あるりぼほむの恋の終焉
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作者:EJxUmKuR0
640 名前:あるりぼほむの恋の終焉[sage saga] 投稿日:2012/07/08(日) 00:40:58.34 ID:EJxUmKuR0
俺の手のひらのうえに、一匹のりぼほむが横たわっている。
もはやりぼほぶと呼ぶのがふさわしいほど長生きしているりぼほむだ。
りぼほむ「ホブ・・・ホブホブ」スリスリ
手のひらの体温が心地よいのか頬ずりをしている。
幸せで気持ちよさそうに笑顔を向けているが、その目からは時折涙が流れている。
自分の最期を目前に控え、いろんな感情がうずまいているのであろう。
思えばこのりぼほむとの付き合いは長く、いろんな出来事があった。
はぐれて迷子になっていた、まだ仔りぼの時の出会い。
人間の部屋が珍しく、はしゃいで飛び回っては壁にぶつかり、落下して目を回す日々。
大したことができるわけではないが、俺の役に立とうとちょっとしたことでも一生懸命手伝いをする。
りぼほむの行動で驚いたのは、このりぼほむは自分たちの仲間であるほむ種に対して信じられない行動をとっていたことだ。
俺が食用ほむを(こっそりと)食べているときに、めざとく見つけたりぼほむがそれを俺と一緒に食べようとしたり、
野良のゲスほむまど一家が侵入してきたときにその弓矢で駆除したりと、
およそ仲間を守ることにほむ一倍の情熱と使命感を本能的に持つりぼほむとしては信じられない行いだった。
このりぼほむもゲス化しているのかと思ったが、そうではないらしい。
どんな餌でも文句は言わず、簡単な手伝いもしてくれる。
困っているほむ種に対しては手を差し伸べるなど、どう考えてもゲス化とは程遠い行いだった。
発情期も不思議な行動にでていた。
普通なら「マドカーマドカー」と鳴いて交尾をしようとするのだが、このりぼほむは マドマド とは一言も言わず、
俺の体に自分の体をこすりつけて興奮を鎮めようとしていたのだ。
最後には発情期にはほむ飯製造キットで興奮を鎮めてあげるのが習慣になってしまった。
しかし、一番衝撃だったのは野良白まどとの一件だ。
美しく凛々しく育ったりぼほむは独身だったが、何度ペットショップへ連れて行って白まどにあわせても頑なに番を選ぼうとはしなかった。
そんなりぼほむに求愛するために、野良白まどが何度もうちにやってきた。
野良というのは気になったがそれでも白まどは希少種のため、そんなに店に数がいるわけではない。
りぼほむは白まどしか番にしないのであるから、このりぼほむの恋が実るならそれはそれでよいと思っていた。
そんなある日、いつものように求愛に来た白まどが、りぼほむと激しく言い争っている。
まったく振り向いてくれないりぼほむに対して感情が爆発しているかのようだ。
その様子を見ていた俺に気付くと、白まどは俺を険しい表情で睨んできた。
まるで俺が恋の邪魔をしている元凶だと確信したように吠えてくる。
白まど「マドマドッ!! マドー!」
りぼほむ「ホムッ!!」ニラミツケ
そんな白まどに我慢ができなくなったのか、俺を守るかのように白まどの前に立ちふさがるりぼほむ。
白まど「…#」ギリッ
完全に敵意に染まった白まどが弓矢を取り出した。
白まど「マドォ!? マドマドマァー!!」
そして俺に向けて矢を放とうとした瞬間
カァーンッ!
白まどの弓矢がはじかれたのだ。
白まど「ホムラチャン、マド? マドマドォ…」
驚愕の表情でりぼほむを見る白まど。
なんで人間をかばうの? どうして私を攻撃するの? そんな表情だ。
だが、りぼほむは白まどに答える事ことなく睨みつけたまま次の矢をつがえた。
りぼほむ「ホムホムッ! マドカホムン!」ユミヒキシボリ
二発めの矢は白まどの頭を撃ち抜いた。
茫然とした表情で床に落ちていく白まど。
床に打ち付けられ動かなくなった白まどを尻目に、りぼほむは私の肩にのって心配そうな表情で俺の頬をなめてきた。
りぼほむ「ホムゥ・・・ホミャァ」ペロペロ
そのりぼほむの行動からなんとなく悟った。
多分りぼほむは俺の事を…
今までのりぼほむらしからぬ行動も、少しでも俺に近づこうという気持ちからの行動だったのだろう。
絶対に叶わぬことを承知で。
その一件以来俺とりぼほむの間に変化があったかといえば、実は特に変わっていない。
精々俺がりぼほむの番探しを辞めたくらいだ。
りぼほむの言葉はわからないが、なんとなく今の生活を続けたい。
そう考えているのがわかった。
それから2年後、ほむ種としては相当長生きな部類に入るりぼほむにも最後の時が来ようとしていた。
老衰にはどんな生物、人間ですらかなわないのだ。
りぼほぶ「ホブゥ…ホブホブ」ウルンダメ
りぼほぶはジェスチャーで俺に頼みごとをしている。
一つは頭のりぼんをほどこうとする仕草。
一つは自分を指差した後、俺の口を見つめながら指をさす仕草。
友人から聞いた話では、ほぶほぶはその最後を愛する相手にほ食されることで終わらせることを望むという。
おそらくりぼほぶのジェスチャーもそれを表しているのであろう。
リボンをほどこうとしているのは友人も聞いたこと無いケースだという。
だが、きっと自分が居た証であり、りぼほむの象徴たるリボンを残したい。
りぼほぶにその考えを伝えると、穏やかにほほ笑んだ。
その目には何の恐れもなく、ただただ俺を見つめるだけだ。
りぼほぶの命がもう数分で尽きるであろう俺にできることはりぼほぶの最後の願いをかなえてあげる事だけ。
りぼほぶを両手で優しく包み、口元へ近づける。
りぼほぶ「ホブゥ…ホブ」ニッコリ
別れの言葉だろう。だから俺も答える。
俺「今まで楽しかったよ、ありがとう。そして…さよなら」
そういい、俺は右足からりぼほむを齧る。
りぼほぶはもう痛覚もないのか、悲鳴を上げることもなくただ自分の身体を食べる俺をみているあけだ。
そして最後頭だけが残ったとき
りぼほぶ「ホ」
口に入れる瞬間、形見となるリボンをそっと頭から外し、最後の肉片である頭を胃に納めた。
静かになった部屋の中。
主を失ったケージの扉が風でゆらゆら揺れている。
りぼほぶと一緒に撮った唯一の写真が、夕日に照らされていた。
終わり
- 読んで確信した。普通助けて貰った恩人に敵意を向ける輩は同種でも容赦無く敵視するはずだが、他の話ではそうじゃないから憎たらしいし害虫に値するんだなほむまどは。それに比べこのリボほむは素直で道理に適っているから好感が持てる
- これは良い話だな
↓が全てだが - こういうほむほむなら愛でも分かるんだよ
でも矢印はあくまで人間←ほむほむであって人間→ほむほむであってはならないんだよ - 賢い奴は嫌いではない
白まどはザマァ!