九日目


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堂々巡り

6時半起床。よっしーが寝ている横で、日記を書いたりシャワーを浴びたり、荷造りしたりして過ごす。クーラーのせいで喉が痛くなり、またベッドがフカフカ過ぎてあまり熟睡できなかった。思えば、今夏は日本にいるときから喉の調子が悪く、風邪を何度もひいた。それがベトナムに来て、ハノイ、ダナン、ホイアンの暑い日差しの中では、驚くほどに元気で、疲れ知らずなのだった。ところがホーチミンで再び体調が悪化してきて(ホーチミンの低気温のせいもあるかもしれない。昨晩、今日と、汗もかかない涼しさだ)、なんだか一周したような、結局同じところへ戻っていく閉塞間、発見したことも全部流れ去ってしまうような…そんなやるせなさを感じていた。

よっしーとの別れ

よっしーが起きたので、一緒に朝食を食べに行く。少し遠いが、ガイドブックにも載っているフォーの店があるという。フォーはハノイの料理だし、もうたくさん食べたけれど、折角だし行くことにした。ベトナムに初めて降り立った者がフォーを食べたくなるのも頷けるなぁとか思いながら。味はとても美味しかった!しかしやはり高かった。肉の入っていない30.000VNDのやつを頼み、野菜や香辛料をふんだんに入れて食べた。食後、よっしーと分かれた。

Reunification Palace

今日の天気は曇りだ。小雨が降ったり、時々スコールが降ったり、止んだりする。天気のせいで余計に気持ちは暗いが、まずはReunification Palaceを見物する。南北時代、南ベトナムの政府があった場所だ。内部の造りや、家具等のデザインは素晴らしかったが、外観は改悪だと思った。建物の至る所に、木材がアクセントとして使われていて、これが光沢を放って綺麗だ。木の茶色と、ビリジアンの塗装が基調になっていて統一感がある。ただ外観はイマイチだと思う。疲れたので少し居眠りをして、教会、中央郵便局と見た。教会は、ハノイやダナンのものとは比較にならないほど大きく、また華美な造りとなっていて、ホーチミンが裕福な場所であることを示している。

昼のベンタン市場

そのまま歩いて、ベンタン市場を散策する。昨晩は既に閉まっていた店だったが、こうして歩いてみると、この市場が外国人観光者向けのもので、決して住民が利用しないだろう事がよく分かる。物価がとにかく高い。日本の百均で売っていそうな物が、500円くらいで売っていると思う。店員は休む間もなく観光客を捕まえようとしている。猫なで声で「オニイサ~ン」と近づいてくる女もいる。こういう、大量生産したものを、媚びて売りつけることは、結局は自分たちの文化や誇りを失わせるものだと思う。このような場所はなくなればいいのにと思った。

旧市場

それから、ベンタン市場から少し離れた旧市場に行ったのだが、これが大正解だった。通りの両側に小屋が並び、屋根が路地にせり出している。そこで、肉、野菜、魚や日用品といった、生活に欠かせない品々が売っている。観光客などいない!小屋の裏、奥まったところに食事所がある。看板も値札もないが、人々が出入りしているので気づいた。ここで昼食を食べた。店先には大きなゴキブリが無数に這っているが、人々はまるで気にしない。僕は飼い猫がいるすぐ近くの席に座った。運ばれてきたのは、ご飯の上に野菜(漬物のよう)が乗ったもの、魚の煮付け、スープだ。これで25.000VND!安い!ウマイ!魚は鯛のような味だった。それから面白い出会いがあった。隣のテーブルで食べていた学生たちが話しかけてきたこと。彼らは韓国関係のマーケットについて勉強していて、僕のことを韓国人かと思って話しかけてきた模様。一通りお互いのことを話し、メルアドを交換して写真を撮った。もう一つ面白かったのは、アドレスを入力する際にベトナムの携帯電話を操作することができたこと。キーの配置は日本と同じで、abc…とならんでいるが、aのキーを連打すると、aに色々のアクセント記号がついた文字へと切り替わる。これは面白かった。満足度の高い飯屋だった。

ビンタイ市場

それから一度宿に戻り、バスの乗り方を教えてもらって、チョロンへ行った。これがまた良かった。バスステーション前の路では、野菜や果実、チキンやガチョウを売りさばく人々で一杯だ。他の所でも、通りという通りが商店街となっていていて、大変賑わっている。ビンタイ市場はステーションから5~10分くらい歩く。中華風の建物で、大きな時計が目印だ。見取り図は「ロ」の字型になっていて3階建て。真ん中には中庭がある。規模はこの旅行で最大で、薄暗い建物内を散策するのはとても楽しい。住民の市場というだけあって、商品は必需品がほとんどで、物価もベンタイン市場よりも安い!商品を買わせようとする嫌な店員もいない!天国だ。ここで土産を買う。

サイゴンのフランスパンサンドイッチ

さて、ホーチミンも見所はほぼ網羅した。何もすることが思いつかないので、ドンコイまで戻り、サイゴン川の畔のベンチに腰掛け、濁った川渦や、鳥の群を眺めて過ごした。旅も終わりだが、時間が中途半端にある。そこで、333ビールを飲んで、サイゴンならではのフランスパンを食べることにした。これは適当な通りに屋台が出ていて食べられる。オフィスレディや警備員が買っていくところを見ると、いかにもサイゴンの日常の味という感じ。食べてみるが…旨い!フランスパンの中に、熱々の目玉焼きと、キュウリが挟んであり、塩コショウで味付けしてある。あまりに美味しかったので、別の具でも作ってと頼んで食べるが…これも旨い!バターとツナのペースト?を生地に敷き、その上に肉やキュウリを挟む。この肉がまた美味しかった。

終わり

空港までタクシーで行くと、残金も50.000VND程。ゲートを潜って、ペプシを飲むと、残金は僅かだ。それも募金してしまって、ベトナムドンは0になった。空港や飛行機内は寒く、風邪をひいている人がたくさんいた。隣席の人も風邪で、ベンザブロックをあげた。そういえば、足を擦り剥いたよっしーに絆創膏をあげた。自分では使わなかったが、持ってきて役立った様だ。日記をまとめたり、寝むったりしているうちに、飛行機は成田に着いた。空港では、眩しい笑顔の澪が待っていた!一応到着時間を伝えてはおいたのだが、朝早くにも関わらず迎えに来てくれたのだ。朝食を食べて、お土産を渡して、都内への電車に乗り込む。これで完全に旅が終わった気持ちになった。


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最終更新:2014年03月30日 12:13