薄芒ノ幽霊

【検索用:すすきのゆうれい  登録タグ:2023年 CeVIO IDONO KAWAZU UTAU 可不 曲さ 足立レイ
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作詞:IDONO KAWAZU
作曲:IDONO KAWAZU
編曲:IDONO KAWAZU
絵・動画:IDONO KAWAZU
唄:KAFU
  足立レイ(水を得た蛙版)

曲紹介

君ノ眼ニハドウ映ル?
曲名:『薄芒ノ幽霊』(すすきのゆうれい

歌詞

AWAより転載)

「全テノモノハ意味ヲ、持ツテ生マレテキタ。」
彼ハ事アルゴトニ、私ニサウ呟イテヰタ
コノ世界ニ根附イテヰル取留ノ無イ眞理(シンリ)ナノダト
無智蒙昧ナ私ハ勝手ニ解釋(カイシャク)シテヰタ
シカシ、彼ガソノ言葉ヲ自分ニ言ヒ聞
カセテヰルダケダト氣ヅイタノハ
彼シカ住人ノイナイ砂上樓閣ノ(ヒビ)カラ垣間見タ
アマリニモ歪ンダ情景ノ一部ヲ知覺シテカラデアツタ

自稱現實主義者ノ彼ハ今マデ積ミ上ゲテキタモノガ
自力ノミノ産物デアルコトヲ決シテ疑ハナカツタ
「僕ニモ出來ルノダカラ、誰ニデモ出來ル。」
ト本氣デ思ツテヰタノダ
大切ナコトハ失ツテカラ氣ヅク
ソレハ「幸運」モ例外デハナイ
今迄恵マレテイタダケダト氣ヅイタトキニハモウ(オソ)
サウヤツテ、彼ハ「意味」ヲ失ツタ

未來ヲ知ツタ私ハ成ス術ナク(タタズ)
暴レダス羨望モ凡愚ニハ意味ナイ
傷跡モ爪痕モ何一ツ殘セテヰナイ
崩レテユク寄邊(ヨルベ)ナイ桃源郷ヲ私ハ

ドウニモ成ラナイコトガ折リ重ナリ
コノ世ハ均衡ヲ保ツテヰル
世界ノ不條理(フジョウリ)モ時代ノ不一致モ
或程度受ケ入レルシカナイ
ソレデモ彼ハ抗ツテヰタ
抗フシカ術ガナカツタノカモシレナイノダ
シカシ、狂ツテシマツタ理性ノ天秤ハ
自力デ零點(ゼロテン)補正ナド出來ルハズモナイ
一度歪ンデシマツタ認識ノ是正ハ
第三者ノ介入ト受容ガ何ヨリモ必要不可缺(フカケツ)ナノダ

論理的ナ思考モ普遍的ナ智識モ
一彈指(イチダンシ)ノ衝動ノ前デハ塵芥ダト氣ヅク
「感情的ニ成ルナ。」ト感情的ニ言ハレテモ
全ク説得力ノ()ケルコト
冷靜サ精彩サヲ缺イタ(ハツ)言ヤ態度ハ
虚實(キョジツ)ノ線ガ曖昧ニ成ツテシマツタ結果デモアル
酩酊シタ意識ノ濁流ノ淵デ私ハタダ佇ムシカナカツタ

イツシカ正論シカ言ヘナイ私ヲ
彼ガ煙タク思フヤウニ成ツタノハ無理モナイ
ツマリ、色即是空豫想(ヨソウ)ヨリモ三年ト二月遲カツタダケ
サウヤツテ、私ハ「意味」ヲ手放シタ

世界ヲ知ツタ私ハ成ス術ナク(ウズク)
豫言(ヨゲン)モ天啓モ不料簡(フリョウケン)ニハイラナイ
暴カレタ正體(ショウタイ)ガコノ肌ヲ燒キ(ツク)
鼓膜モ網膜モ何一ツ信ジラレナイ

歌ヲ覺エタ金絲雀(カナリア)ハ私ヲ忘レタイ
()レテモ()レテモ形ガ分カラナイ
言葉ガ振ル舞ヒガ躰ヲ貫イテユク
發光(ハッコウ)ガ色彩ガ廻リダス廻リダス…

彼ダケヲ乘セタコノ箱ハ
次ドコヘ現身ヲ連レテ行クノダラウカ
屹度イツカノ待チ人ヲ瞼ノ裏ニ描イタ(ママ)
深イ深イ眠リノ底ニ沈ムノダラウ
彼ヲ見送ツタ後デ私ハ
次ハ誰ノモトヘ行クノダラウカ
ドコヘ行ツテモ同ジコト
殘酷ニモ
續ケテイクシカナイノダ

+ ひらがな表記
「全てのものは意味を、持つて生まれてきた。」
彼は事あるごとに、私にさう呟いてゐた
この世界に根附いてゐる取留の無い眞理(しんり)なのだと
無智蒙昧な私は勝手に解釋(かいしゃく)してゐた
しかし、彼がその言葉を自分に言ひ聞
かせてゐるだけだと氣づいたのは
彼しか住人のいない砂上樓閣の(ひび)から垣間見た
あまりにも歪んだ情景の一部を知覺してからであつた

自稱現實主義者の彼は今まで積み上げてきたものが
自力のみの産物であることを決して疑はなかつた
「僕にも出來るのだから、誰にでも出來る。」
と本氣で思つてゐたのだ
大切なことは失つてから氣づく
それは「幸運」も例外ではない
今迄恵まれていただけだと氣づいたときにはもう(おそ)
さうやつて、彼は「意味」を失つた

未來を知つた私は成す術なく(たたず)
暴れだす羨望も凡愚には意味ない
傷跡も爪痕も何一つ殘せてゐない
崩れてゆく寄邊(よるべ)ない桃源郷を私は

どうにも成らないことが折り重なり
この世は均衡を保つてゐる
世界の不條理(ふじょうり)も時代の不一致も
或程度受け入れるしかない
それでも彼は抗つてゐた
抗ふしか術がなかつたのかもしれないのだ
しかし、狂つてしまつた理性の天秤は
自力で零點(ぜろてん)補正など出來るはずもない
一度歪んでしまつた認識の是正は
第三者の介入と受容が何よりも必要不可缺(ふかけつ)なのだ

論理的な思考も普遍的な智識も
一彈指(いちだんし)の衝動の前では塵芥だと氣づく
「感情的に成るな。」と感情的に言はれても
全く説得力の()けること
冷靜さ精彩さを缺いた(はつ)言や態度は
虚實(きょじつ)の線が曖昧に成つてしまつた結果でもある
酩酊した意識の濁流の淵で私はただ佇むしかなかつた

いつしか正論しか言へない私を
彼が煙たく思ふやうに成つたのは無理もない
つまり、色即是空豫想(よそう)よりも三年と二月遲かつただけ
さうやつて、私は「意味」を手放した

世界を知つた私は成す術なく(うずく)
豫言(よげん)も天啓も不料簡(ふりょうけん)にはいらない
暴かれた正體(しょうたい)がこの肌を燒き(つく)
鼓膜も網膜も何一つ信じられない

歌を覺えた金絲雀(カナリア)は私を忘れたい
()れても()れても形が分からない
言葉が振る舞ひが躰を貫いてゆく
發光(はっこう)が色彩が廻りだす廻りだす…

彼だけを乘せたこの箱は
次どこへ現身を連れて行くのだらうか
屹度いつかの待ち人を瞼の裏に描いた(まま)
深い深い眠りの底に沈むのだらう
彼を見送つた後で私は
次は誰のもとへ行くのだらうか
どこへ行つても同じこと
殘酷にも
續けていくしかないのだ

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最終更新:2025年07月25日 15:58