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サブ任務:思い出の地 - (2024/03/04 (月) 09:16:49) のソース
[[エミザ]] ここだ。 小さな診療所だけど、必要な薬はそろってるはずだ……ただ何年も経ってるから期限切れになってるだろうがな。 ゴホッ、ゴホッ……足下に注意してくれ。転ばないようにな。 この場所、今になって見るとお化け屋敷みたいだな。役に立ちそうな物を取って、さっさと帰ろう。 ほらっ!ボサッと立ってないで、他に役に立つ物資がないか探してくれ! グルルッ……。 エミザ くっ……崩壊生物か……。 エミザ まさか、まだここに化け物が残っていたなんてな。 さっき、こいつらを完全におびき出せていなかったんだな……ミスったか。 ここで引き下がったら、これまでの苦労が全て水の泡だ……こういう室内にいるのはゾンビのような下等生物だろう。見つからなければ、それほど脅威にならないはずだ。 ただ多少の危険は覚悟しないとな……慎重に行動しよう……。 グル……フシューッ! エミザ シッ……ゾンビが近くにいる。 ……あいつらには視覚器官がない。音を立てなければ、向こうから攻撃してこないはずだ。 あんたは入り口で待機しててくれ。私は中に入って物資を取ってくる。いいか?本当にどうしようもない時以外、声は上げるなよ?何か異変があればジェスチャーで合図してくれ。 そー……っ。 エミザ ふぅ……どれどれ、包帯はこの引き出しの中にあるはずだ。それから、ガーゼと消毒用の綿……。 あっ、絆創膏もあるな。きっと役に立つはずだ……他に何か……。 グルルッ……! エミザ くっ!声が近づいてきてる……どういうことだ……いや、入口には九霄がいるんだ、大丈夫なはずだよな。 ……? おいおい……入口を見ずに私の方を見てダンスとは、どういうつもりだ……。 ん……背中がかゆい?……は?手が届かないのか? 何……私、の……背後? ……! ヴォオオオッ! エミザ ✕※△*〇※◆□ッ!? エミザ ふぅ!ふぅ!ふぅ!びっくりした! ゾンビが背後にいるなら、早く言えっつーの! ■選択肢 ① エミザが喋るなって言った。 ② エミザがジェスチャーで合図しろって言った。 エミザ 頭ん中、沸いてんのか!? ふぅ……1体しかいなかったからよかったものの、そうじゃなかったら危なかったな。 ……グ、グゴォ……。 エミザ おっと、まだ死んでなかったのか。本当にしぶといヤツだな。私がトドメを……。 グォオオオオオッ! エミザ っ!? こ、このゾンビ……。 ありえない……どうして……どうしてお兄ちゃんが……。 ヴァァアアアッ……! ▼選択肢分岐 ① ゾンビを倒してエミザを守る。 パァンッ!! エミザ お兄ちゃん!……九霄!あんたってヤツは!よくも、お兄ちゃんを!!! お兄ちゃんを……お兄ちゃん、を……。 ひぐっ……ごめん……あんたのせいじゃ、ないよな……。 あれはもうお兄ちゃんじゃない……ただの崩壊に感染したゾンビだ……人間ですらない、もう死んでんだ……。 ハァ、ハァ……!くそっ!こんな、こんなの……!ひぐっ、チクショウッ! ② エミザを押しのけて、ゾンビの攻撃を防ぐ。 エミザ ッ!! グ……グォオオオッ!! エミザ 九霄ッ! 九霄を放せ!頼む、放してくれ!お兄ちゃん! あ、ああっ……違う……あれはお兄ちゃんじゃない……お兄ちゃんは死んだんだ……あれはただの崩壊に感染したゾンビなんだ……。 ハァ、ハァ……!くそっ!こんな、こんなの……!ひぐっ、チクショウッ! あ、あっ……あぁああああぁああああぁ!!!! パァン、パァン、パァンッ! ▲分岐終わり エミザ ……。 ごめん。もう大丈夫だ。さっきは助けてくれてありがとう。 もう気付いてるよな、さっきのゾンビは私のお兄ちゃんなんだ……まさか、ゾンビになってたなんてな……本当にしつこいヤツなんだから。一体どんだけこの診療所が好きなんだよ。死んでもここを彷徨ってるなんて……。 ああ……ここは私が暮らしていた場所なんだ。学園都市の中の診療所であり、私の家でもあった。 &image(A7C944E1-99D4-438F-97FA-6E58B46486F4.png) この診療所はお兄ちゃんが開いたんだ。お兄ちゃんの夢は医者になって皆を治すことだった。 診療所を開いたばかりの時は、お兄ちゃんのゴツイ見た目と大雑把な性格のせいで、患者はほとんど来なかった。いつもヤブ医者の診療所だって言われてたんだよ。あの時は誤解を解くのが大変だったな……。 診療所の収入は微々たるものだったけれど、お兄ちゃんは私を養いながら、目標のために頑張ってた。いつも楽観的な態度で、あらゆることに向き合ってた。だから、私もお兄ちゃんみたいな人になろうって決意したんだ。 あの時の自分は本当に単純だったよ。このまま平凡な生活が続いて、大きくなったらお兄ちゃんと一緒にこの診療所を切り盛りして、年老いて死んでくんだと思ってた。まさか、たった数年でこんな風になるなんてな……。 はぁ……こんなくだらない話に付き合ってくれて、ありがとな。今となってはもう過去のことだ……。 この写真も特に意味はなくなっちったな。律者の手によって殺されたら、誰も私たちを覚えてないんだろうし。 お兄ちゃん……さっきは身体に大きな穴を開けてごめん。でも、お兄ちゃんのバカが私たちを殺そうとしたのがいけないんだ。だから、おあいこってことにしてくれ。 この写真は記念に残してあげる。お兄ちゃんが天国に行ったら、私たちが無事に長空市に帰れるよう空の上から見守っててくれ。 じゃあ……さようなら、お兄ちゃん。