歌詞
【幕開】
仇は、目の前で眠っとった
今や 帳が空へ降りて
闇に 朧げな浮世月
ひらり薄紅の徒桜
今宵 儚んだ花と為れ
【板付】
江戸時代、秋。
紅葉が色鮮やかな頃、
ぽつりと季節外れに
桜が咲いとる。
その徒桜の下で、
新たな奉公先が
決まった侍が
ささやかな宴を
開いとった。
さあさおうちも 手を鳴らしませ
ととんと ととんと 軽やかに
篝火燃ゆる 静寂に響く
ぱちりと ぱちりと 爆ぜる音
さあさお酌を 宴もたけなわ
とくりと とくりと 淑やかに
翳りて落ちる 心に秘めた
ひそりと ひそりと 長い影
侍の側には
艶やかな着物を纏った
一人の舞妓。
彼女は両親を殺され、
引き取られてから
ずっと密かに
仇を探し続けとった。
あてはこの日を待っとった
鈍く重たい炎に焼かれ
おうち騙して惚れさせて
偽りの恋を謳いあげまする
酔いや 盛りと風に揺れる
闇に 満ちていく金の月
ひらり杯に徒桜
この夜 儚んだ花と酒
ほんで、
やっと見つけたのや。
目の前に居る、侍を。
舞妓として近付き、
惚れさせ、油断させて
彼女は刻を待っとった。
さあさ今宵は みな忘れましょ
にこりと にこりと 艶やかに
お囃子去ぬる 静寂に二人
ぴたりと ぴたりと ひっついて
さあさお酌を たんと召しませ
とくりと とくりと 密やかに
何も知らいで 眠るおうちに
ひたりと ひたりと 迫る刻
あてはこの日を待っとった
酷く冷こい焔に焦がれ
おうち酔わせて眠らせて
因縁を絶ちに向かいまする
舞いや 盛りと風に揺れる
闇に 淡雪となり果てて
けぶる幽玄の徒桜
この世 儚んだ餞と痴れ
祝いの宴を持ちかけられ、
その時こそが
決行の刻だと、
お囃子を雇い、
頃合を見て
彼らを中座させて…、
今や 帳が空へ降りて
闇に 浮き上がる朧月
ひらり薄紅の徒桜
今宵 儚んだ華と咲け
ゆっくりと懐刀を抜き放つ。
今や 薄雲は流されて
闇に 残された金の月
滲む 現世の徒桜
あての 裏切りよ花と散れ
ほんまに
おうちが
好きどした
そやけども
あてが
決めた道
せめて
仇らしう
あったなら
いっそ
殺めて
しまえたのに
【終幕】
コメント
- うわ、この歌詞大好き!!! -- 名無しさん (2011-10-03 09:35:38)
- しゃべったしゃべった!!しかもこのリズム、癖になりまする! -- ロンリィガイ (2011-10-03 23:50:56)
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最終更新:2025年09月28日 21:32