水汲み
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homuhomu_tabetai
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作者:qPTRx0yX0
562 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga] 投稿日:2012/07/05(木) 21:45:17.36 ID:qPTRx0yX0
ほむほむ「ホッム、ホッム」
公園の歩道から茂みの方へ少し進んだ場所で一匹のほむほむを見つけた。
ほむほむは木の実をくりぬいて作ったらしい器に水を入れ、両手で抱きかかえるようにして持っている。
身体の半分くらいの大きさがあり、かろうじて目の前が見える位の木の実の器に入っている満杯の水。
ほむほむの体格からすればかなりの重さなのだろう。
ほむほむ「ホムゥ…」キノミ オロス
実際ほむほむは5メートルほど歩くと水がこぼれないように木の実を置き、少し休んではまた歩き出すを繰り返している。
ほむほむ「ホムッ!」キノミ モチアゲ
その光景はとても微笑ましいものでありこっそりと応援していたのだが、ついいたずら心が首をもたげてきた。
ほむほむは前をみて水を運ぶのに集中しており、周りへの注意がおろそかになっているようだ。
ほむほむが向かうであろう方向に先回りし、罠を仕掛ける。
罠といっても大したものではなく、群生している植物の弦を失敬し、ほむほむの進路にあたる場所の脇に一方を括り付け、
もう一方を隠れている自分が持つ。
あとはタイミングよく弦を引っ張れば足を引っ掛ける罠の出来上がりだ。
ほむほむ「ホッム、ホッム」ヨタヨタ
ほむほむがちょうどよい進路を通ってこっちに向かってくる。
見つけた場所からそこそこ離れたとはいえほむほむの正面を横切ったのだから人間がいると思って警戒されているかもしれない。
しかし、まっすぐこちらに向かってくる様子を見るとそんな危惧は不要だったようだ。
ほむほむ「ホムゥ…ホムッ」
巣が近いのか木の実を抱えたまま気合を入れなおすほむほむ。
そして罠の手前に来た瞬間、俺は手に持った弦を引っ張った。
ピーン
ほむほむ「ホムッ!?」アシヒッカケ
ほむほむ「ホビャッ」コケッ
木の実「」ミズナガレ
これ以上ない位見事にほむほむが足を引っ掛けて転んだ。
当然抱えていた木の実は手から離れ、せっかく汲んだ水もすべてこぼれてしまった。
ほむほむ「…ホ?」ボウゼン
ほむほむ「ホ…ホビャァァァァアアアアア!!」
状況がよく呑み込めないのか呆然としていたほむほむだが、事態を理解すると大声で叫んだ。
ほむほむ「ホムゥ…」ポロポロ
せっかくここまで運んだのに…という感じで崩れ落ち、涙をこぼしながら水を見つめるほむほむ。
目の前に落ちている弦にも気づいていないようだ。
しばらく固まったままだったが、巣に水を持ち帰らなければならないのであろう。
ほむほむ「ホム…」ショボン
落ち込みながらもほむほむは木の実を拾い上げ、来た道を引き返していった。
しばらく待っているとさっきのほむほむがやってきた。
さっきよりもややペースが遅く、もう転ばないように恐る恐る歩いている。
ほむほむ「ホムホム」キョロキョロ
そして、さっき転んだ場所に近づいてきたとき、ほむほむは一度木の実を置いて辺りを見回した。
ほむほむ「ホムッ!」
足元に落ちている弦に気がついた様だ。
慎重な性格のほむほむだけあって、生活に必要な知恵はあるようだ。
ほむほむ「ホム…ホムッ」ウナズク
通り道一杯に広がっている弦をよけることは難しいと考えたらしく、
弦の直前まで歩いていったん止まった後、弦をまたぐように少し高めに足をあげた。
ピーン
ほむほむ「ホムッ!?」アシヒッカケ
ほむほむ「ホビャッ」コケッ
木の実「」ミズナガレ
当然その瞬間を見計らって弦を引っ張る。
ほむほむの短い脚ではまたぐことができない高さまで弦があがり、また足を引っ掛けて転んでしまった。
ほむほむ「…ホ?」ボウゼン
ほむほむ「…マドカァァァァ!!」ビエーン
今度は大声で泣き出してしまった。
必死の思いで運んできた水を二回もこぼしてしまった。
心が折れてしまったかのように泣き続けるほむほむ。
ほむほむ「ホムゥ…」グスン
十数分後、そろそろ空も赤くなってきた頃に再度ほむほむはヨロヨロと立ち上がり、木の実を手にした。
水汲みは自分の大切な仕事だ。それに早く巣にもどらないと巣の仲間に心配をかけてしまう。
そういう気持ちだけが今のほむほむの心の支えなのであろう。
おぼつかない足取りで水汲み場の方へ向かって行った。
ピーン
ほむほむ「ホムッ!?」アシヒッカケ
ほむほむ「ホビャッ」コケッ
木の実「」ミズナガレ
ほむほむ「ホムァ…」orz
ほむほむもあのポーズするんだ。
そんな妙な感想を抱きながら本日3度目のいたずらに引っかかったほむほむ。
叫ぶ気力もなくなったらしく、ただその愛らしい目から大粒の涙をこぼすだけだ。
さすがにいたずらが過ぎたようだし、ここらで一つ助けてあげてもバチは当たらないだろう。
俺「ほむほむ、どうしたんだい?」
ほむほむ「…ホムゥ」
野良ほむの行動パターンブックに載っている、慌てて逃げる様子も、餌をねだって媚びてくる様子も見られない。
ただ落ち込んで反応する気力が無いだけの様だ。
俺「辺り一面水で濡れてるけど、何かこぼしたのかい?」
ほむほむ「ホムホム、ホムラァ…」キノミ ユビサシ
俺「ああ、木の実で水を汲んだのにこぼしてしまったんだね」
ほむほむ「ホム…」コクリ ポロポロ
事情は聞かないでもわかる。水をこぼすように仕向けたのは他ならぬ俺なのだから。
だが、タイミングよく現れたにも関わらず俺を疑う様子も脅えた様子もなく、ただ素直に状況を教えてくれる。
俺「わかった。俺のもってる水でよければ分けてあげるよ」
そういいながらペットボトルの水を取り出す
ほむほむ「ホムッ! ホムム!?」パチクリ
俺「これに入れればいいんだね」
そういいながら木の実に水を入れてあげる。
ほむほむ「ホムホム、ホムゥ」ペコペコ
何度も頭を下げてくるほむほむ。
お礼を言われるどころか文句を言うべき対象なのだが、本当に単純な生き物だ。
俺「それじゃあ気を付けてな」
ほむほむ「ホムゥ♪」ニッコリ
そうして今度は無事にほむほむは姿を消した。
後日同じ場所にいってみると、今回の経験を教訓にしたのか、
餌取りだけではなく水を運ぶのも二匹以上で行うことにしたらしい。
二匹で協力しながら水を運ぶほむほむ。
こんどはどんな手でいじめてあげようか考えながら、ほむほむ達の共同作業を眺めていた。
終わり