄目だったんだ。『設定に無理』『感情移入できない』『つーかやり逃げ?』
『クソ喪男。こんな奴に抱かれる女いねー』なんて……」

刹那(がーーーーーーーーーーん)



録音 部屋 廊下で鍵を閉めている録音

録音「刹那?どうした?悪いな、今すぐ仕事行かなきゃなんねーんだ。五分で済む?
   どうした?え、会って二回目の女性の家に夜訪ねていくのはおかしいか?
   おまえの事か?……知り合いの話…おかしいっていうか…
   その二回で恋人とか友達になったのか?名前を覚えただけ……
   じゃあおかしいだろ…っていうかメアド交換くらいはしたんだよな…
   えっそれもしてない…じゃあどうやって調べたんだよ、彼女の家……
   すぐわかる建物?ああ駅前のマンションとかな…行っても会ってもらえないだろ?
   窓から忍び込んで……あのな…刹那、夜、勝手に窓から忍びこんでいいのは
   サンタクロースだけなんだ…知らない?…ああ24日になったら来てくれるよ
   それでそいつは何をしに行ったんだ…って言っても男が女の家に行くなんて
   答えは一つだよな……『世界の歪みがどこにあるか聞きに行った』…まじか……」

録音 腹を抱えて笑い始める

録音「ぶっぶははは……腹いてぇ……お…女の家に行って……世界の歪みって…」

刹那「…………」

録音「ちょ…マジ、つぼに入った……やっべー笑い止まんねー…ひーひー」

刹那「…………」

録音「あっプクク…こんなことしてる場合じゃブハ…あーもっ最高だよ…
   今度そいつ紹介してくれよ。仲良くなれそうな気がプククするから…」

刹那「……どうかな……」

録音「じゃあ、悪いけど、また今度な……えっちょっと家に入ってくれ?
   だから、時間ないって…すぐ済む?ああトイレか……」

鍵ガチャガチャ パタン

録音「ぎゃああああああああああああ」




録音部屋 ハロが部屋の中を転がっている

ハロ「イイナ イイナ(ゴロゴロゴロゴロ)」

録音「仕方ないだろ」

ハロ「ズルイ ズルイ(ゴロゴロゴロゴロ)」

録音「おまえにはトランザムシステムは、ついてないの!
   なに子供みたいなこと言ってんだ」

ハロ「ツケテ ツケテ(ゴロゴロゴロゴロ)」

録音「もう戦争は終わったから必要ないだろ!
   なんで今ごろそんなこと言い出したんだよ……ああ」

テレビにクリスマスのイルミネーションが映っている

録音「そっか……あれで思い出したのか」

ハロ「ロックオン バカ」

録音「こら、人をバカって言っちゃ駄目だろ!」

ハロ「バーカ バーカ(ゴロゴロゴロゴロ)」

録音「やれやれ」


おもちゃ屋

録音「あ、包装はいいです…すぐ使うんで」


ハロ「ワーイ ワーイ(ゴロゴロゴロゴロ)」

録音「あんまり転がってると、取れちまうぞ」

ハロ 体にクリスマスツリーの赤いランプを巻いている


格納庫

ハロ「ミテミテ トランザムツケテモラッタ」

ケルディム「オッ、カッコイイジャン……デモナ、ツカイスギルト
      コショウスルカラ キヲツケロヨ」

ハロ「エッソウナノ?」

セラヴィー「ダブルオーニ キイテミルトイイ」

アリオス「バクハツスルトコ ダッタンダヨ」

ハロ「(ダブルオーを見て)ホント?」

ダブルオー「…………ヒトヲニクイト ハジメテオモッタ……」

ハロ(ヒイイイイイイ)


録音部屋 ランプがテーブルの上に置いてある 部屋の隅にいるハロ

録音「どーした?もうトランザム飽きたのか?(ちょっとチャチだったか?)」

ハロ(トランザム コワイ トランザム コワイ……)

録音「(ハロの頭をポンと叩き)今度給料は入ったらイアンに頼んでみるよ
   本物のトランザム」

ハロ「ギャアアアアアアアア」




イアン「ハロにもトランザムをつけてくれって?」

録音「それっぽいのでいいんだ…予算は(コソッ)これ位で」

イアン「(頭をかきながら)そうは言ってもなあ…」

目の前を赤ハロが通る

イアン「(!)よし、わかった」

録音「ありがとう、おやっさん」


テーブルの周りにイアン アニュー 録音 ハロ 赤ハロ

ハロ「ダイジョウブ? ダイジョウブ?」

イアン「任せておけ!ノーリスクハイリターンのトランザムだ!」


テーブルの上にハロと赤ハロを置き

イアン「行くぞ!トランザム!(ハロを後ろに転がし赤ハロを出す)」

ハロ「!!!!!!」

イアン「解除(赤ハロを後ろに転がしハロを出す)」

録音「……おやっさん……」

イアン「どうだ!常に安定領域100%の新時代のトランザムだ!」

ハロ「………」

イアン「ハハハハハハハハ」

ハロ「………」

イアン「ハハハハハハハハ」


一時間後

イアン「ハロ~頼む~開けてくれ~」

録音「どうしたんだ?」

アニュー「ハロがイアンさんの書類を持ってトイレに立てこもって……」

ハロ「………」

イアン「ハロ~わしが悪かった~急ぎの書類なんだ~」

録音「あ~あ、当分機嫌なおらねーぞ……お茶でもしてる?」

アニュー「そうですね」

イアン「ハロ~!」




刹那「ロックオンに彼女ができたらしいぞ!」

眼鏡「ガンプラの姿のままで彼女を作るとは…さすがロックオンだな」

ブシドー「その女、なかなかやるな。ガンプラとは言えガンダムを落とすとは」

刹那「いや、ニールじゃなくてライルの方だぞ」

眼鏡・ブシドー「「それは無い無い」」

刹那「お前ら酷いな。あいつ、あれで結構いいところもあるのに…」



実際に本人を前にすると無惨…
あれ?お刹那さんツンデレ?

録音「刹那は俺の事が好きなのか?じゃあ、今までのは愛情の裏返しってか
   ったく、素直じゃない奴だなwおいおい、照れんなよ
   ………ごめんなさい調子に乗りすぎゃあああああ」




「ツンデレへの接し方」

ティエリア・アーデ著


眼鏡「古今東西のエロゲをクリアした僕に死角はない」

匙「どこがこんな本を出版したんだよ」

ポニテ「民明書房って書いてあるね」



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