八日目


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ホイアン出発

7時半起床。今日はホイアン→ダナン→ホーチミンと大移動をする。荷造りをしたり、日記を書いたりしていたら9時前になった。一度旧市街まで出て、行きつけの市場の店で朝食を食べる。おばさんは喜んでくれた。メニューは昨晩と同じCOM PHAN。しかし、昨晩よりも肉がたくさんで、ご飯も美味しい。朝ならではのできたてだ。それから浅野ホイアンを散歩した。橋は、ようやく洪水から復旧して渡れるようになっていた。Japanese Bridgeを通りホテルに戻る。昔、ホイアンにはベトナム人、中国人に混じって、日本人も商いを行っていたという。今のような安全で早い交通機関も無い時代に、はるばる異国へ来て商売をする…。想像するとすごいことに思った。そしてチェックアウトをし、ダナンへのバスへ乗る。11:30頃着いた。今日は、さらに飛行機でホーチミンへ移動するのだが、それまで6時間もある。何をしようか?

Champa 博物館

まず向かうのは、champaの像の博物館だ。建物は小さいと思ったけれど、実は奥に長くて、意外に見るものがたくさんあった。気づいたのは、同じchampaでも、時代によって様式がまるで異なること。正しいかは分からないが、4~7か10世紀頃までは、前にも書いた、コミカルで躍動的な像が多い。ライオン像をはじめ、神々までもが踊っているような、ジョジョ立ちしているような格好で、表情も明るく、厚い唇で微笑んでいる。それが12世紀以降になると、割と写実的で、威厳を感じさせるものへと変わっていく。躍動的だったポーズは、直立とか、座禅の格好といった、静的なものへと変わっていく。同時に、丸丸としていた表面は、様々な装飾で飾られるようになる。イメージで言うと、日本の仏像に近くなってくる(といっても、文化的に無関係だけれど、イメージで!)。日本の仏像は、かなり静的な印象だ。直立して、手を何らかの形に結んでいたり、胡坐をかいて、手に道具を持っていたりする。つまり「動き」ではなく、像自体は静止させて、持ち物や、特定の手の結び方、また蓮の花や後光といった「記号」によって、威厳を表現している。威厳を出すために、表情は落ち着いたものになってくる。元々が人民を支配するために仏教が導入された日本では、奈良の大仏を見ても、決して楽しそうな表情ではない。だから、champaのあの丸丸とした、楽しそうに躍動する像を見ると、力で押さえつけるのでは決して無い、生への歓喜を感じて、僕はハッとするのだ。11世紀にはTHAP MAM様式というのもあり、像の全身が細かく装飾されていて、いままでのchampaとはかなり異なっている。

Han市場

博物館の次は、Han市場だ。お目当ては、安くて旨いメシだ。ここでもまた、ご飯の上に野菜と肉が乗っている料理を食べた。とにかく旨い!おばさんにGoodのジェスチャーをして去る。

ダナン海岸

ここで14時。あと4時間もある。もうネタも尽きたので、ダナン海岸まで歩くことにした。海は波が高く、また砂浜がなだらかなので、ずいぶん遠くから波がやってくる。予想外の大波にズボンがびしょ濡れになった。海では楽しそうに男女が海水浴をしていた。
もう本当にやることが尽きた!空港まで歩くことにした。遠くフエの方向には、高い山々。そこから雲が峠を越えてこちら側に流れ込んでくる様子が見えた。空港までの通りには、ビルが立ち並び、洋服屋から電気屋から揃っている。東京を歩いているのとそう変わらない。空港にチェックインしてみると、意外に良い時間になっていた。飛行機は一時間ほどでホーチミンへ着いた。

タクシーと宿

ここで問題が二つある。
  1. 空港から市街地までどうやっていくか
  2. 宿をどうやって見つけるか
このようなこともあり、空から見たホーチミンの、暗闇、そこに点在するオレンジ色の街頭、明かりの無い住宅街…等が余計に不安な気持ちを増幅させた。市街地へのタクシーは10USDくらいが相場と読んだので、下手をすると金欠だ。そこで、国際線ターミナルへ行き、たった今ホーチミンへやってきた日本人に声をかけ、一緒にタクシーに乗るのがベストだと思った。宿はフォングーラオ通りに行けば見つかりそうだ。そこで声をかけたのが、よっしーという一歳上の男だった。タクシー乗り場で15USDをふっかけられるも、交渉で10USDへ。一人当たり5USD(=100.000VND)なので、これでも大金だがまずまずだ。よっしーは、カンボジアからの帰りに一日とホーチミンに寄ったようだ。一日の滞在にもかかわらず、彼は1万円を換金し、高級なドンコイ地区にホテルを予約している金持ちである。とりあえず、彼のホテルを見てやろうとついていった。
一泊35USD!なるほど東南アジアで35USDの宿と思うとショボイと感じるが、それでも清潔でゴージャスだった。今から宿を探すのが億劫になり、僕も泊まれないか聞く。値切って30USDにさせて、朝食も省いて28USDだが、とても持ち合わせが無い。ここで、よっしーが「二人で一部屋にしよう」と提案してくれたおかげで、一人当たり14USDで泊まれることになった。こうして問題①②は片付いたのだ。部屋は広く、ダブルベッドが二つある。シャワーはホットがでて、洗面所との間には仕切りまである。クーラーも使え、室内には壷とかオブジェが置かれている。

夜市

荷物を置き、夕飯を食べに夜市へ。外へ出るとドンコイ地区、煌くような高級ホテルやブランドショップが立ち並ぶ。劇場、デパート。通り沿いのオシャレな店では着飾った外人が談笑しながら食事をしている・・・。さて、ベンタン市場で夕食を食べるが、ここも決して安くは無かった。僕は15.000VNDの生春巻きを一本頼んだ。金持ちのよっしーは177.000VNDの焼き海老を頼んだ。ビールを飲みながら話す。時折仕事の話になり、休暇明けのことが脳裏に浮かぶも、久々にこういうのもいいかと思った。ビールは、ビアサイゴン。緑は濃い目で美味しく、赤はあっさりしている。シメにフォーを食べる。値切って40.000VND。ホーチミンの物価の高さに驚く。

欲望の渦巻く街

帰り道で、何人もの男に声をかけられた。女を買わないかと。ホーチミンのやつらは日本語が少し話せて、オッパイとか、オマンコとか言って近づいてくる。これは日本人のお客が多いことを示唆している。一応調査を兼ねて値切ってみると、一晩三千円で抱けるようである(実際には、ホテルとグルになって騙されたり、マージンとられたり、酒代がかかったり、ぼったくられるのだろうが)。ホーチミンの物価はやはりおかしい。ビールはハノイやホイアンと比べても安かったのに、食事は異様に高い。それからマリファナや薬の誘いもあった。歩いていると、周りからクラブの音がドコドコと響いてくる…。人によっては、欲望に流されてしまう街だろうと感じた。ホテルの近くにも嬢が立っていて、話しかけてくる。日本語が上手で、名詞には「安心!日本人オーナーの店!」と日本語で書いてあった。ベトナムへ来て、売春で儲けているしょうもない日本人がいるのだ。ぱっとしない青年風の男も、女を買わないか聞いてくるので、暫く話した。彼には彼女が二人いて、それはベトナムでは普通らしい。ホテルに帰って寝る。


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最終更新:2014年03月25日 00:01