ほむの葬列
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作者:MU2+tOxL0
326 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/26(木) 00:40:15.95 ID:MU2+tOxL0
※独自設定あり。小説「夏/の/葬/列」の展開を途中までなぞっています。
※独自設定あり。小説「夏/の/葬/列」の展開を途中までなぞっています。
ほ虐。ほむ種を虐げるという文化。
グンマーから始まったこの文化が日本全国に浸透し、乱獲につぐ乱獲でほむまどが数を減らしていくにつれ、コロニーの多くは殲滅された。
その後、欲望を抑え切れないほ虐家たちが、飼いほむであろうと見境なしに奪い、非道の限りを尽くすという事例が多発する。
そこで数少ないほむ種愛好家は飼いほむたちを平和な地に一時的に逃がす『ほむ疎開』を始めた。
その飼いほむは、かつて自分が疎開していた町に一年ぶりに訪れてた。
飼いほむ「ホマァー…」アツイナァ…
この田舎町には、過激ほ虐派の運動の末期になって飼い主に連れてきてもらい、三週間ほど住んでいた。
当時はまだ仔ほむで、飼い主がしっかりと保護してくれていたこともあり、
テレビの中で報道される疎開にも、その頃多発していた襲撃にも、いまいち実感が沸かなかったのだが。
――運動末期、最後の襲撃が起こったのはこの町だ。それ以来、飼いほむは一度もここに戻ったことはない。
一年経ち、散っていったほむ種たちの慰霊碑が建ったと聞いて、主人に連れられてきたのだ。
慰霊碑に向かって歩いていた飼い主の足が止まる。
ご主人様、どうしたんだろう?見ると、畑の向こうに一列になって、黒い服を着た人間の列が動いてた。
既視感に襲われる。飼いほむの意識は一年前の夏へと飛んでいた。
~~ 一年前 ~~
濃緑の葉を重ねた畑の向こうに、一列になった小さな人影が動いていた。
線路脇の道に立って、彼女は、真っ白なワンピースを着た同じ疎開ほむ種、若白まどとならんでそれを見ている。
仔ほむ「ホムホマァ?」アレ ナァニ?
若白まど「マド、マドマド ホムラチャーン」アレハ、オソウシキダヨ コホムチャン
この海岸の町に都会から疎開してきたほむ種は、仔ほむと若白まどの二匹だけ。
仔ほむよりもいくらか年上の若白まどは、数ヶ月先に疎開しており、既に町に馴染んでいた。
そんな彼女は都会生まれで体が小さいがために虐められる弱虫の仔ほむをかばい、いつもそばを離れなかった。
仔ほむ「ホムホム、マドカァー」アンナオソウシキ ハジメテミタ
若白まど「マドマド、マギョン」イナカダト アアスルンダヨ
若白まど「マド、ハシャイジャッテ~」アト、コドモガイクト オカシ モラエルンダヨ
仔ほむ「ホマァッ!?」オカシ!?
お菓子。仔ほむは疎開してからしばらく、食べていなかった。
いつ襲われるかわからない状態で、飼い主たちはほむ種のおやつにまで気を配る余裕がなかったのだ。
仔ほむ「ホム…ホムホミュン?」ヨソモノデモ モラエルカナァ?
若白まど「ティヒヒ、マドマド!」ソウダネ、クレルカモシレナイ!
仔ほむ「ホムホムッ!」イコウ!キョウソウダ!
そう言うと、仔ほむは畑に飛び込んだ。近道をしてやるつもりだったのだ。
もし早いもの順で若白まどの分がなくなっちゃったら、半分くらいわけてやってもいい。
ニヤつきながら夢中で駆けた。
大きな石が飛び出したような気がしたのはその途中だった。
石はこちらを向き、急速な爆音とともに近づいてくる。
町のほむほむA「ホビャアアアアアアアアアッ!!!」ホギャクキダ!!!
ほ虐機。聞いたことがある。襲撃の時に使われるもので、訓練されたほ食種を詰め込んだ飛行兵器だ。
ほむまどをはじめとする被ほ食種を見つけると、奴らは輸送機から降下をはじめ、虐殺の限りを尽くす。
飛行兵器にはカメラが取り付けられており、ほ虐の一部始終は全国に配信される。
数少なくなったほむ種のほ虐を公平に多くの人間で楽しめるように考えられた兵器である。
テレビでしか知らなかった兵器がすぐそこに来ている!!
仔ほむは恐怖に喉がつまり、畑の中に倒れこんだ。
ほ虐機からはバラバラとほ食種が降下していて、遠くからほむほむたちの悲鳴が聞こえた。
めがほむ「ホマァ、カナメサアアアン!!」モウイッキ キテル!カクレテ!
ほむほむB「マドカァーーー!!ホムホムホマアアアア!!!」シロマド、シロイカラ メダッチャウ!!デテキチャダメ!
(白まど――あの若白まどだ。きっと彼女はほ食種に殺されちゃうんだ)
その時、第二陣が来た。仔ほむは動くことが出来なかった。
ほっぺたを畑の土に押し付け、目をつぶって、気配を押し殺す。
そこに若白まどが駆けよってきた。
若白まど「ホムラチャン、マドマド!!」ナニシテルノ!? イッショニ ニゲヨウ!ハヤク!!
若白まどは怒ったような怖い顔をしていて、咄嗟に仔ほむは思った。
――ああ、私は若白まどに殺される。私は死んじゃうんだ――
そして気がついたときには、自分の手を引いて駆け出そうとしていた若白まどの背中を突き飛ばしていた。
驚くほど軽い感触で、あっさりと若白まどは倒れこんだ。
若白まど「マドッ…!?」エッ…!?
仔ほむ「マドカ……ココジャナイッ!!」ダッテ…アンタトイタラ メダッチャウジャナイ!!
狂ったような声で叫ぶと、脇目もふらず一目散に物陰へと走った。
その時後列な衝撃と轟音が地べたを叩きつけて、仔ほむは自身の手で突き飛ばした若白まどが、
まみまみの遠距離射撃を受けて、まるでゴムまりのように弾んで空中に浮くのを見た。
若白まど「マギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
下半身を吹き飛ばされた若白まどが叫ぶ。
地面にたたきつけられても流石は頑丈なほむ種、若白まどは生きていた。
若白まど「マ…マド…ホムラ…チャ…」ズルズル
若白まどは仔ほむのほうに這いずってこようとしているようだった。
――こっちの居場所がバレちゃうじゃない!私を道連れにしたいの? 仔ほむの脳裏が怒りで真っ赤に染まった。
仔ほむ「ホミャアアアア!! オロカナノォオオオオッ!!!」ヤメテヨオオオオッ!! アンタナンカ シンジャエバイインダッ!!!
若白まど「マ…マ……」ガクッ
仔ほむの叫びを聞くと、若白まどは絶望した顔で、そのまま動かなくなった。
その後すぐ、事態に気づいた飼い主たちによって生き残っていたほむ種たちは保護された。
飼い主と再会したとき、若白まどが運ばれていくのを見た。幸いにして身体が食べられる前に保護できたのだ。
そして、彼女のその後を聞かずにこの前を去った。
数日後、ほむ種の大量な養殖が成功したという知らせが全国を駆け巡り、過激派による襲撃は収束した。
~~~~~~
葬列は進んでいく。記憶のなかの光景そのままに。
これはただの偶然なんだろうか? あの夏、飼いほむは仲間を殺した。
それも、助けに来てくれた若白まどを、わざわざ襲撃の下に突き飛ばした。
あの三週間のことは忘れようと思ってはいた。楽しかったことも含めて。
でも、あのただひとつの夏の季節が、未だに自分を縛り付けているような気がしていた。
葬列はこちらに向かってきていた。写真の顔は…白まどだ。飼いほむよりも幾分年上だろうか。
あの時若白まどが死んでいなかったら、ちょうどこれくらいの年重だろう。写真には面影がある。
飼いほむは写真を見つめた。叫びだしそうなくらいに胸が踊る。
自分は仲間を殺していなかったんだ! この一年白まどが生きていたんなら、その死の責任は少なくとも自分にはないはずだ!
彼女はあのあと助かったんだ! 自分も孫がいる年頃だ。
彼女はそれより年上、きっと老衰には早いとはいえ、病死かなにかであったに違いない。
飼い主も自分の飼いほむが仲良くしていた白まどだと思ったのだろうか、列に続く人に尋ねた。
飼い主「この白まど、下半身が不自由だったりしませんでした?」
町の人「いや、身体は全然丈夫だったさ」
じゃあ、あの白まどは治ったんだ!私は無罪なんだ!私は仲間を殺してなかった!
葬列は確実に、白まどが死んだということを意味していたが、飼いほむは大いに喜んでいた。
飼い主「それにしても、たかがほむ種に随分な葬列だなぁ…」
町の人「いや、ほんとうはほむ種の葬式じゃあないんだ」
飼い主「え?」
町の人「この町のある一家全員の葬式なんだ。おとといな、嫁さんが旦那も子供もみーんな殺しちまったんだ」
飼い主「なんだってそんなこと…」
町の人「嫁さんは他所から来た人だったんだがな。一年前の襲撃で、大層可愛がってた白まどが死んじまったらしいんだ。
それで可哀想なくらい落ち込んでたんだが、旦那が白まどの養殖をはじめてな。
新しく迎えた若い白まどを替りにして、目に入れても痛くないくらいに可愛がってたんだが…その白まども先週死んだ。
ところが今回のやつはただの愛玩用じゃなく、高級養殖用の種馬だったから、食い扶持もなくなったわけだ。
老衰ならその前に代わりを用意できたんだろうが、自殺だったらしいからなぁ」
飼い主「自殺!? ほむ種が?」
町の人「白まどともなればある程度の頭はあるからな。
大方、本当は自分には愛情が向いてないことをわかってたんだろう。
その上種馬扱いだろ? 自分の好きなほむほむと結ばれるわけじゃなく、強制的な子作りだ。辛かったんだろうよ。
それで、嫁さんはただでさえ不安定な人だったから、食い扶持もペットも失っていよいよ気違いになって、一昨日、遺書を残して家族みんなと無理心中よ。
殺した後に家に火を付けちまったから、残った写真は遺書と一緒に残されてた白まどの写真だけってわけさ」
飼い主「はあ、じゃあこれはその一家と白まどの葬式なわけですか」
町の人「そうなるな。じゃあ」
そう言うと町の人は葬列に続いて離れて行った。
飼い主は慰霊碑の方へと向かっていく。
忘れようと思っていたのに。
結局自分が殺したんだ。それで白まどのご主人様たちも死んじゃったんだ。
これでもう、自分はこのふたつの死を永遠に忘れることができなくなってしまった。もう逃げ場はないんだ。
絶望して震える私を見下ろしながら、ご主人さまは――満面の笑顔を浮かべた。
飼い主「…お前が殺したようなもんだな?俺は知ってたぞ。お前があの白まど突き飛ばしたこと」
飼いほむ「ホ」エ
飼い主「最後の襲撃映像だったからなー、ネット環境のあるとこに戻ってから速攻で見た。最ッ高だったわ」
飼いほむ「ホ…ホマァア…?」ゴシュジンサマ…?
飼い主「本当はお前も飼ってすぐほ虐しようとおもったんだが、折角過激派の襲撃とか始まったし、
思いっきり怖い思いして死んでもらおうと思ってさ。お前のカチューシャに小型カメラまで仕込んで、
仲間が次に襲撃するって言った町にわざわざ連れて行ったわけ。
お前が生きてるって知った時スゲーがっかりしたけどさぁ、仕込んだカメラ再生して興奮した。
しかもアップされた映像みたらそこにも写ってるし! お前動画サイトでかなり人気だったぞ」
飼いほむ「ホ…ホ…」
飼い主「まあここまで有名ほむになったら、俺の撮った動画も含めて
ドキュメンタリーでも作ればいい金になると思って、我慢して生かしておいたわけ。
慰霊碑できたって聞いたから、そこでお前の反応撮ったあとで俺の気持ちをネタばらしして
絶望させようと思ってたんだけど、期待以上の展開だな。本当にお前は最高だよ!」
飼いほむ「…ホ…ホアアアアアアアアアアアア!!ホア、ホビャアアアアアアアアッッ!!!!」ガリガリガリガリ!!!
飼い主「ははは、首掻きむしってやんの! 絶望した? もう死にたい?
でもまだ解放してやらねーぞ。…これ、なにかわかる?」
ご主人様だった男は、笑顔を崩さず携帯電話の液晶を見せつける。
そこに映されたのは…まどまどと子供たちだ! 水槽に入れられて隅で震えている。
男「この水槽にすこ~しずつ水が入っていってるんだ。このままだったら番も子供も溺れ死ぬ。
でも、お前が俺のいうことを聞いてちょっとした演技をしてくれれば、この水は止めてやろう」
飼いほむ「マ、マドカッ!!? ホムホムッホマァッ!」マドマド!!? オネガイ、ナンデモスルカラ ヤメテ!
男「じゃ、この慰霊碑の白まどに、私が殺してごめんなさいって言え」
飼いほむ「ホ、ホムホム…」ゴ、ゴメンナサイ…
男「は? 全然気持ちこもってねぇな。お前もしかして悪いと思ってない?
たかがほむほむの分際で、自分が助かるために上位種の白まど犠牲にしたこと、当然だとでも思ってんのか?」
飼いほむ「ホ、ホムホマアアアア!!!」ゴメンナサイイィイイイイ!!!
男「謝罪の基本は…土下座だろ!!」
男の笑顔が豹変する。般若のような顔になると、勢いよく飼いほむの頭を掴み、そのままの勢いで慰霊碑に叩きつけた。
そして何度も打ち付ける。最初は頭蓋骨と石が打ち合う硬質な音がしていたが、そのうち湿った音へと変化していく。
飼いほむ「ボッ!!ギャッ!!グベッ!!」
男「はぁ…もう慰霊碑が血で汚れてんじゃねーか。
これ自分の服で拭いて、こっちみて土下座しながら謝ったら許してやる」
飼いほむ「ホ…ホブァアア…」フキフキ
飼いほむ「ホビュッ…ホブホブ…」…ゴベンナザイ…
涙と血で顔中体中をぐちゃぐちゃに汚しながら、飼いほむは痛む顔を地面にこすりつける。
恐怖や痛みや、その他色々な感情・感覚が交じり合って大きな声を出すことが出来なかったが、
男は満足したように鼻を鳴らすと、飼いほむの頭を撫でた。
男「よし、水は止めてやる」ピッ
飼いまど『マドマド…』トマッタ…
仔まど『ミャロォオッ…』コワカッタヨォ…
仔ほむ『ミャロカァー…』ナカナイデ イモウト…
男「――だが助けてはやらん」
飼いほむ「ホバッ!?」エッ!?
飼いまど『マ、マドォ…!?』エッ…アツクナッテキタ…!?
仔まど『ホミュラチャー!』ヤダヨ オネエチャン!
仔ほむ『ホミャアアッ!!』ミズガ アツイヨ!
腰のあたりで水が止まった様子に安堵したのもつかの間。今度は液晶の中の家族が苦しみはじめた。
飼いほむ「ホバァ! ホブホバァァ!」ナンデ! ヤクソクトチガウ!
男「水を止めるとは言ったが、助けるとは一言も言ってない。
言ってなかったけど、あれ純水じゃなく酸が混ざってるんだよねー。ほむ種が溶けるやつ。
あっついだろうなー。あの白まどみたいに、下半身がぐっちゃぐちゃになっちゃうんだろうなー」
飼いまど『マギャアアアアアアッ!!コンナノッテナイヨオオオ!!』イタイィイイイイイッ!シニタクナイ!! ゲシッ
仔ほむ『ホビャッ!?』仔まど『マジョッ!?』
飼いほむ「マボガァッ!!?」マドマドッ!?
男「うわ、子供足蹴にして助かろうとしてる! 流石お前の番だな、よく似てるわ」
仔ほむ『ホビャァアアアアアアaaaaaa…』ブクブクブク…
仔まど『マリョォオオオooooo…』ブクブクブク…
飼いまど『マ、マドォオオオオオッ! ホムラチャアアアアッ!!』コドモタチガアアアア!! トケテルウウウウ!!!
飼いほむ「マボガァ!!マボガァアアアアアア!!」オネガイ!カゾクヲタスケテ!!
男「いや、もう遅いって、ほら」
仔ほむ『』
仔まど『』
飼いまど『アンマリダヨォオオオオoooo…』ブクブクブク…
飼いほむ「~~~~~~ッ」ポロポロ
男「あーあ、みんな溶けちゃった。
でもまあほむ種どころか人間まで巻き込んで家庭崩壊させたお前にはお似合いの末路だよな?」
飼いほむ「ホ…ホ…」
飼いほむ「ホヒャヒャヒャヒャヒャ!!ホヒャハー!!マロカァー!マリョカアー!マジョギャアアアアアaaaaa…」ゲラゲラゲラ…
男「壊れたか。いやぁでも面白いもんみせて貰ったわ。さあ帰って映像編集するかなー」
飼いほむはもう考えることをやめた。そして薄れゆく意識のなか、自分の身体が男に握りつぶされるのを感じた。
(おわり)