「巡り合う」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
巡り合う - (2024/03/04 (月) 09:14:53) のソース
テレサ 来なさい。 [[エミザ]] ここは……。 テレサ 安心して。ここは私が学園都市で見つけたセーフティハウスよ。学園都市の外れに位置していて、崩壊エネルギーの濃度も比較的低いの。 姫子 空間の歪曲がこんなに激しいエリアで、まったく迷わないなんて。 テレサ あなたたちと別れた後、あたくしはずっとこの学園都市でキアナと芽衣を監視していたの。だから、この数年でここにはすっかり詳しくなったわ。 ブローニャ ゼーレは!?ゼーレはどこですか!? テレサ ブローニャ……。 ブローニャ どいてください!ゼーレッ! テレサ ……。 姫子 どうして、ブローニャに会った時、すぐにゼーレのことを教えてあげなかったの?もしかして、ゼーレは……。 テレサ あたくし、どうしたらいいのか分からなくて……ゼーレはこのまま死ぬ運命よ。ブローニャに、ゼーレが死にゆく様を見せるより、真相を隠したままの方がいいと思って……。 あたくしが全力を尽くして致命的な攻撃は防いだわ。けど……それでもゼーレの身体は長くない。全身が崩壊に侵蝕されていて、おそらくは……。 [[エミザ]] くそっ……こんなことってあるかよ!ゼーレ! 姫子 [[エミザ]]!入ってはダメよ……ブローニャとゼーレをそっとしておいてあげなさい。 [[エミザ]] でもっ!! 姫子 テレサ、生き死にに関係なく、あの2人の子供にとって一番の結末は、お互いの傍にいることなの。 そう、これで十分……。 ……。 ……。 &image(FBD60B8F-C0E6-4903-802B-B16C32C1B1B2.png) ブローニャ ゼーレ……ようやく会えました。 ゼーレ……どうしたのですか……早く、その目を開けてください……。 ゼーレ……ブローニャにまたあなたの声を聞かせてください……。 いつもブローニャが帰って来た時、ブローニャの名前を呼んでくれたではないですか……どうして、今は何も言わないのですか……。 ゼーレ……ゼーレ……。 ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんな、さい……。 全てブローニャのせいです……全てブローニャが悪いんです! ブローニャが残るべきでした!ブローニャの決定のせいでゼーレはこんな風になってしまいました!本当に死ぬべきは、このブローニャのはずです! ゼーレ!お願いです……お願いですから目を開けて、もう一度その瞳にブローニャを映してください! ブローニャはゼーレに話したい事がたくさん、たくさんあるのです……。 ブローニャはもうゼーレのことをワガママだなんて言ったりしません……サボっても怒ったりしません……もちろん、ゼーレを一人ぼっちにもしたりしません! ゼーレが以前のように笑ってくれるなら、ブローニャは何だってします! お願いです……ゼーレ……お願いです……。 その声でまた、ブローニャのことを「ブローニャお姉ちゃん」と呼んでください……。 ……。 …………。 姫子 ブローニャ……。 ブローニャ ゼーレはどうして[[目覚め]]ないのですか……テレサ、ゼーレは一体どうしてしまったのですか! テレサ ブローニャ、ゼーレは……。 [[エミザ]] おいおいっ!お前ら、ここに医者がいることを忘れてないか!?医療の心得もない奴らが、適当なこと抜かすんじゃねえよ! どけっ!病人の周りでメソメソすんな!ゼーレの身体に障ったらどうする! ブローニャ [[エミザ]]……分かりました。 [[エミザ]] どれどれ……。 うーん、外傷による感染が少し、心拍と脈拍がやや弱く、それに熱があるな。 [[エミザ]] 安心しろ、大したことない。きっと強い衝撃を受けたせいで、長期的に気を失っているだけだ。何たって律者の攻撃なんだからな。むしろ、この程度で済んでラッキーだ! テレサ いえ、言ったでしょ……。 ブローニャ 本当ですか……それは本当ですか!? 姫子 ブローニャ、[[エミザ]]がそう言うならきっと大丈夫よ。私だって棺桶に片足を突っ込んだのに、[[エミザ]]のおかげで生きてられたんだから。信じてあげましょう。 テレサ 姫子……。 テレサ ええ、その子の言う通りよ……ゼーレは、きっと大丈夫。 ブローニャ ……。 そうなのですか……大丈夫なのですか……。 本当に……。 よかった、よかった……です……。 姫子 ブローニャ!? [[エミザ]] シッ!大丈夫、眠っただけだ。 きっとブローニャは、ここ数日寝てなかったんだと思う……ゼーレのためにあちこち律者を探し回ってたんだろう……。 テレサ ……あなたたち、そうやってブローニャを騙して本当にいいの?あなたたちの気持ちは分かるけど、彼女が真相を知った時、もっと深い絶望を与えることになるわよ。 [[エミザ]] 悪い……。でも、その時は私の口からブローニャに伝えるさ。少なくとも今は心を落ち着かせて、寝させてやらないと。 これが、今思いつく唯一の「治療方法」なんだ……。