あらしのよるに ◆bDQCUcB4p6
「我が名は完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)が一員、『完力』ポーラマン!!
貴様らのような下等超人以下の虫ケラどもなぞさっさと片付けてネメシスの元へ戻らんとイカンのだ、さぁ死ねえ!」
「そうは行くか!死ぬのは貴様だ!行きますよ銀さん!」
「お、おう!」
さぁここに、完璧超人VS万事屋&熊犬の変速タッグマッチの火蓋が切って落とされようとしている!勝つのは一体誰なのだろうか!
そして、約一時間後。
「どうした?もう終わりか?」
「……ボッフォ……こ、殺せぇ……」
「こ、この犬強えぇ!!」
流れ星銀と銀さんの二人に成すすべもなく一方的にフルボッコされ地面に突っ伏した完璧超人ポーラマンは
虫の息になりながらも最後のプライドを保つため銀に止めを刺すように懇願する。
最も、開始早々に放たれた流れ星銀の必殺技の天狼抜刀牙が速攻でポーラマンの脊柱起立筋を破壊し
身動きが取れなくなった所を銀さんが木刀で滅多打ちにしたという内容なので実質犬の銀一匹の功績だが。
「ふん、言われなくてもそうするさ」
「ま、待てよ銀!このヒグマ弱かったけど喋れるからこのゲームの事なんか知ってるかもしんねーぞ?」
「む、そう言われればそうかもしれないですね、分かりました」
銀さんの提案に乗った銀はポーラマンの元へ近づき、顔を咥えてひっくり返した。
「ではポーラマン、死ぬ前に知っていることを全部喋ってもらおうか?」
「ボッフォ~お、俺にもよく判らんのだ。有富とかいう眼鏡をかけた小僧にそそのかされて
気づいたらこのゲームに参加していたんだ!!」
「なんだそれは!?ええい!使えない奴め!銀さん!早く止めを刺しましょう!……銀さん?」
流れ星銀が振り向くと、その場にいたはずの銀さんの姿が消えていた。
「銀さん、何処へ?……こ、これは!?」
銀さんが経っていた筈の場所に、数滴の血痕が滴り落ちていた。
一瞬で片付いた後はただの集団リンチだった先ほどの戦闘での負傷は無い筈。
「……まさか!?しまった!ヒグマはもう一匹いたのか!?銀さん!!」
人間の数十倍の嗅覚で周囲の臭いを嗅ぎ、ヒグマの場所を特定する。
その獣臭の大本が、銀が立っている場所の側面の森林から飛び掛かってきた。
「そこだ!!喰らえ!!秘伝絶!! 天狼抜―――なにぃ!?」
飛び出してきたのはヒグマではなく、ヒグマに喉を噛み切られて息絶えたポーラマンの死体だった。
「しまったぁ!!同じヒグマ臭だから惑わされてしまったのか!?ぐわぁ!!」
ポーラマンの巨体をぶつけられ激しく吹き飛ばされた銀は空中で回転し慌てて体勢を立て直す。
だが、四つん這いで戦闘態勢を取りいくら待機しててもヒグマの追撃は来ない。
銀さんともう一匹のヒグマの臭いも感じられず、状況から考えてヒグマは食糧の調達を優先し、
既にこの場を後にしたものと考えられる。
「おのれヒグマめぇ!!」
仲間を失った銀は悔しそうに吠えた―――その時である。
激しい地響きが起こり、周囲の森林が振動で震え始めたのは。
「な、なんだこれは!?」
銀の全身にとてつもない悪寒が走る。そういえばなぜもう一匹のヒグマは銀に襲い掛からなかったのか?
いくらヒグマは本来争いを避ける生物とはいえ、先ほどの不意打ちは銀の隙を突く絶好の機会だった筈。
なのにこの場から逃げることを優先したということは、ヒグマすら恐れるような何かが近づいているということでは?
「――――――ブォオオオオオオオオオォォォォ!!!!!」
この世のものとは思えぬ恐ろしい咆哮が周囲に響き渡った。
◆ ◆ ◆
現在ヒグマに最も有効と言われる撃退手段は唐辛子スプレー。
純度100%のカプサイシンをヒグマの鼻元にぶっかけるのである。
これを喰らったヒグマは人間の数百倍の嗅覚が仇となり、たちまち行動不能に陥ると言われている。
考えてみれば、相手は人間でも艦むすでもないのだ。ヒグマには対ヒグマ用の戦法が有効かもしれない。
『そこに居るのだろう人間?丁度私も貴様を探していたところだ。』
「ちっ。」
そんな訳で唐辛子弾を主砲に詰めてヒグマードを背後から奇襲しようとしていた
天龍だがすぐに気付かれてしまったようだ。ヒグマにはヒグマ用武装が効くと思うのだが、
そもそもこのペラペラ喋るヒグマードはまともなヒグマと呼べるのだろうか?
まあいい、身を潜めていた木陰から姿を現した天龍はヒグマードに正面から対峙する。
「仕方ねぇ、真っ向勝負といきますか。目標、ヒグマ!これより捕獲作戦を実行する!!」
『ほう、捕獲だと?まだまだ甘いな人間。これは人間とヒグマの血を血で洗う戦争だ!!』
「うおおおおおおおおお!!!!!」
『ふははははは――――――――――は?』
「ん?なんだ?」
急に周囲が暗くなる。なにか巨大な物体が、上がり始めた太陽の光を遮り二人を覆い隠したのだ。
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余りにも巨大すぎる羆の掌が横なぎに振り払われ、ヒグマードをその場から吹き飛ばした。
『なにぃ!?ぐわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?』
ヒグマードは血液と内臓を空中にばら撒きながら錐揉み状に回転して遥か彼方へ消えていった。
「な……なんだよこれ?なんなんだよ!?」
怪獣。天龍の前に現れた余りにも巨大な生物は、
(*参考画像ttp://dl6.getuploader.com/g/nolifeman00/44/higumadon.jpg)
とてもヒグマードと同じヒグマだとは思えなかった。
戦いは好きだが出来れば命は奪いたくない。
この会場のヒグマは人に造られ無理やり兵器にされているのだ。
だから救わねば。可能な限り限り討伐ではなく鹵獲せよ。
「……あ……あぁ……!!」
だがこの化け物は。さっきの
カツラを殺した恐ろしいヒグマを全く相手にせずに仕留めたこの魔物は。
はっきり言って分かりあえるとか分かり合えないとかそういう次元の問題じゃない。
―――殺らなければ、死ぬ!!
「い、行けぇ!!魚雷ガール!!」
冷静さを失った天龍は有無を言わさず主砲を怪獣の額に向け発射体制を取る。
だが、怪獣は俊敏な動作で跳び上がり、射線上から離脱した。
「なんだとぉ!?くそぉ!後ろを取られたぁ!?」
空気を振動させながら天龍の背後に着地した怪獣はそのままクレーターを作りだし、
弾丸のように飛来する地盤が天龍に襲い掛かり、彼女の体をなぎ倒した。
「ぐわぁ!ち、畜生!!」
なんとか立ち上がろうとする天龍だが、既にヒグマドンはこちらを振り向き今にも飛び掛かろうとしていた。
天龍は絶対的な死を確信して絶望し、目を閉じる。だが、追撃はやってこなかった。
「……え?」
目を開けると、ヒグマドンの後ろ脚に犬が噛みつき、その動きを止めているのが見えた。
マタギ猟に用いられる熊犬、奥羽軍総大将二代目、流れ星銀である。
「おのれヒグマ!!貴様にどんないきさつがあろうと人間を喰うなど持ってのほか!!」
「んなっ!?」
「う……うおおおおおおおおおお!!!!!!」
そのまま大きく体を後方に反り返らせた銀はヒグマドンを空中に投げ飛ばし、
脳天から地面に叩き落としてバックドロップを決めた。
(*参考資料ttp://dl6.getuploader.com/g/nolifeman00/45/gin.jpg)
再び出来上がるとてつもなく巨大なクレーター。崩落する岩盤の間を飛びながら
銀は立ち上がった天龍の元へ下り立ち、倒れ込むヒグマドンを睨み付けた。
「はぁ、はぁ。なんという巨大なヒグマだ!?あの赤カブトすら上回っている!!」
「なぁ、犬なのに喋るのはもうツッコまないけどさぁ、君、何者?」
「話は後です!はやくここから逃げましょう!!」
「え?でも。」
「あの程度で倒せるヒグマじゃありません!今はあなたを安全な場所まで避難させることが一番です!」
そう喋ってるうちに、ヒグマドンはゆっくりと立ち上がろうとしていた。
体重は相当なものの筈だが脳震盪のダメージは特になさそうだ。
「今の装備じゃ無理、か。分かった!行くよワン公!!」
「銀とお呼び下さい!さあ早く!」
天龍を連れて、銀は森の中を駆け抜け逃走する。
よろず屋の銀さんは残念ながらもう生きてはいないだろう。だが少しでも多くの人間を
ヒグマの魔の手から救い出さねばならない。ヒグマ殺すべし。
それが先祖代々からの熊殺しの秘伝を受け継ぐ猟犬、熊犬の使命なのだから。
【
坂田銀時@銀魂 死亡】
【ポーラマン@キン肉マン 死亡】
【C-2 森/早朝】
【銀@流れ星銀】
状態:健康
装備:無し
基本思考:ヒグマドンから離れる
1:ヒグマ殺すべし、慈悲はない
2:天龍を保護する
【天龍@艦隊これくしょん】
状態:小破
装備:主砲・魚雷ガール@ボーボボ、ほかランダム支給品1~4
副砲・マスターボール@ポケットモンスターSPECIAL
道具:基本支給品×2、(主砲に入らなかったランダム支給品)
基本思考:殺し合いを止め、命あるもの全てを救う。
1:ヒグマドンから逃げる。
2:モンスターボールではダメ。ではマスターボールではどうか? いや無理だろ
※艦娘なので地上だとさすがに機動力は落ちてるかも
※ヒグマードは死んだと思っています
【ヒグマドン@ザ・ワールド・イズ・マイン】
状態:―――――
装備:
道具:
思考:ヴォォォォォォォォォォ!!!!!!
0:進撃する
1:
鷹取迅を殺す
[備考]
※
黒騎れいの放った光の矢が刺さった穴持たず00が進化しました。元の人格は消滅したようです
※制限が掛かっていないため、状況に応じて全長が20m~∞mに変化します
※気まぐれで瞬間移動します
※参加者・ヒグマ問わず進行ルート上に居る者を虐殺します
※何処へ向かっているかは不明です
『一式解放……二式解放……くくくっ。どうしたヒグマよ。人間は殺せてもヒグマは殺せないのか?』
ヒグマドンの突然の襲撃で冬眠状態から復活し、とりあえず近くにあった跡部様の死体を捕食した後
銀さんを不意打ちで殺害した穴持たず9は銀さんの死体を地面に埋めて貯蔵しながら
なにやらぶつぶつつぶやいて体を再生しているヒグマードを横目で見守る。
今なら簡単に殺れるだろうがなんかアレは喰わない方がよさそうなので無視しよう。
―――ブォオオオオオオオオオォォォォ!!!!!
遠くで立ち上がったヒグマドンが咆哮しているのが見える。なにか面倒なことが起こっているようだが
まあ自分にはあまり関係はない。飢えを満たすという目的のに無駄な戦闘行為など必要ないのだ。
『やはり私を殺せるのは……人間だ!!』
【B-2 森/早朝】
【穴持たず9】
状態:健康
装備:跡部様の抱擁
道具:手榴弾を打ち返したという手応え
基本思考:起こされたなう
1:あったかくなったから会いに来たよ!
2:とりあえず跡部様と銀さんを喰う
※刺激されたので起きました。
【ヒグマード(ヒグマ6)】
状態:化け物(吸血熊)、瀕死(再生中)
装備:
道具:
アーカードの支給品(得意武器、ランダム0~2、基本)
基本思考:――化物を倒すのはいつだって人間だ
1:求めているのは、そんなものではない。
2:お腹いっぱい、喉も少しは満ちた。
3:だが、天龍達を追う。
4:満たされん。
※アーカードに融合されました。
アーカードは基本ヒグマに主導権を譲っていますが、アーカードの意思が加わっている以上、本能を超えて人を殺すためだけに殺せる化け物です。
他、どの程度までアーカードの特性が加わったのか、武器を扱えるかはお任せします。
最終更新:2015年02月14日 01:05